家庭裁判所の審判に付すべき少年を発見した者は、これを家庭裁判所に通告しなければならない。
少年法
第二節 通告、警察官の調査等
警察官 又は保護者は、第三条第一項第三号に掲げる少年について、直接これを家庭裁判所に送致し、又は通告するよりも、先づ児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)による措置にゆだねるのが適当であると認めるときは、その少年を直接児童相談所に通告することができる。
警察官は、客観的な事情から合理的に判断して、第三条第一項第二号に掲げる少年であると疑うに足りる相当の理由のある者を発見した場合において、必要があるときは、事件について調査をすることができる。
前項の調査は、少年の情操の保護に配慮しつつ、事案の真相を明らかにし、もつて少年の健全な育成のための措置に資することを目的として行うものとする。
警察官は、国家公安委員会規則の定めるところにより、少年の心理 その他の特性に関する専門的知識を有する警察職員(警察官を除く。)に調査(第六条の五第一項の処分を除く。)をさせることができる。
少年 及び保護者は、前条第一項の調査に関し、いつでも、弁護士である付添人を選任することができる。
警察官は、調査をするについて必要があるときは、少年、保護者 又は参考人を呼び出し、質問することができる。
前項の質問に当たつては、強制にわたることがあつてはならない。
警察官は、調査について、公務所 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
警察官は、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件の調査をするについて必要があるときは、押収、捜索、検証 又は鑑定の嘱託をすることができる。
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)中、司法警察職員の行う押収、捜索、検証 及び鑑定の嘱託に関する規定(同法第二百二十四条を除く。)は、前項の場合に、これを準用する。
この場合において、
これらの規定中
「司法警察員」とあるのは
「司法警察員たる警察官」と、
「司法巡査」とあるのは
「司法巡査たる警察官」と
読み替えるほか、
同法第四百九十九条第一項中
「検察官」とあるのは
「警視総監 若しくは道府県警察本部長 又は警察署長」と、
「政令」とあるのは
「国家公安委員会規則」と、
同条第三項中
「国庫」とあるのは
「当該都道府県警察 又は警察署の属する都道府県」と
読み替えるものとする。
警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。
第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件について、その少年の行為が次に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるものであると思料するとき。
故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
イに掲げるもののほか、死刑 又は無期 若しくは短期二年以上の懲役 若しくは禁錮に当たる罪
前号に掲げるもののほか、第三条第一項第二号に掲げる少年に係る事件について、家庭裁判所の審判に付することが適当であると思料するとき。
警察官は、前項の規定により児童相談所長に送致した事件について、児童福祉法第二十七条第一項第四号の措置がとられた場合において、証拠物があるときは、これを家庭裁判所に送付しなければならない。
警察官は、第一項の規定により事件を送致した場合を除き、児童福祉法第二十五条第一項の規定により調査に係る少年を児童相談所に通告するときは、国家公安委員会規則の定めるところにより、児童相談所に対し、同法による措置をとるについて参考となる当該調査の概要 及び結果を通知するものとする。
都道府県知事 又は児童相談所長は、前条第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により送致を受けた事件については、児童福祉法第二十七条第一項第四号の措置をとらなければならない。
ただし、調査の結果、その必要がないと認められるときは、この限りでない。
都道府県知事 又は児童相談所長は、児童福祉法の適用がある少年について、たまたま、その行動の自由を制限し、又はその自由を奪うような強制的措置を必要とするときは、同法第三十三条、第三十三条の二 及び第四十七条の規定により認められる場合を除き、これを家庭裁判所に送致しなければならない。
家庭裁判所調査官は、家庭裁判所の審判に付すべき少年を発見したときは、これを裁判官に報告しなければならない。
家庭裁判所調査官は、前項の報告に先だち、少年 及び保護者について、事情を調査することができる。