刑事訴訟法

# 昭和二十三年法律第百三十一号 #
略称 : 刑訴法 

第三章 上告

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 03時04分


1項

高等裁判所がした第一審 又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。

一 号

憲法の違反があること 又は憲法の解釈に誤があること。

二 号

最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

三 号

最高裁判所の判例がない場合に、大審院 若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例 又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

1項

最高裁判所は、前条の規定により上告をすることができる場合以外の場合であつても、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については、その判決確定前に限り、裁判所の規則の定めるところにより、自ら上告審としてその事件を受理することができる。

1項

上告趣意書には、裁判所の規則の定めるところにより、上告の申立の理由を明示しなければならない。

1項

上告裁判所は、上告趣意書 その他の書類によつて、上告の申立の理由がないことが明らかであると認めるときは、弁論を経ないで、判決で上告を棄却することができる。

1項

上告審においては、公判期日に被告人を召喚することを要しない。

1項

上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。


但し、判決に影響を及ぼさないことが明らかな場合は、この限りでない。

○2項

第四百五条第二号 又は第三号に規定する事由のみがある場合において、上告裁判所がその判例を変更して原判決を維持するのを相当とするときは、前項の規定は、これを適用しない

1項

上告裁判所は、第四百五条各号に規定する事由がない場合であつても、左の事由があつて原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。

一 号

判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。

二 号

刑の量定が甚しく不当であること。

三 号

判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。

四 号

再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。

五 号

判決があつた後に刑の廃止 若しくは変更 又は大赦があつたこと。

1項

不法に管轄を認めたことを理由として原判決を破棄するときは、判決で事件を管轄控訴裁判所 又は管轄第一審裁判所に移送しなければならない。

1項

前条に規定する理由以外の理由によつて原判決を破棄するときは、判決で、事件を原裁判所 若しくは第一審裁判所に差し戻し、又はこれらと同等の他の裁判所に移送しなければならない。


但し、上告裁判所は、訴訟記録 並びに原裁判所 及び第一審裁判所において取り調べた証拠によつて、直ちに判決をすることができるものと認めるときは、被告事件について更に判決をすることができる。

1項

第一審裁判所が即決裁判手続によつて判決をした事件については、第四百十一条の規定にかかわらず、上告裁判所は、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について同条第三号に規定する事由があることを理由としては、原判決を破棄することができない

1項

前章の規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、上告の審判についてこれを準用する。

1項

上告裁判所は、その判決の内容に誤のあることを発見したときは、検察官、被告人 又は弁護人の申立により、判決でこれを訂正することができる。

○2項

前項の申立は、判決の宣告があつた日から十日以内にこれをしなければならない。

○3項

上告裁判所は、適当と認めるときは、第一項に規定する者の申立により、前項の期間を延長することができる。

1項

訂正の判決は、弁論を経ないでもこれをすることができる。

1項

上告裁判所は、訂正の判決をしないときは、速やかに決定で申立を棄却しなければならない。

○2項

訂正の判決に対しては、第四百十五条第一項の申立をすることはできない

1項

上告裁判所の判決は、宣告があつた日から第四百十五条の期間を経過したとき、又はその期間内に同条第一項の申立があつた場合には訂正の判決 若しくは申立を棄却する決定があつたときに、確定する。