法務大臣は、本邦にある外国人から法務省令で定める手続により難民である旨の認定の申請があつたときは、その提出した資料に基づき、その者が難民である旨の認定(以下「難民の認定」という。)を行うことができる。
出入国管理及び難民認定法
第七章の二 難民の認定等
法務大臣は、本邦にある外国人から法務省令で定める手続により補完的保護対象者である旨の認定の申請があつたときは、その提出した資料に基づき、その者が 補完的保護対象者である旨の認定(以下「補完的保護対象者の認定」という。)を行うことができる。
法務大臣は、第一項の申請をした外国人について難民の認定をしない処分をする場合において、当該外国人が補完的保護対象者に該当すると認めるときは、補完的保護対象者の認定を行うことができる。
法務大臣は、第一項の申請をした外国人について、難民の認定をしたときは、法務省令で定める手続により、当該外国人に対し、難民認定証明書を交付し、その認定をしない処分をしたときは、当該外国人に対し、理由を付した書面をもつて、その旨を通知する。
法務大臣は、第一項 又は第二項の申請をした外国人について、補完的保護対象者の認定をしたときは、法務省令で定める手続により、当該外国人に対し、補完的保護対象者認定証明書を交付し、同項の申請があつた場合において その認定をしない処分をしたときは、当該外国人に対し、理由を付した書面をもつて、その旨を通知する。
法務大臣は、難民の認定 又は補完的保護対象者の認定をする場合であつて、前条第一項 又は第二項の申請をした外国人が在留資格未取得外国人(別表第一 又は別表第二の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する者、一時庇護のための上陸の許可を受けた者で当該許可書に記載された期間を経過していないもの及び特別永住者以外の者をいう。以下同じ。)であるときは、当該在留資格未取得外国人が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に定住者の在留資格の取得を許可するものとする。
第二十四条第三号から第三号の五まで 又は第四号ハからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するとき。
本邦に入つた後に、刑法第二編第十二章、第十六章から第十九章まで、第二十三章、第二十六章、第二十七章、第三十一章、第三十三章、第三十六章、第三十七章 若しくは第三十九章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条ノ二 若しくは第一条ノ三(刑法第二百二十二条 又は第二百六十一条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第十五条 若しくは第十六条の罪 又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条 若しくは第六条第一項の罪により懲役 又は禁錮に処せられたものであるとき。
法務大臣は、前条第一項の申請をした在留資格未取得外国人について、難民の認定をしない処分をするとき(同条第三項の規定により補完的保護対象者の認定を行うときを除く。)若しくは補完的保護対象者の認定をしない処分をするとき、又は前項の許可をしないときは、当該在留資格未取得外国人の在留を特別に許可すべき事情があるか否かを審査するものとし、当該事情があると認めるときは、その在留を特別に許可することができる。
法務大臣は、前二項の規定による許可をすることとしたときは、出入国在留管理庁長官に、当該外国人に対し、その旨を通知させるものとする。
この場合において、その通知は、出入国在留管理庁長官が、入国審査官に、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める措置をとらせることにより行うものとする。
当該許可に係る外国人が中長期在留者となるとき
当該外国人に対する在留カードの交付
前号に掲げる場合以外の場合
当該外国人に対する在留資格 及び在留期間を記載した在留資格証明書の交付
第一項 又は第二項の規定による法務大臣の許可は、それぞれ前項各号に定める措置があつた時に、その効力を生ずる。
法務大臣は、第一項 又は第二項の規定による許可をする場合において、当該在留資格未取得外国人が仮上陸の許可 又は第三章第四節の規定による上陸の許可を受けているときは、当該仮上陸の許可 又は上陸の許可を取り消すものとする。
法務大臣は、難民の認定 又は補完的保護対象者の認定を受けている外国人(前条第二項の許可により在留資格を取得した者を除く。)から、第二十条第二項の規定による定住者の在留資格への変更の申請があつたとき、又は第二十二条の二第二項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)の規定による定住者の在留資格の取得の申請があつたときは、第二十条第三項本文(第二十二条の二第三項(第二十二条の三において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、これを許可するものとする。
法務大臣は、在留資格未取得外国人から第六十一条の二第一項 又は第二項の申請があつたときは、の申請があつたときは、当該在留資格未取得外国人が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に仮に本邦に滞在することを許可するものとする。
仮上陸の許可を受けているとき。
寄港地上陸の許可、船舶観光上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可 又は遭難による上陸の許可を受け、旅券 又は当該許可書に記載された期間を経過していないとき。
第二十二条の二第一項の規定により本邦に在留することができるとき。
本邦に入つた時に、第五条第一項第四号から第十四号までに掲げる者のいずれかに該当していたとき。
第二十四条第三号から第三号の五まで 又は第四号ハからヨまでに掲げる者のいずれかに該当すると疑うに足りる相当の理由があるとき。
第六十一条の二の二第一項第一号 又は第二号のいずれかに該当することが明らかであるとき。
次のイ 又はロのいずれにも該当しないことが明らかであるとき。
本邦にある間に難民となる事由が生じた場合を除き、その者の生命、身体 又は身体の自由が難民条約第一条A(2)に規定する理由によつて害されるおそれのあつた領域から直接本邦に入つたものであるとき。
本邦にある間に補完的保護対象者となる事由が生じた場合を除き、その者が迫害を受けるおそれのあつた領域から直接本邦に入つたものであるとき。
本邦に入つた後に、刑法第二編第十二章、第十六章から第十九章まで、第二十三章、第二十六章、第二十七章、第三十一章、第三十三章、第三十六章、第三十七章 若しくは第三十九章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第一条、第一条ノ二 若しくは第一条ノ三(刑法第二百二十二条 又は第二百六十一条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第十五条 若しくは第十六条の罪 又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第二条 若しくは第六条第一項の罪により懲役 又は禁錮に処せられたものであるとき。
法務大臣は、前項の規定による許可をする場合には、法務省令で定めるところにより、当該許可に係る滞在期間(以下「仮滞在期間」という。)を決定し、入国審査官に、当該在留資格未取得外国人に対し当該仮滞在期間を記載した仮滞在許可書を交付させるものとする。
この場合において、その許可は、当該交付のあつた時に、その記載された内容をもつて効力を生ずる。
法務大臣は、第一項の規定による許可をする場合には、法務省令で定めるところにより、当該在留資格未取得外国人に対し、住居 及び行動範囲の制限、活動の制限、呼出しに対する出頭の義務 その他必要と認める条件を付し、かつ、必要があると認める場合は、指紋を押なつさせることができる。
法務大臣は、第一項の規定による許可を受けた外国人から仮滞在期間の更新の申請があつたときは、これを許可するものとする。—この場合においては、第二項の規定を準用する。
第一項の規定による許可を受けた外国人が次の各号に掲げるいずれかの事由に該当することとなつたときは、当該外国人に係る仮滞在期間(前項の規定により更新された仮滞在期間を含む。以下同じ。)は、当該事由に該当することとなつた時に、その終期が到来したものとする。
難民の認定をしない処分 又は補完的保護対象者の認定をしない処分につき第六十一条の二の九第一項の審査請求がなくて同条第二項の期間が経過したこと。
難民の認定をしない処分 又は補完的保護対象者の認定をしない処分につき第六十一条の二の九第一項の審査請求があつた場合において、当該審査請求が取り下げられ、又はこれを却下し若しくは棄却する旨の裁決があつたこと。
難民の認定 又は補完的保護対象者の認定がされた場合において、第六十一条の二の二第一項 及び第二項の規定による許可をしない処分があつたこと。
次条の規定により第一項の規定による許可が取り消されたこと。
第六十一条の二第一項 又は第二項の申請が取り下げられたこと。
法務大臣は、前条第一項の規定による許可を受けた外国人について、次の各号に掲げる事実のいずれかが判明したときは、法務省令で定める手続により、当該許可を取り消すことができる。
前条第一項の規定による許可を受けた当時同項第四号から第八号までのいずれかに該当していたこと。
前条第一項の規定による許可を受けた後に同項第五号 又は第八号に該当することとなつたこと。
前条第三項の規定に基づき付された条件に違反したこと。
第二十五条の出国の確認を受けるための手続をしたこと。
第六十一条の二の二第一項 又は第二項の規定による許可を受けた外国人については、当該外国人が当該許可を受けた時に第二十四条各号のいずれかに該当していたことを理由としては、第五章に規定する退去強制の手続(第六十三条第一項の規定に基づく退去強制の手続を含む。以下この条において同じ。)を行わない。
第六十一条の二第一項 又は第二項の申請をした在留資格未取得外国人で第六十一条の二の四第一項の規定による許可を受けたものについては、第二十四条各号のいずれかに該当すると疑うに足りる相当の理由がある場合であつても、当該許可に係る仮滞在期間が経過するまでの間は、第五章に規定する退去強制の手続を停止するものとする。
第六十一条の二第一項 又は第二項の申請をした在留資格未取得外国人で、第六十一条の二の四第一項の規定による許可を受けていないもの 又は当該許可に係る仮滞在期間が経過することとなつたもの(同条第五項第一号から第三号まで 及び第五号に該当するものを除く。)について、第五章に規定する退去強制の手続を行う場合には、同条第五項第一号から第三号までに掲げるいずれかの事由に該当することとなるまでの間は、第五十二条第三項の規定による送還(同項ただし書の規定による引渡し及び第五十九条の規定による送還を含む。)を停止するものとする。
第五十条第一項の規定は、第二項に規定する者で第六十一条の二の四第五項第一号から第三号までのいずれかに該当することとなつたもの 又は前項に規定する者に対する第五章に規定する退去強制の手続については、適用しない。
法務大臣は、本邦に在留する外国人で難民の認定を受けているものについて、次の各号に掲げる事実のいずれかの事実が判明したときは、法務省令で定める手続により、その難民の認定を取り消すものとする。
偽りその他不正の手段により難民の認定を受けたこと。
難民条約第一条C(1)から (6)までに掲げる場合のいずれかに該当することとなつたこと。
難民の認定を受けた後に、難民条約第一条F(a)又は(c)に掲げる行為を行つたこと。
法務大臣は、本邦に在留する外国人で補完的保護対象者の認定を受けているものについて、次の各号に掲げる事実のいずれかが判明したときは、法務省令で定める手続により、その補完的保護対象者の認定を取り消すものとする。
難民条約第一条C(1)から (4)までに掲げる場合のいずれかに該当することとなつたこと、補完的保護対象者であると認められる根拠となつた事由が消滅したため、その者の国籍の属する国の保護を受けることを拒むことができなくなつたこと 又はその者が国籍を有しない場合において、補完的保護対象者であると認められる根拠となつた事由が消滅したため、常居所を有していた国に戻ることができることとなつたこと。
補完的保護対象者の認定を受けた後に、難民条約第一条F(a)又は(c)に掲げる行為を行つたこと。
法務大臣は、前二項の規定により難民の認定 又は補完的保護対象者の認定を取り消す場合には、当該外国人に対し、理由を付した書面をもつて、その旨を通知するとともに、当該外国人に係る難民認定証明書 及び難民旅行証明書 又は補完的保護対象者認定証明書が その効力を失つた旨を官報に告示する。
前項の規定により難民の認定 又は補完的保護対象者の認定の取消しの通知を受けたときは、難民認定証明書 及び難民旅行証明書 又は補完的保護対象者認定証明書の交付を受けている外国人は、速やかに出入国在留管理庁長官に これらの証明書を返納しなければならない。
法務大臣は、別表第一 又は別表第二の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する外国人で難民の認定 又は補完的保護対象者の認定を受けているものについて、偽りその他不正の手段により第六十一条の二の二第一項各号のいずれにも該当しないものとして同項の規定による許可を受けたことが判明したときは、法務省令で定める手続により、当該外国人が現に有する在留資格を取り消すことができる。
第二十二条の四第二項から第九項まで(第七項ただし書を除く。)の規定は、前項の規定による在留資格の取消しに準用する。
この場合において、
同条第二項中
「入国審査官」とあるのは
「難民調査官」と、
同条第七項本文中
「第一項(第一号 及び第二号を除く。)」とあるのは
「第六十一条の二の八第一項」と
読み替えるものとする。
次に掲げる処分 又は不作為についての審査請求は、法務大臣に対し、法務省令で定める事項を記載した審査請求書を提出してしなければならない。
第六十一条の二第一項の申請に係る不作為
第六十一条の二の七第一項の規定による難民の認定の取消し
補完的保護対象者の認定をしない処分(難民の認定を受けていない場合に限る。)
第六十一条の二第二項の申請に係る不作為
第六十一条の二の七第二項の規定による補完的保護対象者の認定の取消し
前項各号(第二号 及び第五号を除く。)に掲げる処分についての審査請求に関する行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第十八条第一項本文の期間は、第六十一条の二第四項 若しくは第五項 又は第六十一条の二の七第三項の規定による通知を受けた日から七日とする。
法務大臣は、第一項の審査請求に対する裁決に当たつては、法務省令で定めるところにより、難民審査参与員の意見を聴かなければならない。
法務大臣は、第一項の審査請求について行政不服審査法第四十五条第一項 若しくは第二項又は第四十九条第一項 若しくは第二項の規定による裁決をする場合には、当該裁決に付する理由において、前項の難民審査参与員の意見の要旨を明らかにしなければならない。
難民審査参与員については、行政不服審査法第十一条第二項に規定する審理員とみなして、同法の規定を適用する。
第一項の審査請求については、行政不服審査法第九条第一項、第十四条、第十七条、第十九条、第二十九条、第四十一条第二項(第一号イに係る部分に限る。)、第二章第四節 及び第五十条第二項の規定は適用しないものとし、同法の他の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる同法の規定中 同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
読み替えられる行政不服審査法の規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
第十八条第三項 | 次条 | 出入国管理 及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第六十一条の二の九第一項 |
第二十三条 | 第十九条 | 入管法第六十一条の二の九第一項 |
第三十条第一項 | 前条第五項の規定により送付された弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(以下「反論書」という。) | 入管法第六十一条の二の九第一項各号に掲げる処分 又は不作為に対する意見 その他の審査請求人の主張を記載した書面(以下「申述書」という。) |
反論書を | 申述書を | |
第三十条第三項 | 反論書 | 申述書 |
第三十一条第一項ただし書 | 場合 | 場合 又は申述書に記載された事実 その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民 若しくは補完的保護対象者となる事由を包含していないこと その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが適当でないと認められる場合 |
第三十一条第二項 | 審理員が期日 及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集してさせるものとする。 | 審理員が、あらかじめ 審査請求に係る事件に関する処分庁等に対する質問の有無 及び その内容について申立人から 聴取した上で、期日 及び場所を指定し、全ての審理関係人を招集してさせるものとする。 ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、処分庁等を招集することを要しない。 一 申立人から 処分庁等の招集を要しない旨の意思の表明があったとき。 二 前号に掲げる場合のほか、当該聴取の結果、処分庁等を招集することを要しないと認めるとき。 |
第四十一条第二項第一号ロ | 反論書 | 申述書 |
第四十四条 | 行政不服審査会等から 諮問に対する答申を受けたとき(前条第一項の規定による諮問を要しない場合(同項第二号 又は第三号に該当する場合を除く。)にあっては審理員意見書が提出されたとき、同項第二号 又は第三号に該当する場合にあっては同項第二号 又は第三号に規定する議を経たとき) | 審理員意見書が提出されたとき |
第五十条第一項第四号 | 審理員意見書 又は行政不服審査会等 若しくは審議会等の答申書 | 審理員意見書 |
第八十三条第二項 | 第十九条(第五項第一号 及び第二号を除く。) | 入管法第六十一条の二の九第一項 |
法務省に、前条第一項の規定による審査請求について、難民の認定又は補完的保護対象者の認定に関する意見を提出させるため、難民審査参与員 若干人を置く。
難民審査参与員は、人格が高潔であつて、前条第一項の審査請求に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律 又は国際情勢に関する学識経験を有する者のうちから、法務大臣が任命する。
難民審査参与員の任期は、二年とする。
ただし、再任を妨げない。
難民審査参与員は、非常勤とする。
難民の認定 又は補完的保護対象者の認定を受けている者から第二十二条第一項の永住許可の申請があつた場合には、法務大臣は、同条第二項本文の規定にかかわらず、その者が同項第二号に適合しないときであつても、これを許可することができる。
出入国在留管理庁長官は、本邦に在留する外国人で難民の認定を受けているものが出国しようとするときは、法務省令で定める手続により、その者の申請に基づき、難民旅行証明書を交付するものとする。
ただし、出入国在留管理庁長官においてその者が日本国の利益 又は公安を害する行為を行うおそれがあると認める場合は、この限りでない。
前項の規定により難民旅行証明書の交付を受ける外国人で、外国の難民旅行証明書を所持するものは、その交付を受ける際に当該外国の難民旅行証明書を出入国在留管理庁長官に提出しなければならない。
第一項の難民旅行証明書の有効期間は、一年とする。
第一項の難民旅行証明書の交付を受けている者は、当該証明書の有効期間内は本邦に入国し、及び出国することができる。
この場合において、入国については、第二十六条第一項の規定による再入国の許可を要しない。
前項の場合において、出入国在留管理庁長官が特に必要があると認めるときは、三月以上一年未満の範囲内で、当該難民旅行証明書により入国することのできる期限を定めることができる。
出入国在留管理庁長官は、第一項の難民旅行証明書の交付を受けて出国した者について、当該証明書の有効期間内に入国することができない相当の理由があると認めるときは、その者の申請に基づき、六月を超えない範囲内で、当該証明書の有効期間を延長することができる。
前項の延長は、難民旅行証明書にその旨を記載して行うものとし、その事務は、日本国領事官等に委任するものとする。
出入国在留管理庁長官は、第一項の難民旅行証明書の交付を受けている者が日本国の利益 又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるときは、その者が本邦にある間において、法務省令で定めるところにより、その者に対して、期限を付して、その所持する難民旅行証明書の返納を命ずることができる。
前項の規定により返納を命ぜられた難民旅行証明書は、その返納があつたときは当該返納の時に、同項の期限までに返納がなかつたときは当該期限を経過した時に、その効力を失う。
この場合において、同項の期限までに返納がなかつたときは、出入国在留管理庁長官は、当該難民旅行証明書がその効力を失つた旨を官報に告示する。
本邦に在留する外国人で難民の認定 又は補完的保護対象者の認定を受けているものが、第四十七条第五項、第四十八条第九項 若しくは第四十九条第六項の規定により、又は第六十三条第一項の規定に基づく退去強制の手続において退去強制令書の発付を受けたときは、当該外国人は、速やかに出入国在留管理庁長官に その所持する難民認定証明書 及び難民旅行証明書 又は補完的保護対象者認定証明書を返納しなければならない。
法務大臣は、難民の認定、補完的保護対象者の認定、第六十一条の二の二第一項 若しくは第二項、第六十一条の二の三 若しくは第六十一条の二の四第一項の規定による許可、第六十一条の二の五の規定による許可の取消し、第六十一条の二の七第一項の規定による難民の認定の取消し、同条第二項の規定による補完的保護対象者の認定の取消し 又は第六十一条の二の八第一項の規定による在留資格の取消しに関する処分を行うため必要がある場合には、難民調査官に事実の調査をさせることができる。
難民調査官は、前項の調査のため必要があるときは、関係人に対し出頭を求め、質問をし、又は文書の提示を求めることができる。
前項の場合において、第六十一条の二第一項 又は第二項の申請をした外国人に対し質問をするに当たつては、特に、その心身の状況、国籍 又は市民権の属する国において 置かれていた環境 その他の状況に応じ、適切な配慮をするものとする。
法務大臣 又は難民調査官は、第一項の調査について、公務所 又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。