次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果 又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律
第二章 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の没収等
刑法(明治四十年法律第四十五号)第九十六条(封印等破棄)の罪
五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金 又はこれらの併科
刑法第九十六条の二(強制執行妨害目的財産損壊等)の罪
五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金 又はこれらの併科
刑法第九十六条の三(強制執行行為妨害等)の罪
五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金 又はこれらの併科
刑法第九十六条の四(強制執行関係売却妨害)の罪
五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金 又はこれらの併科
刑法第百八十六条第一項(常習賭博)の罪
五年以下の懲役
刑法第百八十六条第二項(賭博場開張等図利)の罪
三月以上七年以下の懲役
刑法第百九十九条(殺人)の罪
死刑 又は無期 若しくは六年以上の懲役
刑法第二百二十条(逮捕及び監禁)の罪
三月以上十年以下の懲役
刑法第二百二十三条第一項 又は第二項(強要)の罪
五年以下の懲役
刑法第二百二十五条の二(身の代金目的略取等)の罪
無期 又は五年以上の懲役
刑法第二百三十三条(信用毀損 及び業務妨害)の罪
五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金
刑法第二百三十四条(威力業務妨害)の罪
五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金
刑法第二百四十六条(詐欺)の罪
一年以上の有期懲役
刑法第二百四十九条(恐喝)の罪
一年以上の有期懲役
刑法第二百六十条前段(建造物等損壊)の罪
七年以下の懲役
団体に不正権益(団体の威力に基づく一定の地域 又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪 その他の不正な行為により当該団体 又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項 及び第六条の二第二項において同じ。)を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で、前項各号(第五号、第六号 及び第十三号を除く。)に掲げる罪を犯した者も、同項と同様とする。
前条第一項第七号、第九号、第十号(刑法第二百二十五条の二第一項に係る部分に限る。)、第十三号 及び第十四号に掲げる罪に係る前条の罪の未遂は、罰する。
第三条第一項第十号に掲げる罪に係る同条の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。
次の各号に掲げる罪で、これに当たる行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものを犯す目的で、その予備をした者は、当該各号に定める刑に処する。
ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
刑法第百九十九条(殺人)の罪
五年以下の懲役
刑法第二百二十五条(営利目的等略取及び誘拐)の罪(営利の目的によるものに限る。)
二年以下の懲役
第三条第二項に規定する目的で、前項各号に掲げる罪の予備をした者も、同項と同様とする。
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団 その他の組織的犯罪集団(団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金 又は物品の手配、関係場所の下見 その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。
ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
別表第四に掲げる罪のうち、死刑 又は無期 若しくは長期十年を超える懲役 若しくは禁錮の刑が定められているもの
五年以下の懲役 又は禁錮
別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役 又は禁錮の刑が定められているもの
二年以下の懲役 又は禁錮
前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団 その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団 その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金 又は物品の手配、関係場所の下見 その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、同項と同様とする。
別表第四に掲げる罪のうち告訴がなければ公訴を提起することができないものに係る前二項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第一項 及び第二項の罪に係る事件についての刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第百九十八条第一項の規定による取調べ その他の捜査を行うに当たっては、その適正の確保に十分に配慮しなければならない。
禁錮以上の刑が定められている罪に当たる行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合において、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める刑に処する。
その罪を犯した者を蔵匿し、又は隠避させた者
五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金
その罪に係る他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造 若しくは変造の証拠を使用した者
五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金
その罪に係る自己 若しくは他人の刑事事件の捜査 若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者 又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者
五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金
その罪に係る被告事件に関し、当該被告事件の審判に係る職務を行う裁判員 若しくは補充裁判員 若しくはこれらの職にあった者 又はその親族に対し、面会、文書の送付、電話をかけること その他のいかなる方法をもってするかを問わず、威迫の行為をした者
三年以下の懲役 又は二十万円以下の罰金
その罪に係る被告事件に関し、当該被告事件の審判に係る職務を行う裁判員 若しくは補充裁判員の選任のために選定された裁判員候補者 若しくは当該裁判員 若しくは補充裁判員の職務を行うべき選任予定裁判員 又はその親族に対し、面会、文書の送付、電話をかけること その他のいかなる方法をもってするかを問わず、威迫の行為をした者
三年以下の懲役 又は二十万円以下の罰金
禁錮以上の刑が定められている罪が第三条第二項に規定する目的で犯された場合において、前項各号のいずれかに該当する者も、同項と同様とする。
次に掲げる罪に係る自己 又は他人の刑事事件に関し、証言をしないこと、若しくは虚偽の証言をすること、又は証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造すること、若しくは偽造 若しくは変造の証拠を使用することの報酬として、金銭 その他の利益を供与し、又はその申込み 若しくは約束をした者は、二年以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。
死刑 又は無期 若しくは長期四年以上の懲役 若しくは禁錮の刑が定められている罪(次号に掲げる罪を除く。)
別表第一に掲げる罪
前項各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われた場合、又は同項各号に掲げる罪が第三条第二項に規定する目的で犯された場合において、前項の罪を犯した者は、五年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
団体の構成員が罪(これに当たる行為が、当該団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われたもの、又は第三条第二項に規定する目的で行われたものに限る。)を犯した場合、又は当該罪を犯す目的でその予備罪(これに当たる行為が、当該団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われたもの、及び同項に規定する目的で行われたものを除く。)を犯した場合において、当該犯罪行為を組成し、又は当該犯罪行為の用に供し、若しくは供しようとした物が、当該団体に属し、かつ、当該構成員が管理するものであるときは、刑法第十九条第二項本文の規定にかかわらず、その物が当該団体 及び犯人以外の者に属しない場合に限り、これを没収することができる。
ただし、当該団体において、当該物が当該犯罪行為を組成し、又は当該犯罪行為の用に供され、若しくは供されようとすることの防止に必要な措置を講じていたときは、この限りでない。
第二条第二項第一号 若しくは第三号の犯罪収益 若しくは薬物犯罪収益(麻薬特例法第二条第二項各号に掲げる罪の犯罪行為により得た財産 又は当該犯罪行為の報酬として得た財産に限る。第十三条第一項第三号 及び同条第四項において同じ。)、これらの保有 若しくは処分に基づき得た財産 又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産(以下「不法収益等」という。)を用いることにより、法人等(法人 又は法人でない社団 若しくは財団をいう。以下この条において同じ。)の株主等(株主 若しくは社員 又は発起人 その他の法人等の設立者をいう。以下同じ。)の地位を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等 又はその子法人の事業経営を支配する目的で、その株主等の権限 又は当該権限に基づく影響力を行使し、又は当該第三者に行使させて、次の各号のいずれかに該当する行為をしたときは、十年以下の懲役 若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
当該法人等 又はその子法人の役員等(取締役、執行役、理事、管理人 その他いかなる名称を有するものであるかを問わず、法人等の経営を行う役職にある者をいう。以下この条において同じ。)を選任し、若しくは選任させ、解任し、若しくは解任させ、又は辞任させること。
当該法人等 又はその子法人を代表すべき役員等の地位を変更させること(前号に該当するものを除く。)。
不法収益等を用いることにより、法人等に対する債権を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等 又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得 又は行使に関し、次の各号のいずれかに該当する行為をしたときも、前項と同様とする。
不法収益等を用いることにより、法人等に対する債権を取得しようとし、又は第三者に取得させようとする者が、当該法人等 又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得 又は行使に関し、これらの各号のいずれかに該当する行為をした場合において、当該債権を取得し、又は第三者に取得させたときも、同様とする。
当該法人等 又はその子法人の役員等を選任させ、若しくは解任させ、又は辞任させること。
当該法人等 又はその子法人を代表すべき役員等の地位を変更させること(前号に該当するものを除く。)。
不法収益等を用いることにより、法人等の株主等に対する債権を取得し、又は第三者に取得させた者が、当該法人等 又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得 又は行使に関し、当該株主等にその権限 又は当該権限に基づく影響力を行使させて、前項各号のいずれかに該当する行為をしたときも、第一項と同様とする。
不法収益等を用いることにより、法人等の株主等に対する債権を取得しようとし、又は第三者に取得させようとする者が、当該法人等 又はその子法人の事業経営を支配する目的で、当該債権の取得 又は行使に関し、当該株主等にその権限 又は当該権限に基づく影響力を行使させて、これらの各号のいずれかに該当する行為をした場合において、当該債権を取得し、又は第三者に取得させたときも、同様とする。
この条において「子法人」とは、一の法人等が株主等の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項において同じ。)の総数の百分の五十を超える数の議決権を保有する法人をいい、一の法人等 及びその子法人 又は一の法人等の子法人が株主等の議決権の総数の百分の五十を超える数の議決権を保有する法人は、当該法人等の子法人とみなす。
犯罪収益等(公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律第三条第一項 若しくは第二項前段、第四条第一項 又は第五条第一項の罪の未遂罪の犯罪行為(日本国外でした行為であって、当該行為が日本国内において行われたとしたならばこれらの罪に当たり、かつ、当該行為地の法令により罪に当たるものを含む。以下この項において同じ。)により提供しようとした財産を除く。以下この項 及び次条において同じ。)の取得 若しくは処分につき事実を仮装し、又は犯罪収益等を隠匿した者は、十年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
犯罪収益(同法第三条第一項 若しくは第二項前段、第四条第一項 又は第五条第一項の罪の未遂罪の犯罪行為により提供しようとした財産を除く。)の発生の原因につき事実を仮装した者も、同様とする。
前項の罪の未遂は、罰する。
第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。
情を知って、犯罪収益等を収受した者は、七年以下の懲役 若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
ただし、法令上の義務の履行として提供されたものを収受した者 又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が犯罪収益等によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した者は、この限りでない。
第三条第一項第九号、第十一号、第十二号 及び第十五号に掲げる罪に係る同条の罪、第六条第一項第一号に掲げる罪に係る同条の罪 並びに第六条の二第一項 及び第二項の罪は刑法第四条の二の例に、第九条第一項から第三項まで 及び前二条の罪は同法第三条の例に従う。
犯罪収益(第六号に掲げる財産に該当するものを除く。)
犯罪収益に由来する財産(第六号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有 又は処分に基づき得たものを除く。)
第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式 又は持分であって、不法収益等(薬物犯罪収益、その保有 若しくは処分に基づき得た財産 又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産であるもの(第四項において「薬物不法収益等」という。)を除く。以下この項において同じ。)を用いることにより取得されたもの
第九条第二項 又は第三項の罪に係る債権であって、不法収益等を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは、当該不法収益等)
第十条 又は第十一条の罪に係る犯罪収益等
不法収益等を用いた第九条第一項から第三項までの犯罪行為 又は第十条 若しくは第十一条の犯罪行為により生じ、若しくはこれらの犯罪行為により得た財産 又はこれらの犯罪行為の報酬として得た財産
第三号から前号までの財産の果実として得た財産、これらの各号の財産の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産 その他これらの各号の財産の保有 又は処分に基づき得た財産
前項各号に掲げる財産が犯罪被害財産(次に掲げる罪の犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産 又は当該財産の保有 若しくは処分に基づき得た財産をいう。以下同じ。)であるときは、これを没収することができない。
同項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合において、当該部分についても、同様とする。
刑法第二百二十五条の二第二項の罪に係る第三条(組織的な拐取者身の代金取得等)の罪
刑法第二百二十五条の二第二項(拐取者身の代金取得等)又は第二百二十七条第四項後段(収受者身の代金取得等)の罪
出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)第五条第一項後段(高金利の受領)、第二項後段(業として行う高金利の受領) 若しくは第三項後段(業として行う著しい高金利の受領)、第五条の二第一項後段(高保証料の受領) 若しくは第五条の三第一項後段(保証料がある場合の高金利の受領)、第二項後段(保証があり、かつ、変動利率による利息の定めがある場合の高金利の受領) 若しくは第三項後段(根保証がある場合の高金利の受領)の罪、同法第五条第一項後段 若しくは第二項後段、第五条の二第一項後段若しくは第五条の三第一項後段、第二項後段若しくは第三項後段の違反行為に係る同法第八条第一項(高金利の受領等の脱法行為)の罪、同法第五条第三項後段の違反行為に係る同法第八条第二項(業として行う著しい高金利の受領の脱法行為)の罪又は同法第一条 若しくは第二条第一項の違反行為に係る同法第八条第三項(元本を保証して行う出資金の受入れ等)の罪
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二十九条(不正の手段による補助金等の受交付等)の罪
航空機工業振興法(昭和三十三年法律第百五十号) 第二十九条(不正の手段による交付金等の受交付等)の罪
人質による強要行為等の処罰に関する法律(昭和五十三年法律第四十八号)第一条から第四条まで(人質による強要等、加重人質強要、人質殺害)の罪
金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号) 第五百四十九条(詐欺更生)の罪
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号) 第二百五十五条(詐欺再生)の罪
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号) 第二百六十六条(詐欺更生)の罪
破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条(詐欺破産)の罪
海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成二十一年法律第五十五号)第二条第四号に係る海賊行為に係る同法第三条第一項(人質強要に係る海賊行為)又は第四条(人質強要に係る海賊行為致死傷)の罪
前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに 該当するときは、犯罪被害財産(第一項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合における当該部分を含む。以下この項において同じ。)を没収することができる。
前項各号に掲げる罪の犯罪行為が、団体の活動として、当該犯罪行為を実行するための組織により行われたもの、又は第三条第二項に規定する目的で行われたものであるとき、その他犯罪の性質に照らし、前項各号に掲げる罪の犯罪行為により受けた被害の回復に関し、犯人に対する損害賠償請求権 その他の請求権の行使が困難であると認められるとき。
当該犯罪被害財産について、その取得 若しくは処分 若しくは発生の原因につき事実を仮装し、又は当該犯罪被害財産を隠匿する行為が行われたとき。
当該犯罪被害財産について、情を知って、これを収受する行為が行われたとき。
次に掲げる財産は、これを没収する。
ただし、第九条第一項から第三項までの罪が薬物犯罪収益 又はその保有 若しくは処分に基づき得た財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において、これらの罪につき次に掲げる財産の全部を没収することが相当でないと認められるときは、その一部を没収することができる。
第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式 又は持分であって、薬物不法収益等を用いることにより取得されたもの
第九条第二項 又は第三項の罪に係る債権であって、薬物不法収益等を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた薬物不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは、当該薬物不法収益等)
薬物不法収益等を用いた第九条第一項から第三項までの犯罪行為により得た財産 又は当該犯罪行為の報酬として得た財産
前三号の財産の果実として得た財産、前三号の財産の対価として得た財産、これらの財産の対価として得た財産 その他前三号の財産の保有 又は処分に基づき得た財産
前項の規定により没収すべき財産について、当該財産の性質、その使用の状況、当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無 その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは、同項の規定にかかわらず、これを没収しないことができる。
前条第一項各号 又は第四項各号に掲げる財産(以下「不法財産」という。)が不法財産以外の財産と混和した場合において、当該不法財産を没収すべきときは、当該混和により生じた財産(次条第一項において「混和財産」という。)のうち当該不法財産(当該混和に係る部分に限る。)の額 又は数量に相当する部分を没収することができる。
第十三条の規定による没収は、不法財産 又は混和財産が犯人以外の者に帰属しない場合に限る。
ただし、犯人以外の者が、犯罪の後情を知って当該不法財産 又は混和財産を取得した場合(法令上の義務の履行として提供されたものを収受した場合 又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が不法財産 若しくは混和財産によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した場合を除く。)は、当該不法財産 又は混和財産が犯人以外の者に帰属する場合であっても、これを没収することができる。
地上権、抵当権 その他の権利がその上に存在する財産を第十三条の規定により没収する場合において、犯人以外の者が犯罪の前に当該権利を取得したとき、又は犯人以外の者が犯罪の後情を知らないで当該権利を取得したときは、これを存続させるものとする。
第十三条第一項各号に掲げる財産を没収することができないとき、又は当該財産の性質、その使用の状況、当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無 その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは、その価額を犯人から追徴することができる。
ただし、当該財産が犯罪被害財産であるときは、この限りでない。
前項ただし書の規定にかかわらず、第十三条第三項各号のいずれかに該当するときは、その犯罪被害財産の価額を犯人から追徴することができる。
第十三条第四項の規定により没収すべき財産を没収することができないとき、又は同条第五項の規定によりこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。
法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関して第九条第一項から第三項まで、第十条 又は第十一条の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。