気象業務法施行規則

# 昭和二十七年運輸省令第百一号 #

第二章 観測

分類 府令・省令
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和六年五月二十七日 ( 2024年 5月27日 )
@ 最終更新 : 令和六年国土交通省令第六十二号
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

法第四条の国土交通省令で定める方法は、次の表の上欄に掲げる種目ごとに、同表の下欄に掲げる方法とする。

一 気象

イ 気圧

気圧計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いる。

ロ 気温

温度計 又は気温を測ることのできる湿度計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いる。

ハ 湿球温度

湿度計を用いる。

ニ 蒸気圧

湿度計を用いる。

ホ 露点温度

湿度計を用いる。

ヘ 相対湿度

湿度計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いる。

ト 風

風向計 若しくは風速計(自由大気にあつては、ウィンドプロファイラー、測風気球等)を用い、又は目視による。

チ 降水量

雨量計 又は雪量計を用いる。

リ 積雪

雪量計を用いる。

ヌ 雲

測雲器 若しくは測雲気球を用い、又は目視による。

ル 雲の表面の温度分布 及び状態

気象衛星に搭載された放射計を用いる。

ヲ 大気の透明度

視程計 若しくは日射計を用い、又は目視による。

ワ 日照時間

日照計 又は日射計を用いる。

カ 日射量

日射計を用いる。

ヨ 降水粒子の分布 及び状態

レーダーを用いる。

タ 雷

雷監視システムを用い、又は目視 若しくは聴音による。

レ 大気の微量成分

1) 大気オゾン

オゾン測定器を用いる。

2) 大気二酸化炭素

二酸化炭素濃度測定器を用いる。

3) 大気フロン

フロン濃度測定器を用いる。

4) 大気メタン

メタン濃度測定器を用いる。

5) 大気一酸化二窒素

一酸化二窒素濃度測定器を用いる。

6) 大気一・一・一―トリクロロエタン(別名メチルクロロフォルム

一・一・一―トリクロロエタン(別名メチルクロロフォルム)濃度測定器を用いる。

7) 大気四塩化炭素

四塩化炭素濃度測定器を用いる。

8) 大気一酸化炭素

一酸化炭素濃度測定器を用いる。

9) エーロゾル

エーロゾル測定器を用いる。

ソ その他の現象

気象庁長官の定める手段による。

二 地象

イ 地震

1) 地殻のひずみ

ひずみ計を用いる。

2) 地殻の傾斜

傾斜計を用いる。

3) 地震波の位相

地震計を用いる。

4) 地震波の振幅

地震計を用いる。

5) 地震波の周期

地震計を用いる。

6) 震度

震度計を用いる。

7) その他の現象

気象庁長官の定める手段による。

ロ 火山現象

1) 火山性微動

地震計を用いる。

2) 火山の噴出の状態

気象庁長官の定める手段による。

3) 火山の噴出物の状態

気象庁長官の定める手段による。

4) その他の現象

気象庁長官の定める手段による。

ハ 気象に密接に関連する地面 及び地中の諸現象

1) 地面の温度

温度計を用いる。

2) 地面の温度分布

気象衛星に搭載された放射計を用いる。

3) 地中の温度

温度計を用いる。

4) 地面の状態

気象衛星に搭載された放射計を用い、又は気象庁長官の定める手段による。

5) 崖崩れ

気象庁長官の定める手段による。

6) 土石流

気象庁長官の定める手段による。

7) 地滑り

気象庁長官の定める手段による。

三 地動

イ 脈動の振幅

地震計を用いる。

ロ 脈動の周期

地震計を用いる。

ハ 地盤の傾斜

傾斜計を用いる。

ニ 地盤の伸縮

伸縮計を用いる。

四 地球磁気

イ 水平成分

磁気儀を用いる。

ロ 鉛直成分

磁気儀を用いる。

ハ 偏角

磁気儀を用いる。

ニ 伏角

磁気儀を用いる。

五 地球電気

イ 地電流

1) 地電位差

地電位差測定器を用いる。

2) 地電流傾度

地電位差測定器を用いる。

3) 地中電気抵抗

地中電気抵抗測定器を用いる。

ロ 空中電気

1) 大気電位傾度

大気電位傾度測定器を用いる。

2) 大気電気伝導度

大気電気伝導度測定器を用いる。

3) 大気イオン

イオン測定器を用いる。

4) 空間電荷

空間電荷測定器を用いる。

六 水象

イ 水温

温度計を用いる。

ロ 水質

1) 塩分

塩分計を用いる。

2) 水中二酸化炭素

二酸化炭素濃度測定器を用いる。

3) 水中フロン

フロン濃度測定器を用いる。

4) 水中メタン

メタン濃度測定器を用いる。

5) 水中一酸化二窒素

一酸化二窒素濃度測定器を用いる。

6) その他の微量成分

化学分析による。

ハ 波浪

波浪計を用い、又は目視による。

ニ 海水 及び陸水の流れ

流速計を用いる。

ホ 潮せき

検潮儀 又は津波計を用いる。

ヘ 津波

検潮儀 又は津波計を用いる。

ト 陸水位

水位計を用いる。

チ 海氷の状態

目視による。

リ 船舶の着氷の状態

目視による。

ヌ 海面の温度分布 及び状態

気象衛星に搭載された放射計を用いる。

1項

法第六条第一項の国土交通省令で定める技術上の基準は、次の表の上欄に掲げる種目ごとに、同表の中欄に掲げる手段で、同表の下欄に掲げる最小位数の観測値が得られるものでなければならない。


ただし、降水量の観測を行う場合であつて一ミリメートルの観測値が得られないような雨量計 又は雪量計を用いても当該観測の目的が達することができるときにおける最小位数は十ミリメートル気象業務法施行令昭和二十七年政令第四百七十一号。以下「」という。第一条の船舶が第四条の規定により、気圧、気温 及び水温の観測を行う場合における最小位数は気圧については〇・一ヘクトパスカル、気温 及び水温については〇・一度摂氏)とする。

一 気圧

気圧計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いて、ヘクトパスカルで測定する。

一ヘクトパスカル

二 気温

温度計 又は気温を測ることのできる湿度計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いて、度(摂氏)で測定する。

一度

三 削除

四 露点温度

湿度計を用いて、度(摂氏)で測定する。

一度

五 相対湿度

湿度計(自由大気にあつては、ラジオゾンデ等)を用いて、パーセントで測定する。

一パーセント

六 風

イ 風向

風向計(自由大気にあつては、測風気球等)を用い、又は目視により、十六方位 又は八方位(自由大気にあつては度)で測定する。

自由大気にあつては一度

ロ 風速

風速計(自由大気にあつては、測風気球等)を用いて、メートル毎秒で測定する。

一メートル毎秒

ハ 風力

目視により、気象庁風力階級表を用いて、測定する。

七 降水量

雨量計 又は雪量計を用いて、ミリメートルで測定する。

一ミリメートル

八 積雪の深さ

雪量計を用いて、センチメートルで測定する。

一センチメートル

九 雲

イ 雲量

測雲器を用い、又は目視により、十分比で測定する。

ロ 雲形

目視により、気象庁雲形種類表を用いて、測定する。

ハ 雲の高さ

測雲器 若しくは測雲気球を用い、又は目視により、メートルで測定する。

百メートル

ニ その他の状態

目視により、気象庁雲の状態種類表を用いて、測定する。

十 視程

視程計を用い、又は目視により、気象庁視程階級表を用いて、測定する。

十一 日照時間

日照計 又は日射計を用いて、時で測定する。

〇・一時

十二 日射量

日射計を用いて、メガジュール毎平方メートルで測定する。

〇・一メガジュール毎平方メートル

十三 降水粒子の分布 及び状態

気象庁長官が定める基準に適合するレーダーを用いて、測定する。

十四 天気

目視 及び聴音により、気象庁天気種類表を用いて、測定する。

十五 水温

温度計を用いて、度(摂氏)で測定する。

一度

十六 波浪

イ 方向

目視により、十六方位で測定する。

ロ 高さ

波浪計を用い、又は目視により、メートルで測定する。

〇・五メートル

ハ 周期

波浪計を用い、又は目視により、秒で測定する。

一秒

ニ その他の状態

目視により、気象庁風浪階級表 及び気象庁うねり階級表を用いて、測定する。

十七 海氷の状態

目視により、気象庁海氷状態表を用いて、測定する。

十八 船舶の着氷の状態

目視により、気象庁船舶着氷状態表を用いて、測定する。

2項

前項の規定により、金属製温度計を用いるときはガラス製温度計と、毛髪製湿度計、露点式湿度計 又は電気式湿度計を用いるときは乾湿式湿度計と随時比較点検しなければならない。

3項

第一項の気象庁風力階級表、気象庁雲形種類表、気象庁雲の状態種類表、気象庁視程階級表、気象庁天気種類表、気象庁風浪階級表、気象庁うねり階級表、気象庁海氷状態表 及び気象庁船舶着氷状態表は、気象庁長官が定める。

1項

法第六条第一項第三号 及び同条第二項ただし書の国土交通省令で定める気象の観測は、次に掲げるものとする。

一 号
畝の間 又は苗木の間、建物 又は坑道の内部等特殊な環境によつて変化した気象のみを対象とする観測
二 号

次に掲げる種目以外の種目について行う気象の観測

気圧
気温
相対湿度
風向
風速
降水量
積雪の深さ
視程
日照時間
日射量

降水粒子の分布及び状態(水防活動の利用に適合する予報 及び警報に活用するものとして気象庁長官が指定するものに限る

三 号

臨時に行う気象の観測(一箇月を超える期間について行う観測であつて、地上の同一の場所で一箇月に一回以上行うものを除く

四 号

令第一条に規定する船舶以外の船舶で行う気象の観測

五 号
航空機で行う気象の観測
1項

法第六条第三項前段の規定による観測施設の設置の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した気象観測施設設置届出書を、設置の日から三十日以内に、その施設の所在地を管轄区域とする管区気象台長沖縄気象台長 又は地方気象台長提出しなければならない。


当該事項に変更を生じたときも同様とする。

一 号
氏名 又は名称 及び住所
二 号
事業所の名称 及び所在地
三 号
観測施設の所在地
四 号
観測の目的
五 号
観測施設の明細
六 号
観測の種目 及び時刻
七 号
観測の開始期日
2項

法第六条第三項後段の規定による観測施設の廃止の届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した気象観測施設廃止届出書を、廃止の日から三十日以内に、前項管区気象台長沖縄気象台長 又は地方気象台長提出しなければならない。

一 号
氏名 又は名称
二 号
事業所の名称 及び所在地
三 号
廃止した観測施設
四 号
廃止の期日
五 号
廃止の理由
1項

令第一条の船舶は、航海中、次に掲げる気象測器を備え付けなければならない。

一 号
船舶用アネロイド型気圧計 又は船舶用電気式気圧計
二 号
温度計
三 号

湿度計(漁船以外の船舶に限る

四 号

風速計(漁船以外の船舶であつて、遠洋区域を航行区域とするものに限る

五 号

風向計(漁船以外の船舶であつて、遠洋区域を航行区域とするものに限る

1項

令第一条の船舶は、東は西経百六十度、西は東経百度、南は緯度零度、北は北緯六十五度の線により限られた海域において、毎日協定世界時の零時、三時、六時、九時、十二時、十五時、十八時 及び二十一時(その時刻が、当該船舶に現に乗り組んでいる観測の成果の報告に従事する者の執務時間の終了時刻となる場合であつて、その時刻の観測の成果を観測後直ちに報告することが困難となるときは、一時間繰り上げた時刻とする。)に、次に掲げる種目について、気象 及び水象の観測を行わなければならない。

一 号
気圧
二 号
気温
三 号

露点温度(前条第三号に掲げる気象測器を備え付けている船舶に限る

四 号
風向

風速(前条第四号に掲げる気象測器を備え付けている船舶に限る)又は風力

五 号
六 号
視程
七 号
天気
八 号
水温
九 号
波浪
十 号
海氷の状態
十一 号
船舶の着氷の状態
1項

前条船舶は、同条の規定に従い気象 及び水象の観測を行つたときは、次の各号に掲げる航行の区分に応じ、当該各号に掲げる時刻の観測の成果を、観測後直ちに、気象庁長官の定める形式により、気象庁長官報告しなければならない。


ただし、その時刻が当該船舶に現に乗り組んでいる観測の成果の報告に従事する者の執務時間の終了時刻である場合であつてその時刻の観測の成果を観測後直ちに報告することが困難なとき、又はその時刻がこれらの者執務時間外であるときは、この限りでない。

一 号

東は東経百七十度、西は東経百十五度、南は北緯十度、北は北緯六十五度の線により限られた海域を航行しているとき(本邦(離島を除く)の海岸から五十海里以内を航行しているときを除く

零時、三時、六時、九時、十二時、十五時、十八時 及び二十一時(観測の時刻を一時間繰り上げたときは、その時刻とする。

二 号

東は西経百六十度、西は東経百度、南は緯度零度、北は北緯六十五度の線により限られた海域(前号の海域を除く)を航行しているとき

零時、六時、十二時 及び十八時(観測の時刻を一時間繰り上げたときは、その時刻とする。

2項

前項の場合において、組をつくつて同一の行動をとる船舶にあつては、その中の一の船舶が報告すればよい。

3項

前条船舶は、航海終了の日(国際航海に従事する船舶にあつては、外国の港から最初に本邦の港に到達した日)から十日以内に、気象庁長官の定める観測表を、気象庁長官提出しなければならない。

1項

法第八条第一項航空機は、その飛行中、左に掲げる場合には、気象庁長官の定める方法により、気象の状況をもよりの管区気象台長沖縄気象台長 又は地方気象台長報告しなければならない。


但し、当該航空機の航行に著しい支障を生じている場合は、この限りでない。

一 号

気象庁長官の定める位置通報点を通過する場合(当該位置通報点を通過後三十分以内に、航空予報図に記載されている予報の範囲内の最終着陸地に到着する場合を除く

二 号
気象の状況が他の航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあると機長が認めた場合
三 号
気象庁が航空機の利用に適合する予報 及び警報を行うために特に必要があると認めて要求した場合
2項

前項航空機は、前項第一号に規定する最終着陸地に到着したときは直ちに、その飛行中における気象の状況 及び前項の報告の内容を記載した書類を、その地を管轄区域とする管区気象台長沖縄気象台長 又は地方気象台長提出しなければならない。

3項

前項の規定による書類の提出は、当該最終着陸地に管区気象台、沖縄気象台 若しくは地方気象台の航空測候所 又は管区気象台、沖縄気象台、地方気象台、測候所 若しくは航空測候所の空港出張所があるときは、当該航空測候所 又は空港出張所を経由してしなければならない。

1項

法第九条第一項ただし書の国土交通省令で定める気象測器は、雪尺、積雪板 並びに一目盛の値が降水量十ミリメートル以上を表す雨量計 及び雪量計とする。

1項

法第九条第二項確認を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を、気象庁長官提出しなければならない。


当該事項を変更しようとするときも、同様とする。

一 号
補完観測の成果を使用して行う予報業務の範囲
二 号
補完観測施設 及び本観測施設の明細
三 号
補完観測 及び本観測の種目
四 号
補完観測が本観測の正確な実施に支障を及ぼすおそれがない旨
五 号
補完観測の成果を使用して行う現象の予想の精度 又は補完観測 及び本観測の成果の予報業務への使用方法
2項

気象庁長官は、前項に規定するもののほか確認のため必要な書類の提出を求めることができる。