公職選挙法

# 昭和二十五年法律第百号 #

第四章の二 在外選挙人名簿

分類 法律
カテゴリ   国会
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第五十二号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 10時22分


1項

市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿のほか、在外選挙人名簿の調製 及び保管を行う。

2項

在外選挙人名簿は、永久に据え置くものとし、 かつ、衆議院議員 及び参議院議員の選挙を通じて一の名簿とする。

3項

市町村の選挙管理委員会は、第三十条の五第一項の規定による申請に基づき在外選挙人名簿の登録を行い、及び同条第四項の規定による申請に基づき在外選挙人名簿への登録の移転(選挙人名簿から抹消すると同時に在外選挙人名簿の登録を行うことをいう。以下同じ。)を行うものとする。

4項

在外選挙人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスクをもつて調製することができる。

5項

選挙を行う場合において必要があるときは、 在外選挙人名簿の抄本(前項の規定により磁気ディスクをもつて在外選挙人名簿を調製している市町村の選挙管理委員会にあつては、当該在外選挙人名簿に記録されている全部 若しくは一部の事項 又は当該事項を記載した書類。第二百五十五条の四第一項第一号 及び第二百七十条第一項第三号において同じ。)を用いることができる。

1項

在外選挙人名簿には、選挙人の氏名、最終住所(選挙人が国外へ住所を移す直前に住民票に記載されていた住所をいう。以下同じ。)又は申請の時(選挙人が第三十条の五第一項の規定による申請書を同条第二項に規定する領事官 又は同項に規定する総務省令・外務省令で定める者に提出した時をいう。同条第一項 及び第三項において同じ。)における本籍、性別 及び生年月日等の記載(前条第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製する在外選挙人名簿にあつては、記録)をしなければならない。

2項

市町村の選挙管理委員会は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、政令で定めるところにより、在外選挙人名簿を編製する一以上の投票区(以下「指定在外選挙投票区」という。)を指定しなければならない。

3項

前二項に規定するもののほか、在外選挙人名簿の様式 その他必要な事項は、政令で定める。

1項

在外選挙人名簿の登録(在外選挙人名簿への登録の移転に係るものを除く。以下同じ。)は、在外選挙人名簿に登録されていない年齢満十八年以上の日本国民(第十一条第一項 若しくは第二百五十二条 又は政治資金規正法第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く次項 及び次条において同じ。)で、同条第一項の規定による申請がされ、 かつ、在外選挙人名簿に関する事務についてその者の住所を管轄する領事官(領事官の職務を行う大使館 若しくは公使館の長 又は その事務を代理する者を含む。以下同じ。)の管轄区域(在外選挙人名簿に関する事務についての領事官の管轄区域として総務省令・外務省令で定める区域をいう。同項 及び同条第三項第二号において同じ。)内に引き続き三箇月以上住所を有するものについて行う。

2項

在外選挙人名簿への登録の移転は、在外選挙人名簿に登録されていない年齢満十八年以上の日本国民で最終住所の所在地の市町村の選挙人名簿に登録されている者のうち、次条第四項の規定による申請がされ、かつ、国外に住所を有するものについて行う。

1項

年齢満十八年以上の日本国民で、在外選挙人名簿に関する事務についてその者の住所を管轄する領事官の管轄区域内に住所を有するものは、政令で定めるところにより、文書で、最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(その者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に在外選挙人名簿の登録の申請をすることができる。

2項

前項の規定による申請は、政令で定めるところにより、在外選挙人名簿に関する事務について当該申請をする者の住所を管轄する領事官(当該領事官を経由して当該申請をすることが著しく困難である地域として総務省令・外務省令で定める地域にあつては、総務省令・外務省令で定める者。以下この章において同じ。)を経由してしなければならない。

3項

前項の場合において、領事官は、政令で定めるところにより、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日以後速やかに、第一項の規定による申請書にその申請をした者に係る前条第一項に定める在外選挙人名簿に登録される資格(次条第一項 及び第三十条の十三第二項において「在外選挙人名簿の被登録資格」という。)に関する意見を付して、当該申請をした者の最終住所の所在地の市町村の選挙管理委員会(当該申請をした者が、いずれの市町村の住民基本台帳にも記録されたことがない者である場合には、申請の時におけるその者の本籍地の市町村の選挙管理委員会)に送付しなければならない。

一 号

次号に掲げる場合以外の場合

当該申請の時の属する日

二 号

当該申請の時の属する日が当該申請書に当該領事官の管轄区域内に住所を有することとなつた日として記載された日から三箇月を経過していない場合

当該記載された日から 三箇月を経過した日

4項

年齢満十八年以上の日本国民で国外に転出をする旨の住民基本台帳法第二十四条の規定による届出(以下 この項において「国外転出届」という。)がされた者のうち、当該国外転出届がされた市町村の選挙人名簿に登録されているもの(当該市町村の選挙人名簿に登録されていない者で、当該国外転出届に転出の予定年月日として記載された日までに、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有することとなるものを含む。)は、政令で定めるところにより、同日までに、文書で、当該市町村の選挙管理委員会に在外選挙人名簿への登録の移転の申請をすることができる。

5項

市町村の選挙管理委員会は、前項の規定による申請があつた場合には、政令で定めるところにより、外務大臣に対し、当該申請をした者(当該市町村の選挙人名簿から抹消された者を除く次項において同じ。)の国外における住所に関する意見を求めなければならない。

6項

外務大臣は、前項の規定により第四項の規定による申請をした者の国外における住所に関する意見を求められたときは、政令で定めるところにより、市町村の選挙管理委員会に対し、当該申請をした者の国外における住所に関する意見を述べなければならない。

1項

市町村の選挙管理委員会は、前条第一項の規定による申請をした者が当該市町村における在外選挙人名簿の被登録資格を有する者である場合には、遅滞なく、当該申請をした者を在外選挙人名簿に登録しなければならない。

2項

市町村の選挙管理委員会は、前条第四項の規定による申請をした者が当該市町村における第三十条の四第二項に定める在外選挙人名簿への登録の移転をされる資格(第三十条の十三第二項において「在外選挙人名簿の被登録移転資格」という。)を有する者である場合には、遅滞なく、当該申請をした者について在外選挙人名簿への登録の移転をしなければならない。

3項

市町村の選挙管理委員会は、衆議院議員 又は参議院議員の選挙の期日の公示 又は告示の日から選挙の期日までの期間においては、前二項の規定にかかわらず、在外選挙人名簿の登録 又は在外選挙人名簿への登録の移転を行わない。

4項

市町村の選挙管理委員会は、第一項の規定による登録をしたときは、前条第三項の規定により同条第一項の規定による申請書を送付した領事官を経由して、同項の規定による申請をした者に、在外選挙人名簿に登録されている者であることの証明書(以下「在外選挙人証」という。)を交付しなければならない。

5項

市町村の選挙管理委員会は、第二項の規定による在外選挙人名簿への登録の移転をしたときは、在外選挙人名簿に関する事務について前条第四項の規定による申請をした者の住所を管轄する領事官を経由して、当該申請をした者に、在外選挙人証を交付しなければならない。

1項

選挙人は、在外選挙人名簿の登録 又は在外選挙人名簿への登録の移転に関し不服があるときは、これらに関する処分の直後に到来する次に掲げる期間 又は期日に、文書で当該市町村の選挙管理委員会に異議を申し出ることができる。

一 号

第二十二条第一項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日の翌日から五日間

二 号

衆議院議員 又は参議院議員の選挙に係る第二十二条第三項の規定による選挙人名簿の登録が行われた日の翌日

2項

市町村の選挙管理委員会は、前項の異議の申出を受けたときは、その異議の申出を受けた日から三日以内に、その異議の申出が正当であるかないかを決定しなければならない。


その異議の申出を正当であると決定したときは、その異議の申出に係る者を直ちに在外選挙人名簿に登録し、若しくは在外選挙人名簿から抹消し、又は その者について在外選挙人名簿への登録の移転をし、若しくは在外選挙人名簿からの抹消と同時に選挙人名簿の登録(選挙人名簿の登録については、当該市町村の選挙人名簿に登録される資格を有する場合に限る)をし、その旨を異議申出人 及び関係人に通知し、併せてこれを告示しなければならない。


その異議の申出を正当でないと決定したときは、直ちにその旨を異議申出人に通知しなければならない。

3項

行政不服審査法第九条第四項第十九条第二項第三号 及び第五号除く)、第二十三条第二十四条第二十七条第三十一条第五項除く)、第三十二条第一項 及び第三項第三十九条第四十一条第一項 及び第二項第四十四条 並びに第五十三条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。


この場合において、

これらの規定(同法第四十四条の規定を除く)中
審理員」とあるのは
「審査庁」と、

同法第九条第四項
審査庁」とあるのは
公職選挙法第三十条の八第一項の異議の申出を受けた選挙管理委員会(以下「審査庁」という。)」と、

同法第二十四条第一項
第四十五条第一項 又は第四十九条第一項の規定に基づき、裁決で」とあるのは
「決定で」と、

同法第三十一条第二項
審理関係人」とあるのは
「異議申出人」と、

同法第四十四条
行政不服審査会等から諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき)」とあるのは
「審理手続を終結したとき」と

読み替えるものとする。

4項

第二百十四条の規定は、第一項の異議の申出について準用する。

1項

第二十五条第一項から 第三項までの規定は、在外選挙人名簿の登録 及び在外選挙人名簿への登録の移転に関する訴訟について準用する。


この場合において、

同条第一項
前条第二項」とあるのは
第三十条の八第二項において準用する前条第二項」と、

七日」とあるのは
七日政令で定める場合には、郵便 又は民間事業者による信書の送達に関する法律平成十四年法律第九十九号第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者 若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便による送付に要した日数を除く)」と

読み替えるものとする。

2項

第二百十三条第二百十四条 及び第二百十九条第一項の規定は、前項において準用する第二十五条第一項 及び第三項の訴訟について準用する。


この場合において、

第二百十九条第一項
一の選挙の効力を争う数個の請求、第二百七条 若しくは第二百八条の規定により一の選挙における当選の効力を争う数個の請求、第二百十条第二項の規定により公職の候補者であつた者の当選の効力を争う数個の請求、第二百十一条の規定により公職の候補者等であつた者の当選の効力 若しくは立候補の資格を争う数個の請求 又は選挙の効力を争う請求と その選挙における当選の効力に関し第二百七条 若しくは第二百八条の規定によりこれを争う請求と」とあるのは、
第三十条の八第一項各号に掲げる期間 又は期日に異議の申出を行うことができるの市町村の選挙管理委員会が行う在外選挙人名簿の登録 又は在外選挙人名簿への登録の移転に関し争う数個の請求」と

読み替えるものとする。

1項

市町村の選挙管理委員会は、在外選挙人名簿に登録されている者が第十一条第一項 若しくは第二百五十二条 若しくは政治資金規正法第二十八条の規定により選挙権を有しなくなつたこと 又は在外選挙人名簿に登録されている者に係る住民票が国内の市町村において新たに作成されたことを知つた場合には、直ちに在外選挙人名簿にその旨を表示しなければならない。

2項

市町村の選挙管理委員会は、在外選挙人名簿に登録されている者の記載内容(第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製する在外選挙人名簿にあつては、記録内容。第三十条の十四第一項において同じ。)に変更があつたこと 又は誤りがあることを知つた場合には、直ちにその記載(第三十条の二第四項の規定により磁気ディスクをもつて調製する在外選挙人名簿にあつては、記録)の修正 又は訂正をしなければならない。

1項

市町村の選挙管理委員会は、当該市町村の在外選挙人名簿に登録されている者について次の各号いずれかに該当するに至つたときは、これらの者を直ちに在外選挙人名簿から抹消しなければならない。


この場合において、第三号に該当するに至つたときは、その旨を告示しなければならない。

一 号

死亡したこと 又は日本の国籍を失つたことを知つたとき。

二 号

前条第一項の表示をされた者について国内の市町村の区域内に住所を定めた年月日として戸籍の附票に記載された日後四箇月を経過するに至つたとき。

三 号

在外選挙人名簿の登録 又は在外選挙人名簿への登録の移転の際に在外選挙人名簿の登録 又は在外選挙人名簿への登録の移転をされるべきでなかつたことを知つたとき。

1項

第二十八条の二から 第二十八条の四までの規定は、在外選挙人名簿について準用する。


この場合において、

第二十八条の二第一項
第二十四条第一項各号に定める」とあるのは、
第三十条の八第一項各号に掲げる」と

読み替えるものとする。

1項

市町村長は、その市町村に本籍を有する者で他の市町村の在外選挙人名簿に登録されているもの(以下 この項において「他市町村在外選挙人名簿登録者」という。)について戸籍に関する届書、申請書 その他の書類を受理し、若しくは職権で戸籍の記載をした場合 又は戸籍の附票の記載、消除 若しくは記載の修正をした場合において、当該 他の市町村の選挙管理委員会において在外選挙人名簿の修正 若しくは訂正をすべきこと 若しくは当該他市町村在外選挙人名簿登録者を在外選挙人名簿から抹消すべきこと又は当該他市町村在外選挙人名簿登録者に係る住民票が国内の市町村において新たに作成されたことを知つたときは、遅滞なく、その旨を当該 他の市町村の選挙管理委員会に通知しなければならない。

2項

第二十九条の規定は、在外選挙人名簿の被登録資格 及び在外選挙人名簿の被登録移転資格の確認に関する通報 並びに在外選挙人名簿の修正に関する調査の請求について準用する。

1項

領事官は、特定の者が在外選挙人名簿に登録された者であるかどうかの確認をするために、選挙人から、当該領事官を経由して在外選挙人証を交付された者についてその登録されている在外選挙人名簿の属する市町村名 及び当該登録されている者の氏名 その他の在外選挙人名簿の記載内容に関する事項を記載した政令で定める文書(以下この条において「在外選挙人証交付記録簿」という。)を閲覧することが必要である旨の申出があつた場合には、当該申出をした選挙人に、その確認に必要な限度において、在外選挙人証交付記録簿を閲覧させなければならない。

2項

前項の申出は、総務省令で定めるところにより、当該申出をする者の氏名 及び住所 その他総務省令で定める事項を明らかにしてしなければならない。

3項

第一項の規定にかかわらず、領事官は、同項の規定による在外選挙人証交付記録簿の閲覧により知り得た事項(次項において「閲覧事項」という。)を不当な目的に利用されるおそれがあること その他第一項の申出に係る閲覧を拒むに足りる相当な理由があると認めるときは、当該申出に係る閲覧を拒むことができる。

4項

第一項の規定により在外選挙人証交付記録簿を閲覧した者は、 本人の事前の同意を得ないで、当該閲覧事項を特定の者が在外選挙人名簿に登録された者であるかどうかの確認をする目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。

5項

領事官は、第一項の規定により閲覧させる場合を除いては、在外選挙人証交付記録簿を閲覧させてはならない。

1項

第三十条の規定は、在外選挙人名簿の再調製について準用する。

1項

第三十条の四から第三十条の六まで 及び第三十条の八から前条までに規定するもののほか、在外選挙人名簿の登録 及び在外選挙人名簿への登録の移転に関し必要な事項は、政令で定める。