普通地方公共団体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴収することができる。
地方自治法
第三節 収入
普通地方公共団体は、政令で定める場合を除くほか、数人 又は普通地方公共団体の一部に対し利益のある事件に関し、その必要な費用に充てるため、当該事件により特に利益を受ける者から、その受益の限度において、分担金を徴収することができる。
普通地方公共団体は、第二百三十八条の四第七項の規定による許可を受けてする行政財産の使用 又は公の施設の利用につき使用料を徴収することができる。
市町村は、第二百三十八条の六の規定による公有財産の使用につき使用料を徴収することができるほか、同条第二項の規定により使用の許可を受けた者から加入金を徴収することができる。
普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。
分担金、使用料、加入金 及び手数料に関する事項については、条例でこれを定めなければならない。
この場合において、手数料について全国的に統一して定めることが特に必要と認められるものとして政令で定める事務(以下本項において「標準事務」という。)について手数料を徴収する場合においては、当該標準事務に係る事務のうち政令で定めるものにつき、政令で定める金額の手数料を徴収することを標準として条例を定めなければならない。
分担金、使用料、加入金 及び手数料の徴収に関しては、次項に定めるものを除くほか、条例で五万円以下の過料を科する規定を設けることができる。
詐欺 その他不正の行為により、分担金、使用料、加入金 又は手数料の徴収を免れた者については、条例でその徴収を免れた金額の五倍に相当する金額(当該五倍に相当する金額が五万円を超えないときは、五万円とする。)以下の過料を科する規定を設けることができる。
普通地方公共団体の長以外の機関がした分担金、使用料、加入金 又は手数料の徴収に関する処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
普通地方公共団体の長は、分担金、使用料、加入金 又は手数料の徴収に関する処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
議会は、前項の規定による諮問を受けた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
普通地方公共団体の長は、第二項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。
第二項の審査請求に対する裁決を経た後でなければ、同項の処分については、裁判所に出訴することができない。
普通地方公共団体は、別に法律で定める場合において、予算の定めるところにより、地方債を起こすことができる。
前項の場合において、地方債の起債の目的、限度額、起債の方法、利率 及び償還の方法は、予算でこれを定めなければならない。
普通地方公共団体の歳入を収入するときは、政令の定めるところにより、これを調定し、納入義務者に対して納入の通知をしなければならない。
普通地方公共団体は、使用料 又は手数料の徴収については、条例の定めるところにより、証紙による収入の方法によることができる。
証紙による収入の方法による場合においては、証紙の売りさばき代金をもつて歳入とする。
証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入は、第二百三十五条の規定により金融機関が指定されている場合においては、政令の定めるところにより、口座振替の方法により、又は証券をもつて納付することができる。
前項の規定により納付された証券を支払の提示期間内 又は有効期間内に提示し、支払の請求をした場合において、支払の拒絶があつたときは、当該歳入は、はじめから納付がなかつたものとみなす。
この場合における当該証券の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
証紙による収入の方法によるものを除くほか、普通地方公共団体の歳入については、第二百三十五条の規定により金融機関を指定していない市町村においては、政令の定めるところにより、納入義務者から証券の提供を受け、その証券の取立て 及びその取り立てた金銭による納付の委託を受けることができる。
普通地方公共団体の歳入(第二百三十五条の四第三項に規定する歳入歳出外現金を含む。以下「歳入等」という。)を納付しようとする者は、次の各号のいずれかに該当するときは、指定納付受託者(次条第一項に規定する指定納付受託者をいう。第二号において同じ。)に納付を委託することができる。
歳入等の納付に関する事務(以下「納付事務」という。)を適切かつ確実に遂行することができる者として政令で定める者のうち普通地方公共団体の長が総務省令で定めるところにより指定するもの(以下「指定納付受託者」という。)は、総務省令で定めるところにより、歳入等を納付しようとする者の委託を受けて、納付事務を行うことができる。
普通地方公共団体の長は、前項の規定による指定をしたときは、指定納付受託者の名称、住所 又は事務所の所在地、指定納付受託者が行う納付事務に係る歳入等 その他総務省令で定める事項を告示しなければならない。
指定納付受託者は、その名称、住所 又は事務所の所在地を変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を普通地方公共団体の長に届け出なければならない。
普通地方公共団体の長は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を告示しなければならない。
第二百三十一条の二の二の規定により歳入等を納付しようとする者の委託を受けた指定納付受託者は、当該委託を受けた納付事務の一部を、納付事務を適切かつ確実に遂行することができる者として政令で定める者に委託することができる。
指定納付受託者は、第二百三十一条の二の二の規定により歳入等を納付しようとする者の委託を受けたときは、普通地方公共団体が指定する日までに当該委託を受けた歳入等を納付しなければならない。
指定納付受託者は、第二百三十一条の二の二の規定により歳入等を納付しようとする者の委託を受けたときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、その旨 及び当該委託を受けた年月日を普通地方公共団体の長に報告しなければならない。
第一項の場合において、当該指定納付受託者が同項の指定する日までに当該歳入等を納付したときは、当該委託を受けた日に当該歳入等の納付がされたものとみなす。
指定納付受託者は、総務省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに納付事務に関する事項を記載し、及びこれを保存しなければならない。
普通地方公共団体の長は、前三条、この条 及び第二百三十一条の四の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、総務省令で定めるところにより、指定納付受託者に対し、報告をさせることができる。
普通地方公共団体の長は、前三条、この条 及び第二百三十一条の四の規定を施行するため必要があると認めるときは、その必要な限度で、その職員に、指定納付受託者の事務所に立ち入り、指定納付受託者の帳簿書類(その作成 又は保存に代えて電磁的記録の作成 又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。第二百四十三条の二の二第三項において同じ。)その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
前項の規定により立入検査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第三項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
普通地方公共団体の長は、指定納付受託者が次の各号のいずれかに該当するときは、総務省令で定めるところにより、第二百三十一条の二の三第一項の規定による指定を取り消すことができる。
第二百三十一条の二の三第一項に規定する政令で定める者に該当しなくなつたとき。
第二百三十一条の二の五第二項 又は前条第二項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
前条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。
前条第三項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
普通地方公共団体の長は、前項の規定により指定を取り消したときは、その旨を告示しなければならない。
分担金、使用料、加入金、手数料、過料 その他の普通地方公共団体の歳入を納期限までに納付しない者があるときは、普通地方公共団体の長は、期限を指定してこれを督促しなければならない。
普通地方公共団体の長は、前項の歳入について同項の規定による督促をした場合には、条例で定めるところにより、手数料 及び延滞金を徴収することができる。
普通地方公共団体の長は、分担金、加入金、過料 又は法律で定める使用料 その他の普通地方公共団体の歳入(以下 この項 及び次条第一項において「分担金等」という。)につき第一項の規定による督促を受けた者が同項の規定により指定された期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、当該分担金等 並びに当該分担金等に係る前項の手数料 及び延滞金について、地方税の滞納処分の例により処分することができる。
この場合におけるこれらの徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
第一項の歳入 並びに第二項の手数料 及び延滞金の還付 並びにこれらの徴収金の徴収 又は還付に関する書類の送達 及び公示送達については、地方税の例による。
普通地方公共団体の長以外の機関がした前各項の規定による処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
第三項の規定により普通地方公共団体の長が地方税の滞納処分の例によりした処分についての審査請求については、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第十九条の四の規定を準用する。
普通地方公共団体の長は、第一項から第四項までの規定による処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
議会は、前項の規定による諮問を受けた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
普通地方公共団体の長は、第七項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。
第七項の審査請求に対する裁決を経た後でなければ、第一項から第四項までの規定による処分については、裁判所に出訴することができない。
第三項の規定による処分中差押物件の公売は、その処分が確定するまで執行を停止する。
第三項の規定による処分は、当該普通地方公共団体の区域外においても、することができる。
指定納付受託者が第二百三十一条の二の五第一項の歳入等(分担金等であるものに限る。以下 この項において同じ。)を同条第一項の指定する日までに納付しない場合における当該歳入等の徴収については、地方税法第十三条の四の規定を準用する。
この場合における当該歳入等に係る徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。
普通地方公共団体の長以外の機関がした前項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定による処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が当該機関の最上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
第一項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定により普通地方公共団体の長がした処分についての審査請求については、同法第十九条の四の規定を準用する。
普通地方公共団体の長は、第一項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定による処分についての審査請求がされた場合には、当該審査請求が不適法であり、却下するときを除き、議会に諮問した上、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
議会は、前項の規定による諮問を受けた日から二十日以内に意見を述べなければならない。
普通地方公共団体の長は、第四項の規定による諮問をしないで同項の審査請求を却下したときは、その旨を議会に報告しなければならない。
第四項の審査請求に対する裁決を経た後でなければ、第一項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定による処分については、裁判所に出訴することができない。
第一項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定による処分中差押物件の公売は、その処分が確定するまで執行を停止する。
第一項前段において準用する地方税法第十三条の四第一項の規定による処分は、当該普通地方公共団体の区域外においても、することができる。