派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者(期間を定めて雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)であつて派遣先の事業所 その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して一年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下「特定有期雇用派遣労働者」という。)その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であつて雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下 この項において「特定有期雇用派遣労働者等」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次の各号の措置を講ずるように努めなければならない。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律
第二節 派遣元事業主の講ずべき措置等
派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること。
派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験 その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
前三号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であつて雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。
派遣先の事業所 その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して三年間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある特定有期雇用派遣労働者に係る前項の規定の適用については、
同項中
「講ずるように努めなければ」とあるのは、
「講じなければ」と
する。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が段階的かつ体系的に派遣就業に必要な技能 及び知識を習得することができるように教育訓練を実施しなければならない。
この場合において、当該派遣労働者が無期雇用派遣労働者(期間を定めないで雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)であるときは、当該無期雇用派遣労働者がその職業生活の全期間を通じてその有する能力を有効に発揮できるように配慮しなければならない。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の求めに応じ、当該派遣労働者の職業生活の設計に関し、相談の機会の確保 その他の援助を行わなければならない。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の基本給、賞与 その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣先に雇用される通常の労働者の待遇との間において、当該派遣労働者 及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容 及び配置の変更の範囲 その他の事情のうち、当該待遇の性質 及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
派遣元事業主は、職務の内容が派遣先に雇用される通常の労働者と同一の派遣労働者であつて、当該労働者派遣契約 及び当該派遣先における慣行 その他の事情からみて、当該派遣先における派遣就業が終了するまでの全期間において、その職務の内容 及び配置が当該派遣先との雇用関係が終了するまでの全期間における当該通常の労働者の職務の内容 及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、正当な理由がなく、基本給、賞与 その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する当該通常の労働者の待遇に比して不利なものとしてはならない。
派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においては その労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その雇用する派遣労働者の待遇(第四十条第二項の教育訓練、同条第三項の福利厚生施設 その他の厚生労働省令で定めるものに係るものを除く。以下 この項において同じ。)について、次に掲げる事項を定めたときは、前条の規定は、第一号に掲げる範囲に属する派遣労働者の待遇については適用しない。
ただし、第二号、第四号 若しくは第五号に掲げる事項であつて当該協定で定めたものを遵守していない場合 又は第三号に関する当該協定の定めによる公正な評価に取り組んでいない場合は、この限りでない。
その待遇が当該協定で定めるところによることとされる派遣労働者の範囲
前号に掲げる範囲に属する派遣労働者の賃金の決定の方法(次のイ 及びロ(通勤手当 その他の厚生労働省令で定めるものにあつては、イ)に該当するものに限る。)
派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額として厚生労働省令で定めるものと同等以上の賃金の額となるものであること。
派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力 又は経験 その他の就業の実態に関する事項の向上があつた場合に賃金が改善されるものであること。
派遣元事業主は、前号に掲げる賃金の決定の方法により賃金を決定するに当たつては、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力 又は経験 その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、その賃金を決定すること。
第一号に掲げる範囲に属する派遣労働者の待遇(賃金を除く。以下 この号において同じ。)の決定の方法(派遣労働者の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する派遣元事業主に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く。)の待遇との間において、当該派遣労働者 及び通常の労働者の職務の内容、当該職務の内容 及び配置の変更の範囲 その他の事情のうち、当該待遇の性質 及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違が生じることとならないものに限る。)
派遣元事業主は、第一号に掲げる範囲に属する派遣労働者に対して第三十条の二第一項の規定による教育訓練を実施すること。
前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
前項の協定を締結した派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、当該協定をその雇用する労働者に周知しなければならない。
派遣元事業主は、派遣先に雇用される通常の労働者との均衡を考慮しつつ、その雇用する派遣労働者(第三十条の三第二項の派遣労働者 及び前条第一項の協定で定めるところによる待遇とされる派遣労働者(以下「協定対象派遣労働者」という。)を除く。)の職務の内容、職務の成果、意欲、能力 又は経験 その他の就業の実態に関する事項を勘案し、その賃金(通勤手当 その他の厚生労働省令で定めるものを除く。)を決定するように努めなければならない。
派遣元事業主は、派遣労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、あらかじめ、当該事業所において雇用する派遣労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めなければならない。
第三十条から 前条までに規定するもののほか、派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者 又は派遣労働者として雇用しようとする労働者について、各人の希望、能力 及び経験に応じた就業の機会(派遣労働者以外の労働者としての就業の機会を含む。)及び教育訓練の機会の確保、労働条件の向上 その他 雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることにより、これらの者の福祉の増進を図るように努めなければならない。
派遣元事業主は、派遣先がその指揮命令の下に派遣労働者に労働させるに当たつて当該派遣就業に関しこの法律 又は第四節の規定により適用される法律の規定に違反することがないようにその他 当該派遣就業が適正に行われるように、必要な措置を講ずる等適切な配慮をしなければならない。
派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込み その他の当該労働者の待遇に関する事項 その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。
派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、文書の交付 その他 厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により、第一号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
労働条件に関する事項のうち、労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであつて厚生労働省令で定めるもの
第三十条の三、第三十条の四第一項 及び第三十条の五の規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項 及び前号に掲げる事項を除く。)に関し講ずることとしている措置の内容
派遣元事業主は、労働者派遣(第三十条の四第一項の協定に係るものを除く。)をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、文書の交付等により、第一号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項 及び前項第一号に掲げる事項(厚生労働省令で定めるものを除く。)
前項第二号に掲げる措置の内容
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者から 求めがあつたときは、当該派遣労働者に対し、当該派遣労働者と第二十六条第八項に規定する比較対象労働者との間の待遇の相違の内容 及び理由 並びに第三十条の三から 第三十条の六までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たつて考慮した事項を説明しなければならない。
派遣元事業主は、派遣労働者が前項の求めをしたことを理由として、当該派遣労働者に対して解雇 その他不利益な取扱いをしてはならない。
派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨(紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れようとする場合にあつては、その旨を含む。)を明示しなければならない。
派遣元事業主は、その雇用する労働者であつて、派遣労働者として雇い入れた労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、当該労働者にその旨(新たに紹介予定派遣の対象としようとする場合にあつては、その旨を含む。)を明示し、その同意を得なければならない。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者 又は派遣労働者として雇用しようとする労働者との間で、 正当な理由がなく、その者に係る派遣先である者(派遣先であつた者を含む。次項において同じ。)又は派遣先となることとなる者に当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用されることを禁ずる旨の契約を締結してはならない。
派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に係る派遣先である者 又は派遣先となろうとする者との間で、 正当な理由がなく、その者が当該派遣労働者を当該派遣元事業主との雇用関係の終了後雇用することを禁ずる旨の契約を締結してはならない。
派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣に係る派遣労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項(当該労働者派遣が第四十条の二第一項各号のいずれかに該当する場合にあつては、第三号 及び第四号に掲げる事項を除く。)を明示しなければならない。
当該労働者派遣をしようとする旨
第二十六条第一項各号に掲げる事項 その他 厚生労働省令で定める事項であつて当該派遣労働者に係るもの
当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所 その他派遣就業の場所における組織単位の業務について派遣元事業主が第三十五条の三の規定に抵触することとなる最初の日
当該派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する事業所 その他 派遣就業の場所の業務について派遣先が第四十条の二第一項の規定に抵触することとなる最初の日
派遣元事業主は、派遣先から第四十条の二第七項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、当該通知に係る事業所 その他 派遣就業の場所の業務に従事する派遣労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業所 その他 派遣就業の場所の業務について派遣先が同条第一項の規定に抵触することとなる最初の日を明示しなければならない。
派遣元事業主は、前二項の規定による明示をするに当たつては、派遣先が第四十条の六第一項第三号 又は第四号に該当する行為を行つた場合には同項の規定により労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨を併せて明示しなければならない。
派遣元事業主は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額として厚生労働省令で定める額を明示しなければならない。
労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合
当該労働者
労働者派遣をしようとする場合 及び労働者派遣に関する料金の額を変更する場合
当該労働者派遣に係る派遣労働者
派遣元事業主は、労働者派遣をするときは、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を派遣先に通知しなければならない。
当該労働者派遣に係る派遣労働者の氏名
当該労働者派遣に係る派遣労働者が協定対象派遣労働者であるか否かの別
当該労働者派遣に係る派遣労働者が無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別
当該労働者派遣に係る派遣労働者が第四十条の二第一項第二号の厚生労働省令で定める者であるか否かの別
当該労働者派遣に係る派遣労働者に関する健康保険法第三十九条第一項の規定による被保険者の資格の取得の確認、厚生年金保険法第十八条第一項の規定による被保険者の資格の取得の確認 及び雇用保険法第九条第一項の規定による被保険者となつたことの確認の有無に関する事項であつて厚生労働省令で定めるもの
その他 厚生労働省令で定める事項
派遣元事業主は、前項の規定による通知をした後に同項第二号から 第五号までに掲げる事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を当該派遣先に通知しなければならない。
派遣元事業主は、派遣先が当該派遣元事業主から 労働者派遣の役務の提供を受けたならば第四十条の二第一項の規定に抵触することとなる場合には、当該抵触することとなる最初の日以降継続して労働者派遣を行つてはならない。
派遣元事業主は、派遣先の事業所 その他派遣就業の場所における組織単位ごとの業務について、三年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣(第四十条の二第一項各号のいずれかに該当するものを除く。)を行つてはならない。
派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術 又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々 又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下 この項において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合 又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合 その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行つてはならない。
厚生労働大臣は、前項の政令の制定 又は改正の立案をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。
派遣元事業主は、労働者派遣をしようとする場合において、派遣先が当該労働者派遣の役務の提供を受けたならば第四十条の九第一項の規定に抵触することとなるときは、当該労働者派遣を行つてはならない。
派遣元事業主は、派遣就業に関し次に掲げる事項を行わせるため、厚生労働省令で定めるところにより、第六条第一号、第二号 及び第四号から 第九号までに該当しない者(未成年者を除き、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有する者として、厚生労働省令で定める基準に適合するものに限る。)のうちから派遣元責任者を選任しなければならない。
第三十二条、第三十四条、第三十五条 及び次条に定める事項に関すること。
当該派遣労働者に対し、必要な助言 及び指導を行うこと。
当該派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に当たること。
当該派遣労働者等の個人情報の管理に関すること。
当該派遣労働者についての教育訓練の実施 及び職業生活の設計に関する相談の機会の確保に関すること。
当該派遣労働者の安全 及び衛生に関し、当該事業所の労働者の安全 及び衛生に関する業務を統括管理する者 及び当該派遣先との連絡調整を行うこと。
前号に掲げるもののほか、当該派遣先との連絡調整に関すること。
派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、派遣就業に関し、派遣元管理台帳を作成し、当該台帳に派遣労働者ごとに次に掲げる事項を記載しなければならない。
協定対象派遣労働者であるか否かの別
無期雇用派遣労働者であるか有期雇用派遣労働者であるかの別(当該派遣労働者が有期雇用派遣労働者である場合にあつては、当該有期雇用派遣労働者に係る労働契約の期間)
第四十条の二第一項第二号の厚生労働省令で定める者であるか否かの別
事業所の所在地 その他 派遣就業の場所 及び組織単位
労働者派遣の期間 及び派遣就業をする日
第三十条第一項(同条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により講じた措置
教育訓練(厚生労働省令で定めるものに限る。)を行つた日時 及び内容
派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
紹介予定派遣に係る派遣労働者については、当該紹介予定派遣に関する事項
その他 厚生労働省令で定める事項
派遣元事業主は、前項の派遣元管理台帳を三年間保存しなければならない。
第三十三条 及び第三十四条第一項(第三号 及び第四号を除く。)の規定は、派遣元事業主以外の労働者派遣をする事業主について準用する。
この場合において、
第三十三条中
「派遣先」とあるのは、
「労働者派遣の役務の提供を受ける者」と
読み替えるものとする。