消費者安全法

# 平成二十一年法律第五十号 #
略称 : 消費者庁関連三法 

第二節 事故等原因調査等

分類 法律
カテゴリ   商業
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2022年 12月01日 10時20分


1項

調査委員会は、生命身体事故等が発生した場合において、生命身体被害の発生 又は拡大の防止(生命身体事故等による被害の拡大 又は当該生命身体事故等と同種 若しくは類似の生命身体事故等の発生の防止をいう。以下同じ。)を図るため当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明することが必要であると認めるときは、事故等原因調査を行うものとする。


ただし、当該生命身体事故等について、消費者安全の確保の見地から 必要な事故等原因を究明することができると思料する他の行政機関等による調査等の結果を得た場合 又は得ることが見込まれる場合においては、この限りでない。

2項

調査委員会は、事故等原因調査を行うため必要な限度において、次に掲げる 処分をすることができる。

一 号

事故等原因に関係があると認められる者(次号 及び第三十条において「原因関係者」という。)、生命身体事故等に際し人命の救助に当たった者 その他の生命身体事故等の関係者(以下「生命身体事故等関係者」という。)から 報告を徴すること。

二 号

生命身体事故等の現場、原因関係者の事務所 その他の必要と認める場所に立ち入って、商品等、帳簿、書類 その他の生命身体事故等に関係のある物件(以下「関係物件」という。)を検査し、又は生命身体事故等関係者に質問すること。

三 号

生命身体事故等関係者に出頭を求めて質問すること。

四 号

関係物件の所有者、所持者 若しくは保管者に対し その提出を求め、又は提出物件を留め置くこと。

五 号

関係物件の所有者、所持者 若しくは保管者に対し その保全を命じ、又は その移動を禁止すること。

六 号

生命身体事故等の現場に、公務により立ち入る者 及び調査委員会が支障がないと認める者以外の者が立ち入ることを禁止すること。

3項

調査委員会は、必要があると認めるときは、委員長、委員 又は専門委員に前項各号に掲げる処分をさせることができる。

4項

前項の規定により第二項第二号に掲げる処分をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、生命身体事故等関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

5項

第二項 又は第三項の規定による処分の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

1項

調査委員会は、生命身体事故等が発生した場合において、生命身体被害の発生 又は拡大の防止を図るため当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明することが必要であると認める場合において、前条第一項ただし書に規定する他の行政機関等による調査等の結果を得たときは、その評価を行うものとする。

2項

調査委員会は、前項の評価の結果、消費者安全の確保の見地から 必要があると認めるときは、当該 他の行政機関等による調査等に関する事務を所掌する行政機関の長に対し、当該生命身体事故等に係る事故等原因の究明に関し意見を述べることができる。

3項

調査委員会は、第一項の評価の結果、更に調査委員会が消費者安全の確保の見地から 当該生命身体事故等に係る事故等原因を究明するために調査を行う必要があると認めるときは、事故等原因調査を行うものとする。

4項

第一項の他の行政機関等による調査等に関する事務を所掌する行政機関の長は、当該 他の行政機関等による調査等に関して調査委員会の意見を聴くことができる。

1項

調査委員会は、事故等原因調査等を行うため必要があると認めるときは、当該事故等原因調査等に係る調査 又は研究の実施に関する事務の一部を、独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人、一般社団法人 若しくは一般財団法人、事業者 その他の民間の団体 又は学識経験を有する者に委託することができる。

2項

前項の規定により事務の委託を受けた者 若しくは その役員 若しくは職員 又は これらの職にあった者は、当該委託に係る事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

3項

第一項の規定により事務の委託を受けた者 又は その役員 若しくは職員であって当該委託に係る事務に従事するものは、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

内閣総理大臣は、第十二条第一項 又は第二項の規定により生命身体事故等の発生に関する情報の通知を受けた場合 その他生命身体事故等の発生に関する情報を得た場合においては、速やかに調査委員会にその旨を報告しなければならない。

1項

調査委員会は、事故等原因調査を行うために必要があると認めるときは、内閣総理大臣に対し、生命身体事故等についての事実の調査又は物件の収集の援助その他の必要な援助を求めることができる。

2項

内閣総理大臣は、前項の規定による援助を求められた場合において、必要があると認めるときは、 その職員に第二十三条第二項第二号に掲げる 処分をさせることができる。

3項

内閣総理大臣は、生命身体事故等が発生したことを知った場合において、必要があると認めるときは、生命身体事故等についての事実の調査、物件の収集 その他の調査委員会が事故等原因調査を円滑に開始することができるための適切な措置をとらなければならない。

4項

内閣総理大臣は、前項の規定による措置をとるため必要があると認めるときは、その職員に第二十三条第二項各号に掲げる 処分をさせることができる。

5項

第二十三条第四項 及び第五項の規定は、第二項 又は前項の規定により職員が処分をする場合について準用する。

1項

何人も、生命身体被害の発生 又は拡大の防止を図るために事故等 原因調査等が必要であると思料するときは、調査委員会に対し、その旨を申し出て、事故等原因調査等を行うよう求めることができる。


この場合においては、内閣府令で定めるところにより、当該申出に係る生命身体事故等の内容 及び これに対する事故等原因調査等の必要性 その他内閣府令で定める事項を記載した書面を添えなければならない。

2項

調査委員会は、前項の規定による申出があったときは、必要な検討を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、事故等原因調査等を行わなければならない。

3項

被害者 又は被害者が死亡した場合 若しくは その心身に重大な故障がある場合におけるその配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹(以下 この項において「被害者等」という。)が第一項の規定により申出をした場合において、当該申出が、自ら負傷 若しくは疾病を被り、又は配偶者、直系の親族 若しくは兄弟姉妹が死亡し 若しくは負傷 若しくは疾病を被った 第二条第七項第一号に掲げる事故に該当するものに係るものであるときは、調査委員会は、事故等原因調査等を行うこととしたときは その旨を、行わないこととしたときは その旨 及び その理由を、速やかに、当該被害者等に通知しなければならない。

1項

調査委員会は、前条第一項の規定による申出により重大事故等が発生した旨の情報を得たときは、直ちに、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、その旨 及び当該重大事故等の概要 その他 内閣府令で定める事項を通知しなければならない。

2項

調査委員会は、前条第一項の規定による申出により生命身体事故等(重大事故等を除く)が発生した旨の情報を得た場合であって、当該生命身体事故等の態様、当該生命身体事故等に係る商品等 又は役務の特性 その他 当該生命身体事故等に関する状況に照らし、当該生命身体事故等による被害が拡大し、又は当該生命身体事故等と同種 若しくは類似の生命身体事故等が発生するおそれがあると認めるときは、内閣総理大臣に対し、内閣府令で定めるところにより、当該生命身体事故等が発生した旨 及び当該生命身体事故等の概要 その他 内閣府令で定める事項を通知するものとする。

3項

前二項の規定は、調査委員会が、第十二条第一項 又は第二項の規定による通知をしなければならないこととされている者から前条第一項の規定による申出を受けた場合には、適用しない

1項

調査委員会は、 事故等原因調査を完了する前に、原因関係者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

1項

調査委員会は、 事故等原因調査を完了したときは、当該生命身体事故等に関する次の事項を記載した報告書を作成し、これを内閣総理大臣に提出するとともに、公表しなければならない。

一 号
事故等原因調査の経過
二 号
認定した事実
三 号
事実を認定した理由
四 号
事故等原因
五 号
その他必要な事項
2項

調査委員会は、前項の報告書を作成するに当たり、 少数意見があるときは、当該報告書にこれを付記するものとする。

3項

調査委員会は、事故等原因調査を完了する前においても、当該事故等原因調査を開始した日から 一年以内に事故等原因調査を完了することが困難であると見込まれる状況にあることその他の事由により必要があると認めるときは、事故等原因調査の経過について、 内閣総理大臣に報告するとともに、公表するものとする。