会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第三節 特別清算の手続に関する特則

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


第一款 通則

1項

の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く次項において同じ。)の議決権の過半数を有する場合には、当該法人(以下 この条において「親法人」という。)について特別清算事件、破産事件、再生事件 又は更生事件(以下この条において「特別清算事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

2項

前項に規定する株式会社 又は親法人 及び同項に規定する株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、親法人の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

3項

前二項の規定の適用については、の法務省令で定める株主は、その有する株式について、議決権を有するものとみなす。

4項

の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度についての規定により当該株式会社 及び他の株式会社に係る連結計算書類を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について特別清算事件等が係属しているときにおける当該他の株式会社についての特別清算開始の申立ては、当該株式会社の特別清算事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

1項

の規定にかかわらず、清算株式会社について特別清算開始の命令があったときは、当該清算株式会社についての除く)の規定による申立てに係る事件(次項において「通常清算事件」という。)は、当該清算株式会社の特別清算事件が係属する地方裁判所(以下 において「特別清算裁判所」という。)が管轄する。

2項

通常清算事件が係属する地方裁判所以外の地方裁判所に同一の清算株式会社について特別清算事件が係属し、かつ、特別清算開始の命令があった場合において、当該通常清算事件を処理するために相当と認めるときは、裁判所(通常清算事件を取り扱う一人の裁判官 又は裁判官の合議体をいう。)は、職権で、当該通常清算事件を特別清算裁判所に移送することができる。

1項

除く)の規定による許可の申立てについては、の規定は、適用しない

1項

特別清算の手続に関する決定で即時抗告をすることができるものには、理由を付さなければならない。


ただしにおいて準用する場合を含む。)及びにおいて準用する場合を含む。)の規定による決定については、この限りでない。

2項

特別清算の手続に関する決定については、の規定は、適用しない

1項

の規定による裁判書の送達については、除く)の規定を準用する。

1項

特別清算の手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。

2項

前項の即時抗告は、に特別の定めがある場合を除き、執行停止の効力を有する。

1項

の規定による公告は、官報に掲載してする。

2項

前項の公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。

1項

利害関係人は、裁判所書記官に対し、 若しくは 又は特別清算開始の命令があった場合にあっては、 若しくは 若しくはの規定による申立てに係る事件に係る部分に限る)若しくは 又は)の規定(これらの規定において準用するこの法律 その他の法律の規定を含む。)に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書 その他の物件(以下 この条 及びにおいて「文書等」という。)の閲覧を\請求することができる。

2項

利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

3項

前項の規定は、文書等のうち録音テープ 又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない


この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

4項

前三項の規定にかかわらず次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分 又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない


ただし、当該者が特別清算開始の申立人である場合は、この限りでない。

一 号

清算株式会社以外の利害関係人

の規定による中止の命令、の規定による保全処分、の規定による処分 又は特別清算開始の申立てについての裁判

二 号

清算株式会社

特別清算開始の申立てに関する清算株式会社を呼び出す審問の期日の指定の裁判 又は前号に定める命令、保全処分、処分 若しくは裁判

5項

の規定は、特別清算の手続には、適用しない

1項

次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧 若しくは謄写、その正本、謄本 若しくは抄本の交付 又はその複製(以下 この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、清算株式会社の清算の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある部分(以下 この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した清算株式会社 又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者 及び清算株式会社に限ることができる。

一 号

の規定による報告又はに規定する調査の結果の報告に係る文書等

二 号

又はの許可を得るために裁判所に提出された文書等

2項

前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者 及び清算株式会社を除く次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない

3項

支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、特別清算裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。

4項

第一項の申立てを却下する決定 及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

第二款 特別清算の開始の手続に関する特則

1項

債権者 又は株主が特別清算開始の申立てをするときは、特別清算開始の原因となる事由を疎明しなければならない。

2項

債権者が特別清算開始の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。

3項

特別清算開始の申立てをするときは、申立人は、に規定する特別清算の手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

4項

前項の費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

裁判所は、の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

2項

前項の中止の命令 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3項

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

4項

第二項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

1項

裁判所は、特別清算開始の命令をしたときは、直ちに、その旨を公告し、かつ、特別清算開始の命令の裁判書を清算株式会社に送達しなければならない。

2項

特別清算開始の命令は、清算株式会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。

3項

特別清算開始の命令があったときは、特別清算の手続の費用は、清算株式会社の負担とする。

4項

特別清算開始の命令に対しては、清算株式会社に限り、即時抗告をすることができる。

5項

特別清算開始の申立てを却下した裁判に対しては、申立人に限り、即時抗告をすることができる。

6項

特別清算開始の命令をした裁判所は、第四項の即時抗告があった場合において、当該命令を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。

1項

裁判所は、の規定による中止の命令を発する場合には、に規定する担保権の実行の手続等の申立人の陳述を聴かなければならない。

2項

裁判所は、前項の中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

3項

第一項の中止の命令 及び前項の規定による変更の決定に対しては、第一項の申立人に限り、即時抗告をすることができる。

4項

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

5項

第三項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

第三款 特別清算の実行の手続に関する特則

1項

裁判所は調査命令(に規定する調査命令をいう。次項において同じ。)を変更し、又は取り消すことができる。

2項

調査命令 及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3項

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

4項

第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

1項

裁判所は、の規定により清算人を解任する場合には、当該清算人の陳述を聴かなければならない。

2項

の規定による解任の裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

3項

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

4項

において準用する場合を含む。)の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

裁判所は、監督委員を解任する場合には、当該監督委員の陳述を聴かなければならない。

2項

の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

の規定は、調査委員について準用する。

1項

清算人は、の許可の申立てをする場合には、知れている債権者の意見を聴き、その内容を裁判所に報告しなければならない。

2項

裁判所は、の許可をする場合には、労働組合等(清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは清算株式会社の使用人 その他の従業者の過半数を代表する者をいう。)の意見を聴かなければならない。

1項

の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

2項

前項の裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

1項

裁判所は、次に掲げる裁判を変更し、又は取り消すことができる。

一 号

又はの規定による保全処分

二 号

又はの規定による処分

三 号

又はの規定による保全処分

四 号

の規定による処分

2項

前項各号に掲げる裁判 及び同項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

3項

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

4項

第二項に規定する裁判 及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

5項

裁判所は、第一項第二号に掲げる裁判をしたときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。


当該裁判を変更し、又は取り消す決定があったときも、同様とする。

1項

清算株式会社は、の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

2項

役員等責任査定決定(に規定する役員等責任査定決定をいう。以下 この条において同じ。)及び前項の申立てを却下する決定には、理由を付さなければならない。

3項

裁判所は、前項に規定する裁判をする場合には、対象役員等(に規定する対象役員等をいう。)の陳述を聴かなければならない。

4項

役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

5項

の訴えが、の期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。

1項

の許可の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

利害関係人は、の申立てに係る協定を認可すべきかどうかについて、意見を述べることができる。

2項

共助対象外国租税の請求権について、協定において減免 その他権利に影響を及ぼす定めをする場合には、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。

3項

の協定の認可の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。

4項

の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。


この場合において、前項の協定の認可の決定に対する即時抗告の期間は、同項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。

5項

前各項の規定は、の規定により協定の内容を変更する場合について準用する。

第四款 特別清算の終了の手続に関する特則

1項

特別清算終結の決定をしたときは、裁判所は、直ちに、その旨を公告しなければならない。

2項

特別清算終結の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。


この場合において、特別清算終結の決定に対する即時抗告の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。

3項

特別清算終結の決定は、確定しなければその効力を生じない。

4項

特別清算終結の決定をした裁判所は、第二項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちに、その旨を公告しなければならない。