資産の流動化に関する法律

# 平成十年法律第百五号 #
略称 : 資産流動化法 

第二節 設立

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時49分


1項

特定目的会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

2項
特定目的会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 号
目的
二 号
商号
三 号
本店の所在地
四 号

特定資本金の額(この法律に別段の定めがある場合を除き、特定出資の発行に際して特定社員となる者が特定目的会社に対して払込み 又は給付をした財産の額をいう。以下同じ。

五 号
発起人の氏名 又は名称 及び住所
六 号
存続期間 又は解散の事由
3項

特定目的会社を設立する場合には、次に掲げる事項は、第一項の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。

一 号

金銭以外の財産の出資をする者の氏名 又は名称、当該財産 及びその価額 並びにその者に対して割り当てる設立時発行特定出資(特定目的会社の設立に際して発行する特定出資をいう。以下この節において同じ。)の口数

二 号

資産流動化計画に従って譲り受ける特定資産以外の財産で特定目的会社の成立後に譲り受けることを約したもの及びその価額 並びにその譲渡人の氏名 又は名称

三 号
特定目的会社の成立により発起人が受ける報酬 その他の特別の利益 及びその発起人の氏名 又は名称
四 号

特定目的会社の負担する設立に関する費用(定款の認証の手数料 その他特定目的会社に損害を与えるおそれがないものとして内閣府令で定めるものを除く

4項

第二項各号 及び前項各号に掲げる事項のほか、特定目的会社の定款には、この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項 及びその他の事項でこの法律の規定に違反しないものを記載し、又は記録することができる。

5項

定款は、電磁的記録をもって作成することができる。


この場合において、当該電磁的記録に記録された情報については、内閣府令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。

6項

会社法第三十条定款の認証)及び第三十一条第三項除く)(定款の備置き及び閲覧等)の規定は、特定目的会社の定款について準用する。


この場合において、

同法第三十条第二項
第三十三条第七項 若しくは第九項 又は第三十七条第一項 若しくは第二項」とあるのは
資産の流動化に関する法律以下「資産流動化法」という。第十八条第二項において準用する第三十三条第七項 又は第九項」と、

同法第三十一条第二項
株主」とあるのは
「社員(資産流動化法第二十六条に規定する社員をいう。)」と

読み替えるものとする。

1項

発起人は、特定目的会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。

一 号
発起人が割当てを受ける設立時発行特定出資の口数
二 号

前号の設立時発行特定出資と引換えに払い込む金銭の額

2項
発起人は、設立時発行特定出資の全部を引き受けなければならない。
3項

各発起人は、特定目的会社の設立に際し、設立時発行特定出資を一口以上引き受けなければならない。

1項

発起人は、定款に第十六条第三項各号に掲げる事項についての記載 又は記録があるときは、同条第六項において準用する会社法第三十条第一項の公証人の認証の後遅滞なく、当該事項を調査させるため、裁判所に対し、検査役の選任の申立てをしなければならない。

2項

会社法第三十三条第二項から第十一項まで第十項第二号除く)(定款の記載 又は記録事項に関する検査役の選任)、第八百六十八条第一項非訟事件の管轄)、第八百七十条第一項第一号 及び第三号に係る部分に限る)(陳述の聴取)、第八百七十一条理由の付記)、第八百七十二条第四号に係る部分に限る)(即時抗告)、第八百七十四条第一号に係る部分に限る)(不服申立ての制限)、第八百七十五条非訟事件手続法の規定の適用除外)及び第八百七十六条最高裁判所規則)の規定は、前項の場合について準用する。


この場合において、

同法第三十三条第七項 及び第八項
第二十八条各号」とあるのは
資産流動化法第十六条第三項各号」と、

同項
設立時発行株式」とあるのは
「設立時発行特定出資」と、

同条第十項
前各項」とあるのは
資産流動化法第十八条第一項 及び同条第二項において準用する第三十三条第二項から第九項まで」と、

同項第一号
第二十八条第一号 及び第二号」とあるのは
資産流動化法第十六条第三項第一号 及び第二号」と、

同項第三号
第二十八条第一号 又は第二号」とあるのは
資産流動化法第十六条第三項第一号 又は第二号」と、

同条第十一項第二号
第二十八条第二号」とあるのは
資産流動化法第十六条第三項第二号」と、

同項第三号
第三十八条第一項」とあるのは
資産流動化法第二十一条第一項」と、

同条第三項第二号」とあるのは
同項」と

読み替えるものとする。

1項

発起人は、設立時発行特定出資の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行特定出資につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。


ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録 その他権利の設定 又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、特定目的会社の成立後にすることを妨げない。

2項

前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行、信託会社 その他これに準ずるものとして内閣府令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

1項

発起人は、前条第一項の規定による払込み 又は給付(以下この節において「出資の履行」という。)をすることにより設立時発行特定出資の特定社員となる権利を譲渡してはならない。

1項

発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(特定目的会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)及び設立時監査役(特定目的会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。

2項

次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。

一 号

設立しようとする特定目的会社が会計参与設置会社である場合

設立時会計参与(特定目的会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。

二 号

設立しようとする特定目的会社が会計監査人設置会社(会計監査人を置く特定目的会社 又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない特定目的会社をいう。以下同じ。)である場合 設立時会計監査人(特定目的会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。

3項

会社法第三十八条第四項 及び第三十九条第四項設立時役員等の選任)、第四十条第一項 及び第二項本文(設立時役員等の選任の方法)、第四十二条設立時役員等の解任)並びに第四十三条第一項 及び第二項本文(設立時役員等の解任の方法)の規定は、特定目的会社の設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役 又は設立時会計監査人について準用する。


この場合において、

同法第三十九条第四項
第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項 若しくは第三項 又は第三百三十七条第一項 若しくは第三項」とあるのは
資産流動化法第七十条第一項資産流動化法第七十二条第二項において準用する場合を含む。)、資産流動化法第七十一条第一項同条第二項において準用する第三百三十三条第三項 又は資産流動化法第七十三条第一項 若しくは第三項」と、

同法第四十条第二項本文 及び第四十三条第二項本文中
設立時発行株式一株」とあるのは
「設立時発行特定出資一口」と

読み替えるものとする。

4項

会社法第四十六条第一項 及び第二項設立時取締役等による調査)の規定は、特定目的会社の設立時取締役 及び設立時監査役について準用する。


この場合において、

同条第一項第一号
第三十三条第十項第一号 又は第二号」とあるのは
資産流動化法第十八条第二項において準用する第三十三条第十項第一号」と、

現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)」とあるのは
「現物出資財産等」と、

同項第二号
第三十三条第十項第三号」とあるのは
資産流動化法第十八条第二項において準用する第三十三条第十項第三号」と

読み替えるものとする。

1項

特定目的会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。

一 号

前条第四項において準用する会社法第四十六条第一項の規定による調査が終了した日

二 号
発起人が定めた日
2項

前項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。

一 号
目的
二 号
商号
三 号
本店 及び支店の所在場所
四 号
特定目的会社の存続期間 又は解散の事由
五 号
特定資本金の額
六 号
発行した特定出資の総口数
七 号

特定社員名簿管理人(特定目的会社に代わって特定社員名簿の作成 及び備置きその他の特定社員名簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を置いたときは、その氏名 又は名称 及び住所 並びに営業所

七の二 号

第六十五条第三項において準用する会社法第三百二十五条の二の規定による電子提供措置(同条に規定する電子提供措置をいう。第三百十六条第一項第十七号の二において同じ。)をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め

八 号
取締役 及び監査役の氏名 及び住所
九 号

取締役のうち特定目的会社を代表しない者があるときは、代表取締役(特定目的会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)の氏名

十 号

特定目的会社が会計参与設置会社であるときは、その旨 並びに会計参与の氏名 又は名称 及び第八十六条第二項において準用する会社法第三百七十八条第一項の場所

十一 号
特定目的会社が会計監査人設置会社であるときは、その旨 及び会計監査人の氏名 又は名称
十二 号

第七十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名 又は名称

十三 号

第百四条第七項に規定する措置をとることとするときは、同条第五項に規定する貸借対照表 及び損益計算書の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって内閣府令で定めるもの

十四 号

第百九十四条第一項の規定による公告方法(特定目的会社が公告(この編 又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く)をする方法をいう。以下この編において同じ。)についての定款の定めがあるときは、その定め

十五 号

前号の定款の定めが電子公告(第百九十四条第一項第三号に規定する電子公告をいう。において同じ。)を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって会社法第九百十一条第三項第二十八号イに規定するもの

第百九十四条第二項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め

十六 号

第十四号の定款の定めがないときは、第百九十四条第三項の規定により同条第一項第一号に掲げる方法を公告方法とする旨

3項

会社法第九百十五条第一項 及び第二項変更の登記)、第九百十六条第一号に係る部分に限る)(他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記)、第九百十七条第一号に係る部分に限る)(職務執行停止の仮処分等の登記)並びに第九百十八条支配人の登記)の規定は、特定目的会社の本店の所在地における登記について準用する。


この場合において、

同法第九百十五条第一項
第九百十一条第三項各号 又は前三条各号」とあるのは
資産流動化法第二十二条第二項各号」と、

同条第二項
第百九十九条第一項第四号」とあるのは
資産流動化法第三十六条第一項第四号」と、

株式」とあるのは
「特定出資」と、

同法第九百十六条第一号
第九百十一条第三項各号」とあるのは
資産流動化法第二十二条第二項各号」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項
特定目的会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
1項

特定目的会社の成立の時に設立時発行特定出資のうち引受けのない部分があるときは、当該特定目的会社の発起人 及び設立時取締役は、共同して、当該部分について引き受けたものとみなす。


特定目的会社の成立後に特定出資の引受人の設立時発行特定出資の引受けに係る意思表示が取り消されたときも、同様とする。

2項

特定目的会社の成立の時に設立時特定出資のうち出資の履行がされていないものがあるときは、当該特定目的会社の発起人 及び設立時取締役は、連帯して、当該払込みがされていない額 又は当該給付がされていない金銭以外の財産の価額を支払う義務を負う。

3項

会社法第六十四条払込金の保管証明)の規定は、第十九条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等について準用する。


この場合において、

同法第六十四条第一項
第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人」とあるのは
「発起人」と、

同条第二項
株式会社」とあるのは
「特定目的会社」と

読み替えるものとする。

1項

会社法第五十条株式の引受人の権利)の規定は特定目的会社の設立時発行特定出資の引受人の権利について、同法第五十一条引受けの無効 又は取消しの制限)の規定は設立時発行特定出資の引受けの無効 又は取消しについて、それぞれ準用する。


この場合において、

同法第五十条
株主」とあるのは、
「特定社員」と

読み替えるものとする。

2項

会社法第二編第一章第八節第五十二条の二除く)(発起人等の責任等)の規定は、特定目的会社について準用する。


この場合において、

同法第五十二条第二項
第二十八条第一号」とあるのは
資産流動化法第十六条第三項第一号」と、

第三十三条第二項」とあるのは
資産流動化法第十八条第二項において準用する第三十三条第二項」と、

同条第三項
第三十三条第十項第三号」とあるのは
資産流動化法第十八条第二項において準用する第三十三条第十項第三号」と、

同法第五十五条
総株主」とあるのは
「総社員」と

読み替えるものとする。

3項

会社法第八百二十八条第一項第一号に係る部分に限る)及び第二項第一号に係る部分に限る)(会社の組織に関する行為の無効の訴え)、第八百三十四条第一号に係る部分に限る)(被告)、第八百三十五条第一項訴えの管轄 及び移送)、第八百三十六条第一項 及び第三項担保提供命令)、第八百三十七条から第八百三十九条まで弁論等の必要的併合、認容判決の効力が及ぶ者の範囲、無効 又は取消しの判決の効力)、第八百四十六条原告が敗訴した場合の損害賠償責任)並びに第九百三十七条第一項第一号イに係る部分に限る)(裁判による登記の嘱託)の規定は、特定目的会社の設立の無効の訴えについて準用する。


この場合において、

同法第八百二十八条第二項第一号
株主等(株主、取締役 又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役 又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役 又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは
「社員、取締役、監査役 又は清算人」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

4項

第九十七条第三項 及び会社法第七編第二章第二節第八百四十七条第二項第八百四十七条の二第八百四十七条の三第八百四十九条第二項第三項 及び第六項から第十一項まで第八百四十九条の二第八百五十一条 並びに第八百五十三条第一項第二号 及び第三号除く)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は、発起人、設立時取締役 又は設立時監査役の責任を追及する訴えについて準用する。


この場合において、

同法第八百四十七条第一項
六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは
「特定社員 又は六箇月これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間から引き続き優先出資を有する優先出資社員(資産流動化法第二十六条に規定する優先出資社員をいう。)」と、

同条第三項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第四項
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十七条の四第二項
株主等(株主、適格旧株主 又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

当該株主等」とあるのは
「当該特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百四十九条第一項
株主等」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と、

同条第四項
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同条第五項
株主」とあるのは
「特定社員 及び優先出資社員」と、

同法第八百五十条第三項 及び第八百五十二条
株主等」とあるのは
「特定社員 又は優先出資社員」と、

同法第八百五十三条第一項第一号
株主」とあるのは
「特定社員 若しくは優先出資社員」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。