内閣総理大臣は、特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人であって、次に掲げる要件に該当すると認められるもの(適格消費者団体である法人を除く。)を、その申請により、次項に規定する業務(以下この章 及び第百十七条第二項第二号において「支援業務」という。)を行う者として認定することができる。
消費者の財産的被害等の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律
第四章 消費者団体訴訟等支援法人
第一節 消費者団体訴訟等支援法人の認定等
支援業務以外の業務を行うことによって支援業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。
前項の規定による認定(以下この章 及び第百十七条第一項において「支援認定」という。)を受けた特定非営利活動法人 又は一般社団法人 若しくは一般財団法人(以下「消費者団体訴訟等支援法人」という。)は、次に掲げる業務を行うものとする。
前三号に掲げるもののほか、内閣総理大臣の委託を受けて、次に掲げる業務を行うこと。
第九十五条第一項 及び第二項の規定による公表
第一項第三号の業務規程には、支援業務の実施の方法、支援業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法、支援業務の実施に関する金銭 その他の財産の管理の方法 その他の内閣府令で定める事項が定められていなければならない。
次の各号のいずれかに該当する者は、支援認定を受けることができない。
この法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの 若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない法人
第百十三条第一項各号に掲げる事由により支援認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない法人
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員 又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(次号 及び第六号ハにおいて「暴力団員等」という。)がその事業活動を支配する法人
政治団体(政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第三条第一項に規定する政治団体をいう。)
役員のうちに次のイからハまでのいずれかに該当する者のある法人
禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律、消費者契約法 その他消費者の利益の擁護に関する法律で政令で定めるもの 若しくはこれらの法律に基づく命令の規定 若しくはこれらの規定に基づく処分に違反して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
消費者団体訴訟等支援法人が第百十三条第一項各号に掲げる事由により支援認定を取り消された場合において、その取消しの日前六月以内に当該消費者団体訴訟等支援法人の役員であった者でその取消しの日から三年を経過しないもの
前条第一項の申請は、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出してしなければならない。
前二号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
役職員名簿(役員 及び職員の氏名、その役職 その他内閣府令で定める事項を記載した名簿をいう。第百十条第二項第三号において同じ。)
前条第四項各号のいずれにも該当しないことを誓約する書面
支援業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
内閣総理大臣は、支援認定の申請があった場合には、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨 並びに前条第一項第一号 及び第二号に掲げる事項を公告するとともに、同条第二項各号(第八号 及び第十号を除く。)に掲げる書類を、公告の日から二週間、公衆の縦覧に供しなければならない。
内閣総理大臣は、支援認定の申請をした者について第九十八条第四項第三号、第四号 又は第六号ハに該当する疑いがあると認めるときは、警察庁長官の意見を聴くものとする。
消費者団体訴訟等支援法人は、内閣府令で定めるところにより、消費者団体訴訟等支援法人である旨について、支援業務を行う事務所において見やすいように掲示するとともに、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供しなければならない。
消費者団体訴訟等支援法人は、第九十九条第一項各号に掲げる事項 又は同条第二項各号(第二号、第三号 及び第十号を除く。)に掲げる書類に記載した事項に変更があったときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
ただし、その変更が内閣府令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
前項の規定により合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併(消費者団体訴訟等支援法人である法人が存続するものを除く。以下この条 及び第百六条第一号において同じ。)をした場合には、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その合併について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする消費者団体訴訟等支援法人である法人 及び消費者団体訴訟等支援法人でない法人は、共同して、その合併がその効力を生ずる日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その合併がその効力を生ずる日までにその申請に対する処分がされないときは、合併後存続する法人 又は合併により設立された法人は、その処分がされるまでの間は、合併により消滅した法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継しているものとみなす。
第九十八条(第二項を除く。)、第九十九条、第百条 及び第百一条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
消費者団体訴訟等支援法人である法人は、消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併をする場合において、第四項の申請をしないときは、その合併がその効力を生ずる日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
前項の規定によりその譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継した法人は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をした場合には、その譲渡を受けた法人は、その譲渡について内閣総理大臣の認可がされたときに限り、その譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継する。
前項の認可を受けようとする消費者団体訴訟等支援法人である法人 及び消費者団体訴訟等支援法人でない法人は、共同して、その譲渡の日の九十日前から六十日前までの間(以下この項において「認可申請期間」という。)に、内閣総理大臣に認可の申請をしなければならない。
ただし、災害 その他やむを得ない事由により認可申請期間にその申請をすることができないときは、この限りでない。
前項の申請があった場合において、その譲渡の日までにその申請に対する処分がされないときは、その譲渡を受けた法人は、その処分がされるまでの間は、その譲渡をした法人のこの法律の規定による消費者団体訴訟等支援法人としての地位を承継しているものとみなす。
第九十八条(第二項を除く。)、第九十九条、第百条 及び第百一条第一項の規定は、第三項の認可について準用する。
消費者団体訴訟等支援法人である法人は、消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をする場合において、第四項の申請をしないときは、その譲渡の日までに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
内閣総理大臣は、第二項 又は前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
消費者団体訴訟等支援法人が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
破産手続開始の決定により解散した場合
破産管財人
合併 及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合
清算人
支援業務を廃止した場合
法人の代表者
内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示するものとする。
消費者団体訴訟等支援法人について、次の各号のいずれかに掲げる事由が生じたときは、支援認定は、その効力を失う。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人と合併をした場合において、その合併が第百三条第三項の認可を経ずにその効力を生じたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その合併の不認可処分がされたとき)。
消費者団体訴訟等支援法人である法人が消費者団体訴訟等支援法人でない法人に対し支援業務に係る事業の全部の譲渡をした場合において、その譲渡が第百四条第三項の認可を経ずにされたとき(同条第五項に規定する場合にあっては、その譲渡の不認可処分がされたとき)。
消費者団体訴訟等支援法人が前条第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当することとなったとき。
第二節 支援業務等
消費者団体訴訟等支援法人は、その行う支援業務に支障がない限り、定款の定めるところにより、支援業務以外の業務を行うことができる。
消費者団体訴訟等支援法人は、次に掲げる業務に係る経理をそれぞれ区分して整理しなければならない。
適格消費者団体 又は特定適格消費者団体を支援する活動に係る業務(前号に掲げる業務を除く。)
前二号に掲げる業務以外の業務
第三節 監督
消費者団体訴訟等支援法人は、内閣府令で定めるところにより、その業務 及び経理に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
消費者団体訴訟等支援法人は、毎事業年度終了後三月以内に、その事業年度の財産目録等 及び事業報告書(これらの作成に代えて電磁的記録の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項第四号 及び第百二十二条第十一号において「財務諸表等」という。)を作成しなければならない。
支援業務以外の業務を行う場合には、その業務の種類 及び概要を記載した書類
消費者団体訴訟等支援法人は、毎事業年度終了後三月以内に、前項第三号 及び第四号に掲げる書類を内閣総理大臣に提出しなければならない。
内閣総理大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、消費者団体訴訟等支援法人に対し、その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、消費者団体訴訟等支援法人の事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
前項の規定により職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
第一項に規定する立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
内閣総理大臣は、消費者団体訴訟等支援法人が、第九十八条第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、これらの要件に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、前項に定めるもののほか、消費者団体訴訟等支援法人が第九十八条第四項第三号から第六号までのいずれかに該当するに至ったと認めるとき、消費者団体訴訟等支援法人 又はその役員 若しくは職員が支援業務の遂行に関し この法律の規定に違反したと認めるとき、その他消費者団体訴訟等支援法人の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、人的体制の改善、違反の停止、業務規程の変更 その他の業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、消費者団体訴訟等支援法人について、次の各号のいずれかに掲げる事由があるときは、支援認定を取り消すことができる。
偽りその他不正の手段により支援認定 又は第百三条第三項 若しくは第百四条第三項の認可を受けたとき。
特定非営利活動促進法第四十三条第一項 又は第二項の規定により設立の認証を取り消されたとき。
第九十八条第一項各号に掲げる要件のいずれかに該当しなくなったとき。
第九十八条第四項各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至ったとき。
前各号に掲げるもののほか、この法律 若しくはこの法律に基づく命令の規定 又はこれらの規定に基づく処分に違反したとき。
内閣総理大臣は、前項各号に掲げる事由により支援認定を取り消したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨 及びその取消しをした日を公示するとともに、当該消費者団体訴訟等支援法人に対し、その旨を書面により通知するものとする。