この法律は、国際協力等の目的で、国際機関、外国政府の機関等に派遣される職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員をいう。以下同じ。)の処遇等について定めるものとする。
国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律
任命権者(国家公務員法第五十五条第一項に規定する任命権者 及び法律で別に定められた任命権者をいう。以下同じ。)は、条約 その他の国際約束 若しくはこれに準ずるものに基づき又は次に掲げる機関の要請に応じ、これらの機関の業務に従事させるため、部内の職員(人事院規則で定める職員を除く。)を派遣することができる。
わが国が加盟している国際機関
前二号に準ずる機関で、人事院規則で定めるもの
任命権者は、前項の規定により職員を派遣する場合には、当該職員の同意を得なければならない。
前条第一項の規定により派遣された職員(以下「派遣職員」という。)は、その派遣の期間中、職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。
任命権者は、派遣職員についてその派遣の必要がなくなつたときは、すみやかに当該職員を職務に復帰させなければならない。
派遣職員は、その派遣の期間が満了したときは、職務に復帰するものとする。
派遣職員には、その派遣の期間中、俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当 及び期末手当のそれぞれ百分の百以内を支給することができる。
前項の規定による給与の支給に関し必要な事項は、人事院規則(派遣職員が検察官の俸給等に関する法律(昭和二十三年法律第七十六号)の適用を受ける職員である場合にあつては、同法第三条第一項に規定する準則)で定める。
派遣職員に関する国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号)の規定の適用については、派遣先の機関の業務を公務とみなす。
派遣職員の派遣先の業務上の災害 又は通勤による災害に対する補償に係る国家公務員災害補償法の規定による平均給与額については、同法第四条の規定にかかわらず、人事院規則で定める。
派遣職員の派遣先の業務上の災害 又は通勤による災害に対し国家公務員災害補償法の規定による補償を行なう場合において、補償を受けるべき者が派遣先の機関等から同一の事由について当該災害に対する補償を受けたときは、国は、その価額の限度において、同法の規定による補償を行なわない。
派遣職員に関する国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)又は地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)の規定の適用については、それぞれ派遣先の機関の業務を公務とみなす。
派遣職員に関する国家公務員共済組合法 又は地方公務員等共済組合法の規定の適用については、派遣職員の派遣先の業務上の災害 又は通勤による災害に対して派遣先の機関等から補償が行なわれることとなつたため、前条第三項の規定により、当該災害に対する国家公務員災害補償法の規定による補償が行なわれないこととなつた場合における当該派遣先の機関等からの補償を同法の規定による補償に相当する補償とみなす。
派遣職員に関する一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第二十三条第一項 又は附則第六項の規定の適用については、派遣先の機関の業務を公務とみなす。
派遣職員に関する国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第五条第一項の規定の適用については、派遣先の機関の業務を公務とみなす。
派遣職員に関する国家公務員退職手当法第六条の四第一項 及び第七条第四項の規定の適用については、派遣の期間は、同法第六条の四第一項に規定する現実に職務をとることを要しない期間には該当しないものとみなす。
派遣職員には、特に必要があると認められるときは、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)に定める赴任の例に準じ旅費を支給することができる。
派遣職員が職務に復帰した場合における任用、給与等に関する処遇については、部内職員との均衡を失することのないよう適切な配慮が加えられなければならない。
第二条から第四条まで 及び第六条の規定の実施に関し必要な事項は、人事院規則で定める。