生活保護法

# 昭和二十五年法律第百四十四号 #

第五章 保護の方法

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和四年六月二十二日 ( 2022年 6月22日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十七号による改正
最終編集日 : 2023年 02月10日 11時08分


1項

生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。


ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設、日常生活支援住居施設(社会福祉法第二条第三項第八号に規定する事業の用に供する施設 その他の施設であつて、被保護者に対する日常生活上の支援の実施に必要なものとして厚生労働省令で定める要件に該当すると都道府県知事が認めたものをいう。第六十二条第一項 及び第七十条第一号ハにおいて同じ。)若しくは その他の適当な施設に入所させ、若しくは これらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる。

2項

前項ただし書の規定は、被保護者の意に反して、入所 又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。

3項

保護の実施機関は、被保護者の親権者 又は後見人が その権利を適切に行わない場合においては、その異議があつても、家庭裁判所の許可を得て、第一項但書の措置をとることができる。

1項

生活扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

生活扶助のための保護金品は、一月分以内を限度として前渡するものとする。


但し、これによりがたいときは、一月分をこえて前渡することができる。

3項

居宅において生活扶助を行う場合の保護金品は、世帯単位に計算し、世帯主 又はこれに準ずる者に対して交付するものとする。


但し、これによりがたいときは、被保護者に対して個々に交付することができる。

4項

地域密着型介護老人福祉施設(介護保険法第八条第二十二項に規定する地域密着型介護老人福祉施設をいう。以下同じ。)、介護老人福祉施設、介護老人保健施設(同条第二十八項に規定する介護老人保健施設をいう。以下同じ。)又は介護医療院(同条第二十九項に規定する介護医療院をいう。以下同じ。)であつて第五十四条の二第一項の規定により指定を受けたもの(同条第二項本文の規定により同条第一項の指定を受けたものとみなされたものを含む。)において施設介護を受ける被保護者に対して生活扶助を行う場合の保護金品を前項に規定する者に交付することが適当でないとき その他保護の目的を達するために必要があるときは、同項の規定にかかわらず、当該地域密着型介護老人福祉施設 若しくは介護老人福祉施設の長 又は当該介護老人保健施設 若しくは介護医療院の管理者に対して交付することができる。

5項

前条第一項ただし書の規定により生活扶助を行う場合の保護金品は、被保護者 又は施設の長 若しくは養護の委託を受けた者に対して交付するものとする。

1項

教育扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

教育扶助のための保護金品は、被保護者、その親権者 若しくは未成年後見人 又は被保護者の通学する学校の長に対して交付するものとする。

1項

住宅扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

住宅扶助のうち、住居の現物給付は、宿所提供施設を利用させ、又は宿所提供施設に これを委託して行うものとする。

3項

第三十条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

4項

住宅扶助のための保護金品は、世帯主 又はこれに準ずる者に対して交付するものとする。

1項

医療扶助は、現物給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によつて行うことができる。

2項

前項に規定する 現物給付のうち、医療の給付は、医療保護施設を利用させ、又は医療保護施設 若しくは第四十九条の規定により指定を受けた医療機関に これを委託して行うものとする。

3項

前項に規定する医療の給付のうち、医療を担当する医師 又は歯科医師が医学的知見に基づき 後発医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律昭和三十五年法律第百四十五号第十四条 又は第十九条の二の規定による製造販売の承認を受けた医薬品のうち、同法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能 及び効果が同一性を有すると認められたものであつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下 この項において同じ。)を使用することができると認めたものについては、原則として、後発医薬品によりその給付を行うものとする。

4項

第二項に規定する医療の給付のうち、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律昭和二十二年法律第二百十七号)又は柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)の規定によりあん摩マツサージ指圧師はり師きゆう師 又は柔道整復師以下「施術者」という。)が行うことのできる範囲の施術については、第五十五条第一項の規定により指定を受けた施術者に委託して その給付を行うことを妨げない。

5項

急迫した事情 その他やむを得ない事情がある場合においては、被保護者は、第二項 及び前項の規定にかかわらず、指定を受けない医療機関について医療の給付を受け、又は指定を受けない施術者について施術の給付を受けることができる。

6項

医療扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。

1項

介護扶助は、現物給付によつて行うものとする。


ただし、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、金銭給付によつて行うことができる。

2項

前項に規定する現物給付のうち、居宅介護、福祉用具の給付、施設介護、介護予防、介護予防福祉用具 及び介護予防・日常生活支援(第十五条の二第七項に規定する介護予防・日常生活支援をいう。第五十四条の二第一項において同じ。)の給付は、介護機関(その事業として居宅介護を行う者 及び その事業として居宅介護支援計画(第十五条の二第三項に規定する居宅介護支援計画をいう。第五十四条の二第一項 及び別表第二において同じ。)を作成する者、その事業として介護保険法第八条第十三項に規定する特定福祉用具販売を行う者(第五十四条の二第一項 及び別表第二において「特定福祉用具販売事業者」という。)、地域密着型介護老人福祉施設、介護老人福祉施設、介護老人保健施設 及び介護医療院、その事業として介護予防を行う者 及び その事業として介護予防支援計画(第十五条の二第六項に規定する介護予防支援計画をいう。第五十四条の二第一項 及び別表第二において同じ。)を作成する者、その事業として同法第八条の二第十一項に規定する特定介護予防福祉用具販売を行う者(第五十四条の二第一項 及び別表第二において「特定介護予防福祉用具販売事業者」という。)並びに介護予防・日常生活支援事業者(その事業として同法第百十五条の四十五第一項第一号に規定する第一号事業を行う者をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)であつて、第五十四条の二第一項の規定により指定を受けたもの(同条第二項本文の規定により同条第一項の指定を受けたものとみなされたものを含む。)に これを委託して行うものとする。

3項

前条第五項 及び第六項の規定は、介護扶助について準用する。

1項

出産扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

前項ただし書に規定する現物給付のうち、助産の給付は、第五十五条第一項の規定により指定を受けた助産師に委託して行うものとする。

3項

第三十四条第五項 及び第六項の規定は、出産扶助について準用する。

1項

生業扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

前項但書に規定する現物給付のうち、就労のために必要な施設の供用 及び生業に必要な技能の授与は、授産施設 若しくは訓練を目的とする その他の施設を利用させ、又は これらの施設にこれを委託して行うものとする。

3項

生業扶助のための保護金品は、被保護者に対して交付するものとする。


但し、施設の供用 又は技能の授与のために必要な金品は、授産施設の長に対して交付することができる。

1項

葬祭扶助は、金銭給付によつて行うものとする。


但し、これによることができないとき、これによることが適当でないとき、その他保護の目的を達するために必要があるときは、現物給付によつて行うことができる。

2項

葬祭扶助のための保護金品は、葬祭を行う者に対して交付するものとする。

1項

保護の実施機関は、保護の目的を達するために必要があるときは、第三十一条第三項本文 若しくは第三十三条第四項の規定により世帯主 若しくはこれに準ずる者に対して交付する保護金品、第三十一条第三項ただし書 若しくは第五項第三十四条第六項第三十四条の二第三項 及び第三十五条第三項において準用する場合を含む。)若しくは第三十六条第三項の規定により被保護者に対して交付する保護金品、第三十二条第二項の規定により被保護者 若しくは その親権者 若しくは未成年後見人に対して交付する保護金品(以下この条において「教育扶助のための保護金品」という。)又は前条第二項の規定により葬祭を行う者に対して交付する保護金品のうち、介護保険料(介護保険法第百二十九条第一項に規定する保険料をいう。)その他の被保護者(教育扶助のための保護金品にあつては、その親権者 又は未成年後見人を含む。以下この条において同じ。)が支払うべき費用であつて政令で定めるものの額に相当する金銭について、被保護者に代わり、政令で定める者に支払うことができる。


この場合において、当該支払があつたときは、これらの規定により交付すべき者に対し当該保護金品の交付があつたものとみなす。