地すべり等防止法

# 昭和三十三年法律第三十号 #

第三章 地すべり防止区域に関する費用

分類 法律
カテゴリ   災害対策
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十四号による改正
最終編集日 : 2024年 09月10日 15時57分


1項

地すべり防止工事の施行 及び標識の設置 その他地すべり防止区域の管理に要する費用は、この法律 及び他の法律に特別の規定がある場合を除き、当該地すべり防止区域を管理する都道府県知事の統括する都道府県の負担とする。

1項

第十条第一項の規定により主務大臣が施行する地すべり防止工事で、溪流(山間部におけるその直下流を含む。以下同じ。)において施行するもの及びこれと一体となつて直接溪流に土砂を排出することを防止するために施行するものに要する費用は、国がその三分の二を、都道府県がその三分の一を負担する。

2項

第十条第一項の規定により主務大臣が施行する地すべり防止工事で前項に規定するもの以外のものに要する費用は、国 及び都道府県がそれぞれその二分の一を負担する。

3項

前二項の場合において、当該地すべり防止工事によつて他の都府県も著しく利益を受けるときは、主務大臣は、政令で定めるところにより、その利益を受ける限度において、当該地すべり防止区域を管理する都府県知事の統括する都府県の負担すべき負担金の一部を著しく利益を受ける他の都府県に分担させることができる。

4項

前項の規定により著しく利益を受ける他の都府県に負担金の一部を分担させようとする場合においては、主務大臣は、あらかじめ当該都府県の意見をきかなければならない。

1項

国は、政令で定めるところにより、都道府県知事の施行する地すべり防止工事に要する費用の二分の一を負担する。


ただし、渓流において施行する地すべり防止工事 及びこれと一体となつて直接渓流に土砂を排出することを防止するために施行する地すべり防止工事については、当該地すべり防止工事が災害による土砂の崩壊等の危険な状況に対処するために施行する緊急地すべり対策事業に係るものであるときは三分の二を、当該地すべり防止工事が再度災害を防止するために施行するものであつて災害による土砂の崩壊等の危険な状況に対処するために施行する緊急地すべり対策事業に係るもの以外のものであるときは十分の五・五を国の負担割合とする。

1項
都府県知事の施行する地すべり防止工事によつて他の都府県も著しく利益を受けるときは、当該都府県知事は、政令で定めるところにより、他の都府県の知事と協議して、他の都府県の利益を受ける限度において、当該都府県知事の統括する都府県の負担すべき負担金の一部を著しく利益を受ける他の都府県に分担させることができる。
1項

前四条の規定により都道府県が負担する費用のうち、その地すべり防止工事 又は地すべり防止施設の維持が当該都道府県の区域内の市町村を利するものについては、当該工事 又は維持による受益の限度において、当該市町村に対し、その工事 又は維持に要する費用の一部を分担させることができる。

2項

前項の費用について同項の規定により市町村が分担すべき金額は、当該市町村の意見をきいた上、当該都道府県の議会の議決を経て定めなければならない。

1項

主務大臣が地すべり防止工事を施行する場合においては、まず全額国費をもつてこれを施行した後、当該地すべり防止区域を管理する都道府県知事の統括する都道府県 又は負担金を分担すべき他の都府県は、政令で定めるところにより、第二十八条第一項 又は第二項の規定に基く負担金を国庫に納付しなければならない。

1項
都道府県知事の管理する地すべり防止施設が他の工作物の効用を兼ねるときは、当該地すべり防止施設の管理に要する費用の負担については、当該都道府県知事と当該他の工作物の管理者とが協議して定めるものとする。
1項

都道府県知事は、他の工事 又は他の行為により自ら施行する必要を生じた地すべり防止工事の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事 又は他の行為につき費用を負担する者にその全部 又は一部を負担させるものとする。

2項

前項の場合において、他の工事が河川工事 又は道路に関する工事であるときは、当該地すべり防止工事の費用については、河川法第六十八条 又は道路法第五十九条第一項 及び第三項の規定を適用する。

1項

都道府県知事の施行する地すべり防止工事により必要を生じた他の工事 又はその施行する地すべり防止工事を施行するため必要を生じた他の工事に要する費用は、第十八条第一項の許可に附した条件に特別の定がある場合 及び第二十条第二項の協議による場合を除き、その必要を生じた限度において、当該都道府県知事の統括する都道府県がその全部 又は一部を負担するものとする。

2項

前項の場合において、他の工事が河川工事、道路に関する工事 又は砂防工事であるときは、他の工事に要する費用については、河川法第六十七条、道路法第五十八条第一項 又は砂防法第十六条の規定を適用する。

3項

都道府県知事は、第一項の地すべり防止工事が他の工事 又は他の行為のため必要となつたものである場合においては、同項の他の工事に要する費用の全部 又は一部をその必要を生じた限度において、その原因となつた工事 又は行為につき費用を負担する者に負担させることができる。

1項
都道府県知事は、その施行する地すべり防止工事によつて著しく利益を受ける者がある場合においては、その利益を受ける限度において、当該工事に要する費用の一部を負担させることができる。
2項

前項の場合において、負担金の徴収を受ける者の範囲 及びその徴収方法については、当該都道府県知事の統括する都道府県の条例で定める。

1項

前三条の規定による負担金の額の通知 及び納入手続 その他負担金に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

第三十三条第三十四条第一項第三十五条第三項 及び第三十六条第一項の規定に基く負担金(以下単に「負担金」という。)を納付しない者があるときは、都道府県知事は、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

2項

前項の場合においては、都道府県知事は、主務省令で定めるところにより、延滞金を徴収することができる。


ただし、延滞金は、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額をこえない範囲内で定めなければならない。

3項

第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、都道府県知事は、国税滞納処分の例により、前二項に規定する負担金 及び延滞金を徴収することができる。


この場合における負担金 及び延滞金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

4項
延滞金は、負担金に先だつものとする。
5項

負担金 及び延滞金を徴収する権利は、これらを行使することができる時から五年間行使しないときは、時効により消滅する。

1項

負担金 及び前条第二項の延滞金は、当該都道府県知事の統括する都道府県に帰属する。

1項

この法律 又はこの法律によつてする処分による義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の規定がある場合を除き、当該義務者が負担しなければならない。