児童福祉法

# 昭和二十二年法律第百六十四号 #
略称 : 児福法 

第七節 被措置児童等虐待の防止等

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月21日 10時37分


1項

この法律で、被措置児童等虐待とは、小規模住居型児童養育事業に従事する者、里親 若しくはその同居人、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設 若しくは児童自立支援施設の長、その職員 その他の従業者、指定発達支援医療機関の管理者 その他の従業者、一時保護施設を設けている児童相談所の所長、当該施設の職員 その他の従業者 又は第三十三条第一項 若しくは第二項の委託を受けて児童の一時保護を行う業務に従事する者(以下「施設職員等」と総称する。)が、委託された児童、入所する児童 又は一時保護が行われた児童(以下「被措置児童等」という。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 号

被措置児童等の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 号

被措置児童等にわいせつな行為をすること 又は被措置児童等をしてわいせつな行為をさせること。

三 号

被措置児童等の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食 又は長時間の放置、同居人 若しくは生活を共にする他の児童による前二号 又は次号に掲げる行為の放置 その他の施設職員等としての養育 又は業務を著しく怠ること。

四 号

被措置児童等に対する著しい暴言 又は著しく拒絶的な対応 その他の被措置児童等に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

1項

施設職員等は、被措置児童等虐待 その他被措置児童等の心身に有害な影響を及ぼす行為をしてはならない。

1項

被措置児童等虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所、第三十三条の十四第一項 若しくは第二項に規定する措置を講ずる権限を有する都道府県の行政機関(以下この節において「都道府県の行政機関」という。)、都道府県児童福祉審議会 若しくは市町村 又は児童委員を介して、都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所、都道府県の行政機関、都道府県児童福祉審議会 若しくは市町村に通告しなければならない。

○2項

被措置児童等虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、当該被措置児童等虐待を受けたと思われる児童が、児童虐待を受けたと思われる児童にも該当する場合において、前項の規定による通告をしたときは、児童虐待の防止等に関する法律第六条第一項の規定による通告をすることを要しない。

○3項

被措置児童等は、被措置児童等虐待を受けたときは、その旨を児童相談所、都道府県の行政機関 又は都道府県児童福祉審議会に届け出ることができる。

○4項

刑法の秘密漏示罪の規定 その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告(虚偽であるもの及び過失によるものを除く次項において同じ。)をすることを妨げるものと解釈してはならない。

○5項

施設職員等は、第一項の規定による通告をしたことを理由として、解雇 その他不利益な取扱いを受けない。

1項

都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所、都道府県の行政機関、都道府県児童福祉審議会 又は市町村が前条第一項の規定による通告 又は同条第三項の規定による届出を受けた場合においては、当該通告 若しくは届出を受けた都道府県の設置する福祉事務所 若しくは児童相談所の所長、所員 その他の職員、都道府県の行政機関 若しくは市町村の職員、都道府県児童福祉審議会の委員 若しくは臨時委員 又は当該通告を仲介した児童委員は、その職務上知り得た事項であつて当該通告 又は届出をした者を特定させるものを漏らしてはならない

1項

都道府県は、第三十三条の十二第一項の規定による通告、同条第三項の規定による届出 若しくは第三項 若しくは次条第一項の規定による通知を受けたとき又は相談に応じた児童について必要があると認めるときは、速やかに、当該被措置児童等の状況の把握 その他当該通告、届出、通知 又は相談に係る事実について確認するための措置を講ずるものとする。

○2項

都道府県は、前項に規定する措置を講じた場合において、必要があると認めるときは、小規模住居型児童養育事業、里親、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、指定発達支援医療機関、一時保護施設 又は第三十三条第一項 若しくは第二項の委託を受けて一時保護を行う者における事業 若しくは業務の適正な運営 又は適切な養育を確保することにより、当該通告、届出、通知 又は相談に係る被措置児童等に対する被措置児童等虐待の防止 並びに当該被措置児童等 及び当該被措置児童等と生活を共にする他の被措置児童等の保護を図るため、適切な措置を講ずるものとする。

○3項

都道府県の設置する福祉事務所、児童相談所 又は市町村が第三十三条の十二第一項の規定による通告 若しくは同条第三項の規定による届出を受けたとき、又は児童虐待の防止等に関する法律に基づく措置を講じた場合において、第一項の措置が必要であると認めるときは、都道府県の設置する福祉事務所の長、児童相談所の所長 又は市町村の長は、速やかに、都道府県知事に通知しなければならない。

1項

都道府県児童福祉審議会は、第三十三条の十二第一項の規定による通告 又は同条第三項の規定による届出を受けたときは、速やかに、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

○2項

都道府県知事は、前条第一項 又は第二項に規定する措置を講じたときは、速やかに、当該措置の内容、当該被措置児童等の状況 その他の内閣府令で定める事項を都道府県児童福祉審議会に報告しなければならない。

○3項

都道府県児童福祉審議会は、前項の規定による報告を受けたときは、その報告に係る事項について、都道府県知事に対し、意見を述べることができる。

○4項

都道府県児童福祉審議会は、前項に規定する事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、施設職員等 その他の関係者に対し、出席説明 及び資料の提出を求めることができる。

1項
都道府県知事は、毎年度、被措置児童等虐待の状況、被措置児童等虐待があつた場合に講じた措置 その他内閣府令で定める事項を公表するものとする。
1項

国は、被措置児童等虐待の事例の分析を行うとともに、被措置児童等虐待の予防 及び早期発見のための方策 並びに被措置児童等虐待があつた場合の適切な対応方法に資する事項についての調査 及び研究を行うものとする。