審判に対しては、特別の定めがある場合に限り、即時抗告をすることができる。
家事事件手続法
第一目 即時抗告
手続費用の負担の裁判に対しては、独立して即時抗告をすることができない。
審判に対する即時抗告は、特別の定めがある場合を除き、二週間の不変期間内にしなければならない。
ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。
即時抗告の期間は、特別の定めがある場合を除き、即時抗告をする者が、審判の告知を受ける者である場合にあってはその者が審判の告知を受けた日から、審判の告知を受ける者でない場合にあっては申立人が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から、それぞれ進行する。
即時抗告は、抗告状を原裁判所に提出してしなければならない。
抗告状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
原審判の表示 及びその審判に対して即時抗告をする旨
即時抗告が不適法でその不備を補正することができないことが明らかであるときは、原裁判所は、これを却下しなければならない。
前項の規定による審判に対しては、即時抗告をすることができる。
前項の即時抗告は、一週間の不変期間内にしなければならない。
ただし、その期間前に提起した即時抗告の効力を妨げない。
第四十九条第四項 及び第五項の規定は、抗告状が第二項の規定に違反する場合 及び民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い即時抗告の提起の手数料を納付しない場合について準用する。
審判に対する即時抗告があった場合には、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき 又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者 及び利害関係参加人(抗告人を除く。)に対し、抗告状の写しを送付しなければならない。
ただし、抗告審における手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められる場合には、即時抗告があったことを通知することをもって、抗告状の写しの送付に代えることができる。
裁判長は、前項の規定による抗告状の写しの送付 又はこれに代わる通知の費用の予納を相当の期間を定めて抗告人に命じた場合において、その予納がないときは、命令で、抗告状を却下しなければならない。
抗告裁判所は、原審における当事者 及びその他の審判を受ける者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければ、原審判を取り消すことができない。
別表第二に掲げる事項についての審判事件においては、抗告裁判所は、即時抗告が不適法であるとき 又は即時抗告に理由がないことが明らかなときを除き、原審における当事者(抗告人を除く。)の陳述を聴かなければならない。
原裁判所は、審判に対する即時抗告を理由があると認めるときは、その審判を更正しなければならない。
ただし、別表第二に掲げる事項についての審判については、更正することができない。
抗告裁判所は、即時抗告について決定で裁判をする。
抗告裁判所は、即時抗告を理由があると認める場合には、家事審判事件について自ら審判に代わる裁判をしなければならない。
ただし、第九十三条第三項において準用する民事訴訟法第三百七条 又は第三百八条第一項の規定により事件を第一審裁判所に差し戻すときは、この限りでない。
抗告裁判所は、家事審判事件(別表第二に掲げる事項についての審判事件を除く。)の全部 又は一部が原裁判所の管轄に属しないと認める場合には、原審判を取り消さなければならない。
ただし、原審における審理の経過、事件の性質、抗告の理由等に照らして原審判を取り消さないことを相当とする特別の事情があると認めるときは、この限りでない。
抗告裁判所は、家事審判事件が管轄違いであることを理由として原審判を取り消すときは、その事件を管轄権を有する家庭裁判所に移送しなければならない。
審判に対する即時抗告 及びその抗告審に関する手続については、特別の定めがある場合を除き、前節第一款から第八款までの規定(第四十条、第四十一条第四項、第四十二条第六項、第四十三条第二項、第四十四条第二項、第四十七条第八項から第十項まで、第四十八条、第四十九条第六項、第六十六条、第六十七条第四項、第七十四条第二項ただし書、第四項 及び第五項、第七十六条第一項ただし書、第七十七条第三項から第五項まで、第七十八条第四項、第八十一条第三項 並びに第八十三条の規定を除く。)、第四節の規定(第百五条第二項、第百十条、第百十一条 及び第百十三条の規定を除く。)及び次章の規定(家庭裁判所の管轄 及び即時抗告に関する規定を除く。)を準用する。
この場合において、
第七十八条第一項第二号中
「即時抗告をすることができる審判」とあるのは、
「家庭裁判所の審判であるとした場合に即時抗告をすることができる審判に代わる裁判」と
読み替えるものとする。
抗告裁判所は、第八十八条第一項の規定による抗告状の写しの送付 及びこれに代わる即時抗告があったことの通知をすることを要しないときは、前項において準用する第七十一条の規定による審理の終結の手続を経ることなく、即時抗告を却下し、又は棄却することができる。
民事訴訟法第二百八十三条、第二百八十四条、第二百九十二条、第二百九十八条第一項、第二百九十九条第一項、第三百二条、第三百三条 及び第三百五条から第三百八条までの規定は、審判に対する即時抗告 及びその抗告審に関する手続について準用する。
この場合において、
同法第二百九十二条第二項中
「第二百六十一条第三項、第二百六十二条第一項 及び第二百六十三条」とあるのは
「家事事件手続法第八十二条第五項 及び第八十三条」と、
同法第三百三条第五項中
「第百八十九条」とあるのは
「家事事件手続法第二百九十一条」と
読み替えるものとする。