親権を行う者は、子の利益のために子の監護 及び教育をする権利を有し、義務を負う。
民法
第二節 親権の効力
親権を行う者は、前条の規定による監護 及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢 及び発達の程度に配慮しなければならず、かつ、体罰 その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない。
子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。
親権を行う者は、第六条第二項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。
ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が、共同の名義で、子に代わって法律行為をし 又は子がこれをすることに同意したときは、その行為は、他の一方の意思に反したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
ただし、相手方が悪意であったときは、この限りでない。
親権を行う父 又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その一方のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
親権を行う者は、自己のためにするのと同一の注意をもって、その管理権を行わなければならない。
子が成年に達したときは、親権を行った者は、遅滞なく その管理の計算をしなければならない。
ただし、その子の養育 及び財産の管理の費用は、その子の財産の収益と相殺したものとみなす。
前条ただし書の規定は、無償で子に財産を与える第三者が反対の意思を表示したときは、その財産については、これを適用しない。
無償で子に財産を与える第三者が、親権を行う父 又は母にこれを管理させない意思を表示したときは、その財産は、父 又は母の管理に属しないものとする。
前項の財産につき父母が共に管理権を有しない場合において、第三者が管理者を指定しなかったときは、家庭裁判所は、子、その親族 又は検察官の請求によって、その管理者を選任する。
第三者が管理者を指定したときであっても、その管理者の権限が消滅し、又はこれを改任する必要がある場合において、第三者が更に管理者を指定しないときも、前項と同様とする。
第二十七条から第二十九条までの規定は、前二項の場合について準用する。
第六百五十四条 及び第六百五十五条の規定は、親権を行う者が子の財産を管理する場合 及び前条の場合について準用する。
親権を行った者とその子との間に財産の管理について生じた債権は、その管理権が消滅した時から五年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
子がまだ成年に達しない間に管理権が消滅した場合において子に法定代理人がないときは、前項の期間は、その子が成年に達し、又は後任の法定代理人が就職した時から起算する。
親権を行う者は、その親権に服する子に代わって親権を行う。