古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法

昭和四十一年法律第一号
略称 : 古都保存法 
分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 02月04日 15時49分

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1項

この法律は、わが国固有の文化的資産として国民がひとしく その恵沢を享受し、後代の国民に継承されるべき古都における歴史的風土を保存するために国等において講ずべき特別の措置を定め、もつて国土愛の高揚に資するとともに、ひろく文化の向上発展に寄与することを目的とする。

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1項

この法律において「古都」とは、わが国往時の政治、文化の中心等として歴史上重要な地位を有する京都市奈良市鎌倉市 及び政令で定めるその他の市町村をいう。

2項

この法律において「歴史的風土」とは、わが国の歴史上意義を有する建造物、遺跡等が周囲の自然的環境と一体をなして古都における伝統と文化を具現し、及び形成している土地の状況をいう。

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1項

国 及び地方公共団体は、古都における歴史的風土が適切に保存されるように、この法律の趣旨の徹底を図り、かつ、この法律の適正な執行に努めなければならない。

2項

一般国民は、この法律の趣旨を理解し、いやしくもこの法律の目的に反することのないように努めるとともに、国 及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行なう措置に協力しなければならない。

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1項

国土交通大臣は、関係地方公共団体 及び社会資本整備審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、古都における歴史的風土を保存するため必要な土地の区域を歴史的風土保存区域として指定することができる。


この場合において、国土交通大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なくこれに回答するものとする。

2項

国土交通大臣は、歴史的風土保存区域の指定をするときは、その旨 及びその区域を官報で公示しなければならない。

3項

前二項の規定は、歴史的風土保存区域の変更について準用する。

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1項

国土交通大臣は、歴史的風土保存区域の指定をしたときは、関係地方公共団体 及び社会資本整備審議会の意見を聴くとともに、関係行政機関の長に協議して、当該歴史的風土保存区域について、歴史的風土の保存に関する計画(以下「歴史的風土保存計画」という。)を決定しなければならない。


この場合において、国土交通大臣は、関係地方公共団体から意見の申出を受けたときは、遅滞なく これに回答するものとする。

2項

歴史的風土保存計画には、次の事項を定めなければならない。

一 号

歴史的風土保存区域内における行為の規制 その他歴史的風土の維持保存に関する事項

二 号

歴史的風土保存区域内においてその歴史的風土の保存に関連して必要とされる施設の整備に関する事項

三 号

歴史的風土特別保存地区の指定の基準に関する事項

四 号

第十一条の規定による土地の買入れに関する事項

3項

国土交通大臣は、歴史的風土保存計画を決定したときは、これを関係行政機関の長 及び関係地方公共団体に送付するとともに、官報で公示しなければならない。

4項

前三項の規定は、歴史的風土保存計画の変更について準用する。

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1項

歴史的風土保存区域内において歴史的風土の保存上当該歴史的風土保存区域の枢要な部分を構成している地域については、歴史的風土保存計画に基づき、都市計画に歴史的風土特別保存地区(以下「特別保存地区」という。)を定めることができる。

2項

府県は、特別保存地区に関する都市計画が定められたときは、その区域内における標識の設置その他の適切な方法により、その区域が特別保存地区である旨を明示しなければならない。

3項

特別保存地区内の土地の所有者 又は占有者は、正当な理由がない限り、前項の標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

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1項

歴史的風土保存区域(特別保存地区を除く)内において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、政令で定めるところにより、あらかじめ府県知事にその旨を届け出なければならない。


ただし、通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為で政令で定めるもの 及び非常災害のため必要な応急措置として行なう行為については、この限りでない。

一 号

建築物 その他の工作物の新築、改築 又は増築

二 号

宅地の造成、土地の開墾 その他の土地の形質の変更

三 号

木竹の伐採

四 号

土石の類の採取

五 号

前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

2項

府県知事は、前項の届出があつた場合において、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、必要な助言 又は勧告をすることができる。

3項

国の機関は、第一項の規定により届出を要する行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事にその旨を通知しなければならない。

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1項

第二条第一項の規定に基づき古都として定められた市町村のうち、当該市町村における歴史的風土がその区域の全部にわたつて良好に維持されており、特に、その区域の全部を第六条第一項の特別保存地区に相当する地区として都市計画に定めて保存する必要がある市町村については、別に法律で定めるところにより、第四条から前条までの規定の特例を設けることができる。


この場合において、当該都市計画に定められた地区についてのこの法律の規定(第四条から前条までの規定を除く)の適用については、当該地区は、第六条第一項の特別保存地区とする。

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1項

特別保存地区内においては、次の各号に掲げる行為は、府県知事の許可を受けなければ、してはならない。


ただし、通常の管理行為、軽易な行為 その他の行為で政令で定めるもの、非常災害のため必要な応急措置として行なう行為 及び当該特別保存地区に関する都市計画が定められた際すでに着手している行為については、この限りでない。

一 号

建築物 その他の工作物の新築、改築 又は増築

二 号

宅地の造成、土地の開墾 その他の土地の形質の変更

三 号

木竹の伐採

四 号

土石の類の採取

五 号

建築物 その他の工作物の色彩の変更

六 号

屋外広告物の表示 又は掲出

七 号

前各号に掲げるもののほか、歴史的風土の保存に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるもの

2項

府県知事は、前項各号に掲げる行為で政令で定める基準に適合しないものについては、同項の許可をしてはならない。

3項

前条の法律により、市町村の区域を区分して二以上の特別保存地区が定められたときは、前二項の政令は、その区分の目的に応じてそれぞれ特別保存地区ごとに定めることができる。

4項

国土交通大臣は、第一項 又は第二項の政令の制定 又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。

5項

第一項の許可には、歴史的風土を保存するため必要な限度において、期限 その他の条件を附することができる。

6項

府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、第一項の規定に違反し、又は前項の規定により許可に附せられた条件に違反した者に対して、その保存のため必要な限度において、原状回復を命じ、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。


この場合において、当該命ぜられた行為を履行しない場合における代執行に関しては、行政代執行法昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところによる。

7項

前項前段の規定により原状回復 又はこれに代わるべき必要な措置(以下 この項において「原状回復等」という。)を命じようとする場合において、過失がなくて当該原状回復等を命ずべき者を確知することができないときは、府県知事は、その者の負担において、当該原状回復等を自ら行い、又はその命じた者 若しくは委任した者にこれを行わせることができる。


この場合においては、相当の期限を定めて、当該原状回復等を行うべき旨 及びその期限までに当該原状回復等を行わないときは、府県知事 又はその命じた者 若しくは委任した者が当該原状回復等を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

8項

国の機関が行なう行為については、第一項の許可を受けることを要しない。


この場合において、当該国の機関は、その行為をしようとするときは、あらかじめ府県知事に協議しなければならない。

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1項

前条第一項の許可を得ることができないため損失を受けた者がある場合においては、府県は、その損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならない。


ただし次の各号の一に該当する場合における当該許可の申請に係る行為については、この限りでない。

一 号

前条第一項の許可の申請に係る行為について、第十条に規定する法律(これに基づく命令を含む。以下 この号において同じ。)の規定により許可を必要とされている場合において、当該法律の規定により不許可の処分がなされたとき。

二 号

前条第一項の許可の申請に係る行為が社会通念上 特別保存地区に関する都市計画が定められた趣旨に著しく反すると認められるとき。

2項

前項の規定による損失の補償については、府県知事と損失を受けた者とが協議しなければならない。

3項

前項の規定による協議が成立しない場合においては、府県知事 又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法昭和二十六年法律第二百十九号第九十四条の規定による裁決を申請することができる。

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1項

第七条 及び第八条の規定は、歴史的風土保存区域内における工作物の新築、改築 又は増築、土地の形質の変更 その他の行為についての禁止 又は制限に関する都市計画法昭和四十三年法律第百号)、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)、文化財保護法昭和二十五年法律第二百十四号)、奈良国際文化観光都市建設法昭和二十五年法律第二百五十号)、京都国際文化観光都市建設法昭和二十五年法律第二百五十一号)その他の法律(これらに基づく命令を含む。)の規定の適用を妨げるものではない。

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1項

府県は、特別保存地区内の土地で歴史的風土の保存上必要があると認めるものについて、当該土地の所有者から第八条第一項の許可を得ることができないためその土地の利用に著しい支障をきたすこととなることにより当該土地を府県において買い入れるべき旨の申出があつた場合においては、当該土地を買い入れるものとする。

2項

前項の規定による買入れをする場合における土地の価額は、時価によるものとし、政令で定めるところにより、評価基準に基づいて算定しなければならない。

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1項

府県は、前条の規定により買い入れた土地については、この法律の目的に適合するように管理しなければならない。

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1項

国は、歴史的風土保存計画を実施するため必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。

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1項

国は、第九条の規定による損失の補償 及び第十一条の規定による土地の買入れに要する費用については、政令で定めるところにより、その一部を負担する。

2項

国は、地方公共団体が歴史的風土保存計画に基づいて行なう歴史的風土の維持保存 及び施設の整備に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該地方公共団体に対し、その一部を補助することができる。

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1項

社会資本整備審議会は、国土交通大臣 又は関係各大臣の諮問に応じ、歴史的風土の保存に関する重要事項を調査審議する。

2項

社会資本整備審議会は、前項に規定する事項に関し、国土交通大臣 又は関係大臣に意見を述べることができる。

3項

社会資本整備審議会は、この法律 及び明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法昭和五十五年法律第六十号)の規定によりその権限に属させられた事項を処理するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長 又は関係団体に対し、資料の提出、意見の開陳、説明 その他必要な協力を求めることができる。

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1項

府県知事は、歴史的風土の保存のため必要があると認めるときは、その必要な限度において、特別保存地区内の土地の所有者 その他の関係者に対して、第八条第一項各号に掲げる行為の実施状況 その他必要な事項について報告を求めることができる。

2項

府県知事は、第八条第一項第五項 又は第六項前段の規定による権限を行うため必要があると認めるときは、その必要な限度において、その職員をして、特別保存地区内の土地に立ち入り、その状況を調査させ、又は同条第一項各号に掲げる行為の実施状況を検査させることができる。

3項

前項に規定する職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

4項

第二項の規定による立入調査 又は立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

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1項

この法律中府県が処理することとされている事務は、地方自治法昭和二十二年法律第六十七号第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下この条において「指定都市」という。)においては、指定都市が処理するものとする。


この場合においては、この法律中府県に関する規定は、指定都市に関する規定として指定都市に適用があるものとする。

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1項

第八条第六項前段の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役 又は十万円以下の罰金に処する。

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1項

次の各号の一に該当する者は、六月以下の懲役 又は五万円以下の罰金に処する。

一 号

第八条第一項の規定に違反した者

二 号

第八条第五項の規定により許可に付せられた条件に違反した者

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1項

次の各号の一に該当する者は、一万円以下の罰金に処する。

一 号

第六条第二項の規定により設置した標識を移動し、汚損し、又は破壊した者

二 号

第十八条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

三 号

第十八条第二項の規定による立入調査 又は立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

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1項

第七条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、一万円以下の過料に処する。

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1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者がその法人 又は人の業務 又は財産に関して第二十条から第二十二条までに規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

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