少年鑑別所法

# 平成二十六年法律第五十九号 #

第十二節 救済の申出等

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和四年十一月一日 ( 2022年 11月1日 )
@ 最終更新 : 令和二年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2023年 05月14日 16時45分


第一款 救済の申出

1項
在所者は、自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別について苦情があるときは、書面で、法務大臣に対し、救済を求める申出をすることができる。
1項

退所した者は、自己に対する第一号から第三号までに掲げる少年鑑別所の長の措置 又は自己に対する第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為について苦情があるときは、書面で、法務大臣に対し、救済を求める申出をすることができる。

一 号

第六十六条第三項 又は第六十七条第三項の規定による費用を負担させる処分

二 号

第九十七条第五項前段(第九十九条第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。第百十五条第一項第九号において同じ。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第九十七条第三項第九十九条第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る同号において同じ。

三 号

第百七条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

四 号
身体に対する有形力の行使
五 号
手錠の使用
六 号
保護室への収容
2項

前項の規定による申出は、退所した日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

天災 その他前項の期間内に第一項の規定による申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、前項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、その申出をすることができる。

1項

第百九条 又は前条第一項の規定による申出(以下「救済の申出」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。

1項

少年鑑別所の長の指名を受けた少年鑑別所の職員(次項 及び第百二十条第一項において「相談員」という。)は、在所者に対し、救済の申出に関する相談に応じるものとする。

2項
相談員は、その相談によって知り得た救済の申出の内容をその少年鑑別所の他の職員に漏らしてはならない。
1項
法務大臣は、職権で、救済の申出に関して必要な調査をするものとする。
2項

法務大臣は、前項の調査をするために必要があるときは、少年鑑別所の長に対し、報告 若しくは資料 その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、救済の申出をした者 その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。

1項
法務大臣は、救済の申出を受けたときは、これを誠実に処理するものとする。
2項

法務大臣は、救済の申出の内容が、その申出をした者に対する第百十条第一項第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為に係るものである場合にあってはできる限り六十日以内に、それら以外のものである場合にあってはできる限り九十日以内にその処理を終えるよう努めるものとする。

1項
法務大臣は、救済の申出の内容がその申出をした者に対する次に掲げる少年鑑別所の長の措置に係るものであって、その措置が違法 又は不当であることを確認した場合において、必要があると認めるときは、その措置の全部 又は一部を取り消し、又は変更するものとする。
一 号

第三十七条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分 又は同条第四項の規定による診療の中止

二 号

第四十二条第一項の規定による自弁の物品の使用 又は摂取を許さない処分

三 号

第五十五条の規定による領置されている現金の使用 又は第五十六条第五十九条において準用する場合を含む。)、第五十七条 若しくは第五十八条の規定による領置されている金品の交付を許さない処分

四 号

第六十六条第二項の規定による書籍等 又は新聞紙の閲覧の禁止

五 号

第六十六条第三項 又は第六十七条第三項の規定による費用を負担させる処分

六 号

第六十八条の規定による新聞紙の取得の制限

七 号

第七十条に規定する宗教上の行為の禁止 又は制限

八 号

第九十四条第九十五条第一項 若しくは第九十八条これらの規定を第九十九条第百三条 及び第百四条において準用する場合を含む。)の規定 又は第百二条の規定による信書の発受 又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限

九 号

第九十七条第五項前段の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分

十 号

第百七条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

2項

法務大臣は、救済の申出の内容がその申出をした者に対する第百十条第一項第四号から第六号までに掲げる少年鑑別所の職員による行為に係るものであって、同項第四号に掲げる行為にあってはその行為が違法であることを、同項第五号 又は第六号に掲げる行為にあってはその行為が違法 又は不当であることを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置 その他の措置を執るものとする。

1項

法務大臣は、第百十四条の規定による処理を終えたときは、速やかに、処理の結果(前条第一項の規定による法務大臣の措置を含む。)を救済の申出をした者に通知しなければならない。


ただし、在所者による救済の申出(第百十条第一項各号に掲げる少年鑑別所の長の措置 又は少年鑑別所の職員による行為に係る救済の申出を除く)について、その在所者が退所したときは、この限りでない。

1項

この款に定めるもののほか、救済の申出に関し必要な事項は、法務省令で定める。

第二款 苦情の申出

1項

在所者は、自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別について、口頭 又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下 この条 及び第百二十条第一項において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百十一条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項
監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、少年鑑別所の職員を立ち会わせてはならない。
4項

監査官は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。


ただし、その者が退所したときは、この限りでない。

1項
在所者は、自己に対する少年鑑別所の長の措置 その他自己が受けた観護処遇 又は鑑別について、口頭 又は書面で、少年鑑別所の長に対し、苦情の申出をすることができる。
2項

第百十一条の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項

在所者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、少年鑑別所の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。

4項

前条第四項の規定は、少年鑑別所の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。

第三款 雑則

1項

少年鑑別所の長は、在所者が、救済の申出をし、又は監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を少年鑑別所の職員(当該救済の申出に関する相談に応じた相談員を除く)に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2項

第九十三条第九十九条において準用する場合を含む。)及び第百一条第百四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、救済の申出 又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

1項
少年鑑別所の職員は、在所者が救済の申出 又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。
1項

第百十二条 及び前二条の規定は、在院中在所者が少年院法第百二十条の規定により法務大臣に対して救済を求める申出をする場合について準用する。