各国立大学法人に、役員として、その長である学長(当該国立大学法人が設置する国立大学の全部について第四項に規定する大学総括理事を置く場合にあっては、理事長。次条第一項 並びに第二十一条第二項第四号、第三項 及び第五項を除き、以下同じ。)及び監事二人(二以上の国立大学を設置する国立大学法人にあっては、その設置する国立大学の数に一を加えた員数)を置く。
国立大学法人法
第一款 役員及び職員
前項の規定により置く監事のうち少なくとも一人は、常勤としなければならない。
各国立大学法人に、役員として、それぞれ別表第一の第四欄に定める員数以内の理事を置く。
国立大学法人が二以上の国立大学を設置する場合 その他その管理運営体制の強化を図る特別の事情がある場合には、第十二条第二項に規定する学長選考・監察会議の定めるところにより、当該国立大学法人に、その設置する国立大学の全部 又は一部に係る学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第九十二条第三項に規定する職務(以下「大学の長としての職務」という。)を行う理事(以下「大学総括理事」という。)を置くことができる。
国立大学法人は、前項の規定により大学総括理事を置くこととするときは、文部科学大臣の承認を受けなければならない。
学長は、大学の長としての職務(大学総括理事を置く場合にあっては、当該大学総括理事の職務に係るものを除く。)を行うとともに、国立大学法人を代表し、その業務を総理する。
学長は、次の事項について決定をしようとするときは、学長 及び理事で構成する会議(第五号において「役員会」という。)の議を経なければならない。
中期目標についての意見(国立大学法人等が第三十条第三項の規定により文部科学大臣に対し述べる意見をいう。以下同じ。)に関する事項
この法律により文部科学大臣の認可 又は承認(第十三条の二第一項 及び第十七条第七項の承認を除く。)を受けなければならない事項
大学総括理事は、前項に規定する職務のほか、大学の長としての職務(第十二条第二項に規定する学長選考・監察会議の定めるところにより、当該大学総括理事が当該大学の長としての職務を行うものとされた国立大学に係るものに限る。)を行うとともに、学長の定めるところにより、国立大学法人を代表する。
監事は、国立大学法人の業務を監査する。
この場合において、監事は、文部科学省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。
監事は、いつでも、役員(監事を除く。)及び職員に対して事務 及び事業の報告を求め、又は国立大学法人の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
監事は、国立大学法人がこの法律 又は準用通則法の規定による認可、承認、認定 及び届出に係る書類 並びに報告書 その他の文部科学省令で定める書類を文部科学大臣に提出しようとするときは、これらの書類を調査しなければならない。
監事は、その職務を行うため必要があるときは、国立大学法人の子法人(国立大学法人がその経営を支配している法人として文部科学省令で定めるものをいう。)に対して事業の報告を求め、又はその子法人の業務 及び財産の状況の調査をすることができる。
前項の子法人は、正当な理由があるときは、同項の報告 又は調査を拒むことができる。
監事は、役員(監事を除く。)が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又はこの法律 若しくは他の法令に違反する事実 若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を学長(当該役員が学長である場合にあっては、学長 及び次条第二項に規定する学長選考・監察会議)に報告するとともに、文部科学大臣に報告しなければならない。
前項の申出は、第一号に掲げる委員 及び第二号に掲げる委員各同数をもって構成する会議(以下「学長選考・監察会議」という。)の選考により行うものとする。
第二十条第二項第三号に掲げる者の中から同条第一項に規定する経営協議会において選出された者
第二十一条第二項第二号から第四号までに掲げる者の中から同条第一項に規定する教育研究評議会において選出された者
この条に定めるもののほか、学長選考・監察会議の議事の手続 その他学長選考・監察会議に関し必要な事項は、議長が学長選考・監察会議に諮って定める。
第二項に規定する学長の選考は、人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから、学長選考・監察会議が定める基準により、行わなければならない。
国立大学法人は、第二項に規定する学長の選考が行われたときは当該選考の結果 その他文部科学省令で定める事項を、学長選考・監察会議が前項に規定する基準を定め、又は変更したときは当該基準を、それぞれ遅滞なく公表しなければならない。
理事(大学総括理事を除く。次項、第十五条第二項 及び第十七条第六項において同じ。)は、前条第六項に規定する者のうちから、学長が任命する。
学長は、前項の規定により理事を任命したときは、遅滞なく、文部科学大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
大学総括理事は、第十二条第六項に規定する者のうちから、学長選考・監察会議の意見を聴き、及び文部科学大臣の承認を得て、学長が任命する。
前項の承認は、国立大学法人の申出に基づいて行うものとする。
学長は、第一項の規定により大学総括理事を任命したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
学長 又は文部科学大臣は、それぞれ理事 又は監事を任命するに当たっては、その任命の際 現に当該国立大学法人の役員 又は職員でない者(以下「学外者」という。)が含まれるようにしなければならない。
別表第一の各項の第四欄に定める理事の員数が四人以上である当該各項の第一欄に掲げる国立大学法人(学外者が学長に任命されているものを除く。)の理事の任命に関する前項の規定の適用については、
同項中
「含まれる」とあるのは、
「二人以上含まれる」と
する。
学長の任期は、二年以上六年を超えない範囲内において、学長選考・監察会議の議を経て、各国立大学法人の規則で定める。
理事の任期は、六年を超えない範囲内で、学長が定める。
ただし、理事の任期の末日は、当該理事を任命する学長の任期の末日以前でなければならない。
大学総括理事の任期は、六年を超えない範囲内において、学長選考・監察会議の議を経て、各国立大学法人の規則で定める。
ただし、大学総括理事の任期の末日は、当該大学総括理事を任命する学長の任期の末日以前でなければならない。
監事の任期は、その任命後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する準用通則法第三十八条第一項の規定による同項の財務諸表の承認の時までとする。
ただし、補欠の監事の任期は、前任者の残任期間とする。
役員は、再任されることができる。
この場合において、当該役員がその最初の任命の際 現に当該国立大学法人の役員 又は職員でなかったときの前条の規定の適用については、その再任の際現に当該国立大学法人の役員 又は職員でない者とみなす。
政府 又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。
前項の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定める者は、非常勤の理事 又は監事となることができる。
文部科学大臣 又は学長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
文部科学大臣 又は学長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
前項に規定するもののほか、文部科学大臣 又は学長は、それぞれその任命に係る役員(監事を除く。)の職務の執行が適当でないため当該国立大学法人の業務の実績が悪化した場合であって、その役員に引き続き当該職務を行わせることが適当でないと認めるときは、その役員を解任することができる。
学長選考・監察会議は、第十一条の二の規定による報告を受けたとき、又は学長が前二項に規定する場合に該当するおそれがあると認めるときは、学長に対し、職務の執行の状況について報告を求めることができる。
第二項 及び第三項の規定により文部科学大臣が行う学長の解任は、当該国立大学法人の学長選考・監察会議の申出により行うものとする。
学長は、第一項から第三項までの規定により理事を解任したときは、遅滞なく、文部科学大臣に届け出るとともに、これを公表しなければならない。
第二項 及び第三項の規定により学長が行う大学総括理事の解任は、学長選考・監察会議の意見を聴き、及び文部科学大臣の承認を得て、行うものとする。
第十三条の二第二項 及び第三項の規定は、第一項から第三項までの規定による大学総括理事の解任について準用する。
この場合において、
同条第二項中
「前項」とあるのは、
「第十七条第七項」と
読み替えるものとする。
国立大学法人の役員 及び職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も、同様とする。
国立大学法人の役員 及び職員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。