預金保険法

# 昭和四十六年法律第三十四号 #
略称 : 預保法 

第五章 金融整理管財人による管理

分類 法律
カテゴリ   金融・保険
@ 施行日 : 令和八年八月十二日
@ 最終更新 : 令和八年法律第六十四号
最終編集日 : 2026年 10月14日 02時33分


1項

内閣総理大臣(この項に規定する処分に係る金融機関が労働金庫 又は労働金庫連合会である場合にあつては内閣総理大臣 及び厚生労働大臣とし、株式会社商工組合中央金庫である場合にあつては内閣総理大臣、財務大臣 及び経済産業大臣とする。次項、第四項(次条第二項において準用する場合を含む。)及び第五項、同条第一項、第七十七条第二項から第四項まで、第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。)、第八十条、第八十四条第一項 並びに第九十条において同じ。)は、金融機関がその財産をもつて債務を完済することができないと認める場合 又は金融機関がその業務 若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合 若しくは金融機関が預金等の払戻しを停止した場合であつて、次に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、金融整理管財人による業務 及び財産の管理を命ずる処分(以下「管理を命ずる処分」という。)をすることができる。

一 号
当該金融機関の業務の運営が著しく不適切であること。
二 号
当該金融機関について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止 又は解散が行われる場合には、当該金融機関が業務を行つている地域 又は分野における資金の円滑な需給 及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
2項

内閣総理大臣は、金融機関からその財産をもつて債務を完済することができない事態が生ずるおそれがあると認める旨の申出があつた場合において、当該事態が生ずるおそれがあり、かつ、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、当該金融機関に対し、管理を命ずる処分をすることができる。

3項

前二項の規定による管理を命ずる処分があつた場合におけるこの法律の適用については、当該処分を受けた金融機関(破綻金融機関を除く。)は、破綻金融機関とみなす。

4項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたときは、官報により、これを公告しなければならない。

5項

金融機関は、その財産をもつて債務を完済することができないとき 又はその業務 若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあるときは、その旨 及びその理由を、文書をもつて、内閣総理大臣に申し出なければならない。

1項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分について、その必要がなくなつたと認めるときは、当該管理を命ずる処分を取り消さなければならない。

2項

前条第四項の規定は、前項の場合について準用する。

1項

被管理金融機関が銀行等 又は株式会社商工組合中央金庫である場合において、内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、株主の名義書換を禁止することができる。

2項

前項の被管理金融機関が株式会社商工組合中央金庫である場合における同項の規定の適用については、

同項中
「内閣総理大臣」とあるのは、
「内閣総理大臣、財務大臣 及び経済産業大臣」と

する。

1項

管理を命ずる処分があつたときは、被管理金融機関を代表し、業務の執行 並びに財産の管理 及び処分を行う権利は、金融整理管財人に専属する。


会社法第八百二十八条第一項 及び第二項(これらの規定を信用金庫法第二十八条、第五十二条の二(同法第五十八条第七項において準用する場合を含む。)及び第六十一条の七、中小企業等協同組合法第三十二条、第五十七条(同法第五十七条の三第六項において準用する場合を含む。)及び第六十七条、労働金庫法第二十八条、第五十七条の二(同法第六十二条第七項において準用する場合を含む。)及び第六十五条 並びに優先出資法第四十四条の四において準用する場合を含む。)並びに会社法第八百三十一条(信用金庫法第二十四条第十項 及び第四十八条の八、中小企業等協同組合法第二十七条第八項、第五十四条、第八十二条第四項 及び第八十二条の十第四項 並びに労働金庫法第二十四条第十一項 及び第五十四条において準用する場合を含む。)の規定による取締役 及び執行役(被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては、理事)の権利についても、同様とする。

2項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分と同時に、一人 又は数人の金融整理管財人を選任しなければならない。

3項

内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定により金融整理管財人を選任した後においても、更に金融整理管財人を選任し、又は金融整理管財人が被管理金融機関の業務 及び財産の管理を適切に行つていないと認めるときは、金融整理管財人を解任することができる。

4項

内閣総理大臣は、第二項 若しくは前項の規定により金融整理管財人を選任したとき 又は同項の規定により金融整理管財人を解任したときは、被管理金融機関にその旨を通知するとともに、官報により、これを公告しなければならない。

5項

会社更生法第六十九条、第七十条、第八十条 並びに第八十一条第一項 及び第五項の規定は金融整理管財人について、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条の規定は被管理金融機関について、それぞれ準用する。


この場合において、

会社更生法第六十九条第一項中
「裁判所の許可」とあるのは
「内閣総理大臣(当該金融整理管財人の管理に係る金融機関が労働金庫 又は労働金庫連合会である場合にあっては内閣総理大臣 及び厚生労働大臣とし、当該金融機関が株式会社商工組合中央金庫である場合にあつては内閣総理大臣、財務大臣 及び経済産業大臣とする。以下同じ。)の承認」と、

同法第七十条中
「管財人代理」とあるのは
「金融整理管財人代理」と、

同条第二項中
「裁判所の許可」とあるのは
「内閣総理大臣の承認」と、

同法第八十一条第一項中
「裁判所」とあるのは
「内閣総理大臣」と、

同条第五項中
「管財人代理」とあるのは
「金融整理管財人代理」と、

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第七十八条中
「代表理事 その他の代表者」とあるのは
「金融整理管財人」と

読み替えるものとする。

1項

法人は、金融整理管財人 又は金融整理管財人代理となることができる。

2項

機構は、金融整理管財人 又は金融整理管財人代理となり、その業務を行うことができる。

1項

内閣総理大臣は、管理を命ずる処分をしたとき 又は管理を命ずる処分を取り消したときは、直ちに、被管理金融機関の本店 又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所にその旨を通知し、かつ、嘱託書に当該命令書の謄本を添付して、被管理金融機関の本店 又は主たる事務所の所在地の登記所に、その登記を嘱託しなければならない。

2項

前項の登記には、金融整理管財人の氏名 又は名称 及び住所をも登記しなければならない。

3項

第一項の規定は、前項に掲げる事項に変更が生じた場合について準用する。

1項

内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、金融整理管財人に対し、被管理金融機関の業務 及び財産の状況等に関し報告 若しくは資料の提出を求め、又はその経営に関する計画の作成 及び提出 その他必要な措置を命ずることができる。

1項

金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 及び会計監査人(被管理金融機関が監査等委員会設置会社である場合にあつては取締役、会計参与 及び会計監査人、被管理金融機関が指名委員会等設置会社である場合にあつては取締役、執行役、会計参与 及び会計監査人、被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては理事、監事 及び会計監査人。第八十七条第五項において同じ。)並びに支配人(被管理金融機関が信用協同組合 若しくは信用協同組合連合会 又は労働金庫 若しくは労働金庫連合会である場合にあつては、参事)その他の使用人 並びに被管理金融機関を所属金融機関とする金融機関代理業者(金融機関代理業者が法人である場合にあつては、その役員 及び使用人を含む。)、株式会社商工組合中央金庫(被管理金融機関である場合に限る。以下この項において同じ。)の株式会社商工組合中央金庫法第二条第四項に規定する代理 若しくは媒介に係る契約の相手方(その役員 及び使用人を含む。)及び被管理金融機関を委託金融機関とする電子決済等取扱業者等(その役員 及び使用人を含む。)並びにこれらの者であつた者に対し、被管理金融機関の業務 及び財産の状況(これらの者であつた者については、その者が当該被管理金融機関の業務に従事していた期間内に知ることのできた事項に係るものに限る。)につき報告を求め、又は被管理金融機関 並びに被管理金融機関を所属金融機関とする金融機関代理業者、株式会社商工組合中央金庫の同項に規定する代理 若しくは媒介に係る契約の相手方 及び被管理金融機関を委託金融機関とする電子決済等取扱業者等の帳簿、書類 その他の物件を検査することができる。

2項

金融整理管財人は、その職務を行うため必要があるときは、官庁、公共団体 その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。

1項

金融整理管財人 及び金融整理管財人代理(以下この条において「金融整理管財人等」という。)は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。


金融整理管財人等がその職を退いた後も、同様とする。

2項

金融整理管財人等が法人であるときは、金融整理管財人等の職務に従事するその役員 及び職員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。


その役員 又は職員が金融整理管財人等の職務に従事しなくなつた後においても、同様とする。

1項

金融整理管財人は、被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 若しくは会計監査人(被管理金融機関が監査等委員会設置会社である場合にあつては取締役、会計参与 又は会計監査人、被管理金融機関が指名委員会等設置会社である場合にあつては取締役、執行役、会計参与 又は会計監査人、被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては理事、監事 又は会計監査人)又はこれらの者であつた者の職務上の義務違反に基づく民事上の責任を履行させるため、訴えの提起 その他の必要な措置をとらなければならない。

2項

金融整理管財人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならない。

1項

金融整理管財人は、自己 又は第三者のために被管理金融機関と取引をするときは、内閣総理大臣の承認を得なければならない。


この場合においては、民法第百八条の規定は、適用しない。

2項

前項の承認を得ないでした行為は、無効とする。


ただし、善意の第三者に対抗することができない。

1項

被管理金融機関における会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。)から第五号まで、第九号、第十一号 若しくは第十二号 若しくは第三百二十四条第二項第一号 若しくは第四号に掲げる株主総会 若しくは種類株主総会の決議、信用金庫法第四十八条の三、中小企業等協同組合法第五十三条 若しくは労働金庫法第五十三条の規定による決議 若しくは議決 又は金融機関の合併及び転換に関する法律第二十二条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)、第二十九条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)若しくは第三十五条第二項の規定による決議 若しくは議決は、これらの規定にかかわらず、出席した株主 又は会員、組合員 若しくは代議員 若しくは総代(第四項において「株主等」という。)の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。

2項

被管理金融機関における会社法第三百九条第三項各号 若しくは第三百二十四条第三項各号に掲げる株主総会 若しくは種類株主総会の決議 又は金融機関の合併及び転換に関する法律第二十二条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であつて出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。

3項

被管理金融機関における会社法第三百九条第四項の規定による株主総会の決議は、同項の規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であつて出席した株主の議決権の四分の三以上に当たる多数をもつて、仮にすることができる。

4項

第一項の規定により仮にした決議 又は議決(以下この項 及び次項において「仮決議等」という。)があつた場合においては、各株主等に対し、当該仮決議等の趣旨を通知し、当該仮決議等の日から一月以内に再度の株主総会等(第六十六条第二項に規定する株主総会等をいう。次項 及び次条第六項において同じ。)を招集しなければならない。

5項

前項の株主総会等において第一項に規定する多数をもつて仮決議等を承認した場合には、当該承認のあつた時に、当該仮決議等をした事項に係る決議 又は議決があつたものとみなす。

6項

前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があつた場合について準用する。


この場合において、

前項中
「第一項に規定する多数」とあるのは、
「第二項に規定する多数」と

読み替えるものとする。

7項

第四項 及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があつた場合について準用する。


この場合において、

第五項中
「第一項に規定する多数」とあるのは、
「第三項に規定する多数」と

読み替えるものとする。

1項

銀行等 又は株式会社商工組合中央金庫である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、会社法第百十一条第二項、第百七十一条第一項、第百九十九条第二項、第四百四十七条第一項、第四百六十六条、第四百六十七条第一項第一号から第二号の二まで、第四百七十一条第三号、第七百八十三条第一項 及び第八百四条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。

一 号

全部取得条項付種類株式(会社法第百七十一条第一項に規定する全部取得条項付種類株式をいう。第百二十六条の十三第一項第一号において同じ。)の発行のために必要な定款の変更、当該全部取得条項付種類株式の全部の取得 又はこれとともにする同法第百九十九条第一項に規定する募集株式の発行に係る同条第二項に規定する募集事項の決定

二 号
資本金の額の減少
三 号
事業の全部 又は重要な一部の譲渡
四 号
その子会社の株式 又は持分の全部 又は一部の譲渡
五 号
解散
六 号
会社分割
2項

信用金庫等である被管理金融機関がその財産をもつて債務を完済することができない場合には、当該被管理金融機関は、信用金庫法第四十八条の三 及び第五十八条第一項、中小企業等協同組合法第五十三条 及び第五十七条の三第一項 並びに労働金庫法第五十三条 及び第六十二条第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、次に掲げる事項を行うことができる。

一 号
解散
二 号
事業の譲渡
3項

金融整理管財人は、会社法第三百三十九条第一項(同法第三百四十七条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)及び第四百三条第一項、信用金庫法第三十五条の八第一項、中小企業等協同組合法第四十二条第一項 並びに労働金庫法第三十七条の六第一項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 又は会計監査人(被管理金融機関が監査等委員会設置会社である場合にあつては監査等委員である取締役 若しくはそれ以外の取締役、会計参与 又は会計監査人、被管理金融機関が指名委員会等設置会社である場合にあつては取締役、執行役、会計参与 又は会計監査人、被管理金融機関が信用金庫等である場合にあつては理事、監事 又は会計監査人。次項において同じ。)を解任することができる。

4項

前項の規定により被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 又は会計監査人を解任しようとする場合において、解任により法律 又は定款に定めた取締役、会計参与、監査役 又は会計監査人の員数を欠くこととなるときは、金融整理管財人は、会社法第三百二十九条第一項 及び第四百二条第二項、信用金庫法第三十二条第三項、中小企業等協同組合法第三十五条第三項 並びに労働金庫法第三十二条第三項の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 又は会計監査人を選任することができる。

5項

前項の規定により選任された被管理金融機関の取締役、会計参与、監査役 及び会計監査人は当該被管理金融機関に係る金融整理管財人による管理の終了の後最初に招集される定時株主総会 又は通常総会(総代会を設けている場合において、その総代会で役員の選任をすることができるときは、通常総代会)の終結の時に、執行役は当該定時株主総会が終結した後最初に開催される取締役会の終結の時に退任する。

6項

第一項から第四項までに規定する許可(以下この条 及び次条において「代替許可」という。)があつたときは、当該代替許可に係る事項について株主総会等 又は取締役会の決議があつたものとみなす。

7項

代替許可に係る事件は、当該被管理金融機関の本店 又は主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

8項

裁判所は、代替許可の決定をしたときは、その決定書を被管理金融機関に送達するとともに、その決定の要旨を公告しなければならない。

9項

前項の規定によつてする公告は、官報に掲載してする。

10項

代替許可の決定は、第八項の規定による被管理金融機関に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

11項

代替許可の決定に対しては、株主、会員 又は組合員は、第八項の公告のあつた日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。


この場合において、当該即時抗告が解散に係る代替許可の決定に対するものであるときは、執行停止の効力を有する。

12項

非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第五条、第六条、第七条第二項、第四十条、第四十一条、第五十六条第二項 並びに第六十六条第一項 及び第二項の規定は、代替許可に係る事件については、適用しない。

1項

前条第一項第一号、第二号、第五号 若しくは第六号 若しくは第二項第一号に掲げる事項 又は同条第三項 若しくは第四項に定める事項に係る代替許可があつた場合においては、当該事項に係る登記の申請書には、当該代替許可の決定書の謄本 又は抄本を添付しなければならない。

1項

銀行等 又は株式会社商工組合中央金庫である被管理金融機関が資本金の額の減少の決議をした場合においては、預金者 その他政令で定める債権者に対する会社法第四百四十九条第二項の規定による催告は、することを要しない。

1項

金融整理管財人は、管理を命ずる処分の日から一年以内に、被管理金融機関の事業の譲渡 その他の措置を講ずることにより、その管理を終えるものとする。


ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該管理を終えることができない場合には、内閣総理大臣の承認を得て、一年を限り、この期限を延長することができる。