出入国管理及び難民認定法

# 昭和二十六年政令第三百十九号 #
略称 : 入管法 

第一節 違反調査

分類 政令
カテゴリ   外事
@ 施行日 : 令和八年六月十四日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和七年法律第三十九号
最終編集日 : 2026年 08月11日 16時46分


1項

入国警備官は、第二十四条各号の一に該当すると思料する外国人があるときは、当該外国人(以下「容疑者」という。)につき違反調査をすることができる。

1項

入国警備官は、違反調査の目的を達するため必要な取調べをすることができる。


ただし、強制の処分は、この章 及び第八章に特別の規定がある場合でなければすることができない。

2項

入国警備官は、違反調査について、公務所 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

1項

入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、容疑者の出頭を求め、当該容疑者を取り調べることができる。

2項

前項の場合において、入国警備官は、容疑者の供述を調書に記載しなければならない。

3項

前項の調書を作成したときは、入国警備官は、容疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、署名をさせ、且つ、自らこれに署名しなければならない。

4項

前項の場合において、容疑者が署名することができないとき、又は署名を拒んだときは、入国警備官は、その旨を調書に附記しなければならない。

1項

入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、証人の出頭を求め、当該証人を取り調べることができる。

2項

前項の場合において、入国警備官は、証人の供述を調書に記載しなければならない。

3項

前条第三項 及び第四項の規定は、前項の場合に準用する。


この場合において、

前条第三項 及び第四項
容疑者」とあるのは
「証人」と

読み替えるものとする。

1項
入国警備官は、容疑者 又は証人が任意に提出し、又は置き去つた物件を領置することができる。
1項

入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、その所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押え(電磁的記録を保管する者 その他電磁的記録を利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録媒体に記録させ、又は印刷させた上、当該記録媒体を差し押さえることをいう。以下この節において同じ。)をすることができる。

2項

差し押さえるべき物件が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成 若しくは変更をした電磁的記録 又は当該電子計算機で変更 若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機 又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機 又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

3項

前二項の場合において、急速を要するときは、入国警備官は、臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は電磁的記録を記録させ、若しくは印刷させるべき者の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官があらかじめ発する許可状により、前二項の処分をすることができる。

4項

入国警備官は、第一項 又は前項の許可状(第三十七条の五第四項 及び第五項除き、以下この節において「許可状」という。)を請求するときは、容疑者が第二十四条各号いずれかに該当すると思料されるべき資料 及び次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める資料を添付してこれをしなければならない。

一 号

容疑者以外の者の物件 又は住居 その他の場所を臨検しようとするとき

その物件 又は場所が違反事件に関係があると認めるに足りる状況があることを認めるべき資料

二 号

容疑者以外の者の身体、物件 又は住居 その他の場所について捜索しようとするとき

差し押さえるべき物件の存在 及びその物件が違反事件に関係があると認めるに足りる状況があることを認めるべき資料

三 号

容疑者以外の者の物件を差し押さえようとするとき

その物件が違反事件に関係があると認めるに足りる状況があることを認めるべき資料

四 号

容疑者以外の者が保管する電磁的記録であつて、当該電磁的記録を保管する者 その他これを利用する権限を有する者に命じて必要な電磁的記録を記録させ、又は印刷させたものを差し押さえようとするとき

その電磁的記録が違反事件に関係があると認めるに足りる状況があることを認めるべき資料

5項

前項の請求があつた場合においては、地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官は、容疑者の氏名、臨検すべき物件 若しくは場所、捜索すべき身体、物件 若しくは場所、差し押さえるべき物件 又は記録させ、若しくは印刷させるべき電磁的記録 及びこれを記録させ、若しくは印刷させるべき者 並びに請求者の官職氏名、有効期間、有効期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を入国警備官に交付しなければならない。

6項

第二項の場合においては、許可状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。

7項
入国警備官は、許可状を他の入国警備官に交付して、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをさせることができる。
1項

入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、許可状の交付を受けて、容疑者から発し、又は容疑者に対して発した郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押さえることができる。

2項

入国警備官は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物 又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、違反事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押さえることができる。

3項

入国警備官は、前二項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人 又は受信人に通知しなければならない。


ただし、通知によつて違反調査が妨げられるおそれがある場合は、この限りでない。

1項

入国警備官は、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者 又は自己の業務のために不特定 若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行うための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時 その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。


この場合において、当該電磁的記録について差押え 又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。

2項

前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。


ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。

3項

第一項の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりに当該求めに関する事項を漏らさないよう求めることができる。

1項
差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、入国警備官は、その差押えに代えて次に掲げる処分をすることができる。
一 号

差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写し、印刷し、又は移転した上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

二 号

差押えを受ける者に差し押さえるべき記録媒体に記録された電磁的記録を他の記録媒体に複写させ、印刷させ、又は移転させた上、当該他の記録媒体を差し押さえること。

1項
入国警備官は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、錠をはずし、封を開き、その他必要な処分をすることができる。
2項

前項の処分は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件についても、することができる。

1項
臨検すべき物件 又は差し押さえるべき物件が電磁的記録に係る記録媒体であるときは、入国警備官は、臨検 又は捜索 若しくは差押えを受ける者に対し、電子計算機の操作 その他の必要な協力を求めることができる。
1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの許可状は、これらの処分を受ける者に提示しなければならない。

1項

入国警備官は、この節の規定により取調べ、領置、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをする場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

1項

入国警備官は、住居 その他の建造物内で臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをするときは、所有者、借主、管理者 又はこれらの者に代わるべき者を立ち会わせなければならない。


これらの者を立ち会わせることができないときは、隣人 又は地方公共団体の職員を立ち会わせなければならない。

2項

女子の身体について捜索をするときは、成年の女子を立ち会わせなければならない。


ただし、急速を要する場合は、この限りでない。

1項
入国警備官は、日出前、日没後には、許可状に夜間でも執行することができる旨の記載がなければ、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えのため、住居 その他の建造物内に入つてはならない。
2項
入国警備官は、日没前に臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えに着手したときは、日没後でも、その処分を継続することができる。
3項

次に掲げる場所での臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えについては、入国警備官は、第一項に規定する制限によることを要しない。

一 号

風俗を害する行為に常用されるものと認められる場所

二 号

旅館、飲食店 その他夜間でも公衆が出入することができる場所。


ただし、公開した時間内に限る

1項

入国警備官は、この節の規定により取調べ、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをする間は、何人に対しても、許可を受けないでその場所に出入することを禁止することができる。

1項

臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えの執行を中止する場合において、必要があるときは、執行が終わるまでその場所を閉鎖し、又は看守者を置くことができる。

1項
捜索をした場合において、証拠物がないときは、捜索を受けた者の請求により、その旨の証明書を交付しなければならない。
1項

入国警備官は、領置、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、その目録を作成し、領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件の所有者、所持者 若しくは保管者(第三十一条の四の規定による処分を受けた者を含む。) 又はこれらの者に代わるべき者にその謄本を交付しなければならない。

1項
運搬 又は保管に不便な領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件は、その所有者 又は所持者 その他入国警備官が適当と認める者に、その承諾を得て、保管証を徴して保管させることができる。
2項

地方出入国在留管理局長は、領置物件 又は差押物件が腐敗し、若しくは変質したとき、又は腐敗 若しくは変質のおそれがあるときは、政令で定めるところにより、公告した後これを公売に付し、その代金を供託することができる。

1項

入国警備官 又は入国審査官は、領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について留置の必要がなくなつたときは、その返還を受けるべき者にこれを還付しなければならない。

2項

地方出入国在留管理局長は、前項の領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について、その返還を受けるべき者の住所 若しくは居所がわからないため、又はその他の事由によりこれを還付することができない場合においては、その旨を政令で定める方法によつて公告しなければならない。

3項

前項の公告に係る領置物件、差押物件 又は記録命令付差押物件について公告の日から六月を経過しても還付の請求がないときは、これらの物件は、国庫に帰属する。

1項

入国警備官は、第三十一条の四の規定により電磁的記録を移転し、又は移転させた上差し押さえた記録媒体について留置の必要がなくなつた場合において、差押えを受けた者と当該記録媒体の所有者、所持者 又は保管者とが異なるときは、当該差押えを受けた者に対し、当該記録媒体を交付し、又は当該電磁的記録の複写を許さなければならない。

2項

前条第二項の規定は、前項の規定による交付 又は複写について準用する。

3項

前項において準用する前条第二項の規定による公告の日から六月を経過しても前項の交付 又は複写の請求がないときは、その交付をし、又は複写をさせることを要しない。

1項
入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、学識経験を有する者に領置物件、差押物件 若しくは記録命令付差押物件についての鑑定を嘱託し、又は通訳 若しくは翻訳を嘱託することができる。
2項

前項の規定による鑑定の嘱託を受けた者(第四項 及び第五項において「鑑定人」という。)は、前項の入国警備官の所属官署の所在地を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判官の許可を受けて、当該鑑定に係る物件を破壊することができる。

3項

前項の許可の請求は、入国警備官からしなければならない。

4項

前項の請求があつた場合において、裁判官は、当該請求を相当と認めるときは、容疑者の氏名、破壊すべき物件 及び鑑定人の氏名 並びに請求者の官職氏名、有効期間、有効期間経過後は執行に着手することができずこれを返還しなければならない旨、交付の年月日 及び裁判所名を記載し、自己の記名押印した許可状を入国警備官に交付しなければならない。

5項

鑑定人は、第二項の処分を受ける者に前項の許可状を示さなければならない。

1項

入国警備官は、臨検、捜索、差押え 又は記録命令付差押えをしたときは、これらに関する調書を作成し、立会人に閲覧させ、又は読み聞かせて、署名をさせ、かつ、自らこれに署名しなければならない。

2項

前項の場合において、立会人が署名することができないとき、又は署名を拒んだときは、入国警備官は、その旨を調書に付記しなければならない。