外国為替及び外国貿易法

# 昭和二十四年法律第二百二十八号 #

第四章 資本取引等

分類 法律
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 20時50分


1項

資本取引とは、次に掲げる取引 又は行為(第二十六条第一項各号に掲げるものが行う同条第二項に規定する対内直接投資等に該当する行為を除く)をいう。

一 号

居住者と非居住者との間の預金契約(定期積金契約、掛金契約、預け金契約 その他これらに類するものとして政令で定めるものを含む。以下同じ。)又は信託契約に基づく債権の発生、変更 又は消滅に係る取引(以下「債権の発生等に係る取引」という。

二 号
居住者と非居住者との間の金銭の貸借契約 又は債務の保証契約に基づく債権の発生等に係る取引
三 号
居住者と非居住者との間の対外支払手段 又は債権の売買契約に基づく債権の発生等に係る取引
四 号

居住者と 他の居住者との間の預金契約、信託契約、金銭の貸借契約、債務の保証契約 又は対外支払手段 若しくは債権 その他の売買契約に基づく外国通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引

五 号

居住者による非居住者からの証券の取得(これらの者の一方の意思表示により、居住者による非居住者からの証券の取得が行われる権利の当該一方の者による取得を含む。) 又は居住者による非居住者に対する証券の譲渡(これらの者の一方の意思表示により、居住者による非居住者に対する証券の譲渡が行われる権利の当該一方の者による取得を含む。

六 号

居住者による外国における証券の発行 若しくは募集 若しくは本邦における外貨証券の発行 若しくは募集 又は非居住者による本邦における証券の発行 若しくは募集

七 号
非居住者による本邦通貨をもつて表示され、又は支払われる証券の外国における発行 又は募集
八 号
居住者と非居住者との間の金融指標等先物契約に基づく債権の発生等に係る取引
九 号

居住者と他の居住者との間の金融指標等先物契約に基づく外国通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引 又は金融指標等先物契約(外国通貨の金融指標(金融商品取引法第二条第二十五項に規定する金融指標をいう。)に係るものに限る)に基づく本邦通貨をもつて支払を受けることができる債権の発生等に係る取引

十 号

居住者による外国にある不動産 若しくはこれに関する権利の取得 又は非居住者による本邦にある不動産 若しくはこれに関する権利の取得

十一 号

第一号 及び第二号に掲げるもののほか、法人の本邦にある事務所と当該法人の外国にある事務所との間の資金の授受(当該事務所の運営に必要な経常的経費 及び経常的な取引に係る資金の授受として政令で定めるものを除く

十二 号

前各号に掲げる取引 又は行為に準ずるものとして政令で定めるもの

1項

次の各号に掲げる取引は、当該各号に定める資本取引とみなして、この法律(これに基づく命令を含む。)の規定を適用する。

一 号

居住者と非居住者との間の電子決済手段等の管理に関する契約に基づく当該電子決済手段等の移転を求める権利の発生、変更 又は消滅に係る取引(以下この条において「電子決済手段等の移転を求める権利の発生等に係る取引」という。

前条第一号に掲げる資本取引

二 号

居住者と非居住者との間の電子決済手段等の貸借契約 又は電子決済手段等を移転する義務の保証契約に基づく電子決済手段等の移転を求める権利の発生等に係る取引

前条第二号に掲げる資本取引

三 号

居住者と非居住者との間の電子決済手段等の売買 又は他の電子決済手段等との交換に関する契約に基づく電子決済手段等の移転を求める権利の発生等に係る取引

前条第三号に掲げる資本取引

1項

財務大臣は、居住者 又は非居住者による資本取引(第二十条に規定する資本取引をいい、第二十四条第一項に規定する特定資本取引に該当するものを除く次条第一項第五十五条の三 及び第七十条第一項において同じ。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約 その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該資本取引を行おうとする居住者 又は非居住者に対し、当該資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

2項

前項に定める場合のほか、財務大臣は、居住者 又は非居住者による同項に規定する資本取引(特別国際金融取引勘定で経理されるものを除く)が何らの制限なしに行われた場合には、次に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるときは、政令で定めるところにより、当該資本取引を行おうとする居住者 又は非居住者に対し、当該資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

一 号
我が国の国際収支の均衡を維持することが困難になること。
二 号
本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになること。
三 号
本邦と外国との間の大量の資金の移動により我が国の金融市場 又は資本市場に悪影響を及ぼすことになること。
3項

前項の「特別国際金融取引勘定」とは、銀行 その他の政令で定める金融機関が、非居住者(外国法令に基づいて設立された法人 その他政令で定める者に限る。以下 この項 及び次項において同じ。)から受け入れた預金 その他の非居住者から調達した資金を非居住者に対する金銭の貸付け、非居住者からの証券の取得 その他の非居住者との間での運用に充てるために行う次に掲げる取引 又は行為(前条の規定により資本取引とみなされるものを除く)に係る資金の運用 又は調達に関する経理をその他の取引 又は行為に係る資金の運用 又は調達に関する経理と区分して整理するため財務大臣の承認を受けて設ける勘定をいう。

一 号

第二十条第一号に掲げる資本取引のうち、非居住者との間の預金契約で政令で定めるものに基づく債権の発生等に係る取引

二 号

第二十条第二号に掲げる資本取引のうち、非居住者との間の金銭の貸借契約に基づく債権の発生等に係る取引

三 号

第二十条第五号に掲げる資本取引のうち、非居住者が発行する証券(政令で定めるものに限る)の非居住者からの取得 又は非居住者に対する譲渡

四 号
その他政令で定める取引 又は行為
4項

前項に規定する特別国際金融取引勘定(以下 この項 及び次条第二項において「特別国際金融取引勘定」という。)と その他の勘定との間における資金の振替 その他の特別国際金融取引勘定の経理に関する事項 及び特別国際金融取引勘定において経理される取引 又は行為に関し当該取引 又は行為の相手方が非居住者であることの確認 その他必要な事項については、政令で定める。

5項

第二項に規定する資本取引について第一項 及び第二項の規定により許可を受ける義務が課された場合には、当該資本取引を行おうとする者は、政令で定めるところにより、これらの規定による許可の申請を併せて行うことができる。


この場合において、財務大臣は、当該申請に係る資本取引について許可を受ける義務を課することとなつた事態のいずれをも生じさせないかを併せ考慮して、許可をするかどうかを判断するものとする。

6項

財務大臣は、第二十三条第一項の規定により届け出なければならないとされる同条第二項に規定する対外直接投資を行うことについて第一項 又は第二項の規定により許可を受ける義務を課したときは、当該許可の申請に係る対外直接投資については、当該許可を受ける義務を課することとなつた第一項に規定する事態 又は第二項各号に掲げる事態のほか、同条第四項各号に掲げる事態のいずれをも生じさせないかを併せ考慮して、許可をするかどうかを判断するものとする。

1項

財務大臣は、前条第一項の規定により許可を受ける義務を課した場合において、当該許可を受ける義務が課された資本取引を当該許可を受けないで行つた者が再び同項の規定により許可を受ける義務が課された資本取引を当該許可を受けないで行うおそれがあると認めるときは、その者に対し、一年以内の期間を限り、資本取引を行うことについて、その全部 若しくは一部を禁止し、又は政令で定めるところにより許可を受ける義務を課することができる。

2項

財務大臣は、前条第三項各号に掲げる取引 若しくは行為以外の取引 若しくは行為(以下 この項において「対象外取引等」という。)を特別国際金融取引勘定において経理し、又は同条第四項の規定に基づく命令の規定に違反した者が、再び対象外取引等を特別国際金融取引勘定において経理し、又は当該命令の規定に違反するおそれがあると認めるときは、その者に対し、一年以内の期間を限り、同条第三項各号に掲げる取引 又は行為の全部 又は一部について特別国際金融取引勘定において経理することを禁止することができる。

1項

銀行等、信託会社(信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第二項に規定する信託会社 及び同条第六項に規定する外国信託会社をいう。)、金融商品取引業者(金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者であつて、同法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者 及び同条第二項に規定する第二種金融商品取引業を行う者をいう。第五十五条の三において同じ。)及び電子決済手段等取引業者等(次項 及び第五十五条の九の二第一項において「銀行等その他の金融機関等」という。)は、顧客 又はこれに準ずる者として政令で定める者(以下 この項において「顧客等」という。)との間で第二十条に規定する資本取引に係る契約の締結 その他の政令で定める行為(次項において「資本取引に係る契約締結等行為」という。)を行うに際しては、当該顧客等について、本人確認を行わなければならない。

2項

第十八条第二項から第四項まで 及び第十八条の二から第十八条の四までの規定は、銀行等 その他の金融機関等が資本取引に係る契約締結等行為を行う場合について準用する。


この場合において、

第十八条の三第二項
特定為替取引」とあるのは、
第二十二条の二第一項に規定する資本取引に係る契約」と

読み替えるものとする。

1項

第十八条第二項から第四項まで第十八条の二から第十八条の四まで 及び前条第一項の規定は、本邦において両替業務(業として外国通貨 又は旅行小切手の売買を行うことをいう。)を行う者(第五十五条の九の二第一項において「両替業者」という。)が顧客と両替(政令で定める小規模のものを除く)を行う場合について準用する。

1項

居住者は、対外直接投資のうち第四項各号に掲げるいずれかの事態を生じるおそれがあるものとして政令で定めるものを行おうとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該対外直接投資の内容、実行の時期 その他の政令で定める事項を財務大臣に届け出なければならない。

2項

この条において「対外直接投資」とは、居住者による外国法令に基づいて設立された法人の発行に係る証券の取得 若しくは当該法人に対する金銭の貸付けであつて当該法人との間に永続的な経済関係を樹立するために行われるものとして政令で定めるもの又は外国における支店、工場 その他の事業所(以下「支店等」という。)の設置 若しくは拡張に係る資金の支払をいう。

3項

第一項の規定による届出をした居住者は、財務大臣により当該届出が受理された日から起算して二十日を経過する日までは、当該届出に係る対外直接投資を行つてはならない。


ただし、財務大臣は、当該届出に係る対外直接投資の内容 その他からみて特に支障がないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

4項

財務大臣は、前項の届出に係る対外直接投資が行われた場合には、次に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認められるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときに限り、当該対外直接投資の届出をした者に対し、政令で定めるところにより、当該対外直接投資の内容の変更 又は中止を勧告することができる。


ただし、当該変更 又は中止を勧告することができる期間は、当該届出を受理した日から起算して二十日以内とする。

一 号
我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすことになること。
二 号
国際的な平和 及び安全を損ない、又は公の秩序の維持を妨げることになること。
5項

前項の規定による勧告を受けた者は、第三項の規定にかかわらず、当該勧告を受けた日から起算して二十日を経過する日までは、同項の届出に係る対外直接投資を行つてはならない。

6項

第四項の規定による勧告を受けた者は、当該勧告を受けた日から起算して十日以内に、財務大臣に対し、当該勧告を応諾するかしないかを通知しなければならない。

7項

前項の規定により勧告を応諾する旨の通知をした者は、当該勧告をされたところに従い、当該勧告に係る対外直接投資を行わなければならない。

8項

第六項の規定により勧告を応諾する旨の通知をした者は、第三項 又は第五項の規定にかかわらず、当該勧告を受けた日から起算して二十日を経過しなくても、当該勧告に係る対外直接投資を行うことができる。

9項

第四項の規定による勧告を受けた者が、第六項の規定による通知をしなかつた場合 又は当該勧告を応諾しない旨の通知をした場合には、財務大臣は、当該勧告を受けた者に対し、当該対外直接投資の内容の変更 又は中止を命ずることができる。


ただし、当該変更 又は中止を命ずることができる期間は、第四項の規定による勧告を行つた日から起算して二十日以内とする。

10項

前各項に定めるもののほか、対外直接投資の内容の変更 又は中止の勧告の手続 その他これらの勧告に関し必要な事項は、政令で定める。

11項

第一項の規定により届け出なければならないとされる対外直接投資について第二十一条第一項 又は第二項の規定により財務大臣の許可を受ける義務が課された場合には、当該対外直接投資を行う居住者は、第一項の規定にかかわらず、その届出をすることを要しない。


この場合において、当該対外直接投資について既に同項の規定による届出がされているときは、当該届出(同条第一項 又は第二項の規定により許可を受ける義務が課された際 現に行つていない対外直接投資(第六項の規定により中止の勧告を応諾する旨の通知がされたもの及び第九項の規定により中止を命ぜられたものを除く)に係るものに限る)については、これを当該届出のあつた日にされた同条第一項 又は第二項の規定により受ける義務を課された許可に係る申請とみなし、当該届出に係る対外直接投資について第四項の規定による勧告、第六項の規定による通知(内容の変更を応諾する旨のものに限る)又は第九項の規定による命令(内容の変更に係るものに限る)があつたときは、当該勧告、通知 又は命令については、これをなかつたものとみなす。

1項

経済産業大臣は、居住者による特定資本取引(第二十条第二号に掲げる資本取引(同条第十二号の規定により同条第二号に準ずる取引として政令で定めるものを含む。)のうち、貨物を輸出し、又は輸入する者が貨物の輸出 又は輸入に直接伴つてする取引 又は行為として政令で定めるもの及び鉱業権、工業所有権 その他これらに類する権利の移転 又はこれらの権利の使用権の設定に係る取引 又は行為として政令で定めるもの(短期の国際商業取引の決済のための取引として政令で定めるものを除く)をいう。以下同じ。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約 その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該特定資本取引を行おうとする居住者に対し、当該特定資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

2項

前項に定める場合のほか、経済産業大臣は、居住者による特定資本取引が何らの制限なしに行われた場合には、第二十一条第二項各号に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるときは、政令で定めるところにより、当該特定資本取引を行おうとする居住者に対し、当該特定資本取引を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

3項

特定資本取引について第一項 及び前項の規定により許可を受ける義務が課された場合には、当該特定資本取引を行おうとする者は、政令で定めるところにより、これらの規定による許可の申請を併せて行うことができる。


この場合において、経済産業大臣は、当該申請に係る特定資本取引について許可を受ける義務を課することとなつた事態のいずれをも生じさせないかを併せ考慮して、許可をするかどうかを判断するものとする。

1項

経済産業大臣は、前条第一項の規定により許可を受ける義務を課した場合において、当該許可を受ける義務が課された特定資本取引を当該許可を受けないで行つた者が再び同項の規定により許可を受ける義務が課された特定資本取引を当該許可を受けないで行うおそれがあると認めるときは、その者に対し、一年以内の期間を限り、特定資本取引を行うことについて、その全部 若しくは一部を禁止し、又は政令で定めるところにより許可を受ける義務を課することができる。

1項

国際的な平和 及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の種類の貨物の設計、製造 若しくは使用に係る技術(以下「特定技術」という。)を特定の外国(以下「特定国」という。)において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者 若しくは非居住者 又は特定技術を特定国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者は、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

2項

経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、特定技術を特定国以外の外国において提供することを目的とする取引を行おうとする居住者 若しくは非居住者 又は特定技術を特定国以外の外国の非居住者に提供することを目的とする取引を行おうとする居住者に対し、政令で定めるところにより、当該取引について、許可を受ける義務を課することができる。

3項

経済産業大臣は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める行為をしようとする者に対し、政令で定めるところにより、当該行為について、許可を受ける義務を課することができる。

一 号

第一項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき

同項の取引に関する次に掲げる行為

特定国を仕向地とする特定技術を内容とする情報が記載され、又は記録された文書、図画 又は記録媒体(以下「特定記録媒体等」という。)の輸出

特定国において受信されることを目的として行う電気通信(電気通信事業法昭和五十九年法律第八十六号第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下同じ。)による特定技術を内容とする情報の送信(本邦内にある電気通信設備(同条第二号に規定する電気通信設備をいう。)からの送信に限る。以下同じ。

二 号

前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるとき

同項の取引に関する次に掲げる行為

特定国以外の外国を仕向地とする特定記録媒体等の輸出

特定国以外の外国において受信されることを目的として行う電気通信による特定技術を内容とする情報の送信

4項

居住者は、非居住者との間で、国際的な平和 及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借 又は贈与に関する取引を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該取引について、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

5項

居住者は、非居住者との間で、役務取引(労務 又は便益の提供を目的とする取引をいう。以下同じ。)であつて、鉱産物の加工 その他これに類するものとして政令で定めるもの(第三十条第一項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く)を行おうとするときは、政令で定めるところにより、当該役務取引について、主務大臣の許可を受けなければならない。


ただし次項の規定により主務大臣の許可を受ける義務が課された役務取引に該当するものについては、この限りでない。

6項

主務大臣は、居住者が非居住者との間で行う役務取引(特定技術に係るもの及び第三十条第一項に規定する技術導入契約の締結等に該当するものを除く)又は外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借 若しくは贈与に関する取引(第四項に規定するものを除く)(以下「役務取引等」という。)が何らの制限なしに行われた場合には、我が国が締結した条約 その他の国際約束を誠実に履行することを妨げ、若しくは国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与することを妨げることとなる事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、政令で定めるところにより、当該役務取引等を行おうとする居住者に対し、当該役務取引等を行うことについて、許可を受ける義務を課することができる。

1項

経済産業大臣は、前条第一項の規定による許可を受けないで同項に規定する取引を行つた者に対し、三年以内の期間を限り、貨物の設計、製造 若しくは使用に係る技術(以下 この項 及び次項において「貨物設計等技術」という。)を外国において提供し、若しくは非居住者に提供することを目的とする取引 若しくは当該取引に関する貨物設計等技術を内容とする情報が記載され、若しくは記録された文書、図画 若しくは記録媒体の輸出(同項 及び第七十条第一項第十九号において「技術記録媒体等輸出」という。)若しくは外国において受信されることを目的として行う電気通信による貨物設計等技術を内容とする情報の送信(次項び同号において「国外技術送信」という。)を行い、又は特定技術に係る特定の種類の貨物の輸出を行うことを禁止することができる

2項

経済産業大臣は、前条第二項 又は第三項の規定により経済産業大臣の許可を受ける義務が課された場合において当該許可を受けないでこれらの項に規定する取引 又は行為を行つた者に対し、一年以内の期間を限り、貨物設計等技術を外国において提供し、若しくは非居住者に提供することを目的とする取引 若しくは当該取引に関する技術記録媒体等輸出 若しくは国外技術送信を行い、又は特定技術に係る特定の種類の貨物の輸出を行うことを禁止することができる。

3項

経済産業大臣は、前条第四項の規定による許可を受けないで同項に規定する取引を行つた者に対し、三年以内の期間を限り、非居住者との間で外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買、貸借 若しくは贈与に関する取引を行い、又は貨物の輸出を行うことを禁止することができる。

4項

主務大臣は、前条第六項の規定により役務取引等を行うことについて許可を受ける義務を課した場合において、当該許可を受ける義務が課された役務取引等を当該許可を受けないで行つた者が再び同項の規定により許可を受ける義務が課された役務取引等を当該許可を受けないで行うおそれがあると認めるときは、その者に対し、一年以内の期間を限り、役務取引等を行うことについて、その全部 若しくは一部を禁止し、又は政令で定めるところにより許可を受ける義務を課することができる。