地方公務員法

# 昭和二十五年法律第二百六十一号 #
略称 : 地公法 

第八節 福祉及び利益の保護

分類 法律
カテゴリ   地方自治
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月08日 10時35分


第一款 厚生福利制度

1項

地方公共団体は、職員の保健、元気回復 その他厚生に関する事項について計画を樹立し、これを実施しなければならない。

1項

職員の病気、負傷、出産、休業、災害、退職、障害 若しくは死亡 又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡 若しくは災害に関して適切な給付を行なうための相互救済を目的とする共済制度が、実施されなければならない。

2項

前項の共済制度には、職員が相当年限忠実に勤務して退職した場合 又は公務に基づく病気 若しくは負傷により退職し、若しくは死亡した場合におけるその者 又はその遺族に対する退職年金に関する制度が含まれていなければならない。

3項

前項の退職年金に関する制度は、退職 又は死亡の時の条件を考慮して、本人 及びその退職 又は死亡の当時 その者が直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。

4項

第一項の共済制度については、国の制度との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

5項

第一項の共済制度は、健全な保険数理を基礎として定めなければならない。

6項

第一項の共済制度は、法律によつてこれを定める。

第二款 公務災害補償

1項

職員が公務に因り死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、若しくは公務に因る負傷 若しくは疾病により死亡し、若しくは障害の状態となり、又は船員である職員が公務に因り行方不明となつた場合においてその者 又はその者の遺族 若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害は、補償されなければならない。

2項

前項の規定による補償の迅速かつ公正な実施を確保するため必要な補償に関する制度が実施されなければならない。

3項

前項の補償に関する制度には、次に掲げる事項が定められなければならない。

一 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に対する必要な療養 又は療養の費用の負担に関する事項

二 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因する療養の期間 又は船員である職員の公務による行方不明の期間におけるその職員の所得の喪失に対する補償に関する事項

三 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因して、永久に、又は長期に所得能力を害された場合におけるその職員の受ける損害に対する補償に関する事項

四 号

職員の公務上の負傷 又は疾病に起因する死亡の場合におけるその遺族 又は職員の死亡の当時 その収入によつて生計を維持した者の受ける損害に対する補償に関する事項

4項

第二項の補償に関する制度は、法律によつて定めるものとし、当該制度については、国の制度との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

第三款 勤務条件に関する措置の要求

1項

職員は、給与、勤務時間 その他の勤務条件に関し、人事委員会 又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。

1項

前条に規定する要求があつたときは、人事委員会 又は公平委員会は、事案について口頭審理 その他の方法による審査を行い、事案を判定し、その結果に基いて、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、当該事項に関し権限を有する地方公共団体の機関に対し、必要な勧告をしなければならない。

1項

前二条の規定による要求 及び審査、判定の手続 並びに審査、判定の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定めなければならない。

第四款 不利益処分に関する審査請求

1項

任命権者は、職員に対し、懲戒 その他その意に反すると認める不利益な処分を行う場合においては、その際、当該職員に対し、処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。


ただし、他の職への降任等に該当する降任をする場合 又は他の職への降任等に伴い降給をする場合は、この限りでない。

2項

職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対し処分の事由を記載した説明書の交付を請求することができる。

3項

前項の規定による請求を受けた任命権者は、その日から十五日以内に、同項の説明書を交付しなければならない。

4項

第一項 又は第二項の説明書には、当該処分につき、人事委員会 又は公平委員会に対して審査請求をすることができる旨 及び審査請求をすることができる期間を記載しなければならない。

1項

前条第一項に規定する処分を受けた職員は、人事委員会 又は公平委員会に対してのみ審査請求をすることができる。

2項

前条第一項に規定する処分を除くほか、職員に対する処分については、審査請求をすることができない


職員がした申請に対する不作為についても、同様とする。

3項

第一項に規定する審査請求については、行政不服審査法第二章の規定を適用しない

1項

前条第一項に規定する審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して三月以内にしなければならず、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。

1項

第四十九条の二第一項に規定する審査請求を受理したときは、人事委員会 又は公平委員会は、直ちにその事案を審査しなければならない。


この場合において、処分を受けた職員から請求があつたときは、口頭審理を行わなければならない。


口頭審理は、その職員から請求があつたときは、公開して行わなければならない。

2項

人事委員会 又は公平委員会は、必要があると認めるときは、当該審査請求に対する裁決を除き、審査に関する事務の一部を委員 又は事務局長に委任することができる。

3項

人事委員会 又は公平委員会は、第一項に規定する審査の結果に基いて、その処分を承認し、修正し、又は取り消し、及び必要がある場合においては、任命権者にその職員の受けるべきであつた給与 その他の給付を回復するため必要で且つ適切な措置をさせる等 その職員がその処分によつて受けた不当な取扱を是正するための指示をしなければならない。

1項

審査請求の手続 及び審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則 又は公平委員会規則で定めなければならない。

1項

第四十九条第一項に規定する処分であつて人事委員会 又は公平委員会に対して審査請求をすることができるものの取消しの訴えは、審査請求に対する人事委員会 又は公平委員会の裁決を経た後でなければ、提起することができない

1項

職員の福祉 及び利益の保護は、適切であり、且つ、公正でなければならない。