資金決済に関する法律

# 平成二十一年法律第五十九号 #
略称 : 資金決済法 

第三章の三 暗号資産

分類 法律
カテゴリ   商業
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号
最終編集日 : 2024年 09月09日 11時02分


第一節 総則

1項
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。
1項

前条の登録を受けようとする者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 号
商号 及び住所
二 号
資本金の額
三 号
暗号資産交換業に係る営業所の名称 及び所在地
四 号

取締役 及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役とし、指名委員会等設置会社にあっては取締役 及び執行役とし、外国暗号資産交換業者にあっては外国の法令上これらに相当する者とする。)の氏名

五 号
会計参与設置会社にあっては、会計参与の氏名 又は名称
六 号
外国暗号資産交換業者にあっては、国内における代表者の氏名
七 号
取り扱う暗号資産の名称
八 号
暗号資産交換業の内容 及び方法
九 号
暗号資産交換業の一部を第三者に委託する場合にあっては、当該委託に係る業務の内容 並びにその委託先の氏名 又は商号 若しくは名称 及び住所
十 号
他に事業を行っているときは、その事業の種類
十一 号
その他内閣府令で定める事項
2項

前項の登録申請書には、第六十三条の五第一項各号に該当しないことを誓約する書面、財務に関する書類、暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する事項を記載した書類 その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

1項

内閣総理大臣は、第六十三条の二の登録の申請があったときは、次条第一項の規定によりその登録を拒否する場合を除くほか、次に掲げる事項を暗号資産交換業者登録簿に登録しなければならない。

一 号

前条第一項各号に掲げる事項

二 号
登録年月日 及び登録番号
2項

内閣総理大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

3項

内閣総理大臣は、暗号資産交換業者登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。

1項

内閣総理大臣は、登録申請者が次の各号いずれかに該当するとき、又は登録申請書 若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

一 号

株式会社 又は外国暗号資産交換業者(国内に営業所を有する外国会社に限る)でないもの

二 号

外国暗号資産交換業者にあっては、国内における代表者(国内に住所を有するものに限る)のない法人

三 号
暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる内閣府令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない法人
四 号
暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備が行われていない法人
五 号

この章の規定を遵守するために必要な体制の整備が行われていない法人

六 号

暗号資産交換業者をその会員(第八十七条第二号に規定する会員をいう。)とする認定資金決済事業者協会に加入しない法人であって、当該認定資金決済事業者協会の定款 その他の規則(暗号資産交換業の利用者の保護 又は暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行に関するものに限る)に準ずる内容の社内規則を作成していないもの 又は当該社内規則を遵守するための体制を整備していないもの

七 号
他の暗号資産交換業者が現に用いている商号と同一の商号 又は他の暗号資産交換業者と誤認されるおそれのある商号を用いようとする法人
八 号

第六十二条の二十二第一項 若しくは第二項の規定により第六十二条の三の登録を取り消され、若しくは第六十三条の十七第一項 若しくは第二項の規定により第六十三条の二の登録を取り消され、又はこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類するその他の行政処分を含む。)を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない法人

九 号

第六十二条の八第二項の規定により読み替えて適用する第六十二条の二十二第一項の規定による電子決済手段等取引業の廃止の命令を受け、又はこの法律 若しくは銀行法等に相当する外国の法令の規定による電子決済手段等取引業と同種類の業務の廃止の命令を受け、これらの命令の日から五年を経過しない法人

十 号

この法律、金融商品取引法 若しくは出資の受入れ、預り金 及び金利等の取締りに関する法律 又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない法人

十一 号
他に行う事業が公益に反すると認められる法人
十二 号

取締役、監査役 若しくは執行役 又は会計参与(外国暗号資産交換業者にあっては、外国の法令上これらに相当する者 又は国内における代表者とする。以下この章において「取締役等」という。)のうちに次のいずれかに該当する者のある法人

心身の故障のため暗号資産交換業に係る職務を適正に執行することができない者として内閣府令で定める者
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 又は外国の法令上これに相当する者

禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

この法律、金融商品取引法、出資の受入れ、預り金 及び金利等の取締りに関する法律 若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

暗号資産交換業者が第六十三条の十七第一項 若しくは第二項の規定により第六十三条の二の登録を取り消された場合 又は法人がこの法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において受けている同種類の登録(当該登録に類するその他の行政処分を含む。)を取り消された場合において、その取消しの日前三十日以内にその法人の取締役等であった者で、当該取消しの日から五年を経過しない者その他これに準ずるものとして政令で定める者

2項

内閣総理大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を登録申請者に通知しなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、第六十三条の三第一項第七号 又は第八号に掲げる事項のいずれかを変更しようとするとき(暗号資産交換業の利用者の保護に欠け、又は暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合を除く)は、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

2項

暗号資産交換業者は、第六十三条の三第一項各号に掲げる事項のいずれかに変更があったとき(前項の規定による届出をした場合を除く)は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

3項

内閣総理大臣は、前二項の規定による届出を受理したときは、届出があった事項を暗号資産交換業者登録簿に登録しなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、自己の名義をもって、他人に暗号資産交換業を行わせてはならない。

第二節 業務

1項
暗号資産交換業者は、内閣府令で定めるところにより、暗号資産交換業に係る情報の漏えい、滅失 又は毀損の防止 その他の当該情報の安全管理のために必要な措置を講じなければならない。
1項

暗号資産交換業者は、暗号資産交換業の一部を第三者に委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)をした場合には、内閣府令で定めるところにより、当該委託に係る業務の委託先に対する指導 その他の当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、その行う暗号資産交換業に関して広告をするときは、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を表示しなければならない。

一 号
暗号資産交換業者の商号
二 号
暗号資産交換業者である旨 及びその登録番号
三 号
暗号資産は本邦通貨 又は外国通貨ではないこと。
四 号
暗号資産の性質であって、利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして内閣府令で定めるもの
1項
暗号資産交換業者 又はその役員 若しくは使用人は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 号

暗号資産交換業の利用者を相手方として第二条第十五項各号に掲げる行為を行うことを内容とする契約の締結 又はその勧誘(第三号において「暗号資産交換契約の締結等」という。)をするに際し、虚偽の表示をし、又は暗号資産の性質 その他内閣府令で定める事項(次号において「暗号資産の性質等」という。)についてその相手方を誤認させるような表示をする行為

二 号
その行う暗号資産交換業に関して広告をするに際し、虚偽の表示をし、又は暗号資産の性質等について人を誤認させるような表示をする行為
三 号

暗号資産交換契約の締結等をするに際し、又はその行う暗号資産交換業に関して広告をするに際し、支払手段として利用する目的ではなく、専ら利益を図る目的で暗号資産の売買 又は他の暗号資産との交換を行うことを助長するような表示をする行為

四 号

前三号に掲げるもののほか、暗号資産交換業の利用者の保護に欠け、又は暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものとして内閣府令で定める行為

1項
暗号資産交換業者は、内閣府令で定めるところにより、暗号資産の性質に関する説明、手数料 その他の暗号資産交換業に係る契約の内容についての情報の提供 その他の暗号資産交換業の利用者の保護を図り、及び暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。
2項

暗号資産交換業者は、暗号資産交換業の利用者に信用を供与して暗号資産の交換等を行う場合には、前項に規定する措置のほか、内閣府令で定めるところにより、当該暗号資産の交換等に係る契約の内容についての情報の提供 その他の当該暗号資産の交換等に係る業務の利用者の保護を図り、及び当該業務の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、その行う暗号資産交換業に関して、暗号資産交換業の利用者の金銭を、自己の金銭と分別して管理し、内閣府令で定めるところにより、信託会社等に信託しなければならない。

2項

暗号資産交換業者は、その行う暗号資産交換業に関して、内閣府令で定めるところにより、暗号資産交換業の利用者の暗号資産を自己の暗号資産と分別して管理しなければならない。


この場合において、当該暗号資産交換業者は、利用者の暗号資産(利用者の利便の確保 及び暗号資産交換業の円滑な遂行を図るために必要なものとして内閣府令で定める要件に該当するものを除く)を利用者の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定める方法で管理しなければならない。

3項

暗号資産交換業者は、前二項の規定による管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期に、公認会計士 又は監査法人の監査を受けなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、前条第二項に規定する内閣府令で定める要件に該当する暗号資産と同じ種類 及び数量の暗号資産(以下この項 及び第六十三条の十九の二第一項において「履行保証暗号資産」という。)を自己の暗号資産として保有し、内閣府令で定めるところにより、履行保証暗号資産以外の自己の暗号資産と分別して管理しなければならない。


この場合において、当該暗号資産交換業者は、履行保証暗号資産を利用者の保護に欠けるおそれが少ないものとして内閣府令で定める方法で管理しなければならない。

2項

前条第三項の規定は、前項の規定による管理の状況について準用する。

1項

暗号資産交換業者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める措置を講じなければならない。

一 号

指定暗号資産交換業務紛争解決機関(指定紛争解決機関であってその紛争解決等業務の種別が暗号資産交換業務であるものをいう。以下この条において同じ。)が存在する場合

一の指定暗号資産交換業務紛争解決機関との間で暗号資産交換業に係る手続実施基本契約(第九十九条第一項第八号に規定する手続実施基本契約をいう。次項において同じ。)を締結する措置

二 号

指定暗号資産交換業務紛争解決機関が存在しない場合

暗号資産交換業に関する苦情処理措置 及び紛争解決措置

2項

暗号資産交換業者は、前項の規定により手続実施基本契約を締結する措置を講じた場合には、当該手続実施基本契約の相手方である指定暗号資産交換業務紛争解決機関の商号 又は名称を公表しなければならない。

3項

第一項の規定は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間においては、適用しない

一 号

第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第二号に掲げる場合に該当することとなったとき第百一条第一項において読み替えて準用する銀行法第五十二条の八十三第一項の規定による紛争解決等業務の廃止の認可 又は第百条第一項の規定による指定の取消しの時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間

二 号

第一項第一号に掲げる場合に該当していた場合において、同号の一の指定暗号資産交換業務紛争解決機関の紛争解決等業務の廃止が第百一条第一項において読み替えて準用する銀行法第五十二条の八十三第一項の規定により認可されたとき、又は同号の一の指定暗号資産交換業務紛争解決機関の第九十九条第一項の規定による指定が第百条第一項の規定により取り消されたとき(前号に掲げる場合を除く) その認可 又は取消しの時に、第一項第一号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間

三 号

第一項第二号に掲げる場合に該当していた場合において、同項第一号に掲げる場合に該当することとなったとき第九十九条第一項の規定による指定の時に、同号に定める措置を講ずるために必要な期間として内閣総理大臣が定める期間

4項

第一項第二号の「苦情処理措置」とは、利用者からの苦情の処理の業務に従事する使用人 その他の従業者に対する助言 若しくは指導を消費生活に関する消費者と事業者との間に生じた苦情に係る相談 その他の消費生活に関する事項について専門的な知識経験を有する者として内閣府令で定める者に行わせること 又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。

5項

第一項第二号の「紛争解決措置」とは、利用者との紛争の解決を認証紛争解決手続により図ること 又はこれに準ずるものとして内閣府令で定める措置をいう。

第三節 監督

1項

暗号資産交換業者は、内閣府令で定めるところにより、その暗号資産交換業に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。

1項

暗号資産交換業者は、事業年度ごとに、内閣府令で定めるところにより、暗号資産交換業に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。

2項

暗号資産交換業者(第二条第十五項第三号 又は第四号に掲げる行為を行う者に限る)は、前項の報告書のほか、内閣府令で定める期間ごとに、内閣府令で定めるところにより、暗号資産交換業に関し管理する利用者の金銭の額 及び暗号資産の数量 その他これらの管理に関する報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。

3項

第一項の報告書には、財務に関する書類、当該書類についての公認会計士 又は監査法人の監査報告書 その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

4項

第二項の報告書には、暗号資産交換業に関し管理する利用者の金銭の額 及び暗号資産の数量を証する書類 その他の内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

1項
内閣総理大臣は、暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、暗号資産交換業者に対し当該暗号資産交換業者の業務 若しくは財産に関し参考となるべき報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該暗号資産交換業者の営業所 その他の施設に立ち入らせ、その業務 若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。
2項

内閣総理大臣は、暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のため特に必要があると認めるときは、その必要の限度において、当該暗号資産交換業者から業務の委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。以下この条において同じ。)に対し当該暗号資産交換業者の業務 若しくは財産の状況に関し参考となるべき報告 若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に当該暗号資産交換業者から業務の委託を受けた者の施設に立ち入らせ、当該暗号資産交換業者の業務 若しくは財産の状況に関して質問させ、若しくは帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

3項

前項の暗号資産交換業者から業務の委託を受けた者は、正当な理由があるときは、同項の規定による報告 若しくは資料の提出 又は質問 若しくは検査を拒むことができる。

1項
内閣総理大臣は、暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行のために必要があると認めるときは、その必要の限度において、暗号資産交換業者に対し、業務の運営 又は財産の状況の改善に必要な措置 その他監督上必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
1項

内閣総理大臣は、暗号資産交換業者が次の各号いずれかに該当するときは、第六十三条の二の登録を取り消し、又は六月以内の期間を定めて暗号資産交換業の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。

一 号

第六十三条の五第一項各号に該当することとなったとき。

二 号

不正の手段により第六十三条の二の登録を受けたとき。

三 号
この法律 若しくはこの法律に基づく命令 又はこれらに基づく処分に違反したとき。
2項

内閣総理大臣は、暗号資産交換業者の営業所の所在地を確知できないとき、又は暗号資産交換業者を代表する取締役 若しくは執行役(外国暗号資産交換業者である暗号資産交換業者にあっては、国内における代表者)の所在を確知できないときは、内閣府令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該暗号資産交換業者から申出がないときは、当該暗号資産交換業者の第六十三条の二の登録を取り消すことができる。

3項

前項の規定による処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない

1項

内閣総理大臣は、前条第一項 若しくは第二項の規定により第六十三条の二の登録を取り消したとき、又は第六十三条の二十第二項の規定により第六十三条の二の登録がその効力を失ったときは、当該登録を抹消しなければならない。

1項

内閣総理大臣は、第六十三条の十七第一項 又は第二項の規定による処分をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。

第四節 雑則

1項

暗号資産交換業者との間で当該暗号資産交換業者が暗号資産の管理を行うことを内容とする契約を締結した者は、当該暗号資産交換業者に対して有する暗号資産の移転を目的とする債権に関し、対象暗号資産(当該暗号資産交換業者が第六十三条の十一第二項の規定により自己の暗号資産と分別して管理するその暗号資産交換業の利用者の暗号資産 及び履行保証暗号資産をいう。)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

2項

民法明治二十九年法律第八十九号第三百三十三条の規定は、前項の権利について準用する。

3項

第一項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

暗号資産交換業者から暗号資産の管理の委託を受けた者 その他の当該暗号資産交換業者の関係者は、当該暗号資産交換業者がその行う暗号資産交換業に関し管理する利用者の暗号資産に係る前条第一項の権利の実行に関し内閣総理大臣から必要な協力を求められた場合には、これに応ずるよう努めるものとする。

1項

暗号資産交換業者は、次の各号いずれかに該当する場合には、遅滞なく、内閣総理大臣に届け出なければならない。

一 号
暗号資産交換業の全部 又は一部を廃止したとき。
二 号
暗号資産交換業者について破産手続開始の申立て等が行われたとき。
2項

暗号資産交換業者が暗号資産交換業の全部を廃止したときは、当該暗号資産交換業者の第六十三条の二の登録は、その効力を失う。この場合において、当該暗号資産交換業者であった者は、その行う暗号資産の交換等に関し負担する債務の履行を完了し、かつ、その行う暗号資産交換業に関し管理する利用者の財産を返還し、又は利用者に移転する目的の範囲内においては、なお暗号資産交換業者とみなす。

3項

暗号資産交換業者は、暗号資産交換業の全部 若しくは一部の廃止をし、暗号資産交換業の全部 若しくは一部の譲渡をし、合併(当該暗号資産交換業者が合併により消滅する場合の当該合併に限る)をし、合併 及び破産手続開始の決定以外の理由による解散をし、又は会社分割による暗号資産交換業の全部 若しくは一部の承継をさせようとするときは、その日の三十日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を公告するとともに、全ての営業所の公衆の目につきやすい場所に掲示しなければならない。

4項

暗号資産交換業者は、前項の規定による公告をしたときは、直ちに、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

5項

暗号資産交換業者は、第三項の規定による公告をした場合(事業譲渡、合併 又は会社分割 その他の事由により当該業務の承継に係る公告をした場合を除く)には、廃止しようとする暗号資産交換業として行う暗号資産の交換等に関し負担する債務の履行を速やかに完了し、かつ、当該暗号資産交換業に関し管理する利用者の財産を速やかに返還し、又は利用者に移転しなければならない。

6項

会社法第九百四十条第一項第一号に係る部分に限る)及び第三項の規定は、暗号資産交換業者(外国暗号資産交換業者を除く)が電子公告(同法第二条第三十四号に規定する電子公告をいう。次項において同じ。)により第三項の規定による公告をする場合について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

7項

会社法第九百四十条第一項第一号に係る部分に限る)及び第三項第九百四十一条第九百四十六条第九百四十七条第九百五十一条第二項第九百五十三条 並びに第九百五十五条の規定は、外国暗号資産交換業者である暗号資産交換業者が電子公告により第三項の規定による公告をする場合について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

1項

暗号資産交換業者について、第六十三条の十七第一項 又は第二項の規定により第六十三条の二の登録が取り消されたとき(暗号資産交換業の利用者の保護に欠け、又は暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行に支障を及ぼすおそれが少ない場合として内閣府令で定める場合を除く)は、当該暗号資産交換業者であった者は、その行う暗号資産の交換等に関し負担する債務の履行を速やかに完了し、かつ、その行う暗号資産交換業に関し管理する利用者の財産を速やかに返還し、又は利用者に移転しなければならない。


この場合において、当該暗号資産交換業者であった者は、当該債務の履行を完了し、かつ、当該財産を返還し、又は利用者に移転する目的の範囲内においては、なお暗号資産交換業者とみなす。

1項

第六十三条の二の登録を受けていない外国暗号資産交換業者は、国内にある者に対して、第二条第十五項各号に掲げる行為の勧誘をしてはならない。