弁護士会は、弁護士 及び弁護士法人の使命 及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士 及び弁護士法人の事務の改善進歩を図るため、弁護士 及び弁護士法人の指導、連絡 及び監督に関する事務を行うことを目的とする。
弁護士法
第五章 弁護士会
弁護士会は、地方裁判所の管轄区域ごとに設立しなければならない。
弁護士会は、日本弁護士連合会の承認を受けて、会則を定めなければならない。
弁護士会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
会長、副会長 その他会の機関の選任、構成及び職務権限に関する規定
弁護士名簿の登録、登録換え 及び登録取消しの請求の進達並びに第十三条の規定による登録取消しの請求及び その実施のために必要な手続に関する規定
弁護士道徳その他会員の綱紀保持に関する規定
懲戒 並びに懲戒委員会及び綱紀委員会に関する規定
無資力者のためにする法律扶助に関する規定
官公署 その他に対する弁護士の推薦に関する規定
会員の職務に関する紛議の調停に関する規定
営利業務の届出及び営利業務従事弁護士名簿に関する規定
前項に掲げる事項を変更するときは、日本弁護士連合会の承認を受けなければならない。
弁護士会は、その所在地において設立の登記をすることによつて成立する。
弁護士会の設立の登記には、次に掲げる事項を登記しなければならない。
設立の基準となる地方裁判所の名称及び管轄区域
第四十三条第三項において準用する第三十条の二十八第二項の公告を時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法によりする旨の会則の定めがあるときは、その定め
第四十三条第三項において準用する第三十条の二十八第二項の公告を電子公告(会社法第二条第三十四号に規定する電子公告をいう。イにおいて同じ。)によりする旨の会則の定めがあるときは、その定め及び次に掲げる事項
電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であつて法務省令で定めるもの
第四十三条第三項において準用する第三十条の二十八第六項において準用する会社法第九百三十九条第三項後段の規定による会則の定めがあるときは、その定め
弁護士会が解散したときは、二週間以内に解散の登記をしなければならない。
第二項に掲げる事項に変更を生じたときは、二週間以内に変更の登記をしなければならない。
弁護士会において登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
この法律に規定するものの外、弁護士会の登記の手続に関して必要な事項は、政令で定める。
弁護士会の代表者は、会長とする。
会長に事故のあるとき又は会長が欠けたときは、副会長がこの法律 及び会則に規定する会長の職務を行う。
会長 及び副会長は、刑法(明治四十年法律第四十五号) その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
弁護士名簿に登録 又は登録換を受けた者は、当然、入会しようとする弁護士会の会員となり、登録換を受けた場合には、これによつて旧所属弁護士会を退会するものとする。
第十一条に規定する請求により登録取消を受けた者は、当然、所属弁護士会を退会するものとする。
弁護士法人は、その成立の時に、主たる法律事務所の所在する地域の弁護士会(二個以上の弁護士会があるときは、当該弁護士法人が定款に記載した弁護士会)の会員となる。
弁護士法人は、所属弁護士会の地域外に法律事務所を設け、又は移転したときは、法律事務所の新所在地(従たる法律事務所を設け、又は移転したときにあつては、主たる法律事務所の所在地)においてその旨の登記をした時に、当該法律事務所(従たる法律事務所を設け、又は移転したときにあつては、当該従たる法律事務所)の所在する地域の弁護士会(二個以上の弁護士会があるときは、当該弁護士法人が定款に記載した弁護士会)の会員となる。
弁護士法人は、その法律事務所の移転 又は廃止により、所属弁護士会の地域内に法律事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地(従たる法律事務所を移転し、又は廃止したときにあつては、主たる法律事務所の所在地)においてその旨の登記をした時に、当該弁護士会を退会するものとする。
弁護士法人は、その法律事務所の所在地に二個以上の弁護士会がある場合に限り、定款を変更することにより、所属弁護士会を変更することができる。
弁護士法人は、同一の地域にある複数の弁護士会に所属することはできない。
弁護士法人は、第二項 又は第四項の規定により、新たに弁護士会に入会したときは、入会の日から二週間以内に、登記事項証明書 及び定款の写しを添えて、その旨を当該弁護士会 及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
弁護士法人は、第三項 又は第四項の規定により、所属弁護士会を退会したときは、退会の日から二週間以内に、その旨を当該弁護士会 及び日本弁護士連合会に届け出なければならない。
弁護士会は、毎年 定期総会を開かなければならない。
弁護士会は、必要と認める場合には、臨時総会を開くことができる。
弁護士会は、総会の決議 並びに役員の就任 及び退任を日本弁護士連合会に報告しなければならない。
弁護士会の会則の変更、予算 及び決算は、総会の決議によらなければならない。
弁護士会の総会の決議が公益を害するときその他法令 又はその弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反するときは、日本弁護士連合会は、その決議を取り消すことができる。
弁護士会は、弁護士の職務又は弁護士法人の業務に関する紛議につき、弁護士、弁護士法人 又は当事者 その他関係人の請求により調停をすることができる。
弁護士会は、日本弁護士連合会から諮問 又は協議を受けた事項につき答申をしなければならない。
弁護士会は、弁護士 及び弁護士法人の事務 その他司法事務に関して官公署に建議し、又はその諮問に答申することができる。
地方裁判所の管轄区域が変更されたためその区域内に在る弁護士会が合併し又は解散する必要があるときは、その弁護士会は、総会の決議により合併し又は解散する。
合併後存続する弁護士会又は合併により設立する弁護士会は、当該合併により消滅する弁護士会の権利義務を承継する。
第三十条の二十八の規定は、弁護士会が合併をする場合について準用する。
この場合において、
同条第三項中
「定款」とあるのは
「会則」と、
同条第六項中
「同法第九百三十九条第一項 及び第三項」とあるのは
「同法第九百三十九条第一項中「定款」とあるのは「会則」と、同項 及び同条第三項」と
読み替えるものとする。
弁護士会が合併したときは、合併により解散する弁護士会に所属した弁護士 又は弁護士法人は、当然、合併後存続し又は合併により設立する弁護士会の会員となる。
第十条第一項の規定は、前項の場合に弁護士について準用する。
解散した弁護士会は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。
弁護士会が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、会長がその清算人となる。
ただし、定款に別段の定めがあるとき、又は総会において会長以外の者を選任したときは、この限りでない。
次に掲げる者は、清算人となることができない。
死刑 又は無期 若しくは六年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、復権を得ない者
六年未満の懲役 又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
前条第一項の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人 若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を解任することができる。
清算人の職務は、次のとおりとする。
清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。
清算人は、その就職の日から二箇月以内に、少なくとも三回の公告をもつて、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。
この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。
ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
第一項の公告は、官報に掲載してする。
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、弁護士会の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
弁護士会の解散 及び清算は、裁判所の監督に属する。
裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。
弁護士会の解散 及び清算の監督 並びに清算人に関する事件は、その事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
裁判所は、第四十三条の四の規定により清算人を選任した場合には、弁護士会が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
この場合においては、裁判所は、当該清算人の陳述を聴かなければならない。
裁判所は、弁護士会の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
第四十三条の十一 及び第四十三条の十二の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。
この場合において、
同条中
「清算人の」とあるのは、
「弁護士会 及び検査役の」と
読み替えるものとする。
弁護士会がこの法律に基づいて行う 処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章、第三章 及び第四章の二の規定は、適用しない。
同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は、共同して特定の事項を行うため、規約を定め、日本弁護士連合会の承認を受けて、弁護士会連合会を設けることができる。