少年法

# 昭和二十三年法律第百六十八号 #

第二節 手続

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 05月11日 18時32分


1項

司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。


犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

1項

検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。


犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。

2項

前項の場合においては、刑事訴訟法の規定に基づく裁判官による被疑者についての弁護人の選任は、その効力を失う。

1項

検察官は、少年の被疑事件においては、裁判官に対して、勾留の請求に代え、第十七条第一項の措置を請求することができる。


但し第十七条第一項第一号の措置は、家庭裁判所の裁判官に対して、これを請求しなければならない。

2項

前項の請求を受けた裁判官は、第十七条第一項の措置に関して、家庭裁判所と同一の権限を有する。

3項

検察官は、少年の被疑事件においては、やむを得ない場合でなければ、裁判官に対して、勾留を請求することはできない

1項

裁判官が前条第一項の請求に基いて第十七条第一項第一号の措置をとつた場合において、検察官は、捜査を遂げた結果、事件を家庭裁判所に送致しないときは、直ちに、裁判官に対して、その措置の取消を請求しなければならない。

2項

裁判官が前条第一項の請求に基いて第十七条第一項第二号の措置をとるときは、令状を発してこれをしなければならない。

3項

前項の措置の効力は、その請求をした日から十日とする。

1項

家庭裁判所が、第二十条第一項の規定によつて事件を検察官に送致したときは、次の例による。

一 号

第十七条第一項第一号の措置は、その少年の事件が再び家庭裁判所に送致された場合を除いて、検察官が事件の送致を受けた日から十日以内に公訴が提起されないときは、その効力を失う。


公訴が提起されたときは、裁判所は、検察官の請求により、又は職権をもつて、いつでも、これを取り消すことができる。

二 号

前号の措置の継続中、勾留状が発せられたときは、その措置は、これによつて、その効力を失う。

三 号

第一号の措置は、その少年が満二十歳に達した後も、引き続き その効力を有する。

四 号

第十七条第一項第二号の措置は、これを裁判官のした勾留とみなし、その期間は、検察官が事件の送致を受けた日から、これを起算する。


この場合において、その事件が先に勾留状の発せられた事件であるときは、この期間は、これを延長することができない

五 号

検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならない。


ただし、送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないか、又は犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するときは、この限りでない。


送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときも、同様である。

六 号

第十条第一項の規定により選任された弁護士である付添人は、これを弁護人とみなす。

七 号

第四号の規定により第十七条第一項第二号の措置が裁判官のした勾留とみなされた場合には、勾留状が発せられているものとみなして、刑事訴訟法中、裁判官による被疑者についての弁護人の選任に関する規定を適用する。

1項

前条第一号から 第四号まで 及び第七号の規定は、家庭裁判所が、第十九条第二項 又は第二十三条第三項の規定により、事件を検察官に送致した場合に準用する。

1項

家庭裁判所が、先に裁判官により被疑者のため弁護人が付された事件について第二十三条第二項 又は第二十四条第一項の決定をするときは、刑事訴訟法中、訴訟費用の負担に関する規定を準用する。


この場合において、

同法第百八十一条第一項 及び第二項
刑の言渡」とあるのは、
「保護処分の決定」と

読み替えるものとする。

2項

検察官は、家庭裁判所が少年に訴訟費用の負担を命ずる裁判をした事件について、その裁判を執行するため必要な限度で、最高裁判所規則の定めるところにより、事件の記録 及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。

1項

罪を犯した少年に対して第二十四条第一項の保護処分がなされたときは、審判を経た事件について、刑事訴追をし、又は家庭裁判所の審判に付することができない。

2項

第二十二条の二第一項の決定がされた場合において、同項の決定があつた事件につき、審判に付すべき事由の存在が認められないこと又は保護処分に付する必要がないことを理由とした保護処分に付さない旨の決定が確定したときは、その事件についても、前項と同様とする。

3項

第一項の規定は、第二十七条の二第一項の規定による保護処分の取消しの決定が確定した事件については、適用しない


ただし、当該事件につき同条第六項の規定により その例によることとされる第二十二条の二第一項の決定がされた場合であつて、その取消しの理由が審判に付すべき事由の存在が認められないことであるときは、この限りでない。

1項

第八条第一項前段の場合においては第二十一条の決定があつてから、第八条第一項後段の場合においては送致を受けてから、保護処分の決定が確定するまで、公訴の時効は、その進行を停止する。

2項

前項の規定は、第二十一条の決定 又は送致の後、本人が満二十歳に達した事件についても、これを適用する。

1項

勾留状は、やむを得ない場合でなければ、少年に対して、これを発することはできない

2項

少年を勾留する場合には、少年鑑別所に これを拘禁することができる。

3項

本人が満二十歳に達した後でも、引き続き前項の規定によることができる。

1項

少年の被疑者 又は被告人は、他の被疑者 又は被告人と分離して、なるべく、その接触を避けなければならない。

2項

少年に対する被告事件は、他の被告事件と関連する場合にも、審理に妨げない限り、その手続を分離しなければならない。

3項

刑事施設、留置施設 及び海上保安留置施設においては、少年(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律平成十七年法律第五十号第二条第四号の受刑者同条第八号の未決拘禁者としての地位を有するものを除く)を除く)を二十歳以上の者と分離して収容しなければならない。

1項

少年に対する刑事事件の審理は、第九条の趣旨に従つて、これを行わなければならない。