行政不服審査法

# 平成二十六年法律第六十八号 #
略称 : 行審法  行服法 

第五章 行政不服審査会等

分類 法律
カテゴリ   行政手続
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 03月05日 15時58分


第一節 行政不服審査会

第一款 設置及び組織

1項

総務省に、行政不服審査会以下「審査会」という。)を置く。

2項

審査会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。

1項

審査会は、委員九人をもって組織する。

2項

委員は、非常勤とする。


ただし、そのうち三人以内は、常勤とすることができる。

1項

委員は、審査会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律 又は行政に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。

2項

委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会 又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、総務大臣は、前項の規定にかかわらず同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

3項

前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。


この場合において、両議院の事後の承認が得られないときは、総務大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

4項

委員の任期は、三年とする。


ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5項
委員は、再任されることができる。
6項

委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続き その職務を行うものとする。

7項

総務大臣は、委員が心身の故障のために職務の執行ができないと認める場合 又は委員に職務上の義務違反 その他委員たるに適しない非行があると認める場合には、両議院の同意を得て、その委員を罷免することができる。

8項

委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。


その職を退いた後も同様とする。

9項

委員は、在任中、政党 その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。

10項

常勤の委員は、在任中、総務大臣の許可がある場合を除き、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行ってはならない。

11項

委員の給与は、別に法律で定める。

1項

審査会に、会長を置き、委員の互選により選任する。

2項

会長は、会務を総理し、審査会を代表する。

3項

会長に事故があるときは、あらかじめ その指名する委員が、その職務を代理する。

1項

審査会に、専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができる。

2項

専門委員は、学識経験のある者のうちから、総務大臣が任命する。

3項

専門委員は、その者の任命に係る当該専門の事項に関する調査が終了したときは、解任されるものとする。

4項
専門委員は、非常勤とする。
1項

審査会は、委員のうちから、審査会が指名する者三人をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。

2項

前項の規定にかかわらず、審査会が定める場合においては、委員の全員をもって構成する合議体で、審査請求に係る事件について調査審議する。

1項

審査会の事務を処理させるため、審査会に事務局を置く。

2項

事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。

3項

事務局長は、会長の命を受けて、局務を掌理する。

第二款 審査会の調査審議の手続

1項

審査会は、必要があると認める場合には、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人 又は第四十三条第一項の規定により審査会に諮問をした審査庁(以下 この款において「審査関係人」という。)にその主張を記載した書面(以下 この款において「主張書面」という。)又は資料の提出を求めること、 適当と認める者にその知っている事実の陳述 又は鑑定を求めること その他 必要な調査をすることができる。

1項

審査会は、審査関係人の申立てがあった場合には、当該審査関係人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。


ただし、審査会が、その必要がないと認める場合には、この限りでない。

2項

前項本文の場合において、審査請求人 又は参加人は、審査会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。

1項

審査関係人は、審査会に対し、主張書面 又は資料を提出することができる。


この場合において、審査会が、主張書面 又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。

1項

審査会は、必要があると認める場合には、その指名する委員に、第七十四条の規定による調査をさせ、 又は第七十五条第一項本文の規定による審査関係人の意見の陳述を聴かせることができる。

1項

審査関係人は、審査会に対し、審査会に提出された主張書面 若しくは資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)又は当該主張書面 若しくは当該資料の写し 若しくは当該電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付を求めることができる。


この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧 又は交付を拒むことができない

2項

審査会は、前項の規定による閲覧をさせ、又は同項の規定による交付をしようとするときは、当該閲覧 又は交付に係る主張書面 又は資料の提出人の意見を聴かなければならない。


ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない。

3項

審査会は、第一項の規定による閲覧について、日時 及び場所を指定することができる。

4項

第一項の規定による交付を受ける審査請求人 又は参加人は、 政令で定めるところにより、実費の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならない。

5項

審査会は、経済的困難 その他特別の理由があると認めるときは、 政令で定めるところにより、前項の手数料を減額し、又は免除することができる。

1項

審査会は、諮問に対する答申をしたときは、 答申書の写しを審査請求人 及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。

第三款 雑則

1項

この法律に定めるもののほか、審査会に関し必要な事項は、政令で定める。

第二節 地方公共団体に置かれる機関

1項

地方公共団体に、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置く。

2項

前項の規定にかかわらず、地方公共団体は、当該地方公共団体における不服申立ての状況等に鑑み同項の機関を置くことが不適当 又は困難であるときは、 条例で定めるところにより、事件ごとに、執行機関の附属機関として、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理するための機関を置くこととすることができる。

3項

前節第二款の規定は、前二項の機関について準用する。


この場合において、

第七十八条第四項 及び第五項
政令」とあるのは、
「条例」と

読み替えるものとする。

4項

前三項に定めるもののほか第一項 又は第二項の機関の組織 及び運営に関し必要な事項は、 当該機関を置く地方公共団体の条例(地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定により共同設置する機関にあっては、同項の規約)で定める。