海難審判所は、理事官の審判開始の申立てによつて、審判を開始する。
海難審判法
第五章 審判
審判の対審 及び裁決は、公開の審判廷でこれを行う。
審判長 又は審判を開始した一名の審判官は、開廷中審判を指揮し、審判廷の秩序を維持する。
審判長 又は審判を開始した一名の審判官は、審判を妨げる者に対し退廷を命じ その他審判廷の秩序を維持するため必要な措置を執ることができる。
海難審判所は、審判期日に受審人を召喚し、これを尋問することができる。
裁決は、口頭弁論に基づいてこれをしなければならない。
ただし、受審人が正当の理由なく審判期日に出頭しないときは、その陳述を聴かないで裁決をすることができる。
海難審判所は、申立てにより 又は職権で、必要な証拠を取り調べることができる。
海難審判所は、第一回の審判期日前においては、次の方法以外の方法により、証拠を取り調べることができない。
国土交通大臣、運輸安全委員会、気象庁長官、海上保安庁長官 その他の関係行政機関に対して報告 又は資料の提出を求めること。
海難審判所は、勾引、押収、捜索 その他人の身体、物 若しくは場所についての強制の処分をし、若しくはさせ、又は過料の決定をすることができない。
海難審判所は、前条第一項の証拠の取調べとして証人に証言をさせ、鑑定人に鑑定をさせ、通訳人に通訳をさせ、又は翻訳人に翻訳をさせる場合には、これらの者に国土交通省令で定める方法により宣誓をさせなければならない。
ただし、国土交通省令で定める者には、宣誓をさせないことができる。
事実の認定は、審判期日に取り調べた証拠によらなければならない。
証拠の証明力は、審判官の自由な判断にゆだねる。
海難審判所は、次の場合には、裁決をもつて審判開始の申立てを棄却しなければならない。
第六条 又は第十六条第二項の規定により審判を行うべきでないとき。
裁決には、理由を付さなければならない。
本案の裁決には、海難の事実 及び受審人に係る職務上の故意 又は過失の内容を明らかにし、かつ、証拠によつてこれらの事実を認めた理由を示さなければならない。
ただし、海難の事実がなかつたと認めるときは、その旨を明らかにすれば足りる。
裁決の告知は、審判廷における言渡しによつてこれをする。
この法律に定めるもののほか、審判の手続に関し必要な事項は、国土交通省令でこれを定める。