放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない。
放送法
第二章 放送番組の編集等に関する通則
放送事業者は、国内放送 及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
公安 及び善良な風俗を害しないこと。
政治的に公平であること。
報道は事実をまげないですること。
意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声 その他の音響を聴くことができる放送番組 及び音声 その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字 又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。
放送事業者は、放送番組の種別(教養番組、教育番組、報道番組、娯楽番組等の区分をいう。以下同じ。)及び放送の対象とする者に応じて放送番組の編集の基準(以下「番組基準」という。)を定め、これに従つて放送番組の編集をしなければならない。
放送事業者は、国内放送等について前項の規定により番組基準を定めた場合には、総務省令で定めるところにより、これを公表しなければならない。
これを変更した場合も、同様とする。
放送事業者は、放送番組の適正を図るため、放送番組審議機関(以下「審議機関」という。)を置くものとする。
審議機関は、放送事業者の諮問に応じ、放送番組の適正を図るため必要な事項を審議するほか、これに関し、放送事業者に対して意見を述べることができる。
放送事業者は、番組基準 及び放送番組の編集に関する基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、審議機関に諮問しなければならない。
放送事業者は、審議機関が第二項の規定により諮問に応じて答申し、又は意見を述べた事項があるときは、これを尊重して必要な措置をしなければならない。
放送事業者は、総務省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を審議機関に報告しなければならない。
前項の規定により講じた措置の内容
第九条第一項の規定による訂正 又は取消しの放送の実施状況
放送番組に関して申出のあつた苦情 その他の意見の概要
放送事業者は、審議機関からの答申 又は意見を放送番組に反映させるようにするため審議機関の機能の活用に努めるとともに、総務省令で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を公表しなければならない。
審議機関が放送事業者の諮問に応じてした答申 又は放送事業者に対して述べた意見の内容 その他審議機関の議事の概要
第四項の規定により講じた措置の内容
放送事業者の審議機関は、委員七人(テレビジョン放送による基幹放送を行う放送事業者以外の放送事業者の審議機関にあつては、総務省令で定める七人未満の員数)以上をもつて組織する。
放送事業者の審議機関の委員は、学識経験を有する者のうちから、当該放送事業者が委嘱する。
二以上の放送事業者は、次に掲げる要件のいずれをも満たす場合には、共同して審議機関を置くことができる。
この場合においては、前項の規定による審議機関の委員の委嘱は、これらの放送事業者が共同して行う。
当該放送事業者のうちに同一の認定放送持株会社の関係会社(第百五十八条第二項に規定する関係会社をいう。)である基幹放送事業者(その基幹放送に係る放送対象地域(第九十一条第二項第二号の放送対象地域をいう。第十四条において同じ。)が全国である者を除く。)が二以上含まれていないこと。
当該放送事業者のうちに基幹放送事業者がある場合において、いずれの基幹放送事業者についても当該基幹放送事業者以外の全ての放送事業者との間において次に掲げる要件のいずれかを満たす放送区域(電波法第十四条第三項第二号の規定により基幹放送の業務に用いられる基幹放送局の免許状に記載された放送区域をいう。以下この項において同じ。)又は業務区域(第百二十六条第二項第四号の業務区域をいう。以下この項において同じ。)の重複があること。
放送区域 又は業務区域が重複する区域の面積が当該いずれかの放送事業者の放送区域 又は業務区域の面積の三分の二以上に当たること。
放送区域 又は業務区域が重複する部分の放送区域の区域内の人口が当該いずれかの放送事業者の放送区域 又は業務区域内の全人口の三分の二以上に当たること。
当該放送事業者のうちに二以上の一般放送事業者がある場合において、当該一般放送事業者のうちのいずれの二の一般放送事業者の間においても次に掲げる要件のいずれかを満たす関係があること。
業務区域が重複し、かつ、業務区域が重複する区域の面積が当該いずれかの一般放送事業者の業務区域の面積の三分の二以上に当たること。
業務区域が重複し、かつ、業務区域が重複する区域内の人口が当該いずれかの一般放送事業者の業務区域内の全人口の三分の二以上に当たること。
当該二の一般放送事業者の業務区域の属する都道府県が同一であること。
前三条の規定は、経済市況、自然事象 及びスポーツに関する時事に関する事項 その他総務省令で定める事項のみを放送事項とする放送 又は臨時かつ一時の目的(総務省令で定めるものに限る。)のための放送を専ら行う放送事業者には、適用しない。
放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によつて、その放送により権利の侵害を受けた本人 又はその直接関係人から、放送のあつた日から三箇月以内に請求があつたときは、放送事業者は、遅滞なく その放送をした事項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、判明した日から二日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送設備により、相当の方法で、訂正 又は取消しの放送をしなければならない。
放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも、前項と同様とする。
前二項の規定は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による損害賠償の請求を妨げるものではない。
放送事業者は、当該放送番組の放送後三箇月間(前条第一項の規定による訂正 又は取消しの放送の請求があつた放送について、その請求に係る事案が三箇月を超えて継続する場合は、六箇月を超えない範囲内において当該事案が継続する期間)は、政令で定めるところにより、放送番組の内容を放送後において審議機関 又は同条の規定による訂正 若しくは取消しの放送の関係者が視聴 その他の方法により確認することができるように放送番組を保存しなければならない。
放送事業者は、他の放送事業者の同意を得なければ、その放送を受信し、その再放送をしてはならない。
放送事業者は、対価を得て広告放送を行う場合には、その放送を受信する者がその放送が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならない。
放送事業者が、公選による公職の候補者の政見放送 その他選挙運動に関する放送をした場合において、その選挙における他の候補者の請求があつたときは、料金を徴収するとしないとにかかわらず、同等の条件で放送をしなければならない。
放送事業者は、内外放送の放送番組の編集に当たつては、国際親善 及び外国との交流が損なわれることのないように、当該内外放送の放送対象地域 又は業務区域(第百二十六条第二項第四号 又は第百三十三条第一項第四号の業務区域をいう。)である外国の地域の自然的経済的社会的文化的諸事情をできる限り考慮しなければならない。