会社(外国会社を含む。以下 この編において同じ。)は、支配人を選任し、その本店 又は支店において、その事業を行わせることができる。
会社法
第三章 会社の使用人等
第一節 会社の使用人
支配人は、会社に代わってその事業に関する一切の裁判上 又は裁判外の行為をする権限を有する。
支配人は、他の使用人を選任し、又は解任することができる。
支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
支配人は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
自己 又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
他の会社 又は商人(会社を除く。第二十四条において同じ。)の使用人となること。
他の会社の取締役、執行役 又は業務を執行する社員となること。
支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人 又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
会社の本店 又は支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人は、当該本店 又は支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなす。
ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
事業に関するある種類 又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
物品の販売等(販売、賃貸 その他これらに類する行為をいう。以下 この条において同じ。)を目的とする店舗の使用人は、その店舗に在る物品の販売等をする権限を有するものとみなす。
ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
第二節 会社の代理商
代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理 又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下 この節において同じ。)は、取引の代理 又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。
代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
自己 又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役 又は業務を執行する社員となること。
代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商 又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
物品の販売 又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知 その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。
会社 及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。
前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社 及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。
代理商は、取引の代理 又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物 又は有価証券を留置することができる。
ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。