職員は、個別的に、又は職員団体(人事院に登録された職員団体をいう。以下同じ。)を通じてその代表者により団体的に、法第八十六条の規定による勤務条件に関する行政措置の要求(以下「要求」という。)を行うことができる。
人事院規則一三―二(勤務条件に関する行政措置の要求)
制定に関する表明
人事院は、国家公務員法に基き、勤務条件に関する行政措置の要求に関する審査の手続に関し、次の人事院規則を制定する。
審査請求をすることができる処分については、要求を行うことができない。
要求を行う職員(職員団体の代表者を含む。以下「申請者」という。)は、行政措置要求書正副二通を、書類、記録 その他の適切な資料をそえて、人事院に提出しなければならない。
但し、申請者は審査の係属中においても、資料を提出することを妨げない。
申請者の官職、氏名、住所、生年月日 及び勤務官署
但し、申請者が職員団体の代表者である場合には、その職員団体の名称、職員団体における役職名、氏名及び その職員団体の主な事務所の所在地
要求事項について当局と交渉を行つた場合には、その交渉経過の概要
行政措置要求書に記載した事項に変更を生じた場合には、申請者は、すみやかにその旨を人事院に届け出なければならない。
人事院は、行政措置要求書が提出された場合には、申請者の資格、要求事項 その他の記載事項について審査し、その要求を受理すべきかどうかについて決定を行わなければならない。
前条の審査の結果要求が不適法であつて補正することができるものであるときは、人事院は、相当の期間を定めて、その補正を命じなければならない。
ただし、要求が不適法であつても、それが軽微なものであつて要求事項に影響のないものであるときは、人事院は、自らその補正をすることができる。
人事院は、適当と認めるときは、第四条の決定を行う前に、関係当事者に対して要求事項について交渉を行うようにすすめることができる。
人事院は、要求を受理した場合には、その旨を申請者及び必要があると認めるときは 内閣総理大臣 又は申請者の所轄庁の長に通知し、却下した場合には、その旨を申請者に通知しなければならない。
人事院は、事案の審査のため必要と認めるときは、申請者、内閣総理大臣 若しくは申請者の所轄庁の長 若しくはそれらの代理者 又は その他の関係者から意見を徴し、又は これらのものに対し資料の提出を求め、若しくは出頭を求めてその陳述を聞き、その他の必要な事実調査を行うことができる。
前項の事案の審査のため、人事院は、必要と認めるときは、公開 又は非公開の口頭審理を行うことができる。
人事院は、適当と認めるときは、事案の審査の係属中においても、事案が適切に解決されるように、関係当事者間をあつせんすることができる。
人事院は、事案の審査のため必要と認めるときは、証人を呼び出すことができる。
人事院は、証人に対して証言を求めようとするときは、あらかじめ宣誓を行わせ、虚偽の証言を行つた場合の法律上の制裁を告げなければならない。
人事院は、証人に対し、口頭による証言にかえて口述書を提出させることができる。
人事院は、事案の性質により適当と認めるときは、人事院事務総局の職員の中から苦情審査委員を指名し、苦情審査委員会を設置して、その事案の審査を行わせることができる。
但し、人事院は、必要と認めるときは、苦情審査委員の一部を人事院事務総局の職員以外の者の中から指名することができる。
人事院は、苦情審査委員の中一名を苦情審査委員長として指名しなければならない。
苦情審査委員長は、その事案の審査を指揮し、その進行をはかる責に任ずる。
苦情審査委員長に事故のある場合には、苦情審査委員長の指名した苦情審査委員がその職務を行う。
苦情審査委員会は、第七条第一項、第二項 及び第八条に定める人事院の権限を行うことができる。
申請者は、人事院が判定を行うまでは いつでも書面をもつて要求を取り下げることができる。
要求が人事院に係属中、申請者の死亡、所在不明等により事案の審査を継続することが不可能となつた場合 又は交渉 若しくはあつせんによる事案の解決、要求の事由の消滅等により事案の審査を継続する必要がなくなつた場合には、人事院は、その事案の審査を打ち切り要求を却下することができる。
判定は、書面で行ない、かつ、当該書面には、要求の要旨 及び判定の理由を記載しなければならない。
人事院は、判定書を、申請者に、及び必要があると認めるときは内閣総理大臣 又は申請者の所轄庁の長に送付しなければならない。
人事院が判定に基き、内閣総理大臣 又は申請者の所轄庁の長に対し勧告する場合には、勧告書を内閣総理大臣 又は申請者の所轄庁の長に、その写を申請者に送付しなければならない。