特別会計に関する法律
第五節 外国為替資金特別会計
この節において「外国為替等」とは、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六条第一項に規定する対外支払手段 及び外貨証券 並びに外貨債権(外国において 又は外貨をもって支払を受けることができる債権(同項第十三号に規定する債権をいう。)をいう。以下この節において同じ。)並びに特別引出権(国際通貨基金協定第十五条に規定する特別引出権をいう。以下この節において同じ。)並びに対外支払の決済上必要な金銀地金をいう。
第一項の「売買等」とは、売買(国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律(昭和二十七年法律第百九十一号。以下この節において「加盟措置法」という。)第十七条の規定による取引を含む。以下この節において同じ。)及びこれに伴う取引(国際通貨基金とのその他の取引を含む。)をいう。
外国為替資金の運営に基づく収益金(外国通貨をもって表示されるもの 又は特別引出権 若しくは金地金によるものについてはその円貨代わり金とし、国際通貨基金協定第五条第九項の規定による報酬を含み、第七十八条第一項に規定する利益を除く。)
第七十八条第一項の規定による利益の組入金
第八十二条第二項の規定による一時借入金の借換え 及び融通証券の発行による収入金
外国為替資金の運営に要する経費(外国通貨をもって表示されるもの又は特別引出権 若しくは金地金によるものについては、その円貨代わり金。以下この節において同じ。)
第七十八条第一項の規定による損失の補てん金
一時借入金、融通証券 及び基金通貨代用証券(加盟措置法第五条第一項に規定する基金通貨代用証券をいう。以下この節において同じ。)の利子
第八十二条第二項の規定により借り換えた一時借入金 及び発行した融通証券の償還金 及び利子
第三条第二項第一号から第五号までに掲げる書類のほか、外国為替資金特別会計においては、歳入歳出予定計算書等に、前々年度の貸借対照表 及び損益計算書 並びに前年度 及び当該年度の予定貸借対照表 及び予定損益計算書を添付しなければならない。
外国為替資金特別会計における一般会計からの繰入対象経費は、第七十三条第二号の経費とする。
第六条 及び前項の規定により一般会計から繰入れをすることができる金額は、外国為替資金特別会計の歳入歳出の決算上不足を生ずると見込まれる場合における当該不足を生ずると見込まれる金額に相当する金額を限度とする。
財務大臣は、外国為替等の売買 及びこれに伴う取引上必要があると認める場合には、外国為替資金に属する外国為替等(特別引出権を除く。)を銀行等(外国為替及び外国貿易法第十六条の二に規定する銀行等をいう。)、外国にある外国銀行、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者 及び同法第五十八条に規定する外国証券業者(以下この節において「金融機関」という。)に対して預入し、若しくは貸し付け(貸越しの契約に基づく場合を含む。以下この項において同じ。)、又は外国為替資金に属する現金(本邦通貨たる現金をいう。以下この節において同じ。)を金融機関に預入し、若しくは貸し付けることができる。
財務大臣は、外国為替等の売買 及びこれに伴う取引上必要があると認める場合には、外国為替資金特別会計の負担において、金融機関から外国為替等(特別引出権を除く。以下この項において同じ。)の預入を受け、若しくは外国為替等を借り入れ(借越しの契約に基づく場合を含む。)、若しくは外国為替手形の引受け 若しくは金融機関の外国為替等に係る債務の保証をし、又は同会計の負担において、金融機関から現金の預入を受け、若しくは借越しの契約に基づいて現金を借り入れることができる。
財務大臣は、外国為替等の売買 及びこれに伴う取引上必要があると認める場合には、外国為替資金特別会計の負担において、金融機関から外国為替等(特別引出権を除く。以下この項において同じ。)の寄託を受け、又は金融機関に外国為替等を寄託することができる。
財務大臣は、外国為替等の売買 及びこれに伴う取引上必要があると認める場合には、外国為替資金特別会計の負担において、外国為替及び外国貿易法第六条第一項第十四号に規定する金融指標等先物契約(外国において若しくは外貨をもって支払が行われるもの又は外国通貨の金融指標(金融商品取引法第二条第二十五項に規定する金融指標をいう。)に係るものに限る。)を締結することができる。
財務大臣は、外国為替資金に属する外国為替等(特別引出権を除く。)について、信託会社 若しくは金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関に信託し、又は金融商品取引法第二条第九項に規定する金融商品取引業者(同法第二十八条第四項に規定する投資運用業を行う者に限る。)と同法第二条第八項第十二号ロに規定する投資一任契約を締結することにより、前各項の規定による運用を、これらの者に行わせることができる。
外国為替資金に属する外国為替等 及び現金は、加盟措置法第二条の規定による国際通貨基金に対する出資 及び基金通貨代用証券の償還に充てることができる。
外国為替資金に属する現金は、加盟措置法第十一条第二項に規定する貸付けに充てることができる。
外国為替資金は、一般会計からの繰入金 及び第八十条の規定による組入金をもってこれに充てる。
財務大臣は、前条の規定による外国為替資金の運営に関する事務を、日本銀行に取り扱わせることができる。
日本銀行は、財務大臣の指示するところに従い、前項の規定により財務大臣から取扱いを委任された事務の一部を、金融機関に取り扱わせることができる。
外国為替等の売買に伴って生じた利益は、外国為替資金特別会計の当該年度の歳入に繰り入れ、外国為替等の売買に伴って生じた損失は、同会計の当該年度の歳出をもって補てんする。
ただし、補てんのための同会計の当該年度の歳出予算額が当該補てん額に対して不足する場合には、当該不足額は、翌年度において補てんするものとする。
前項の規定による利益 及び損失の計算の方法 並びに当該利益の繰入れ及び当該損失の補てんの時期は、政令で定める。
外国為替資金に属する外国為替等(特別引出権 並びに特別引出権をもって表示される外貨証券 及び外貨債権を除く。以下この項 及び次項において同じ。)の価額は、外国為替相場(外国為替等のうち金銀地金以外のものについては外国為替 及び外国貿易法第七条第一項の規定により財務大臣が定める基準外国為替相場 又は裁定外国為替相場をいい、金銀地金については財務大臣の指定する価額とする。以下この項 及び次条において同じ。)に変更があった場合には、政令で定める場合を除き、変更後の外国為替相場により改定するものとする。
前項の規定による外国為替等の価額の改定に基づいて生ずる利益 又は損失は、外国為替資金の評価益 又は評価損として整理するものとする。
外国為替資金に属する特別引出権 及び特別引出権以外の資産で特別引出権をもって表示されるものの価額 並びに当該価額の改定 及びこれに伴う損益の処理については、政令で定める。
第九条第二項第一号から第三号までに掲げる書類のほか、外国為替資金特別会計においては、歳入歳出決定計算書に、当該年度の貸借対照表 及び損益計算書を添付しなければならない。
第十五条第四項 又は第六項の規定にかかわらず、外国為替資金特別会計において、歳入不足のために一時借入金 若しくは融通証券を償還し、又は繰替金を返還することができない場合には、その償還し、又は返還することができない金額を限り、同会計の負担において、一時借入金の借換えをし、又は融通証券を発行することができる。
この場合における第十七条の規定の適用については、
同条第一項中
「借入金の」とあるのは、
「第八十二条第二項の規定により借り換えた一時借入金 及び発行した融通証券の」と
する。
前項の規定により借り換えた一時借入金 又は発行した融通証券は、当該借換え 又は発行をしたときから一年内に償還しなければならない。
基金通貨代用証券については、これを融通証券とみなして、第十六条 及び第十七条の規定を適用する。
外国為替資金に属する現金に不足がある場合には、外国為替資金特別会計の負担において、一時借入金をし、融通証券を発行し、又は国庫余裕金を繰り替えて使用することができる。
前項 及び第四項の規定による一時借入金、融通証券 及び繰替金の限度額については、予算をもって、国会の議決を経なければならない。
第一項の規定により、一時借入金をし、又は融通証券を発行している場合においては、国庫余裕金を繰り替えて使用して、支払期限の到来していない一時借入金 又は融通証券を償還することができる。
第一項の規定によるほか、外国為替資金に属する現金に不足がある場合には、外国為替資金特別会計の余裕金を繰り替えて使用することができる。
第一項の規定による一時借入金、融通証券 及び繰替金 並びに第三項の規定による繰替金は、一年内に償還し、又は返還しなければならない。
第四項の規定による繰替金は、当該年度の出納の完結までに返還しなければならない。
財務大臣は、第七十七条第一項に規定する事務のほか、外国為替資金特別会計の運営に関する事務を、日本銀行に取り扱わせることができる。
前項の場合において、財務大臣は、外国為替資金の運営に要する経費の支払に必要な資金を、日本銀行に交付することができる。