流通業務団地造成事業は、都市計画事業として施行する。
流通業務市街地の整備に関する法律
第四章 流通業務団地造成事業
第三節 施行計画及び処分計画
施行者は、施行計画 及び処分計画を定めなければならない。
施行計画においては、国土交通省令で定めるところにより、事業地(事業地を工区に分けるときは、事業地 及び工区)、設計 及び資金計画を定めなければならない。
処分計画においては、造成施設等の処分方法 及び処分価額に関する事項 並びに処分後の造成敷地等の利用の規制に関する事項を定めなければならない。
この法律に規定するもののほか、施行計画 及び処分計画の設定の技術的基準 その他施行計画 及び処分計画に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
施行者は、処分計画を定めようとする場合においては、国土交通省令で定めるところにより、機構にあつては国土交通大臣の認可を受け、地方公共団体にあつては都道府県知事(都道府県にあつては、国土交通大臣)に協議し、その同意を得なければならない。
これを変更しようとする場合(国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)においても、同様とする。
施行者は、施行計画を定めた場合においては、国土交通省令で定めるところにより、これを都道府県 又は機構にあつては国土交通大臣に、その他の者にあつては都道府県知事に届け出なければならない。
これを変更した場合(国土交通省令で定める軽微な変更をした場合を除く。)においても、同様とする。
処分計画においては、造成敷地等の処分価額は、類地等の時価を基準とし、かつ、当該造成敷地等の取得 及び造成 又は整備に要する費用(公共施設 及び公益的施設の敷地の造成 及びそれらの施設の整備に要する費用のうち当該造成敷地等である敷地に配分されるべき費用を含む。)並びに当該造成敷地等の位置、品位 及び用途を勘案して決定するように定めなければならない。
処分計画においては、処分後の造成施設等のうち、都市計画が定められているものについてはその都市計画に適合するように、その他のものについては当該流通業務団地にふさわしい規模 及び用途の施設が建設されるように定めなければならない。
施行者は、施行計画 又は処分計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、施行計画 若しくは処分計画 又はその変更に関係のある公共施設の管理者 又は管理者となるべき者 その他政令で定める者に協議しなければならない。
第四節 造成施設等の処分等
施行者は、事業地(事業地を工区に分けたときは、工区。以下この条において同じ。)の全部について工事(施行計画で特に定める工事を除く。)を完了したときは、遅滞なく、その旨を都道府県知事(施行者が機構であるときは、国土交通大臣。以下この条において同じ。)に届け出なければならない。
都道府県知事は、前項の届出があつた場合において、その届出に係る工事が施行計画に適合していると認めたときは、遅滞なく、当該事業地について工事が完了した旨を公告しなければならない。
流通業務団地造成事業の施行により公共施設が設置された場合においては、その公共施設は、前条第二項の公告の日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属するものとする。
ただし、他の法律に基づき管理すべき者が別にあるとき、又は処分計画に特に管理すべき者の定めがあるときは、それらの者の管理に属するものとする。
施行者は、前条第二項の公告の日以前においても、公共施設に関する工事が完了した場合においては、前項の規定にかかわらず、その公共施設を管理すべき者にその管理を引き継ぐことができる。
施行者は、前条第二項の公告の日の翌日において、公共施設に関する工事を完了していない場合においては、第一項の規定にかかわらず、その工事が完了したときにおいて、その公共施設を管理すべき者にその管理を引き継ぐことができる。
公共施設を管理すべき者は、前二項の規定により施行者からその公共施設について管理の引継ぎの申出があつた場合においては、その公共施設に関する工事が施行計画において定められた設計に適合しない場合のほか、その引継ぎを拒むことができない。
流通業務団地造成事業の施行により、従前の公共施設に代えて新たな公共施設が設置されることとなる場合においては、従前の公共施設の用に供していた土地で国 又は地方公共団体が所有するものは、第三十条第二項の公告の日の翌日において施行者に帰属するものとし、これに代わるものとして処分計画で定める新たな公共施設の用に供する土地は、その日においてそれぞれ国 又は当該地方公共団体に帰属するものとする。
流通業務団地造成事業の施行により設置された公共施設の用に供する土地は、前項に規定するもの及び処分計画で特別の定めをしたものを除き、第三十条第二項の公告の日の翌日において、当該公共施設を管理すべき者(その者が地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務(以下単に「第一号法定受託事務」という。)として当該公共施設を管理する地方公共団体であるときは、国)に帰属するものとする。
施行者は、造成施設等をこの法律 及び処分計画に従つて処分しなければならない。
地方公共団体がこの法律の規定により行なう造成施設等の処分については、当該地方公共団体の財産の処分に関する法令の規定は、適用しない。
施行者は、造成敷地等について、政令で特別の定めをするものを除き、国土交通省令で定めるところにより、その譲受人を公募しなければならない。
公募による造成敷地等の譲受人は、少なくとも、次の各号に掲げる条件を備えた者でなければならない。
造成敷地等である敷地においてみずから流通業務施設を経営しようとする者であること。
流通業務施設の建設 及び経営に必要な資力 及び信用を有する者であること。
譲渡の対価の支払能力がある者であること。
施行者は、造成敷地等の譲受人を公募する場合には、次に掲げる者の順に、公正な方法で選考して、その譲受人を決定するものとする。
流通業務施設の敷地を当該流通業務団地造成事業に必要な土地として提供した者
当該流通業務地区の存する都市の区域内にある流通業務施設の敷地に代えて流通業務施設の敷地を取得しようとする者
当該流通業務地区の存する都市の区域内に流通業務施設を有する者で、造成敷地等である敷地にその流通業務施設と同一の業種に属する流通業務施設を新設しようとするもの(前号に該当する者を除く。)
その他の者
施行者から流通業務施設を建設すべき敷地を譲り受けた者(その承継人を含むものとし、国、地方公共団体 その他政令で定める者を除く。)は、施行者が定めた期間内に、国土交通省令で定めるところにより流通業務施設の建設の工期、工事概要等に関する計画を定めて、施行者の承認を受け、当該計画に従つて流通業務施設を建設しなければならない。
施行者は、前項の規定に違反して、その定めた期間内に同項の規定による承認を受ける手続をせず、又は承認を受けた計画に従つて流通業務施設を建設しなかつた者に対して、当該敷地の譲渡契約を解除することができる。
第三十条第二項の公告の日の翌日から起算して十年間は、造成敷地等 又は造成敷地等である敷地の上に建設された流通業務施設 又は公益的施設に関する所有権、地上権、質権、使用貸借による権利 又は賃借権 その他の使用 及び収益を目的とする権利の設定 又は移転については、国土交通省令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の承認を受けなければならない。
ただし、次の各号の一に掲げる場合は、この限りではない。
当事者の一方 又は双方が国、地方公共団体 その他政令で定める者である場合
相続 その他の一般承継により当該権利が移転する場合
滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。)又は企業担保権の実行により当該権利が移転する場合
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律により収用され、又は使用される場合
その他政令で定める場合
前項に規定する承認に関する処分は、当該権利を設定し、又は移転しようとする者がその設定 又は移転により不当に利益を受けるものでないかどうか、及びその設定 又は移転の相手方が処分計画に定められた処分後の造成敷地等の利用の規制の趣旨に従つて当該造成敷地等を利用すると認められるものであるかどうかを考慮してしなければならない。
第一項に規定する承認には、処分計画に定められた処分後の造成敷地等の利用の規制の趣旨を達成するため必要な条件を附することができる。
この場合において、その条件は、当該承認を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。
施行者は、第三十条第二項の公告があつたときは、造成施設等の存する市町村の長に対し、国土交通省令で定めるところにより、当該造成施設等の存する区域を表示した図書を送付しなければならない。
前項の図書の送付を受けた市町村長は、第三十条第二項の公告をした日の翌日から起算して十年間、その図書を当該市町村の役場に備え置いて、関係人の請求があつたときは、これを閲覧させなければならない。
都道府県知事は、国土交通省令で定めるところにより、第三十条第二項の公告の日の翌日から起算して十年間、流通業務団地造成事業が施行された土地の区域内の見やすい場所に、流通業務団地造成事業が施行された土地である旨を表示した標識を設置しなければならない。
何人も、前項の規定により設けられた標識を都道府県知事の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。
第五節 補則
流通業務団地造成事業を施行しようとする者 又は施行者は、流通業務団地造成事業の施行の準備 又は施行に必要な測量を行なうため必要がある場合においては、国土交通省令で定める標識を設けることができる。
何人も、前項の規定により設けられた標識を設置者の承諾を得ないで移転し、若しくは除却し、又は汚損し、若しくは損壊してはならない。
流通業務団地造成事業を施行しようとする者 又は施行者は、流通業務団地造成事業の施行の準備 又は施行のため必要がある場合においては、流通業務団地造成事業を施行しようとする、又は施行する土地を管轄する登記所に対し、又はその他の官公署の長に対し、無償で必要な簿書の閲覧 若しくは謄写 又はその謄本 若しくは抄本 若しくは登記事項証明書の交付を求めることができる。
流通業務団地造成事業につき都市計画法第六十九条の規定により適用される土地収用法の規定により土地 又は権利が収用される場合において、権原により当該土地 又は当該権利の目的である土地に建築物 その他の土地に定着する工作物を所有する者は、その工作物の収用を請求することができる。
土地収用法第八十七条の規定は、前項の規定による収用の請求について準用する。
流通業務団地造成事業に要する費用は、施行者の負担とする。
施行者は、流通業務団地造成事業の施行に関し書類を送付する場合において、送付を受けるべき者がその書類の受領を拒んだとき、又は過失がなくて、その者の住所、居所 その他書類を送付すべき場所を確知することができないときは、その書類の内容を公告することをもつて書類の送付に代えることができる。
前項の公告があつた場合においては、その公告の日の翌日から起算して十日を経過した日に、当該書類が送付を受けるべき者に到達したものとみなす。
国は、流通業務団地造成事業に必要な資金の調達について配慮するものとする。
国は、造成敷地等である敷地を譲り受けて流通業務施設を建設しようとする者 又は流通業務団地に関する都市計画に従い流通業務施設を建設しようとする者に対し、必要な資金のあつせんに努めるものとする。
農林水産大臣 又は都道府県知事は、流通業務団地の区域内の農地 又は採草放牧地を流通業務団地造成事業 又は流通業務団地に関する都市計画に適合した流通業務施設の用に供するため農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)の規定による許可を求められた場合においては、流通業務団地造成事業の施行 又は流通業務施設の建設が促進されるよう配慮するものとする。
都道府県 及び機構は国土交通大臣に対して、市町村は国土交通大臣 及び都道府県知事に対して、流通業務団地造成事業の施行の準備 又は施行のため、それぞれ流通業務団地造成事業に関し専門的知識を有する職員の技術的援助を求めることができる。
国土交通大臣は施行者である機構に対し、機構が定めた施行計画 又は機構が行う工事 若しくは処分が、この法律、この法律に基づく命令 若しくは流通業務団地造成事業である都市計画事業の内容 又は施行計画 若しくは処分計画に従つていないと認める場合においては、流通業務団地造成事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、施行計画の変更 又は工事の中止 若しくは変更 若しくは処分の差止めその他必要な措置を命ずることができる。
国土交通大臣は、施行者である都道府県に対し、都道府県知事は施行者であるその他の地方公共団体に対し、それぞれそれらの者が定めた施行計画 又はそれらの者が行う工事 若しくは処分が、この法律、この法律に基づく命令 若しくは流通業務団地造成事業である都市計画事業の内容 又は施行計画 若しくは処分計画に従つていないと認める場合においては、流通業務団地造成事業の適正な施行を確保するため必要な限度において、施行計画の変更 又は工事の中止 若しくは変更 若しくは処分の差止めその他必要な措置を講ずべきことを求めることができる。
施行者である地方公共団体は、前項の規定による要求を受けたときは、当該施行計画の変更 又は当該工事の中止 若しくは変更 若しくは当該処分の差止めその他必要な措置を講じなければならない。
国土交通大臣は、違法 又は不当な第三十八条第一項の規定に基づく承認の処分が行なわれたときは、造成敷地等の適正な利用を確保するため必要な限度において、その承認の処分を取り消し、又は変更することができる。
国 及び地方公共団体は、流通業務団地造成事業の施行に関連して必要となる公共施設の整備に努めるものとする。
国土交通大臣は、流通業務地区、流通業務団地に係る市街地開発事業等予定区域 又は流通業務団地に関する都市計画を定め、又はその決定 若しくは変更に同意しようとするときは、あらかじめ、農林水産大臣 及び経済産業大臣に協議するものとする。
国土交通大臣 又は都道府県知事は、第二十六条第一項の規定により処分計画を認可し、又は処分計画に同意しようとするときは、あらかじめ、当該処分計画に係る造成敷地等である敷地の上に建設されることとなる流通業務施設の設置 又は経営について、他の法律の規定により許可、認可 その他の処分をする権限を有する行政機関の長に協議しなければならない。
事業地内の土地 及び建物の登記については、政令で不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)の特例を定めることができる。