サリン等による人身被害の防止に関する法律

平成七年法律第七十八号
略称 : サリン防止法 
分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 平成二十九年八月十日
@ 最終更新 : 平成二十九年六月二十一日公布(平成二十九年法律第六十七号)改正
最終編集日 : 2023年 02月13日 19時55分

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1項

この法律は、サリン等の製造、所持等を禁止するとともに、これを発散させる行為についての罰則 及び その発散による被害が発生した場合の措置等を定め、もってサリン等による人の生命 及び身体の被害の防止 並びに公共の安全の確保を図ることを目的とする。

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1項

この法律において「サリン等」とは、サリン(メチルホスホノフルオリド酸イソプロピルをいう。以下同じ。)及び次の各号いずれにも該当する物質で政令で定めるものをいう。

一 号

サリン以上の又はサリンに準ずる強い毒性を有すること。

二 号

その原材料、製法、発散させる方法、発散したときの性状 その他 その物質の特性を勘案して人を殺傷する目的に供されるおそれ 並びに発散した場合の人の生命 及び身体に対する危害の程度が大きいと認められること。

三 号

犯罪に係る社会状況 その他の事情を勘案して人の生命 及び身体の保護 並びに公共の安全の確保を図るためにその物質についてこの法律の規定により規制等を行う必要性が高いと認められること。

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1項

何人も、次の各号いずれかに該当する場合を除いては、サリン等を製造し、輸入し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けてはならない。

一 号

国 又は地方公共団体の職員で政令で定めるものが試験 又は研究のため製造し、輸入し、所持し、譲り渡し、又は譲り受けるとき。

二 号

化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律平成七年法律第六十五号。以下「化学兵器禁止法」という。)又は外国為替及び外国貿易法昭和二十四年法律第二百二十八号)の規定により化学兵器禁止法第二条第三項に規定する特定物質の製造、所持、譲渡し若しくは譲受け 又は輸入をすることができる場合に該当して、製造し、所持し、譲り渡し、若しくは譲り受け、又は輸入するとき。

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1項

警察官、海上保安官 又は消防吏員(以下「警察官等」という。)は、サリン等 又はサリン等である疑いがある物質の発散により人の生命 又は身体の被害が生じており、又は生じるおそれがあると認めるときは、警察法昭和二十九年法律第百六十二号)、警察官職務執行法昭和二十三年法律第百三十六号)、道路交通法昭和三十五年法律第百五号)、海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)、消防法昭和二十三年法律第百八十六号)その他の法令の定めるところにより、直ちに、その被害に係る建物、車両、船舶 その他の場所への立入りを禁止し、又は これらの場所にいる者を退去させ、サリン等を含む物品 その他のその被害に係る物品を回収し、又は廃棄し、その他その被害を防止するために必要な措置をとらなければならない。


この場合において、警察官等は、相互に緊密な連携を保たなければならない。

2項

警視総監 若しくは道府県警察本部長 又は管区海上保安本部長は前項の規定による措置 又は この法律に規定する犯罪の捜査に関し、消防長 又は消防署長は同項の規定による措置に関し、それぞれ、関係行政機関 又は関係のある公私の団体に対し、技術的知識の提供、装備資機材の貸与 その他必要な協力を求めることができる。

3項

国民は、サリン等 若しくはサリン等である疑いがある物質 若しくは これらの物質を含む物品を発見し 又はこれらが所在する場所を知ったときは速やかに警察官等にその旨を通報するとともに、第一項の規定による警察官等の措置の円滑な実施に協力するよう努めなければならない。

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1項

サリン等を発散させて公共の危険を生じさせた者は、無期 又は二年以上の懲役に処する。

2項

前項の未遂罪は、罰する。

3項

第一項の罪を犯す目的でその予備をした者は、五年以下の懲役に処する。


ただし同項の罪の実行の着手前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

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1項

第三条の規定に違反した者は、七年以下の懲役に処する。

2項

前条第一項の犯罪の用に供する目的で前項の罪を犯した者は、十年以下の懲役に処する。


ただし同条第一項の罪の実行の着手前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

3項

前二項の未遂罪は、罰する。

4項

製造 又は輸入に係る第一項 又は第二項の罪を犯す目的でその予備をした者は、三年以下の懲役に処する。

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1項

情を知って、第五条第一項の罪 又は製造 若しくは輸入に係る前条第一項 若しくは第二項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具 又は原材料を提供した者は、三年以下の懲役に処する。

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1項

第五条の罪は、刑法明治四十年法律第四十五号第四条の二の例に従う。

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