地方公務員法

# 昭和二十五年法律第二百六十一号 #
略称 : 地公法 

第二章 人事機関

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月21日 15時05分


1項

地方公共団体の長、議会の議長、選挙管理委員会、代表監査委員、教育委員会、人事委員会 及び公平委員会 並びに警視総監、道府県警察本部長、市町村の消防長(特別区が連合して維持する消防の消防長を含む。)その他法令 又は条例に基づく任命権者は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律 並びにこれに基づく条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、それぞれ職員の任命、人事評価(任用、給与、分限 その他の人事管理の基礎とするために、職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力 及び挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価をいう。以下同じ。)、休職、免職 及び懲戒等を行う権限を有するものとする。

2項

前項の任命権者は、同項に規定する権限の一部をその補助機関たる上級の地方公務員に委任することができる。

1項

都道府県 及び地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市は、条例で人事委員会を置くものとする。

2項

前項の指定都市以外の市で人口(官報で公示された最近の国勢調査 又はこれに準ずる人口調査の結果による人口をいう。以下同じ。十五万以上のもの及び特別区は、条例で人事委員会 又は公平委員会を置くものとする。

3項

人口十五万未満の市、町、村 及び地方公共団体の組合は、条例で公平委員会を置くものとする。

4項

公平委員会を置く地方公共団体は、議会の議決を経て定める規約により、公平委員会を置く他の地方公共団体と共同して公平委員会を置き、又は他の地方公共団体の人事委員会に委託して次条第二項に規定する公平委員会の事務を処理させることができる。

1項

人事委員会は、次に掲げる事務を処理する。

一 号

人事行政に関する事項について調査し、人事記録に関することを管理し、及びその他人事に関する統計報告を作成すること。

二 号

人事評価、給与、勤務時間 その他の勤務条件、研修、厚生福利制度 その他職員に関する制度について絶えず研究を行い、その成果を地方公共団体の議会 若しくは長 又は任命権者に提出すること。

三 号

人事機関 及び職員に関する条例の制定 又は改廃に関し、地方公共団体の議会 及び長に意見を申し出ること。

四 号

人事行政の運営に関し、任命権者に勧告すること。

五 号

給与、勤務時間 その他の勤務条件に関し講ずべき措置について地方公共団体の議会 及び長に勧告すること。

六 号

職員の競争試験 及び選考 並びにこれらに関する事務を行うこと。

七 号
削除
八 号

職員の給与がこの法律 及びこれに基く条例に適合して行われることを確保するため必要な範囲において、職員に対する給与の支払を監理すること。

九 号

職員の給与、勤務時間 その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。

十 号

職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決をすること。

十一 号

前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。

十二 号

前各号に掲げるものを除く外、法律 又は条例に基きその権限に属せしめられた事務

2項

公平委員会は、次に掲げる事務を処理する。

一 号

職員の給与、勤務時間 その他の勤務条件に関する措置の要求を審査し、判定し、及び必要な措置を執ること。

二 号

職員に対する不利益な処分についての審査請求に対する裁決をすること。

三 号

前二号に掲げるものを除くほか、職員の苦情を処理すること。

四 号

前三号に掲げるものを除くほか、法律に基づきその権限に属せしめられた事務

3項

人事委員会は、第一項第一号第二号第六号第八号 及び第十二号に掲げる事務で人事委員会規則で定めるものを当該地方公共団体の他の機関 又は人事委員会の事務局長に委任することができる。

4項

人事委員会 又は公平委員会は、第一項第十一号 又は第二項第三号に掲げる事務を委員 又は事務局長に委任することができる。

5項

人事委員会 又は公平委員会は、法律 又は条例に基づきその権限に属せしめられた事務に関し、人事委員会規則 又は公平委員会規則を制定することができる。

6項

人事委員会 又は公平委員会は、法律 又は条例に基くその権限の行使に関し必要があるときは、証人を喚問し、又は書類 若しくはその写の提出を求めることができる。

7項

人事委員会 又は公平委員会は、人事行政に関する技術的 及び専門的な知識、資料 その他の便宜の授受のため、国 若しくは他の地方公共団体の機関 又は特定地方独立行政法人との間に協定を結ぶことができる。

8項

第一項第九号 及び第十号 又は第二項第一号 及び第二号の規定により人事委員会 又は公平委員会に属せしめられた権限に基く人事委員会 又は公平委員会の決定(判定を含む。)及び処分は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定める手続により、人事委員会 又は公平委員会によつてのみ審査される。

9項

前項の規定は、法律問題につき裁判所に出訴する権利に影響を及ぼすものではない。

1項

人事委員会 又は公平委員会は、人事委員会 又は公平委員会の行政事件訴訟法昭和三十七年法律第百三十九号第三条第二項に規定する処分 又は同条第三項に規定する裁決に係る同法第十一条第一項同法第三十八条第一項において準用する場合を含む。)の規定による地方公共団体を被告とする訴訟について、当該地方公共団体を代表する。

1項

公平委員会を置く地方公共団体は、条例で定めるところにより、公平委員会が、第八条第二項各号に掲げる事務のほか、職員の競争試験 及び選考 並びにこれらに関する事務を行うこととすることができる。

2項

前項の規定により同項に規定する事務を行うこととされた公平委員会(以下「競争試験等を行う公平委員会」という。)を置く地方公共団体に対する第七条第四項の規定の適用については、

同項
公平委員会を置く地方公共団体」とあるのは
「競争試験等を行う公平委員会(第九条第二項に規定する競争試験等を行う公平委員会をいう。以下この項において同じ。)を置く地方公共団体」と、

、公平委員会」とあるのは
「、競争試験等を行う公平委員会」と、

公平委員会を置き、又は他の地方公共団体の人事委員会に委託して次条第二項に規定する公平委員会の事務を処理させる」とあるのは
「競争試験等を行う公平委員会を置く」と

する。

3項

競争試験等を行う公平委員会は、第一項に規定する事務で公平委員会規則で定めるものを当該地方公共団体の他の機関 又は競争試験等を行う公平委員会の事務局長に委任することができる。

1項

人事委員会 又は公平委員会は、三人の委員をもつて組織する。

2項

委員は、人格が高潔で、地方自治の本旨 及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ、人事行政に関し識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、地方公共団体の長が選任する。

3項

第十六条第一号第二号 若しくは第四号いずれかに該当する者 又は第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者は、委員となることができない

4項

委員の選任については、そのうちの二人が、同一の政党に属する者となることとなつてはならない。

5項

委員のうち二人以上が同一の政党に属することとなつた場合には、これらの者のうち一人除く他の者は、地方公共団体の長が議会の同意を得て罷免するものとする。


ただし、政党所属関係について異動のなかつた者を罷免することはできない

6項

地方公共団体の長は、委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき、又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認めるときは、議会の同意を得て、これを罷免することができる。


この場合においては、議会の常任委員会 又は特別委員会において公聴会を開かなければならない。

7項

委員は、前二項の規定による場合を除くほか、その意に反して罷免されることがない。

8項

委員は、第十六条第一号第三号 又は第四号いずれかに該当するに至つたときは、その職を失う。

9項

委員は、地方公共団体の議会の議員 及び当該地方公共団体の地方公務員(第七条第四項の規定により公平委員会の事務の処理の委託を受けた地方公共団体の人事委員会の委員については、他の地方公共団体に公平委員会の事務の処理を委託した地方公共団体の地方公務員を含む。)の職(執行機関の附属機関の委員 その他の構成員の職を除く)を兼ねることができない

10項

委員の任期は、四年とする。


ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

11項

人事委員会の委員は、常勤 又は非常勤とし、公平委員会の委員は、非常勤とする。

12項

第三十条から第三十八条までの規定は常勤の人事委員会の委員の服務について、第三十条から第三十四条まで第三十六条 及び第三十七条の規定は非常勤の人事委員会の委員 及び公平委員会の委員の服務について、それぞれ準用する。

1項

人事委員会 又は公平委員会は、委員のうちから委員長を選挙しなければならない。

2項

委員長は、委員会に関する事務を処理し、委員会を代表する。

3項

委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長の指定する委員が、その職務を代理する。

1項

人事委員会 又は公平委員会は、三人の委員が出席しなければ会議を開くことができない。

2項

人事委員会 又は公平委員会は、会議を開かなければ公務の運営 又は職員の福祉 若しくは利益の保護に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときは、前項の規定にかかわらず二人の委員が出席すれば会議を開くことができる。

3項

人事委員会 又は公平委員会の議事は、出席委員の過半数で決する。

4項

人事委員会 又は公平委員会の議事は、議事録として記録して置かなければならない。

5項

前各項に定めるものを除くほか、人事委員会 又は公平委員会の議事に関し必要な事項は、人事委員会 又は公平委員会が定める。

1項

人事委員会に事務局を置き、事務局に事務局長 その他の事務職員を置く。

2項

人事委員会は、第九条の二第九項の規定にかかわらず、委員に事務局長の職を兼ねさせることができる。

3項

事務局長は、人事委員会の指揮監督を受け、事務局の局務を掌理する。

4項

第七条第二項の規定により人事委員会を置く地方公共団体は、第一項の規定にかかわらず、事務局を置かないで事務職員を置くことができる。

5項

公平委員会に、事務職員を置く。

6項

競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体は、前項の規定にかかわらず、事務局を置き、事務局に事務局長 その他の事務職員を置くことができる。

7項

第一項 及び第四項 又は前二項の事務職員は、人事委員会 又は公平委員会がそれぞれ任免する。

8項

第一項の事務局の組織は、人事委員会が定める。

9項

第一項 及び第四項から第六項までの事務職員の定数は、条例で定める。

10項

第二項 及び第三項の規定は第六項の事務局長について、第八項の規定は第六項の事務局について準用する。


この場合において、

第二項 及び第三項
人事委員会」とあるのは
「競争試験等を行う公平委員会」と、

第八項
第一項の事務局」とあるのは
第六項の事務局」と、

人事委員会」とあるのは
「競争試験等を行う公平委員会」と

読み替えるものとする。