この法律は、公安審査委員会の設置 並びに任務 及び これを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を定めるとともに、その所掌する行政事務を能率的に遂行するため必要な組織を定めることを目的とする。
国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、法務省の外局として、公安審査委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
委員会は、破壊活動防止法(昭和二十七年法律第二百四十号) 及び無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成十一年法律第百四十七号)の規定により公共の安全の確保に寄与するために行う破壊的団体 及び無差別大量殺人行為を行つた団体の規制に関し適正な審査 及び決定を行うことを任務とする。
委員会は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
破壊的団体に対する規制に関する審査を行うこと。
破壊的団体に対する活動制限の処分を行うこと。
破壊的団体に対する解散の指定を行うこと。
無差別大量殺人行為を行つた団体に対する観察処分を行うこと。
無差別大量殺人行為を行つた団体に対する再発防止処分を行うこと。
前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき委員会に属させられた事務
委員会の委員長 及び委員は、独立してその職権を行う。
委員会は、委員長 及び委員六人をもつて組織する。
委員長 及び委員は、人格が高潔であつて、団体の規制に関し公正な判断をすることができ、且つ、法律 又は社会に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。
委員長 又は委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会 又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、前項の規定にかかわらず、人格が高潔であつて、団体の規制に関し公正な判断をすることができ、且つ、法律 又は社会に関する学識経験を有する者のうちから、委員長 又は委員を任命することができる。
前項の場合においては、任命後最初の国会で
両議院の事後の承認を得なければならない。
この場合において、
両議院の事後の承認を得られないときは、内閣総理大臣は、その委員長 又は委員を
罷免しなければならない。
委員長 及び委員の任命については、そのうちの三人以上が同一の政党に属する者となることとなつてはならない。
委員長 及び委員は、非常勤とする。
委員長 及び委員の任期は、
四年とする。
但し、補欠の委員長 又は委員の任期は、
前任者の残任期間とする。
委員長 及び委員は、再任されることができる。
委員長 及び委員は、次の各号のいずれかに該当する場合 及び第九条の場合を除いては、在任中、 その意に反して罷免されることがない。
禁錮以上の刑に処せられたとき。
委員会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反 その他 委員長 若しくは委員たるに適しない非行があると認められたとき。
内閣総理大臣は、委員長 又は委員が前条各号の一に該当するときは、その委員長 又は委員を罷免しなければならない。
内閣総理大臣は、委員長 及び委員のうち三人以上が同一の政党に属することとなつたときは、同一の政党に属する者が二人になるように、両議院の同意を得て、委員を罷免するものとする。
前項の規定は、政党所属関係に異動のなかつた委員長 又は委員の地位に影響を及ぼすものではない。
委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。
委員会は、あらかじめ委員のうちから、委員長に故障があるときに委員長を代理する者を定めて置かなければならない。
委員会は、委員長 及び三人以上の委員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
委員会の議事は、
出席者の過半数をもつて決する。
可否同数のときは、
委員長の決するところによる。
委員会は、第七条第三号の規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、 本人を除く全員の一致がなければならない。
委員会に委員補佐三人を置く。
委員補佐は、委員長の命を受けて、委員会の審査 及び決定に関する必要な事務をつかさどる。
委員補佐は、弁護士 その他 法律事務に学識経験を有する者のうちから、委員長が任命する。
委員会は、その所掌事務について、法律 若しくは政令を実施するため、又は 法律 若しくは政令の特別の委任に基いて、公安審査委員会規則を制定することができる。
委員会に関する事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。
委員会の事務局の内部組織は、公安審査委員会規則で定める。