道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第四章の二 高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月22日 11時08分


第一節 通則

1項
高速自動車国道 及び自動車専用道路における自動車の交通方法等については、前各章に定めるもののほか、この章の定めるところによる。
1項

警察官は、道路の損壊、交通事故の発生 その他の事情により高速自動車国道 又は自動車専用道路(以下「高速自動車国道等」という。)において交通の危険が生じ、又は交通の混雑が生ずるおそれがある場合において、当該道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るためやむを得ないと認めるときは、必要な限度において、その現場に進行してくる自動車の通行を禁止し、若しくは制限し、又はその現場にある自動車の運転者に対し、第十七条第一項 及び道路法第四十七条第四項の規定に基づく政令の規定にかかわらず路肩 又は路側帯を通行すべきことを命じ、若しくは第八条第一項第三章第一節同章第六節 若しくはこの章に規定する自動車の通行方法と異なる通行方法によるべきことを命ずることができる。

第二節 自動車の交通方法

1項

自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合 及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度進行してはならない

1項

自動車は、本線車道においては、横断し、転回し、又は後退してはならない。

1項

自動車(緊急自動車を除く)は、本線車道に入ろうとする場合(本線車道から他の本線車道に入ろうとする場合にあつては、道路標識等により指定された本線車道に入ろうとする場合に限る)において、当該本線車道を通行する自動車があるときは、当該自動車の進行妨害をしてはならない。


ただし、当該交差点において、交通整理が行なわれているときは、この限りでない。

2項

緊急自動車以外の自動車は、緊急自動車が本線車道に入ろうとしている場合 又はその通行している本線車道から出ようとしている場合においては、当該緊急自動車の通行を妨げてはならない。

1項

自動車は、本線車道に入ろうとする場合において、加速車線が設けられているときは、その加速車線を通行しなければならない。

2項

自動車は、その通行している本線車道から出ようとする場合においては、あらかじめその前から出口に接続する車両通行帯を通行しなければならない。


この場合において、減速車線が設けられているときは、その減速車線を通行しなければならない。

1項

自動車(これにより牽引されるための構造 及び装置を有する車両を含む。以下この条において同じ。)は、高速自動車国道等においては、法令の規定 若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。


ただし次の各号いずれかに掲げる場合においては、この限りでない。

一 号

駐車の用に供するため区画された場所において停車し、又は駐車するとき。

二 号

故障 その他の理由により停車し、又は駐車することがやむを得ない場合において、停車 又は駐車のため十分な幅員がある路肩 又は路側帯に停車し、又は駐車するとき。

三 号

乗合自動車が、その属する運行系統に係る停留所において、乗客の乗降のため停車し、又は運行時間を調整するため駐車するとき。

四 号

料金支払いのため料金徴収所において停車するとき。

2項

第五十条の二から第五十一条の二までの規定は、自動車が前項の規定に違反して停車し、又は駐車していると認められる場合について準用する。


この場合において、

第五十一条第三項
当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所」とあるのは
政令で定める場所」と、

同条第四項
当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないとき」とあるのは
前項の政令で定める場所に当該車両を移動することができないとき」と、

同条第五項
駐車場、空地、第三項に規定する場所以外の道路上の場所 その他の場所」とあるのは
第三項に規定する場所以外の場所」と

読み替えるものとする。

3項

高速自動車国道等において第一項の規定に違反して駐車していると認められる自動車であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるものは、第五十一条の四第一項に規定する放置車両とみなして、同条の規定を適用する。

1項

牽引するための構造 及び装置を有する大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車 又は大型特殊自動車(以下「牽引自動車」という。)で重被牽引車を牽引しているものが車両通行帯の設けられた自動車専用道路(次項に規定するものに限る)又は高速自動車国道の本線車道を通行する場合における当該牽引自動車の通行の区分については、第二十条の規定は、適用しない


この場合においては、次項から第四項までの規定に定めるところによる。

2項

前項の牽引自動車は、車両通行帯の設けられた自動車専用道路(道路標識等により指定された区間に限る)の本線車道においては、当該本線車道の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。

3項

第一項の牽引自動車は、車両通行帯の設けられた高速自動車国道の本線車道においては、当該本線車道の左側端から数えて一番目の車両通行帯(道路標識等により通行の区分が指定されているときは、当該通行の区分に係る車両通行帯)を通行しなければならない。

4項

第一項の牽引自動車は、第二十三条 若しくは第七十五条の四の規定による自動車の最低速度に達しない速度で進行している自動車を追い越すとき第二十六条の二第三項の規定によりその通行している車両通行帯をそのまま通行するとき第四十条第二項の規定により一時進路を譲るとき、又は道路の状況 その他の事情によりやむを得ないときは、前二項の規定によらないことができる。


この場合において、追越しをするときは、その通行している車両通行帯の直近の右側の車両通行帯を通行しなければならない。

1項

緊急自動車 又は第四十一条第三項の内閣府令で定める専ら交通の取締りに従事する自動車については、第七十五条の五第七十五条の七 及び前条の規定は、適用しない

2項

政令で定めるところにより道路の維持、修繕等のための作業に従事している場合における道路維持作業用自動車については、第七十五条の四第七十五条の五 及び前条の規定は、適用しない

第三節 運転者の義務

1項

自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水 若しくは原動機のオイルの量 又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水 若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること 又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。

1項

自動車の運転者は、故障 その他の理由により本線車道 若しくはこれに接する加速車線、減速車線 若しくは登坂車線(以下「本線車道等」という。)又はこれらに接する路肩 若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなつたときは、政令で定めるところにより、当該自動車が故障 その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。

2項

自動車の運転者は、故障 その他の理由により本線車道等において運転することができなくなつたときは、速やかに当該自動車を本線車道等以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない。