放送法

# 昭和二十五年法律第百三十二号 #

第七章 有料放送

分類 法律
カテゴリ   電気通信
@ 施行日 : 令和六年八月十五日 ( 2024年 8月15日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十六号による改正
最終編集日 : 2024年 09月07日 05時30分


1項

有料放送(契約により、その放送を受信することのできる受信設備を設置し、当該受信設備による受信に関し料金を支払う者によつて受信されることを目的とし、当該受信設備によらなければ受信することができないようにして行われる放送をいう。以下同じ。)を行う放送事業者(以下「有料放送事業者」という。)は、基幹放送を契約の対象とする有料放送(以下「有料基幹放送」という。)の役務を国内受信者(有料放送事業者との間に国内に設置する受信設備により有料放送の役務の提供を受ける契約を締結する者をいう。以下同じ。)に提供する場合には、当該有料基幹放送の役務に関する料金 その他の提供条件について契約約款(以下「有料基幹放送契約約款」という。)を定め、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。


当該有料基幹放送契約約款を変更しようとするときも、同様とする。

2項

有料基幹放送の役務を提供する有料放送事業者は、前項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款以外の提供条件により国内受信者に対し有料基幹放送の役務を提供してはならない。

3項

有料基幹放送の役務を提供する有料放送事業者は、第一項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款を、総務省令で定めるところにより、公表するとともに、国内にある営業所 その他の事業所において公衆の見やすいように掲示しておかなければならない。

1項

有料放送事業者は、正当な理由がなければ、国内に設置する受信設備によりその有料放送を受信しようとする者に対しその有料放送の役務の提供を拒んではならない。

1項

有料放送事業者は、有料放送の役務を提供する業務の全部 又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該休止 又は廃止しようとする有料放送の国内受信者に対し、その旨を周知させなければならない。

1項

有料放送事業者 及び有料放送事業者から有料放送の役務の提供に関する契約の締結の媒介、取次ぎ 又は代理(以下「媒介等」という。)の業務 及びこれに付随する業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下「媒介等業務受託者」という。)は、国内受信者(有料放送の役務の提供を受けようとする者を含む。以下この条第百五十一条第百五十一条の二 及び第百五十六条第四項において同じ。)と有料放送の役務の提供に関する契約の締結 又はその媒介等をしようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該有料放送の役務に関する料金 その他の提供条件の概要について、その者に説明しなければならない。


ただし、当該契約の内容 その他の事情を勘案し、当該提供条件の概要について国内受信者に説明しなくても国内受信者の利益の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして総務省令で定める場合は、この限りでない。

1項

有料放送事業者は、有料放送の役務の提供に関する契約が成立したときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、書面を作成し、これを国内受信者に交付しなければならない。


ただし、当該契約の内容 その他の事情を勘案し、当該書面を国内受信者に交付しなくても国内受信者の利益の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして総務省令で定める場合は、この限りでない。

2項

有料放送事業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、国内受信者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて総務省令で定めるものにより提供することができる。


この場合において、当該有料放送事業者は、当該書面を交付したものとみなす。

3項

前項に規定する方法(総務省令で定める方法を除く)により第一項の規定による書面の交付に代えて行われた当該書面に記載すべき事項の提供は、国内受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該国内受信者に到達したものとみなす。

1項

有料放送事業者と次に掲げる有料放送の役務の提供に関する契約を締結した国内受信者は、総務省令で定める場合を除き前条第一項の書面を受領した日(当該有料放送の役務(第一号に掲げる有料放送の役務に限る)の提供が開始された日が当該受領した日より遅いときは、当該開始された日)から起算して八日を経過するまでの間(国内受信者が、有料放送事業者 又は媒介等業務受託者が第百五十一条の二第一号の規定に違反してこの項の規定による当該契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、これによつて当該期間を経過するまでの間にこの項の規定による当該契約の解除を行わなかつた場合には、当該国内受信者が、当該有料放送事業者が総務省令で定めるところによりこの項の規定による当該契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過するまでの間)、書面により当該契約の解除を行うことができる。

一 号

移動受信用地上基幹放送を契約の対象とする有料放送の役務であつて、料金 その他の提供条件 及び利用状況を勘案して国内受信者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務大臣が指定するもの

二 号

移動受信用地上基幹放送を契約の対象とする有料放送の役務以外の有料放送の役務であつて、料金 その他の提供条件 及び利用状況を勘案して国内受信者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務大臣が指定するもの

2項

前項各号の規定による指定は、告示によつて行う。

3項

第一項の規定による有料放送の役務の提供に関する契約の解除は、当該契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。

4項

有料放送事業者は、第一項の規定による有料放送の役務の提供に関する契約の解除があつた場合には、国内受信者に対し、当該契約の解除に伴い損害賠償 若しくは違約金を請求し、又はその他の金銭等(金銭 その他の財産をいう。次項において同じ。)の支払 若しくは交付を請求することができない


ただし、当該契約の解除までの期間において提供を受けた有料放送の役務に対して国内受信者が支払うべき金額 その他の当該契約に関して国内受信者が支払うべき金額として総務省令で定める額については、この限りでない。

5項

有料放送事業者は、第一項の規定による有料放送の役務の提供に関する契約の解除があつた場合において、当該契約に関連して金銭等を受領しているときは、国内受信者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。


ただし、当該契約に関連して受領した金銭等のうち前項ただし書の総務省令で定める額については、この限りでない。

6項

第一項 及び前三項の規定に反する特約で国内受信者に不利なものは、無効とする。

1項

有料放送事業者 及び第百五十二条第二項に規定する有料放送管理事業者は、有料放送の役務の提供に関する業務の方法 又は料金 その他の提供条件についての国内受信者からの苦情 及び問合せについては、適切かつ 迅速にこれを処理しなければならない。

1項

有料放送事業者 又は媒介等業務受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。

一 号

国内受信者に対し、有料放送の役務の提供に関する契約に関する事項であつて、国内受信者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為

二 号

有料放送の役務の提供に関する契約の締結の勧誘を受けた者が当該契約を締結しない旨の意思(当該勧誘を引き続き受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為(国内受信者の利益の保護のため支障を生ずるおそれがないものとして総務省令で定めるものを除く

1項

有料放送事業者は、有料放送の役務の提供に関する契約の締結の媒介等の業務 及びこれに付随する業務の委託をした場合には、総務省令で定めるところにより、当該委託に係る媒介等業務受託者に対する指導 その他の当該委託に係る業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

1項

有料放送の役務の提供に関し、契約の締結の媒介等を行うとともに、当該契約により設置された受信設備によらなければ当該有料放送の受信ができないようにすることを行う業務(以下「有料放送管理業務」という。)を行おうとする者(総務省令で定める数以上の有料放送事業者のために有料放送管理業務を行うものに限る)は、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した書類を添えて、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

一 号

氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名

二 号
業務の概要
三 号
その他総務省令で定める事項
2項

前項の規定による届出をした者(以下「有料放送管理事業者」という。)は、その届出に係る事項について変更があつたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1項

有料放送管理事業者が有料放送管理業務を行う事業の全部を譲渡し、又は有料放送管理事業者について相続、合併 若しくは分割(有料放送管理業務を行う事業の全部を承継させるものに限る)があつたときは、当該事業の全部を譲り受けた者 又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の協議により有料放送管理業務を行う事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者)、合併後存続する法人 若しくは合併により設立された法人 若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人は、当該有料放送管理事業者の地位を承継する。

2項

前項の規定により有料放送管理事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1項

有料放送管理事業者は、有料放送管理業務を廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

2項

有料放送管理事業者たる法人が合併以外の事由により解散したときは、その清算人(解散が破産手続開始の決定による場合にあつては、破産管財人)は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

1項

有料放送管理事業者は、有料放送管理業務(これに密接に関連する業務を含む。)に関し、総務省令で定めるところにより、業務の実施方針の策定 及び公表 その他の適正かつ確実な運営を確保するための措置を講じなければならない。

1項

総務大臣は、第百四十七条第一項の規定により届け出た有料基幹放送契約約款に定める有料基幹放送の役務に関する料金 その他の提供条件が国内受信者の利益を阻害していると認めるときは、当該有料基幹放送の役務を提供する有料放送事業者に対し、当該有料基幹放送契約約款を変更すべきことを命ずることができる。

2項

総務大臣は、次の各号いずれかに該当すると認めるときは、有料放送事業者に対し、国内受信者の利益を確保するために必要な限度において、有料放送の役務の提供に係る業務の方法の改善 その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

一 号

有料放送事業者が特定の者に対し不当な差別的取扱いを行つているとき。

二 号

有料放送事業者が提供する有料放送の役務(有料基幹放送の役務を除く次号において同じ。)に関する料金 その他の提供条件が社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、国内受信者の利益を阻害しているとき。

三 号

有料放送事業者が提供する有料放送の役務に関する提供条件(料金を除く)において、有料放送事業者 及び国内受信者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていないとき。

3項

総務大臣は、次の各号いずれかに該当するときは、当該各号に定める者に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

一 号

有料放送事業者 又は媒介等業務受託者が第百五十条 又は第百五十一条の二の規定に違反したとき

当該有料放送事業者 又は媒介等業務受託者

二 号

有料放送事業者 又は有料放送管理事業者が第百五十一条の規定に違反したとき

当該有料放送事業者 又は有料放送管理事業者

三 号

有料放送事業者が第百五十条の二第一項 又は第百五十一条の三の規定に違反したとき

当該有料放送事業者

4項

総務大臣は、有料放送管理事業者が前条の規定に違反したときは、当該有料放送管理事業者に対し、国内受信者の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善 その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

1項

何人も、有料放送事業者とその有料放送の役務の提供を受ける契約をしなければ、国内において当該有料放送を受信することのできる受信設備により当該有料放送を受信してはならない。