刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

# 平成十七年法律第五十号 #
略称 : 刑事施設法  刑事収容施設法  刑事被収容者処遇法 

第十三節 不服申立て

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月25日 17時58分


第一款 審査の申請及び再審査の申請

1項

次に掲げる刑事施設の長の措置に不服がある者は、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、審査の申請をすることができる。

一 号

第四十一条第二項の規定による自弁の物品の使用 又は摂取を許さない処分

二 号

第四十九条の規定による領置されている現金の使用 又は第五十条の規定による保管私物 若しくは領置されている金品の交付を許さない処分

三 号

第六十三条第一項の規定による診療を受けることを許さない処分 又は同条第四項の規定による診療の中止

四 号

第六十七条に規定する宗教上の行為の禁止 又は制限

五 号

第七十条第一項 又は第七十一条の規定による書籍等の閲覧の禁止 又は制限

六 号

第七十条第二項の規定による費用を負担させる処分

七 号

第七十六条第一項の規定による隔離

八 号

第九十八条第一項の規定による作業報奨金の支給に関する処分

九 号

第百条第二項第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による障害手当金の支給に関する処分

十 号

第百条第四項第八十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定による特別手当金の支給に関する処分

十一 号

第百二十八条第百三十八条において準用する場合を含む。)の規定 又は第百二十九条第百三十条第一項 若しくは第百三十三条これらの規定を第百三十六条第百四十五条においてその例による場合を含む。次号において同じ。)、第百三十八条第百四十一条第百四十二条 及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による信書の発受 又は文書図画の交付の禁止、差止め又は制限

十二 号

第百三十二条第五項前段(第百三十六条第百三十八条第百四十一条第百四十二条 及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による発受禁止信書等の引渡しをしない処分(第百三十二条第三項第百三十六条第百三十八条第百四十一条第百四十二条 及び第百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による引渡しに係るものに限る

十三 号

第百四十八条第一項 又は第二項の規定による費用を負担させる処分

十四 号

第百五十条第一項の規定による懲罰

十五 号

第百五十三条の規定による物を国庫に帰属させる処分

十六 号

第百五十四条第四項の規定による隔離

2項

前項の規定による審査の申請(以下この節において単に「審査の申請」という。)は、これを行う者が自らしなければならない。

1項

審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

2項

天災 その他前項の期間内に審査の申請をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、同項の規定にかかわらず、その理由がやんだ日の翌日から起算して一週間以内に限り、審査の申請をすることができる。

3項

刑事施設の長が誤って法定の期間よりも長い期間を審査の申請期間として教示した場合において、その教示された期間内に審査の申請がされたときは、その審査の申請は、法定の期間内にされたものとみなす。

1項

行政不服審査法平成二十六年法律第六十八号第十五条第十八条第三項第十九条第二項 及び第四項第二十二条第一項 及び第五項第二十三条第二十五条第一項第二項 及び第六項第二十六条第二十七条 並びに第三十九条の規定は、審査の申請について準用する。


この場合において、

同法第二十五条第二項
審査請求人の申立てにより又は職権で」とあるのは、
「職権で」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

矯正管区の長は、職権で、審査の申請に関して必要な調査をするものとする。

2項

矯正管区の長は、前項の調査をするため必要があるときは、刑事施設の長に対し、報告 若しくは資料 その他の物件の提出を命じ、又はその指名する職員をして、審査の申請人 その他の関係者に対し質問をさせ、若しくは物件の提出を求めさせ、これらの者が提出した物件を留め置かせ、若しくは検証を行わせることができる。

1項

矯正管区の長は、審査の申請を受けたときは、できる限り九十日以内に裁決をするよう努めるものとする。

2項

行政不服審査法第四十五条第一項 及び第二項第四十六条第一項本文 及び第二項第二号除く)、第四十七条ただし書 及び第二号除く)、第四十八条第五十条第一項 及び第三項第五十一条 並びに第五十二条第一項 及び第二項の規定は、審査の申請の裁決について準用する。


この場合において、

同法第五十一条第三項
掲示し、かつ、その旨を官報 その他の公報 又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは、
「掲示して」と読み替えるものとするほか、

必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

審査の申請の裁決に不服がある者は、書面で、法務大臣に対し、再審査の申請をすることができる。

2項

前項の規定による再審査の申請(以下この節において単に「再審査の申請」という。)は、審査の申請についての裁決の告知があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項第百六十条 及び前条第一項 並びに行政不服審査法第十五条第十八条第三項第十九条第二項 及び第四項第二十三条第二十五条第一項第二項 及び第六項第二十六条第二十七条第三十九条第四十六条第一項本文 及び第二項第二号を除く。)、第四十七条ただし書 及び第二号を除く。)、第四十八条第五十条第一項第五十一条第五十二条第一項 及び第二項第六十二条第二項 並びに第六十四条第一項から第三項までの規定は、再審査の申請について準用する。


この場合において、

同法第二十五条第二項
審査請求人の申立てにより 又は職権で」とあるのは
「職権で」と、

同法第五十一条第三項
掲示し、かつ、その旨を官報 その他の公報 又は新聞紙に少なくとも一回掲載して」とあるのは
「掲示して」と

読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

第二款 事実の申告

1項

被収容者は、自己に対する刑事施設の職員による行為であって、次に掲げるものがあったときは、政令で定めるところにより、書面で、当該刑事施設の所在地を管轄する矯正管区の長に対し、その事実を申告することができる。

一 号

身体に対する違法な有形力の行使

二 号

違法 又は不当な捕縄、手錠 又は拘束衣の使用

三 号

違法 又は不当な保護室への収容

2項

前項の規定による申告は、その申告に係る事実があった日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項 及び第三項 並びに第百六十条 並びに行政不服審査法第十八条第三項第二十二条第一項 及び第五項第二十三条第二十七条 並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。


この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

前条第一項の規定による申告が適法であるときは、矯正管区の長は、その申告に係る事実の有無について確認し、その結果をその申告をした者に通知するものとする。


ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。

2項

前条第一項の規定による申告が法定の期間経過後にされたものであるとき、その他不適法であるときは、矯正管区の長は、その旨をその申告をした者に通知するものとする。


この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

3項

第百六十一条第一項 並びに行政不服審査法第五十条第一項 及び第三項の規定は、前二項の規定による通知について準用する。


この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

4項

矯正管区の長は、前条第一項に規定する事実があったことを確認した場合において、必要があると認めるときは、同様の行為の再発の防止のため必要な措置 その他の措置を執るものとする。

1項

被収容者は、前条第一項 又は第二項の規定による通知を受けた場合において、その内容に不服があるときは、政令で定めるところにより、書面で、法務大臣に対し、第百六十三条第一項に規定する事実を申告することができる。

2項

前項の規定による申告は、前条第一項 又は第二項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。

3項

第百五十七条第二項第百五十八条第二項第百六十条第百六十一条第一項 並びに前条第一項第二項 及び第四項 並びに行政不服審査法第十八条第三項第二十三条第二十七条第三十九条 及び第五十条第一項の規定は、第一項の規定による申告について準用する。


この場合において必要な技術的読替えは、政令で定める。

第三款 苦情の申出

1項

被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置 その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項

法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。


ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。

1項

被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、第五条の規定により実地監査を行う監査官(以下この節において単に「監査官」という。)に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項

監査官は、口頭による苦情の申出を受けるに当たっては、刑事施設の職員を立ち会わせてはならない

4項

前条第三項の規定は、監査官が苦情の申出を受けた場合について準用する。

1項

被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置 その他自己が受けた処遇について、口頭 又は書面で、刑事施設の長に対し、苦情の申出をすることができる。

2項

第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。

3項

被収容者が口頭で第一項の苦情の申出をしようとするときは、刑事施設の長は、その指名する職員にその内容を聴取させることができる。

4項

第百六十六条第三項の規定は、刑事施設の長が苦情の申出を受けた場合について準用する。

第四款 雑則

1項

刑事施設の長は、被収容者が、審査の申請等(審査の申請、再審査の申請 又は第百六十三条第一項 若しくは第百六十五条第一項の規定による申告をいう。次項 及び次条において同じ。)をし、又は法務大臣 若しくは監査官に対し苦情の申出をするに当たり、その内容を刑事施設の職員に秘密にすることができるように、必要な措置を講じなければならない。

2項

第百二十七条第百四十四条において準用する場合を含む。)、第百三十五条第百三十八条 及び第百四十二条において準用する場合を含む。)及び第百四十条の規定にかかわらず、審査の申請等 又は苦情の申出の書面は、検査をしてはならない。

1項

刑事施設の職員は、被収容者が審査の申請等 又は苦情の申出をしたことを理由として、その者に対し不利益な取扱いをしてはならない。