大学等における修学の支援に関する法律

令和元年法律第八号
分類 法律
カテゴリ   教育
最終編集日 : 2023年 01月15日 21時47分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 大学等における修学の支援

    • 第一節 通則
    • 第二節 学資支給
    • 第三節 授業料等減免
  • 第三章 雑則

  • 第四章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、真に支援が必要な低所得者世帯の者に対し、社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要な質の高い教育を実施する大学等における修学の支援を行い、その修学に係る経済的負担を軽減することにより、子どもを安心して生み、 育てることができる環境の整備を図り、もって我が国における急速な少子化の進展への対処に寄与することを目的とする。

1項

この法律において「大学等」とは、大学(学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第百三条に規定する大学を除く。以下同じ。)、高等専門学校 及び専門課程を置く専修学校(第七条第一項 及び第十条において「専門学校」という。)をいう。

2項

この法律において「学生等」とは、大学の学部、短期大学の学科 及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る)並びに高等専門学校の学科(四学年 及び第五学年限る)及び専攻科(大学の学部に準ずるものとして文部科学省令で定める専攻科に限る)の学生 並びに専修学校の専門課程の生徒をいう。

3項

この法律において「確認大学等」とは、第七条第一項の確認を受けた大学等をいう。

第二章 大学等における修学の支援

第一節 通則

1項

大学等における修学の支援は、確認大学等に在学する学生等のうち、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものに対して行う 学資支給 及び授業料等減免とする。

第二節 学資支給

1項

学資支給は、学資支給金(独立行政法人日本学生支援機構法(平成十五年法律第九十四号)第十七条の二第一項に規定する学資支給金をいう。)の支給とする。

1項

学資支給については、この法律に別段の定めがあるものを除き、独立行政法人日本学生支援機構法の定めるところによる。

第三節 授業料等減免

1項

授業料等減免は、第八条第一項の規定による授業料等(授業料 及び入学金をいう。同項において同じ。)の減免とする。

1項

次の各号に掲げる大学等の設置者は、授業料等減免を行おうとするときは、文部科学省令で定めるところにより、当該各号に定める者(以下「文部科学大臣等」という。)に対し、当該大学等が次項各号に掲げる要件を満たしていることについて確認を求めることができる。

一 号

大学 及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する国立学校 又は私立学校であるものに限る第十条第一号において同じ。)並びに国立大学法人(国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校

文部科学大臣

二 号

国が設置する専門学校

当該専門学校が属する国の行政機関の長

三 号

独立行政法人(独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。以下 この号 及び第十条第一号において同じ。)が設置する専門学校

当該独立行政法人の主務大臣(同法第六十八条に規定する主務大臣をいう。

四 号

地方公共団体が設置する大学等

当該地方公共団体の長

五 号

公立大学法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項に規定する公立大学法人をいう。以下 この項 及び第十条第三号において同じ。)が設置する大学等

当該公立大学法人を設立する地方公共団体の長

六 号

地方独立行政法人(地方独立行政法人法第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいい、公立大学法人を除く。以下 この号 及び第十条第四号において同じ。)が設置する専門学校

当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体の長

七 号

専門学校(前各号に掲げるものを除く

当該専門学校を所管する都道府県知事

2項

文部科学大臣等は、前項の確認(以下単に「確認」という。)を求められた場合において、当該求めに係る大学等が次に掲げる要件(第九条第一項第一号 及び第十五条第一項第一号において「確認要件」という。)を満たしていると認めるときは、その確認をするものとする。

一 号

大学等の教育の実施体制に関し、大学等が社会で自立し、及び活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材を育成するために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。

二 号

大学等の経営基盤に関し、大学等がその経営を継続的かつ安定的に行うために必要なものとして文部科学省令で定める基準に適合するものであること。

三 号

当該大学等の設置者が、第十五条第一項の規定により確認を取り消された大学等の設置者又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その取消しの日 又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものでないこと。

四 号

当該大学等の設置者が法人である場合において、その役員のうちに、この法律 若しくは この法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分に違反した者 又はこれに準ずる者として政令で定める者で、その違反行為をした日 又はこれに準ずる日として政令で定める日から起算して三年を経過しないものがないこと。

3項

文部科学大臣等は、確認をしたときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用 その他の方法により公表しなければならない。

1項

確認大学等の設置者は、当該確認大学等に在学する学生等のうち、文部科学省令で定める基準 及び方法に従い、特に優れた者であって経済的理由により極めて修学に困難があるものと認められるものを授業料等減免対象者として認定し、当該授業料等減免対象者に対して授業料等の減免を行うものとする。

2項

前項の規定により確認大学等の設置者が行う 授業料等減免の額は、確認大学等の種別 その他の事情を考慮して、政令で定めるところによる。

3項

前二項に定めるもののほか、授業料等減免の期間その他の確認大学等の設置者が行う 授業料等減免に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

確認大学等の設置者は、次の各号いずれかに 該当することとなったときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。

一 号

当該確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。

二 号

当該確認大学等に係る確認を辞退しようとするとき。

三 号

当該確認大学等の名称 及び所在地 その他の文部科学省令で定める事項に変更があったとき。

2項

第七条第三項の規定は、前項の規定による届出があったときについて準用する。

1項

次の各号に掲げる大学等に係る授業料等減免に要する費用(以下「減免費用」という。)は、それぞれ当該各号に定める者(第十二条第三項において「国等」という。)が支弁する。

一 号

大学 及び高等専門学校並びに国、国立大学法人 及び独立行政法人が設置する専門学校

二 号

地方公共団体が設置する大学等

当該地方公共団体

三 号

公立大学法人が設置する大学等

当該公立大学法人を設立する地方公共団体

四 号

地方独立行政法人が設置する専門学校

当該地方独立行政法人を設立する地方公共団体

五 号

専門学校(前各号に掲げるものを除く

当該専門学校を所管する都道府県知事の統轄する都道府県

1項

国は、政令で定めるところにより、前条第五号に係る部分に限る)の規定により都道府県が支弁する減免費用の二分の一を負担する。

1項

確認大学等の設置者は、文部科学省令で定めるところにより、当該確認大学等に在学する授業料等減免対象者が偽りその他不正の手段により授業料等減免を受けた又は次の各号いずれかに該当するに至ったと認めるときは、当該授業料等減免対象者に係る第八条第一項の規定による認定(以下この条において単に「認定」という。)を取り消すことができる。

一 号

学業成績が著しく不良となったと認められるとき。

二 号

学生等たるにふさわしくない行為があったと認められるとき。

2項

確認大学等の設置者は、前項の規定により認定を取り消したときは、文部科学省令で定めるところにより、その旨を当該確認大学等に係る確認をした文部科学大臣等に届け出なければならない。

3項

第一項の規定により認定を取り消した確認大学等の設置者に対し減免費用を支弁する国等は、前項の規定による届出があった場合において、当該認定を取り消された学生等に対する授業料等減免に係る減免費用を既に支弁しているときは、国税徴収の例により、当該確認大学等の設置者から当該減免費用に相当する金額を徴収することができる。

4項

前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

1項

文部科学大臣等は、授業料等減免に関して必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、授業料等減免対象者 若しくは その生計を維持する者 若しくは これらの者であった者に対し、報告 若しくは文書 その他の物件の提出 若しくは提示を命じ、又は当該職員に関係者に対して質問させることができる。

2項

文部科学大臣等は、必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、確認大学等の設置者(国 及び地方公共団体を除く。以下 この項 及び次条において同じ。)若しくは その役職員 若しくは これらの者であった者に対し、報告 若しくは帳簿書類 その他の物件の提出 若しくは提示を命じ、若しくは出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該確認大学等の設置者の事務所 その他の施設に立ち入り、その設備 若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

3項

前二項の規定による質問 又は前項の規定による検査を行う場合においては、当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。

4項

第一項 及び第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

文部科学大臣等は、確認大学等の設置者が授業料等減免を適切に行っていないと認める場合 その他授業料等減免の適正な実施を確保するため必要があると認める場合には、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、授業料等減免の実施の方法の改善 その他 必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2項

文部科学大臣等は、前項の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた確認大学等の設置者が、同項の期限内にこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。

3項

文部科学大臣等は、第一項の規定による勧告を受けた確認大学等の設置者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、当該確認大学等の設置者に対し、期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

4項

文部科学大臣等は、前項の規定による命令をした場合においては、その旨を公示しなければならない。

1項

文部科学大臣等は、次の各号いずれかに 該当する場合においては、当該確認大学等に係る確認を取り消すことができる。

一 号

確認大学等が、確認要件を満たさなくなったとき。

二 号

確認大学等の設置者が、不正の手段により確認を受けていたとき。

三 号

前号に掲げるもののほか、確認大学等の設置者が、減免費用の支弁に関し不正な行為をしたとき。

四 号

確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により報告 又は帳簿書類 その他の物件の提出 若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告 若しくは虚偽の物件の提出 若しくは提示をしたとき。

五 号

確認大学等の設置者が、第十三条第二項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

六 号

前各号に掲げる場合のほか、確認大学等の設置者が、この法律 若しくは この法律に基づく命令 又はこれらに基づく処分に違反したとき。

2項

第七条第三項の規定は、前項の規定による確認の取消しをしたときについて準用する。

1項

前条第一項の規定により確認が取り消された場合 又は確認大学等の設置者が当該確認大学等に係る確認を辞退した場合において、その取消し又は辞退の際、当該確認大学等に授業料等減免対象者が在学しているときは、その者に係る授業料等減免については、当該確認を取り消された大学等 又は確認を辞退した大学等を確認大学等とみなして、この法律の規定を適用する。


ただし同項第二号 若しくは第三号に掲げる事由に該当して同項の規定により確認が取り消された場合 又はこれに準ずる場合として政令で定める場合における当該大学等に係る減免費用については、第十条 及び第十一条の規定は、適用しない

第三章 雑則

1項

国は、日本私立学校振興・共済事業団法(平成九年法律第四十八号)の定めるところにより、第十条の規定による減免費用の支弁のうち大学 及び高等専門学校(いずれも学校教育法第二条第二項に規定する私立学校であるものに限る)に係るものを日本私立学校振興・共済事業団を通じて行うことができる。

2項

前項の規定により減免費用の支弁が日本私立学校振興・共済事業団を通じて行われる場合には、

第十二条第二項
文部科学大臣等」とあるのは
「文部科学大臣 及び日本私立学校振興・共済事業団の理事長」と、

同条第三項
を支弁する国等」とあるのは
「に充てるための資金(以下 この項において「減免資金」という。)を交付する日本私立学校振興・共済事業団」と、

に係る減免費用」とあるのは
「に係る減免資金」と、

支弁している」とあるのは
「交付している」と、

当該減免費用」とあるのは
「当該減免資金」と

する。

1項

この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、文部科学省令で定める。

第四章 罰則

1項

第十三条第一項の規定による報告 若しくは物件の提出 若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告 若しくは虚偽の物件の提出 若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

2項

第十三条第二項の規定による報告 若しくは物件の提出 若しくは提示をせず、若しくは虚偽の報告 若しくは虚偽の物件の提出 若しくは提示をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、 若しくは忌避した者は、三十万円以下の罰金に処する。

3項

法人の代表者 又は法人若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人 又は人に対して同項の刑を科する。