実用新案法

# 昭和三十四年法律第百二十三号 #

第七章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例

分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和六年一月一日 ( 2024年 1月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十一号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条(1)若しくは(2)(b)又は第十四条(2)の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条(1)(ii)の指定国に日本国を含むもの(実用新案登録出願に係るものに限る)は、その国際出願日にされた実用新案登録出願とみなす。

2項

特許法第百八十四条の三第二項国際出願による特許出願)の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願(以下「国際実用新案登録出願」という。)に準用する。

1項

外国語でされた国際実用新案登録出願(以下「外国語実用新案登録出願」という。)の出願人は、条約第二条(xi)の優先日(以下「優先日」という。)から二年六月以下「国内書面提出期間」という。以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条(2)に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。以下この条において同じ。)及び要約の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。


ただし、国内書面提出期間の満了前二月から満了の日までの間に次条第一項に規定する書面を提出した外国語実用新案登録出願(当該書面の提出の日以前に当該翻訳文を提出したものを除く)にあつては、当該書面の提出の日から二月以下「翻訳文提出特例期間」という。以内に、当該翻訳文を提出することができる。

2項

前項の場合において、外国語実用新案登録出願の出願人が条約第十九条()の規定に基づく補正をしたときは、同項に規定する請求の範囲の翻訳文に代えて、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を提出することができる。

3項

国内書面提出期間(第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間。以下この条において同じ。)内に第一項に規定する明細書の翻訳文 及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文(以下「明細書等翻訳文」という。)の提出がなかつたときは、その国際実用新案登録出願は、取り下げられたものとみなす。

4項

前項の規定により取り下げられたものとみなされた国際実用新案登録出願の出願人は、当該明細書等翻訳文を提出することができるようになつた日から二月以内で国内書面提出期間の経過後一年以内に限り、経済産業省令で定めるところにより、明細書等翻訳文 並びに第一項に規定する図面 及び要約の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。


ただし、故意に、国内書面提出期間内に当該明細書等翻訳文を提出しなかつたと認められる場合は、この限りでない。

5項

前項の規定により提出された翻訳文は、国内書面提出期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。

6項

第一項に規定する請求の範囲の翻訳文を提出した出願人は、条約第十九条()の規定に基づく補正をしたときは、国内書面提出期間が満了する時(国内書面提出期間内に出願人が条約第二十三条()又は第四十条()の規定による請求(以下「国内処理の請求」という。)をするときは、その国内処理の請求の時。以下「国内処理基準時」という。)の属する日までに限り、当該補正後の請求の範囲の日本語による翻訳文を更に提出することができる。

7項

特許法第百八十四条の七第三項本文の規定は、第二項 又は前項に規定する翻訳文が提出されなかつた場合に準用する。

1項

国際実用新案登録出願の出願人は、国内書面提出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

出願人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号

考案者の氏名 及び住所 又は居所

三 号

国際出願番号 その他の経済産業省令で定める事項

2項

特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。

一 号

前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。

二 号

前項の規定による手続が第二条の五第二項において準用する特許法第七条第一項から第三項まで 又は第九条の規定に違反しているとき。

三 号

前項の規定による手続が経済産業省令で定める方式に違反しているとき。

四 号

前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間(前条第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間)内に提出しないとき。

五 号

第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料を国内書面提出期間内に納付しないとき。

六 号

第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を国内書面提出期間内に納付しないとき。

3項

特許法第百八十四条の五第三項の規定は、前項の規定による命令に基づく補正に準用する。

4項

国際実用新案登録出願の出願人は、日本語でされた国際実用新案登録出願(以下「日本語実用新案登録出願」という。)にあつては第一項、外国語実用新案登録出願にあつては同項 及び前条第一項の規定による手続をし、かつ、第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料 及び第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後でなければ、国内処理の請求をすることができない

1項

国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。

2項

日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書 及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書の翻訳文は第五条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲 及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲と、日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面 並びに外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面(図面の中の説明を除く)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、日本語実用新案登録出願に係る要約 及び外国語実用新案登録出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。

3項

第四十八条の四第二項 又は第六項の規定により条約第十九条()の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第五条第二項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲とみなす。

1項

国際実用新案登録出願の出願人は、国際出願が国際出願日において図面を含んでいないものであるときは、国内処理基準時の属する日までに、図面を特許庁長官に提出しなければならない。

2項

特許庁長官は、国内処理基準時の属する日までに前項の規定による図面の提出がないときは、国際実用新案登録出願の出願人に対し、相当の期間を指定して、図面の提出をすべきことを命ずることができる。

3項

特許庁長官は、前項の規定によ 図面の提出をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその提出をしないときは、当該国際実用新案登録出願を却下することができる。

4項

第一項の規定により又は第二項の規定による命令に基づいてされた図面の提出(図面に添えて当該図面の簡単な説明を提出したときは、当該図面 及び当該説明の提出)は、第二条の二第一項の規定による手続の補正とみなす。


この場合において、同項ただし書の規定は、適用しない

1項

第四十八条の十五第一項において準用する特許法第百八十四条の七第二項 及び第百八十四条の八第二項の規定により第二条の二第一項の規定によるものとみなされた補正については、同項ただし書の規定は、適用しない

2項

国際実用新案登録出願についてする条約第二十八条()又は第四十一条()の規定に基づく補正については、第二条の二第一項ただし書の規定は、適用しない

3項

外国語実用新案登録出願に係る明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正ができる範囲については、

第二条の二第二項
願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは、
第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

4項

特許法第百八十四条の十二第一項の規定は、国際実用新案登録出願についてする第二条の二第一項本文 又は条約第二十八条()若しくは第四十一条()の規定に基づく補正に準用する。


この場合において、

同法第百八十四条の十二第一項
第百九十五条第二項」とあるのは
実用新案法第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料 及び同法第五十四条第二項」と、

納付した後であつて国内処理基準時を経過した後」とあるのは
「納付した後」と

読み替えるものとする。

1項

第三条の二に規定する他の実用新案登録出願 又は特許出願が国際実用新案登録出願 又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第三条の二の規定の適用については、

同条
他の実用新案登録出願 又は特許出願であつて」とあるのは
「他の実用新案登録出願 又は特許出願(第四十八条の四第三項 又は特許法第百八十四条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願 又は同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願を除く)であつて」と、

発行 又は」とあるのは
「発行、」と、

若しくは出願公開」とあるのは
「若しくは出願公開 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、

願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは
第四十八条の四第一項 又は同法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

1項

国際実用新案登録出願については、第八条第一項ただし書 及び第四項 並びに第九条第二項の規定は、適用しない

2項

日本語実用新案登録出願についての第八条第三項の規定の適用については、

同項
実用新案掲載公報の発行が」とあるのは、
「実用新案掲載公報の発行 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と

する。

3項

外国語実用新案登録出願についての第八条第三項の規定の適用については、

同項
実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは
第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

実用新案掲載公報の発行が」とあるのは
「実用新案掲載公報の発行 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と

する。

4項

第八条第一項の先の出願が国際実用新案登録出願 又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第八条第一項から第三項まで 及び第九条第一項の規定の適用については、

第八条第一項 及び第二項
願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは
第四十八条の四第一項 又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

同条第三項
先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは
「先の出願の第四十八条の四第一項 又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

出願公開」とあるのは
「千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、

第九条第一項
その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時」とあるのは
第四十八条の四第六項 若しくは特許法第百八十四条の四第六項の国内処理基準時 又は第四十八条の四第一項 若しくは同法第百八十四条の四第一項の国際出願日から経済産業省令で定める期間を経過した時のいずれか遅い時」と

する。

1項

特許法第百八十四条の三第一項 又は第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願の実用新案登録出願への変更については、同法第百八十四条の六第二項日本語特許出願にあつては同法第百八十四条の五第一項同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願にあつては同項 又は同条第四項 及び同法第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、同法第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない

1項

国際実用新案登録出願の第一年から第三年までの各年分の登録料の納付については、

第三十二条第一項
実用新案登録出願と同時」とあるのは、
第四十八条の四第一項に規定する国内書面提出期間内(同条第六項に規定する国内処理の請求をした場合にあつては、その国内処理の請求の時まで)」と

する。

1項

国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、

第十二条第一項
何人も」とあるのは、
第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」と

する。

1項

外国語実用新案登録出願に係る第十四条の二第一項の規定による訂正については、

同条第三項
願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは、
第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

1項

外国語実用新案登録出願に係る実用新案登録無効審判については、

第三十七条第一項第一号
その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき」とあるのは、
第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願に係る実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した事項が同項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内にないとき」と

する。

1項

特許法第百八十四条の七日本語特許出願に係る条約第十九条に基づく補正)及び第百八十四条の八第一項から第三項まで条約第三十四条に基づく補正)の規定は、国際実用新案登録出願の条約に基づく補正に準用する。—この場合において、

同法第百八十四条の七第二項 及び第百八十四条の八第二項
第十七条の二第一項」とあるのは、
実用新案法第二条の二第一項」と

読み替えるものとする。

2項

特許法第百八十四条の十一在外者の特許管理人の特例)の規定は、国際実用新案登録出願に関する手続に準用する。

3項

特許法第百八十四条の九第六項 及び第百八十四条の十四の規定は、国際実用新案登録出願に準用する。

1項

条約第二条(vii)の国際出願の出願人は、条約第四条(1)(ii)の指定国に日本国を含む国際出願(実用新案登録出願に係るものに限る)につき条約第二条(xv)の受理官庁により条約第二十五条(1)(a)に規定する拒否 若しくは同条(1)(a)若しくは(b)に規定する宣言がされ、又は条約第二条(xix)の国際事務局により条約第二十五条(1)(a)に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条(2)(a)に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる。

2項

外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る)、要約 その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。

3項

特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言 又は認定が条約 及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。

4項

前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言 又は認定が条約 及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言 又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた実用新案登録出願とみなす。

5項

第四十八条の六第一項 及び第二項第四十八条の七第四十八条の八第三項第四十八条の九第四十八条の十第一項第三項 及び第四項第四十八条の十二から第四十八条の十四まで 並びに特許法第百八十四条の三第二項第百八十四条の九第六項第百八十四条の十二第一項 及び第百八十四条の十四の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願に準用する。


この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。