大学設置基準

# 昭和三十一年文部省令第二十八号 #

第十章 専門職学科に関する特例

分類 府令・省令
カテゴリ   教育
@ 施行日 : 令和四年十月一日 ( 2022年 10月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年文部科学省令第三十四号による改正
最終編集日 : 2023年 03月20日 14時19分


1項

大学の学部の学科(学校教育法第八十七条第二項に規定する課程に係る学科を除く)のうち、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開する教育課程を編成するものは、専門職学科とする。

2項

前項に規定する専門職学科のみで組織する学部は、専門職学部とする。

1項

専門職学科を設ける大学は、専門職学科に係る入学者の選抜に当たつては、第二条の二に定めるところによるほか、実務の経験を有する者 その他の入学者の多様性の確保に配慮した入学者選抜を行うよう努めるものとする。

1項

専門職学科を置く学部に係る第十条の規定による基幹教員数のうち、別表第一イ(2)による専門職学科の基幹教員数のおおむね四割以上は、専攻分野におけるおおむね五年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する者(次項において「実務の経験等を有する基幹教員」という。)とする。

2項

専門職学科に係る実務の経験等を有する基幹教員のうち、前項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)以上は、次の各号いずれかに該当する者とする。

一 号

大学 又は専門職大学において教授、准教授、基幹教員としての講師 又は助教の経歴(外国におけるこれらに相当する教員としての経歴を含む。)のある者

二 号

博士の学位、修士の学位又は学位規則第五条の二に規定する専門職学位(外国において授与されたこれらに相当する学位を含む。)を有する者

三 号

企業等に在職し、実務に係る研究上の業績を有する者

3項

第一項に規定するおおむね四割の基幹教員の数に二分の一を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)の範囲内については、基幹教員以外の者であつても、一年につき六単位以上の授業科目を担当し、かつ、教育課程の編成 その他の学部の運営について責任を担う者で足りるものとする。


ただし、当該者の数は、別表第一イ(1)備考第二号ただし書の規定により複数の学部について算入する基幹教員の数 及び同表備考第三号の規定により算入する教員の数と合わせて、別表第一イ(2)に定める基幹教員数の四分の一を超えないものとする。

1項

専門職学科の教育課程の編成に当たつては、専門職学科を設ける大学は、第十九条第一項 及び第二項に定めるところによるほか、専門性が求められる職業を担うための実践的な能力 及び当該職業の分野において創造的な役割を担うための応用的な能力を展開させるとともに、職業倫理を涵養するよう適切に配慮しなければならない。

2項

専門職学科を設ける大学は、専門職学科の専攻に係る職業を取り巻く状況を踏まえて必要な授業科目を開発し、当該職業の動向に即した教育課程の編成を行うとともに、当該状況の変化に対応し、授業科目の内容、教育課程の構成等について、不断の見直しを行うものとする。

3項

前項の規定による授業科目の開発、教育課程の編成 及び それらの見直しは、次条に規定する教育課程連携協議会の意見を勘案するとともに、適切な体制を整えて行うものとする。

1項

専門職学科を設ける大学は、産業界 及び地域社会との連携により、専門職学科の教育課程を編成し、及び円滑かつ効果的に実施するため、教育課程連携協議会を設けるものとする。

2項

教育課程連携協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。

一 号

学長 又は専門職学科を設ける学部の長(以下この条において「学長等」という。)が指名する教員 その他の職員

二 号

当該専門職学科の課程に係る職業に就いている者 又は当該職業に関連する事業を行う者による団体のうち、広範囲の地域で活動するものの関係者であつて、当該職業の実務に関し豊富な経験を有するもの

三 号

地方公共団体の職員、地域の事業者による団体の関係者 その他の地域の関係者

四 号

臨地実務実習(第四十二条の九第一項第三号に規定する臨地実務実習をいう。)その他の授業科目の開設 又は授業の実施において当該専門職学科を設ける大学と協力する事業者

五 号

当該専門職学科を設ける大学の教員 その他の職員以外の者であつて学長等が必要と認めるもの

3項

教育課程連携協議会は、次に掲げる事項について審議し、学長等に意見を述べるものとする。

一 号

産業界 及び地域社会との連携による授業科目の開設 その他の専門職学科の教育課程の編成に関する基本的な事項

二 号

産業界 及び地域社会との連携による授業の実施 その他の専門職学科の教育課程の実施に関する基本的な事項 及び その実施状況の評価に関する事項

1項

専門職学科を設ける大学は、次の各号に掲げる授業科目を開設するものとする。

一 号

一般・基礎科目(幅広く深い教養 及び総合的な判断力を培うための授業科目 並びに生涯にわたり自らの資質を向上させ、社会的 及び職業的自立を図るために必要な能力を育成するための授業科目をいう。

二 号

職業専門科目(専攻に係る特定の職業において必要とされる理論的かつ実践的な能力 及び当該職業の分野全般にわたり必要な能力を育成するための授業科目をいう。

三 号

展開科目(専攻に係る特定の職業の分野に関連する分野における応用的な能力であつて、当該職業の分野において創造的な役割を果たすために必要なものを育成するための授業科目をいう。

四 号

総合科目(修得した知識 及び技能等を総合し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を総合的に向上させるための授業科目をいう。

1項

専門職学科を設ける大学が当該専門職学科のの授業科目について同時に授業を行う学生数は、第二十四条の規定にかかわらず四十人以下とする。


ただし、授業の方法 及び施設、設備 その他の教育上の諸条件を考慮して、十分な教育効果を上げることができると認められる場合は、この限りでない。

1項

専門職学科を設ける大学は、学生が当該大学に入学する前に専門性が求められる職業に係る実務の経験を通じ、当該職業を担うための実践的な能力(当該専門職学科において修得させることとしているものに限る)を修得している場合において、教育上有益と認めるときは、文部科学大臣が別に定めるところにより、当該実践的な能力の修得を、当該専門職学科における授業科目の履修とみなし、三十単位を超えない範囲で大学の定めるところにより、単位を与えることができる。

2項

前項により与えることができる単位数は、編入学、転学等の場合を除き第二十八条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項 並びに第三十条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)及び第三項により当該大学において修得したものとみなし、又は与える単位数(第三十条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)により修得したものとみなす単位数にあつては、当該大学において入学前に修得した単位以外のものに限る)と合わせて六十単位を超えないものとする。

1項

専門職学科に係る卒業の要件は、第三十二条第一項 及び第五項に定めるところによるほか、次の各号いずれにも該当することとする。

一 号

同条第一項の規定により卒業の要件として修得すべき百二十四単位以上の単位に、一般・基礎科目 及び展開科目に係るそれぞれ二十単位以上、職業専門科目に係る六十単位以上 並びに総合科目に係る四単位以上が含まれること。

二 号

実験、実習 又は実技による授業科目(やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認める場合には、演習、実験、実習 又は実技による授業科目)に係る四十単位以上を修得すること。

三 号

前号の授業科目に係る単位に臨地実務実習(企業 その他の事業者の事業所 又はこれに類する場所において、当該事業者の実務に従事することにより行う実習による授業科目であつて、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。以下同じ。)に係る二十単位が含まれること。


ただし、やむを得ない事由があり、かつ、教育効果を十分に上げることができると認められる場合には、五単位を超えない範囲で、連携実務演習等(企業 その他の事業者と連携して開設する演習、実験、実習 又は実技による授業科目のうち、当該事業者の実務に係る課題に取り組むもの(臨地実務実習を除く)であつて、文部科学大臣が別に定めるところにより開設されるものをいう。)をもつてこれに代えることができること。

1項

専門職学科を設ける大学は、実験・実習室 及び附属施設のほか、当該専門職学科に係る臨地実務実習 その他の実習に必要な施設を確保するものとする。