牧野法
第三章 保護牧野
都道府県知事は、前項の指示をする場合には、左に掲げる基準に準拠してしなければならない。
前条第一項の指示を受けた者は、必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、当該指示の変更を申請することができる。
都道府県知事は、前項の申請があつたとき、又は必要があると認めるときは、前条第一項の指示を変更することができる。
第九条第一項の指示のあつた牧野(以下「保護牧野」という。)につき、牧野としての用途が廃止されたときは、同条同項の指示は、その効力を失う。
第九条第一項の指示を受けた者は、前項の用途廃止の日から三十日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
都道府県知事は、第九条第一項の指示に係る措置の実施を確保するため必要があるときは、その職員に当該保護牧野に立ち入らせ、当該指示に係る措置の実施状況を検査させることができる。
第六条第三項 及び第四項の規定は、前項の立入検査について準用する。
第九条第一項の指示を受けた者は、当該指示に係る措置の実施を完了したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
都道府県知事は、前項の届出があつた場合において、当該指示に係る措置の実施が完了していると認めるときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
都道府県は、第九条第一項の指示を実施したため損失を受けた者に対し、その実施により通常生ずべき損失を補償する。
契約により所有権以外の権原に基き牧野の管理を行う者が、第九条第一項の指示を受け、当該指示に係る措置を実施するために必要な費用を支出したときは、その者は、契約の相手方に対し、契約期間 若しくは永小作権 その他の権利の存続期間の延長 又は小作料、賃借料 その他その利用の対価の減免につき協議を求めることができる。
第九条第一項の指示を受け、当該指示に係る措置を実施するために必要な費用を支出した者と当該牧野の利用者との間に、当該牧野の使用 又は収益に関する契約がある場合において、当該指示に係る措置を実施したため牧野の効用が増加したときは、その実施者は、契約の条件にかかわらず、小作料、賃貸料 その他その利用の対価につき、相当の増額を請求することができる。
前項の請求があつたときは、当該牧野の利用者は、その権利を放棄し、又は契約を解除することができる。
森林法(明治四十年法律第四十三号)第三十六条において準用する同法第十四条の規定により保安林に編入されている牧野については、この章の規定を適用しない。