実用新案法

昭和三十四年法律第百二十三号
分類 法律
カテゴリ   産業通則
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2023年 02月26日 19時25分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願

  • 第三章 実用新案技術評価

  • 第四章 実用新案権

    • 第一節 実用新案権
    • 第二節 権利侵害
    • 第三節 登録料
  • 第五章 審判

  • 第六章 再審及び訴訟

  • 第七章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例

  • 第八章 雑則

  • 第九章 罰則

第一章 総則

1項

この法律は、物品の形状、構造 又は組合せに係る考案の保護 及び利用を図ることにより、その考案を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

1項

この法律で「考案」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作をいう。

2項

この法律で「登録実用新案」とは、実用新案登録を受けている考案をいう。

3項

この法律で考案について「実施」とは、考案に係る物品を製造し、使用し、譲渡し、貸し渡し、輸出し、若しくは輸入し、又はその譲渡 若しくは貸渡しの申出(譲渡 又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為をいう。

1項

実用新案登録出願、請求 その他 実用新案登録に関する手続(以下単に「手続」という。)をした者は、事件が特許庁に係属している場合に限り、その補正をすることができる。


ただし、経済産業省令で定める期間を経過した後は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲、図面 若しくは要約書 又は第八条第四項 若しくは第十一条第一項において準用する特許法昭和三十四年法律第百二十一号第四十三条第一項第十一条第一項において準用する同法第四十三条の二第二項第十一条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)に規定する書面について補正をすることができない

2項

前項本文の規定により明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正をするときは、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

3項

第一項の規定にかかわらず第十四条の二第一項の訂正に係る訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面については、その補正をすることができない

4項

特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。

一 号

手続が第二条の五第二項において準用する特許法第七条第一項から第三項まで 又は第九条の規定に違反しているとき。

二 号

手続がこの法律 又はこの法律に基づく命令で定める方式に違反しているとき。

三 号

手続について第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料を納付しないとき。

四 号

手続について第五十四条第一項 又は第二項の規定により納付すべき手数料を納付しないとき。

5項

手続の補正(登録料 及び手数料の納付を除く)をするには、手続補正書を提出しなければならない。

1項

特許庁長官は、前条第四項第六条の二 又は第十四条の三の規定により手続の補正をすべきことを命じた者がこれらの規定により指定した期間内にその補正をしないときは、その手続を却下することができる。

1項

法人でない社団 又は財団であつて、代表者 又は管理人の定めがあるものは、その名において次に掲げる手続をすることができる

一 号

第十二条第一項に規定する実用新案技術評価の請求をすること。

二 号
審判を請求すること。
三 号

審判の確定審決に対する再審を請求すること

2項

法人でない社団 又は財団であつて、代表者 又は管理人の定めがあるものは、その名において審判の確定審決に対する再審を請求されることができる。

1項

特許法第三条 及び第五条の規定は、この法律に規定する期間 及び期日に準用する。

2項

特許法第七条から第九条まで第十一条から第十六条まで 及び第十八条の二から第二十四条までの規定は、手続に準用する。

3項

特許法第二十五条の規定は、実用新案権 その他 実用新案登録に関する権利に準用する。

4項

特許法第二十六条の規定は、実用新案登録に準用する。

第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願

1項

産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造 又は組合せに係るものをした者は、次に掲げる考案を除き、その考案について実用新案登録を受けることができる。

一 号

実用新案登録出願前日本国内 又は外国において公然知られた考案

二 号

実用新案登録出願前日本国内 又は外国において公然実施をされた考案

三 号

実用新案登録出願前日本国内 又は外国において、頒布された刊行物に記載された考案 又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた考案

2項

実用新案登録出願前にその考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者が前項各号に掲げる考案に基いてきわめて容易に考案をすることができたときは、その考案については、同項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない

1項

実用新案登録出願に係る考案が当該実用新案登録出願の日前の他の実用新案登録出願 又は特許出願であつて当該実用新案登録出願後に第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行 又は特許法第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報の発行 若しくは出願公開がされたものの願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面(同法第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案 又は発明(その考案 又は発明をした者が当該実用新案登録出願に係る考案の考案者と同一の者である場合におけるその考案 又は発明を除く)と同一であるときは、
その考案については、前条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない


ただし、当該実用新案登録出願の時にその出願人と当該 他の実用新案登録出願 又は特許出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。

1項

公の秩序、善良の風俗 又は公衆の衛生を害するおそれがある考案については、第三条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない

1項

実用新案登録を受ける権利を有する者は、その実用新案登録を受ける権利に基づいて取得すべき実用新案権について、その実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内において、他人に仮通常実施権を許諾することができる。

2項

前項の規定による仮通常実施権に係る実用新案登録出願について実用新案権の設定の登録があつたときは、当該仮通常実施権を有する者に対し、その実用新案権について、当該仮通常実施権の設定行為で定めた範囲内において、通常実施権が許諾されたものとみなす。

3項

特許法第三十三条第二項 及び第三項第三十四条の三第四項から第六項まで 及び第八項から第十項まで 並びに第三十四条の五の規定は、仮通常実施権に準用する。


この場合において、

同法第三十四条の三第八項
実用新案法第四条の二第一項の規定による仮通常実施権に係る実用新案登録出願について、第四十六条第一項」とあるのは
第一項 又は前条第四項の規定による仮通常実施権に係る特許出願について、実用新案法第十条第一項」と、

同条第九項
第四十六条第二項」とあるのは
実用新案法第十条第二項」と

読み替えるものとする。

1項

実用新案登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書を特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

実用新案登録出願人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号

考案者の氏名 及び住所 又は居所

2項

願書には、明細書、実用新案登録請求の範囲、図面 及び要約書を添付しなければならない。

3項

前項の明細書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号
考案の名称
二 号
図面の簡単な説明
三 号
考案の詳細な説明
4項

前項第三号の考案の詳細な説明は、経済産業省令で定めるところにより、その考案の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に、記載しなければならない。

5項

第二項の実用新案登録請求の範囲には、請求項に区分して、各請求項ごとに実用新案登録出願人が実用新案登録を受けようとする考案を特定するために必要と認める事項のすべてを記載しなければならない。


この場合において、一の請求項に係る考案と他の請求項に係る考案とが同一である記載となることを妨げない。

6項

第二項の実用新案登録請求の範囲の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。

一 号

実用新案登録を受けようとする考案が考案の詳細な説明に記載したものであること。

二 号

実用新案登録を受けようとする考案が明確であること。

三 号

請求項ごとの記載が簡潔であること。

四 号

その他 経済産業省令で定めるところにより記載されていること。

7項

第二項の要約書には、明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した考案の概要 その他 経済産業省令で定める事項を記載しなければならない。

1項

二以上の考案については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより考案の単一性の要件を満たす一群の考案に該当するときは、一の願書で実用新案登録出願をすることができる。

1項

特許庁長官は、実用新案登録出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。

一 号

その実用新案登録出願に係る考案が物品の形状、構造 又は組合せに係るものでないとき。

二 号

その実用新案登録出願に係る考案第四条の規定により実用新案登録をすることができないものであるとき。

三 号

その実用新案登録出願が第五条第六項第四号 又は前条に規定する要件を満たしていないとき。

四 号

その実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき

1項

同一の考案について異なつた日二以上の実用新案登録出願があつたときは、最先の実用新案登録出願人のみがその考案について実用新案登録を受けることができる。

2項

同一の考案について同日二以上の実用新案登録出願があつたときは、いずれも、その考案について実用新案登録を受けることができない

3項

実用新案登録出願に係る考案と特許出願に係る発明とが同一である場合において、その実用新案登録出願 及び特許出願が異なつた日にされたものであるときは、実用新案登録出願人は、特許出願人より先に出願をした場合にのみ その考案について実用新案登録を受けることができる。

4項

実用新案登録出願 又は特許出願が放棄され、取り下げられ、又は却下されたときは、その実用新案登録出願 又は特許出願は、前三項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。

5項

特許出願について拒絶をすべき旨の査定 又は審決が確定したときは、その特許出願は、第三項の規定の適用については、初めからなかつたものとみなす。


ただし、その特許出願について特許法第三十九条第二項後段の規定に該当することにより拒絶をすべき旨の査定 又は審決が確定したときは、この限りでない。

6項

特許法第三十九条第四項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案登録出願人は、その考案について実用新案登録を受けることができない

1項

実用新案登録を受けようとする者は、次に掲げる場合を除き、その実用新案登録出願に係る考案について、その者が実用新案登録 又は特許を受ける権利を有する実用新案登録出願 又は特許出願であつて先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面(先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案に基づいて優先権を主張することができる。


ただし、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その実用新案登録出願の際に、その承諾を得ている場合に限る

一 号

その実用新案登録出願が先の出願の日から一年以内にされたものでない場合(その実用新案登録出願を先の出願の日から一年以内にすることができなかつたことについて正当な理由がある場合であつて、かつ、その実用新案登録出願が経済産業省令で定める期間内にされたものである場合を除く

二 号

先の出願が第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による実用新案登録出願の分割に係る新たな実用新案登録出願 若しくは第十条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願 又は同法第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、同法第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願 若しくは同法第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合

三 号

先の出願が、その実用新案登録出願の際に、放棄され、取り下げられ、又は却下されている場合

四 号

先の出願について、その実用新案登録出願の際に、査定 又は審決が確定している場合

五 号

先の出願について、その実用新案登録出願の際に、第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合

2項

前項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願に係る考案のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面(当該先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案(当該先の出願が前項 若しくは同法第四十一条第一項の規定による優先権の主張 又は同法第四十三条第一項第四十三条の二第一項同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項これらの規定を第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面に相当するものに限る)に記載された考案を除く)についての第三条第三条の二本文、前条第一項から第三項まで第十一条第一項において準用する同法第三十条第一項 及び第二項第十七条第二十六条において準用する同法第六十九条第二項第二号同法第七十九条同法第八十一条 及び同法第八十二条第一項 並びに同法第三十九条第三項 及び第四項 並びに第七十二条意匠法昭和三十四年法律第百二十五号)第二十六条、第三十一条第二項 及び第三十二条第二項 並びに商標法昭和三十四年法律第百二十七号第二十九条 並びに第三十三条の二第三項 及び第三十三条の三第三項これらの規定を同法第六十八条第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、当該実用新案登録出願は、当該先の出願の時にされたものとみなす。

3項

第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載された考案のうち、当該優先権の主張の基礎とされた先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲若しくは特許請求の範囲 又は図面(当該先の出願が特許法第三十六条の二第二項の外国語書面出願である場合にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された考案(当該先の出願が第一項 若しくは同法第四十一条第一項の規定による優先権の主張 又は同法第四十三条第一項第四十三条の二第一項同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)若しくは第四十三条の三第一項 若しくは第二項これらの規定を第十一条第一項において準用する場合を含む。)の規定による優先権の主張を伴う出願である場合には、当該先の出願についての優先権の主張の基礎とされた出願に係る出願の際の書類(明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面に相当するものに限る)に記載された考案を除く)については、当該実用新案登録出願について実用新案掲載公報の発行がされた時に当該先の出願について実用新案掲載公報の発行 又は出願公開がされたものとみなして、第三条の二本文 又は同法第二十九条の二本文の規定を適用する。

4項

第一項の規定による優先権を主張しようとする者は、その旨 及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない。

1項

前条第一項の規定による優先権の主張の基礎とされた先の出願は、その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取り下げたものとみなす。


ただし、当該先の出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、当該先の出願について査定 若しくは審決が確定している場合、当該先の出願について第十四条第二項に規定する設定の登録がされている場合 又は当該先の出願に基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、この限りでない。

2項

前条第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願の出願人は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した後は、その主張を取り下げることができない

3項

前条第一項の規定による優先権の主張を伴う実用新案登録出願が先の出願の日から経済産業省令で定める期間内に取り下げられたときは、同時に当該優先権の主張が取り下げられたものとみなす。

1項

特許出願人は、その特許出願(特許法第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願(同法第四十四条第二項同法第四十六条第六項において準用する場合を含む。)の規定により当該特許出願の時にしたものとみなされるものを含む。)を除く)を実用新案登録出願に変更することができる。


ただし、その特許出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後 又はその特許出願の日から九年六月を経過した後は、この限りでない。

2項

意匠登録出願人は、その意匠登録出願(意匠法第十三条第六項において準用する同法第十条の二第二項の規定により特許法第四十六条の二第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願の時にしたものとみなされる意匠登録出願(意匠法第十条の二第二項の規定により当該意匠登録出願の時にしたものとみなされるものを含む。)を除く)を実用新案登録出願に変更することができる。


ただし、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があつた日から三月を経過した後 又はその意匠登録出願の日から九年六月を経過した後は、この限りでない。

3項

前二項の規定による出願の変更があつたときは、その実用新案登録出願は、その特許出願 又は意匠登録出願の時にしたものとみなす。


ただし、その実用新案登録出願が第三条の二に規定する他の実用新案登録出願 又は特許法第二十九条の二に規定する実用新案登録出願に該当する場合におけるこれらの規定の適用 及び次条第一項において準用する同法第三十条第三項の規定の適用については、この限りでない。

4項

第一項 又は第二項の規定による出願の変更をする場合における次条第一項において準用する特許法第四十三条第二項次条第一項において準用する同法第四十三条の二第二項次条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、

同法第四十三条第二項
最先の日から一年四月以内」とあるのは、
「最先の日から一年四月 又は実用新案法第十条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更に係る実用新案登録出願の日から三月のいずれか遅い日まで」と

する。

5項

第一項 又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、その特許出願 又は意匠登録出願は、取り下げたものとみなす。

6項

第一項ただし書に規定する三月の期間は、特許法第四条の規定により同法第百二十一条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

7項

第二項ただし書に規定する三月の期間は、意匠法第六十八条第一項において準用する特許法第四条の規定により意匠法第四十六条第一項に規定する期間が延長されたときは、その延長された期間を限り、延長されたものとみなす。

8項

第一項に規定する出願の変更をする場合には、もとの特許出願について提出された書面 又は書類であつて、新たな実用新案登録出願について第八条第四項 又は次条第一項において準用する特許法第三十条第三項 若しくは第四十三条第一項 及び第二項これらの規定を次条第一項において準用する同法第四十三条の二第二項次条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定により提出しなければならないものは、当該新たな実用新案登録出願と同時に特許庁長官に提出されたものとみなす。

9項

特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、第一項の規定による出願の変更をすることができる。

10項

第八項の規定は、第二項の規定による出願の変更の場合に準用する。

1項

特許法第三十条発明の新規性の喪失の例外)、第三十八条共同出願)、第四十三条から第四十四条までパリ条約による優先権主張の手続等 及び特許出願の分割)の規定は、実用新案登録出願に準用する。

2項

特許法第三十三条 並びに第三十四条第一項第二項 及び第四項から第七項まで特許を受ける権利)の規定は、実用新案登録を受ける権利に準用する。

3項

特許法第三十五条仮専用実施権に係る部分を除く)(職務発明)の規定は、従業者、法人の役員 又は国家公務員 若しくは地方公務員がした考案に準用する。

第三章 実用新案技術評価

1項

実用新案登録出願 又は実用新案登録については、何人も、特許庁長官に、その実用新案登録出願に係る考案 又は登録実用新案に関する技術的な評価であつて、第三条第一項第三号 及び第二項同号に掲げる考案に係るものに限る)、第三条の二 並びに第七条第一項から第三項まで 及び第六項の規定に係るもの(以下「実用新案技術評価」という。)を請求することができる。


この場合において、二以上の請求項に係る実用新案登録出願 又は実用新案登録については、請求項ごとに請求することができる。

2項

前項の規定による請求は、実用新案権の消滅後においても、することができる。


ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

3項

前二項の規定にかかわらず第一項の規定による請求は、その実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされた後は、することができない

4項

特許庁長官は、第一項の規定による請求があつたときは、審査官にその請求に係る実用新案技術評価の報告書(以下「実用新案技術評価書」という。)を作成させなければならない。

5項

特許法第四十七条第二項の規定は、実用新案技術評価書の作成に準用する。

6項

第一項の規定による請求は、取り下げることができない

7項

実用新案登録出願人 又は実用新案権者でない者から第一項の規定による請求があつた後に、その請求に係る実用新案登録(実用新案登録出願について同項の規定による請求があつた場合におけるその実用新案登録出願に係る実用新案登録を含む。)に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その請求は、されなかつたものとみなす。


この場合において、特許庁長官は、その旨を請求人に通知しなければならない。

1項

特許庁長官は、実用新案掲載公報の発行前に実用新案技術評価の請求があつたときは当該実用新案掲載公報の発行の際 又はその後 遅滞なく、実用新案掲載公報の発行後に実用新案技術評価の請求があつたときはその後 遅滞なく、その旨を実用新案公報に掲載しなければならない。

2項

特許庁長官は、実用新案登録出願人 又は実用新案権者でない者から実用新案技術評価の請求があつたときは、その旨を実用新案登録出願人 又は実用新案権者に通知しなければならない。

3項

特許庁長官は、実用新案技術評価書の作成がされたときは、その謄本を、請求人が実用新案登録出願人 又は実用新案権者であるときは請求人に、請求人が実用新案登録出願人 又は実用新案権者でないときは請求人 及び実用新案登録出願人 又は実用新案権者に送達しなければならない。

第四章 実用新案権

第一節 実用新案権

1項

実用新案権は、設定の登録により発生する。

2項

実用新案登録出願があつたときは、その実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録をする。

3項

前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を実用新案公報に掲載しなければならない。

一 号

実用新案権者の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号

実用新案登録出願の番号 及び年月日

三 号

考案者の氏名 及び住所 又は居所

四 号

願書に添付した明細書 及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項 並びに図面の内容

五 号

願書に添付した要約書に記載した事項

六 号

登録番号 及び設定の登録の年月日

七 号

前各号に掲げるもののほか、必要な事項

4項

特許法第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を実用新案公報に掲載する場合に準用する。

1項

実用新案権者は、次に掲げる場合を除き、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正を一回に限りすることができる。

一 号

第十三条第三項の規定による最初の実用新案技術評価書の謄本の送達があつた日から二月を経過したとき。

二 号

実用新案登録無効審判について、第三十九条第一項の規定により最初に指定された期間を経過したとき。

2項

前項の訂正は、次に掲げる事項を目的とするものに限る

一 号

実用新案登録請求の範囲の減縮

二 号
誤記の訂正
三 号
明瞭でない記載の釈明
四 号

他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該 他の請求項の記載を引用しないものとすること。

3項

第一項の訂正は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面(前項第二号に掲げる事項を目的とする訂正の場合にあつては、願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面)に記載した事項の範囲内においてしなければならない。

4項

第一項の訂正は、実質上実用新案登録請求の範囲を拡張し、又は変更するものであつてはならない。

5項

特許法第四条の規定は、第一項第一号に規定する期間に準用する。

6項

第一項の訂正をする者がその責めに帰することができない理由により同項第一号に規定する期間を経過するまでにその訂正をすることができないときは、同号の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその訂正をすることができる。

7項

実用新案権者は、第一項の訂正をする場合のほか、請求項の削除を目的とするものに限り、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正をすることができる。


ただし、実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第四十一条において準用する特許法第百五十六条第一項の規定による通知があつた後(同条第三項の規定による審理の再開がされた場合にあつては、その後 更に同条第一項の規定による通知があつた後)は、願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正をすることができない

8項

第一項 及び前項の訂正は、実用新案権の消滅後においても、することができる。


ただし、実用新案登録無効審判により無効にされた後は、この限りでない。

9項

第一項 又は第七項の訂正をするには、訂正書を提出しなければならない。

10項

第一項の訂正をするときは、訂正書に訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面を添付しなければならない。

11項

第一項 又は第七項の訂正があつたときは、その訂正後における明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面により実用新案登録出願 及び実用新案権の設定の登録がされたものとみなす。

12項

第一項 又は第七項の訂正があつたときは、第一項の訂正にあつては訂正した明細書 及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項 並びに図面の内容を、第七項の訂正にあつてはその旨を、実用新案公報に掲載しなければならない。

13項

特許法第百二十七条 及び第百三十二条第三項の規定は、第一項 及び第七項の場合に準用する。

1項

特許庁長官は、訂正書(前条第一項の訂正に係るものに限る)の提出があつた場合において、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の記載が次の各号いずれかに該当するときは、相当の期間を指定して、その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正をすべきことを命ずることができる。

一 号

その訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が物品の形状、構造 又は組合せに係るものでないとき

二 号

その訂正書に添付した訂正した実用新案登録請求の範囲に記載されている事項により特定される考案が第四条の規定により実用新案登録をすることができないものであるとき。

三 号

その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の記載が第五条第六項第四号 又は第六条に規定する要件を満たしていないとき。

四 号

その訂正書に添付した訂正した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるとき。

1項

実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から十年をもつて終了する。

1項

実用新案権者は、業として登録実用新案の実施をする権利を専有する。


ただし、その実用新案権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその登録実用新案の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。

1項

実用新案権者、専用実施権者 又は通常実施権者は、その登録実用新案がその実用新案登録出願の日前の出願に係る他人の登録実用新案、特許発明 若しくは登録意匠 若しくはこれに類似する意匠を利用するものであるとき、又はその実用新案権がその実用新案登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権 若しくは商標権と抵触するときは、業としてその登録実用新案の実施をすることができない

1項

実用新案登録が第三十七条第一項第二号に規定する要件に該当するとき(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る)又は第三十七条第一項第五号に規定する要件に該当するときは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者は、経済産業省令で定めるところにより、その実用新案権者に対し、当該実用新案権の移転を請求することができる。

2項

前項の規定による請求に基づく実用新案権の移転の登録があつたときは、その実用新案権は、初めから当該登録を受けた者に帰属していたものとみなす。

3項

共有に係る実用新案権について第一項の規定による請求に基づきその持分を移転する場合においては、第二十六条において準用する特許法第七十三条第一項の規定は、適用しない

1項

実用新案権者は、その実用新案権について専用実施権を設定することができる。

2項

専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を専有する。

3項

特許法第七十七条第三項から第五項まで移転等)、第九十七条第二項放棄)並びに第九十八条第一項第二号 及び第二項登録の効果)の規定は、専用実施権に準用する。

1項

実用新案権者は、その実用新案権について他人に通常実施権を許諾することができる。

2項

通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を有する。

3項

特許法第七十三条第一項共有)、第九十七条第三項放棄)及び第九十九条通常実施権の対抗力)の規定は、通常実施権に準用する。

1項

次の各号いずれかに該当する者であつて、特許法第百二十三条第一項の特許無効審判(以下 この項において単に「特許無効審判」という。)の請求の登録前に、特許が同条第一項各号いずれかに規定する要件に該当することを知らないで、日本国内において当該発明の実施である事業をしているもの又はその事業の準備をしているものは、その実施 又は準備をしている発明 及び事業の目的の範囲内において、その特許を無効にした場合における実用新案権 又はその際 現に存する専用実施権について通常実施権を有する。

一 号

実用新案登録に係る考案と特許に係る発明とが同一である場合において、特許を無効にした場合における原特許権者

二 号

特許を無効にしてその発明と同一の考案について正当権利者に実用新案登録をした場合における原特許権者

三 号

前二号に掲げる場合において、特許無効審判の請求の登録の際 現にその無効にした特許に係る特許権についての専用実施権 又はその特許権 若しくは専用実施権についての通常実施権を有する者

2項

当該実用新案権者 又は専用実施権者は、前項の規定により通常実施権を有する者から相当の対価を受ける権利を有する。

1項

登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者 又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。


ただし、その登録実用新案に係る実用新案登録出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。

2項

前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。

3項

特許法第八十四条から第九十一条の二まで裁定の手続等)の規定は、前項の裁定に準用する。

1項

実用新案権者 又は専用実施権者は、その登録実用新案が第十七条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録実用新案の実施をするための通常実施権 又は特許権 若しくは意匠権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

2項

前項の協議を求められた第十七条の他人は、その協議を求めた実用新案権者 又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権 又は特許権 若しくは意匠権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする登録実用新案の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

3項

第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案権者 又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。

4項

第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第十七条の他人は、第七項において準用する特許法第八十四条の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。

5項

特許庁長官は、第三項 又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第十七条の他人 又は実用新案権者 若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない

6項

特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない

7項

特許法第八十四条第八十四条の二第八十五条第一項 及び第八十六条から第九十一条の二まで裁定の手続等)の規定は、第三項 又は第四項の裁定に準用する。

1項

登録実用新案の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者 又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

2項

前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。

3項

特許法第八十四条第八十四条の二第八十五条第一項 及び第八十六条から第九十一条の二まで裁定の手続等)の規定は、前項の裁定に準用する。

1項

通常実施権は、第二十一条第二項第二十二条第三項 若しくは第四項 若しくは前条第二項特許法第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者 及び専用実施権者)の承諾を得た場合 及び相続 その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。

2項

通常実施権者は、第二十一条第二項第二十二条第三項 若しくは第四項 若しくは前条第二項特許法*第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者 及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。

3項

第二十一条第二項 又は前条第二項の裁定による通常実施権は、実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。

4項

第二十二条第三項特許法第九十二条第三項 又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権 又は意匠権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その実用新案権、特許権 又は意匠権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する

5項

第二十二条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権 又は意匠権に従つて移転し、その実用新案権、特許権 又は意匠権が消滅したときは消滅する

1項

実用新案権、専用実施権 又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録実用新案の実施をすることができない

2項

特許法第九十六条物上代位)の規定は、実用新案権、専用実施権 又は通常実施権を目的とする質権に準用する。

3項

特許法第九十八条第一項第三号 及び第二項登録の効果)の規定は、実用新案権 又は専用実施権を目的とする質権に準用する。

1項

特許法第六十九条第一項 及び第二項第七十条から第七十一条の二まで特許権の効力が及ばない範囲 及び特許発明の技術的範囲)、第七十三条共有)、第七十六条相続人がない場合の特許権の消滅)、第七十九条先使用による通常実施権)、第七十九条の二特許権の移転の登録前の実施による通常実施権)、第八十一条第八十二条意匠権の存続期間満了後の通常実施権)、第九十七条第一項放棄)並びに第九十八条第一項第一号 及び第二項登録の効果)の規定は、実用新案権に準用する。

第二節 権利侵害

1項

実用新案権者 又は専用実施権者は、自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害する者 又は侵害するおそれがある者(以下「侵害者等」という。)に対し、その侵害の停止 又は予防を請求することができる。

2項

実用新案権者 又は専用実施権者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(プログラム等(特許法第二条第四項に規定するプログラム等をいう。次条において同じ。)を含む。以下同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却 その他の侵害の予防に必要な行為を請求することができる。

1項

次に掲げる行為は、当該実用新案権 又は専用実施権を侵害するものとみなす。

一 号

業として、登録実用新案に係る物品の製造にのみ用いる物の生産、譲渡等(譲渡 及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)若しくは輸入 又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為

二 号

登録実用新案に係る物品の製造に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く)であつてその考案による課題の解決に不可欠なものにつき、その考案が登録実用新案であること 及び その物がその考案の実施に用いられることを知りながら、業として、その生産、譲渡等 若しくは輸入 又は譲渡等の申出をする行為

三 号

登録実用新案に係る物品を業としての譲渡、貸渡し又は輸出のために所持する行為

1項

実用新案権者 又は専用実施権者が故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、次の各号に掲げる額の合計額を、実用新案権者 又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。

一 号

実用新案権者 又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額に、自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該実用新案権者 又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部 又は一部に相当する数量を当該実用新案権者 又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額

二 号

譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量 又は特定数量がある場合(実用新案権者 又は専用実施権者が、当該実用新案権者の実用新案権についての専用実施権の設定 若しくは通常実施権の許諾 又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く)におけるこれらの数量に応じた当該実用新案権 又は専用実施権に係る登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額

2項

実用新案権者 又は専用実施権者が故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、実用新案権者 又は専用実施権者が受けた損害の額と推定する。

3項

実用新案権者 又は専用実施権者は、故意 又は過失により自己の実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に対し、その登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。

4項

裁判所は、第一項第二号 及び前項に規定する録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、実用新案権者 又は専用実施権者が、自己の実用新案権 又は専用実施権に係る登録実用新案の実施の対価について、当該実用新案権 又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該実用新案権 又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該実用新案権者 又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。

5項

第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。


この場合において、実用新案権 又は専用実施権を侵害した者に故意 又は重大な過失がなかつたときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。

1項

実用新案権者 又は専用実施権者は、その登録実用新案に係る実用新案技術評価書を提示して警告をした後でなければ、自己の実用新案権 又は専用実施権の侵害者等に対し、その権利を行使することができない

1項

実用新案権者 又は専用実施権者が侵害者等に対しその権利を行使し、又はその警告をした場合において、実用新案登録を無効にすべき旨の審決(第三十七条第一項第六号に掲げる理由によるものを除く)が確定したときは、その者は、その権利の行使 又はその警告により相手方に与えた損害を賠償する責めに任ずる。


ただし、実用新案技術評価書の実用新案技術評価(当該実用新案登録出願に係る考案 又は登録実用新案が第三条第一項第三号 及び第二項同号に掲げる考案に係るものに限る)、第三条の二 並びに第七条第一項から第三項まで 及び第六項の規定により実用新案登録をすることができない旨の評価を受けたものを除く)に基づきその権利を行使し、又はその警告をしたとき、その他相当の注意をもつてその権利を行使し、又はその警告をしたときは、この限りでない。

2項

前項の規定は、実用新案登録出願の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面についてした第十四条の二第一項 又は第七項の訂正により実用新案権の設定の登録の際における実用新案登録請求の範囲に記載された考案の範囲に含まれないこととなつた考案についてその権利を行使し、又はその警告をした場合に準用する。

1項

特許法第百四条の二から第百五条まで具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限 及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで第三者の意見、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し、訴訟記録の閲覧等の請求の通知等、当事者尋問等の公開停止 及び信用回復の措置)の規定は、実用新案権 又は専用実施権の侵害に準用する。


この場合において、

同法第百四条の四
次に掲げる決定 又は審決が確定した」とあるのは
第一号に掲げる審決が確定した又は第三号に掲げる訂正があつた」と、

当該決定 又は審決が確定した」とあるのは
「当該審決が確定した又は訂正があつた」と、

同条第三号
訂正をすべき旨の決定 又は審決」とあるのは
実用新案法第十四条の二第一項 又は第七項の訂正」と

読み替えるものとする。

第三節 登録料

1項

実用新案権の設定の登録を受ける者 又は実用新案権者は、登録料として、実用新案権の設定の登録の日から第十五条に規定する存続期間の満了の日までの各年について、一件ごとに、一万八千百円を超えない範囲内で政令で定める額に一請求項につき九百円を超えない範囲内で政令で定める額を加えた額を納付しなければならない。

2項

前項の規定は、国に属する実用新案権には、適用しない

3項

第一項の登録料は、実用新案権が国 又は第三十二条の二の規定 若しくは他の法令の規定による登録料の軽減 若しくは免除以下 この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、第一項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する登録料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。

4項

前項の規定により算定した登録料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

5項

第一項の登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。


ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。

1項

前条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料は、実用新案登録出願と同時に(第十条第一項 若しくは第二項の規定による出願の変更 又は第十一条第一項において準用する特許法第四十四条第一項の規定による出願の分割があつた場合にあつては、その出願の変更 又は出願の分割と同時に一時に納付しなければならない。

2項

前条第一項の規定による第四年以後の各年分の登録料は、前年以前に納付しなければならない。

3項

特許庁長官は、登録料を納付すべき者の請求により、三十日以内を限り、第一項に規定する期間を延長することができる。

4項

登録料を納付する者がその責めに帰することができない理由により前項の規定により延長された期間内にその登録料を納付することができないときは、第一項 及び前項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその登録料を納付することができる。

1項

特許庁長官は、第三十一条第一項の規定による第一年から第三年までの各年分の登録料を納付すべき者がその実用新案登録出願に係る考案の考案者 又はその相続人である場合において貧困により登録料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、登録料を軽減し若しくは免除し、又はその納付を猶予することができる。

1項

実用新案権者は、第三十二条第二項に規定する期間 又は前条の規定による納付の猶予後の期間内に登録料を納付することができないときは、その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる。

2項

前項の規定により登録料を追納する実用新案権者は、第三十一条第一項の規定により納付すべき登録料のほか、その登録料と同額の割増登録料を納付しなければならない。


ただし、当該実用新案権者がその責めに帰することができない理由により第三十二条第二項に規定する期間 又は前条の規定による納付の猶予後の期間内にその登録料を納付することができないときは、その割増登録料を納付することを要しない。

3項

前項の割増登録料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。


ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。

4項

実用新案権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に第三十一条第一項の規定による第四年以後の各年分の登録料 及び第二項の規定により納付すべき割増登録料を納付しないときは、その実用新案権は、第三十二条第二項に規定する期間の経過の時に遡つて消滅したものとみなす。

5項

実用新案権者が第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に前条の規定により納付が猶予された登録料 及び第二項の規定により納付すべき割増登録料を納付しないときは、その実用新案権は、初めから存在しなかつたものとみなす。

1項

前条第四項の規定により消滅したものとみなされた実用新案権 又は同条第五項の規定により初めから存在しなかつたものとみなされた実用新案権の原実用新案権者は、同条第一項の規定により登録料を追納することができる期間内に同条第四項 又は第五項に規定する登録料 及び割増登録料を納付することができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内でその期間の経過後一年以内に限り、その登録料 及び割増登録料を追納することができる。

2項

前項の規定による登録料 及び割増登録料の追納があつたときは、その実用新案権は、第三十二条第二項に規定する期間の経過の時にさかのぼつて存続していたもの又は初めから存在していたものとみなす。

1項

前条第二項の規定により実用新案権が回復したときは、その実用新案権の効力は、第三十三条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後実用新案権の回復の登録前に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。

2項

前条第二項の規定により回復した実用新案権の効力は、第三十三条第一項の規定により登録料を追納することができる期間の経過後実用新案権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。

一 号
当該考案の実施
二 号

当該登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等 若しくは輸入 又は譲渡等の申出をした行為

三 号

当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為

1項

既納の登録料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。

一 号
過誤納の登録料
二 号

実用新案登録出願を却下すべき旨の処分が確定した場合の登録料

三 号

実用新案登録を無効にすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の登録料

四 号

実用新案権の存続期間の満了の日の属する年翌年以後の各年分の登録料

2項

前項の規定による登録料の返還は、同項第一号の登録料については納付した日から一年同項第二号 又は第三号の登録料についてはそれぞれ処分 又は審決が確定した日から六月同項第四号の登録料については実用新案権の設定の登録があつた日から一年を経過した後は、請求することができない

3項

第一項の規定による登録料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

1項

特許法第百十条特許料を納付すべき者以外の者による特許料の納付)の規定は、登録料について準用する。

第五章 審判

1項

実用新案登録が次の各号いずれかに該当するときは、その実用新案登録を無効にすることについて実用新案登録無効審判を請求することができる。


この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる。

一 号

その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき。

二 号

その実用新案登録が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条第三条第三条の二第四条第七条第一項から第三項まで 若しくは第六項 又は第十一条第一項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされたとき(その実用新案登録が同項において準用する同法第三十八条の規定に違反してされた場合にあつては、第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く)。

三 号

その実用新案登録が条約に違反してされたとき。

四 号

その実用新案登録が第五条第四項 又は第六項第四号除く)に規定する要件を満たしていない実用新案登録出願に対してされたとき。

五 号

その実用新案登録がその考案について実用新案登録を受ける権利を有しない者の実用新案登録出願に対してされたとき(第十七条の二第一項の規定による請求に基づき、その実用新案登録に係る実用新案権の移転の登録があつたときを除く)。

六 号

実用新案登録がされた後において、その実用新案権者が第二条の五第三項において準用する特許法第二十五条の規定により実用新案権を享有することができない者になつたとき、又はその実用新案登録が条約に違反することとなつたとき。

七 号

その実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面の訂正が第十四条の二第二項から第四項までの規定に違反してされたとき。

2項

実用新案登録無効審判は、何人も請求することができる。


ただし、実用新案登録が前項第二号に該当すること(その実用新案登録が第十一条第一項において準用する特許法第三十八条の規定に違反してされたときに限る)又は前項第五号に該当することを理由とするものは、当該実用新案登録に係る考案について実用新案登録を受ける権利を有する者に限り請求することができる。

3項

実用新案登録無効審判は、実用新案権の消滅後においても、請求することができる。

4項

審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつたときは、その旨を当該実用新案権についての専用実施権者 その他 その実用新案登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。

1項

審判を請求する者は、次に掲げる事項を記載した請求書を特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

当事者 及び代理人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号
審判事件の表示
三 号
請求の趣旨 及び その理由
2項

前項第三号に掲げる請求の理由は、実用新案登録を無効にする根拠となる事実を具体的に特定し、かつ、立証を要する事実ごとに証拠との関係を記載したものでなければならない。

1項

前条第一項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。


ただし次項の規定による審判長の許可があつたときは、この限りでない。

2項

審判長は、前条第一項第三号に掲げる請求の理由の補正がその要旨を変更するものである場合において、当該補正が審理を不当に遅延させるおそれがないことが明らかなものであり、かつ、次の各号いずれかに該当する事由があると認めるときは、決定をもつて、当該補正を許可することができる。

一 号

第十四条の二第一項の訂正があり、その訂正により請求の理由を補正する必要が生じたこと。

二 号

前号に掲げるもののほか当該補正に係る請求の理由を審判請求時の請求書に記載しなかつたことにつき合理的な理由があり、被請求人が当該補正に同意したこと。

3項

前項の補正の許可は、その補正に係る手続補正書が次条第一項の規定による請求書の副本の送達の前に提出されたときは、これをすることができない

4項

第二項の決定 又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない

1項

審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。

2項

審判長は、前条第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。


ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りでない。

3項

審判長は、第一項 若しくは前項本文の答弁書を受理したとき、又は実用新案登録無効審判が特許庁に係属している場合において第十四条の二第一項 若しくは第七項の訂正があつたときは、その副本を請求人に送達しなければならない。

4項

審判長は、審判に関し、当事者 及び参加人を審尋することができる。

5項

審判長は、実用新案登録無効審判の請求があつた場合において、その請求後にその実用新案登録に基づいて特許法第四十六条の二第一項の規定による特許出願がされたときは、その旨を請求人 及び参加人に通知しなければならない。

1項

審判の請求は、審決が確定するまでは、取り下げることができる。

2項

審判の請求は、前条第一項の答弁書の提出があつた後は、相手方の承諾を得なければ、取り下げることができない

3項

審判の請求人が前条第五項の規定による通知を受けたときは、前項の規定にかかわらず、その通知を受けた日から三十日以内に限り、その審判の請求を取り下げることができる。

4項

特許法第四条の規定は、前項に規定する期間に準用する。


この場合において、

同条中
特許庁長官」とあるのは、
「審判」と

読み替えるものとする。

5項

審判の請求人がその責めに帰することができない理由により第三項に規定する期間内にその請求を取り下げることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその請求を取り下げることができる。

6項

二以上の請求項に係る実用新案登録の二以上の請求項について実用新案登録無効審判を請求したときは、その請求は、請求項ごとに取り下げることができる。

1項

審判において必要があると認めるときは、他の審判の審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる

2項

訴えの提起 又は仮差押命令 若しくは仮処分命令の申立てがあつた場合において、必要があると認めるときは、裁判所は、審決が確定するまでその訴訟手続を中止することができる

3項

裁判所は、実用新案権 又は専用実施権の侵害に関する訴えの提起があつたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。


その訴訟手続が完結したときも、また同様とする。

4項

特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、その実用新案権についての審判の請求の有無を裁判所に通知するものとする。


その審判の請求書の却下の決定、審決 又は請求の取下げがあつたときも、また同様とする。

5項

裁判所は、前項の規定によりその実用新案権についての審判の請求があつた旨の通知を受けた場合において、当該訴訟において第三十条において準用する特許法第百四条の三第一項の規定による攻撃 又は防御の方法を記載した書面がその通知前に既に提出され、又はその通知後に最初に提出されたときは、その旨を特許庁長官に通知するものとする。

6項

特許庁長官は、前項に規定する通知を受けたときは、裁判所に対し、当該訴訟の訴訟記録のうちその審判において審判官が必要と認める書面の写しの送付を求めることができる。

1項

特許法

  • 第百二十五条
  • 第百三十二条から第百三十三条の二まで
  • 第百三十五条から第百五十四条まで
  • 第百五十六条第一項第三項 及び第四項
  • 第百五十七条
  • 第百六十七条
  • 第百六十七条の二
  • 第百六十九条第一項第二項第五項 及び第六項

並びに第百七十条の規定は、審判に準用する。


この場合において、

同法第百五十六条第一項
特許無効審判以外の審判においては、事件が」とあるのは、
事件が」と

読み替えるものとする。

第六章 再審及び訴訟

1項

確定審決に対しては、当事者 又は参加人は、再審を請求することができる。

2項

民事訴訟法平成八年法律第百九号第三百三十八条第一項 及び第二項 並びに第三百三十九条再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。

1項

審判の請求人 及び被請求人が共謀して第三者の権利 又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。

2項

前項の再審は、その請求人 及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。

1項

無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において製造し、若しくは取得した当該登録実用新案に係る物品には、及ばない。

2項

無効にした実用新案登録に係る実用新案権が再審により回復したときは、実用新案権の効力は、当該審決が確定した後再審の請求の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。

一 号
当該考案の善意の実施
二 号

善意に、当該登録実用新案に係る物品の製造に用いる物の生産、譲渡等 若しくは輸入 又は譲渡等の申出をした行為

三 号

善意に、当該登録実用新案に係る物品を譲渡、貸渡し又は輸出のために所持した行為

1項

特許法

  • 第百七十三条再審の請求期間)、
  • 第百七十四条第三項 及び第五項審判の規定等の準用

並びに第百七十六条再審の請求登録前の実施による通常実施権)の規定は、再審に準用する。


この場合において、

同法第百七十四条第三項
第百三十一条第一項、第百三十一条の二第一項本文」とあるのは
実用新案法第三十八条第一項同法第三十八条の二第一項本文」と、

第百三十四条第一項、第三項 及び第四項」とあるのは
同法第三十九条第一項第三項 及び第四項」と、

から第百六十八条まで」とあるのは
「、第百六十七条の二同法第四十条」と

読み替えるものとする。

2項

特許法第四条の規定は、前項において準用する同法第百七十三条第一項に規定する期間に準用する。

1項

審決に対する訴え 及び審判 又は再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。

2項

特許法第百七十八条第二項から第六項まで出訴期間等)及び第百七十九条から第百八十二条の二まで被告適格、出訴の通知等、審決取消訴訟における特許庁長官の意見、審決 又は決定の取消し、裁判の正本等の送付 及び合議体の構成)の規定は、前項の訴えに準用する。

1項

第二十一条第二項第二十二条第三項 若しくは第四項 又は第二十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる

2項

特許法第百八十三条第二項出訴期間)及び第百八十四条被告適格)の規定は、前項の訴えに準用する。

第七章 特許協力条約に基づく国際出願に係る特例

1項

千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下この章において「条約」という。)第十一条()若しくは()()又は第十四条()の規定に基づく国際出願日が認められた国際出願であつて、条約第四条()(ii)の指定国に日本国を含むもの(実用新案登録出願に係るものに限る)は、その国際出願日にされた実用新案登録出願とみなす。

2項

特許法第百八十四条の三第二項国際出願による特許出願)の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願(以下「国際実用新案登録出願」という。)に準用する。

1項

外国語でされた国際実用新案登録出願(以下「外国語実用新案登録出願」という。)の出願人は、条約第二条(xi)の優先日(以下「優先日」という。)から二年六月以下「国内書面提出期間」という。以内に、前条第一項に規定する国際出願日(以下「国際出願日」という。)における条約第三条()に規定する明細書、請求の範囲、図面(図面の中の説明に限る。以下この条において同じ。)及び要約の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。


ただし、国内書面提出期間の満了前二月から満了の日までの間に次条第一項に規定する書面を提出した外国語実用新案登録出願(当該書面の提出の日以前に当該翻訳文を提出したものを除く)にあつては、当該書面の提出の日から二月以下「翻訳文提出特例期間」という。以内に、当該翻訳文を提出することができる。

2項

前項の場合において、外国語実用新案登録出願の出願人が条約第十九条()の規定に基づく補正をしたときは、同項に規定する請求の範囲の翻訳文に代えて、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を提出することができる。

3項

国内書面提出期間(第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間。以下この条において同じ。)内に第一項に規定する明細書の翻訳文 及び前二項に規定する請求の範囲の翻訳文(以下「明細書等翻訳文」という。)の提出がなかつたときは、その国際実用新案登録出願は、取り下げられたものとみなす。

4項

前項の規定により取り下げられたものとみなされた国際実用新案登録出願の出願人は、国内書面提出期間内に当該明細書等翻訳文を提出することができなかつたことについて正当な理由があるときは、その理由がなくなつた日から二月以内で国内書面提出期間の経過後一年以内に限り、明細書等翻訳文 並びに第一項に規定する図面 及び要約の翻訳文を特許庁長官に提出することができる。

5項

前項の規定により提出された翻訳文は、国内書面提出期間が満了する時に特許庁長官に提出されたものとみなす。

6項

第一項に規定する請求の範囲の翻訳文を提出した出願人は、条約第十九条()の規定に基づく補正をしたときは、国内書面提出期間が満了する時(国内書面提出期間内に出願人が条約第二十三条()又は第四十条()の規定による請求(以下「国内処理の請求」という。)をするときは、その国内処理の請求の時。以下「国内処理基準時」という。)の属する日までに限り、当該補正後の請求の範囲の日本語による翻訳文を更に提出することができる。

7項

特許法第百八十四条の七第三項本文の規定は、第二項 又は前項に規定する翻訳文が提出されなかつた場合に準用する。

1項

国際実用新案登録出願の出願人は、国内書面提出期間内に、次に掲げる事項を記載した書面を特許庁長官に提出しなければならない。

一 号

出願人の氏名 又は名称 及び住所 又は居所

二 号

考案者の氏名 及び住所 又は居所

三 号

国際出願番号 その他の経済産業省令で定める事項

2項

特許庁長官は、次に掲げる場合は、相当の期間を指定して、手続の補正をすべきことを命ずることができる。

一 号

前項の規定により提出すべき書面を、国内書面提出期間内に提出しないとき。

二 号

前項の規定による手続が第二条の五第二項において準用する特許法第七条第一項から第三項まで 又は第九条の規定に違反しているとき。

三 号

前項の規定による手続が経済産業省令で定める方式に違反しているとき。

四 号

前条第一項の規定により提出すべき要約の翻訳文を、国内書面提出期間(前条第一項ただし書の外国語実用新案登録出願にあつては、翻訳文提出特例期間)内に提出しないとき。

五 号

第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料を国内書面提出期間内に納付しないとき。

六 号

第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を国内書面提出期間内に納付しないとき。

3項

特許法第百八十四条の五第三項の規定は、前項の規定による命令に基づく補正に準用する。

4項

国際実用新案登録出願の出願人は、日本語でされた国際実用新案登録出願(以下「日本語実用新案登録出願」という。)にあつては第一項、外国語実用新案登録出願にあつては同項 及び前条第一項の規定による手続をし、かつ、第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料 及び第五十四条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後でなければ、国内処理の請求をすることができない

1項

国際実用新案登録出願に係る国際出願日における願書は、第五条第一項の規定により提出した願書とみなす。

2項
  • 日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書 及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における明細書の翻訳文第五条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書と、
  • 日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲 及び外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における請求の範囲の翻訳文同項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲と、
  • 日本語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面 並びに外国語実用新案登録出願に係る国際出願日における図面図面の中の説明を除く)及び図面の中の説明の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した図面と、

日本語実用新案登録出願に係る要約 及び外国語実用新案登録出願に係る要約の翻訳文は同項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。

3項

第四十八条の四第二項 又は第六項の規定により条約第十九条()の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合は、前項の規定にかかわらず、当該補正後の請求の範囲の翻訳文を第五条第二項の規定により願書に添付して提出した実用新案登録請求の範囲とみなす。

1項

国際実用新案登録出願の出願人は、国際出願が国際出願日において図面を含んでいないものであるときは、国内処理基準時の属する日までに、図面を特許庁長官に提出しなければならない。

2項

特許庁長官は、国内処理基準時の属する日までに前項の規定による図面の提出がないときは、国際実用新案登録出願の出願人に対し、相当の期間を指定して、図面の提出をすべきことを命ずることができる。

3項

特許庁長官は、前項の規定によ 図面の提出をすべきことを命じた者が同項の規定により指定した期間内にその提出をしないときは、当該国際実用新案登録出願を却下することができる。

4項

第一項の規定により又は第二項の規定による命令に基づいてされた図面の提出(図面に添えて当該図面の簡単な説明を提出したときは、当該図面 及び当該説明の提出)は、第二条の二第一項の規定による手続の補正とみなす。


この場合において、同項ただし書の規定は、適用しない

1項

第四十八条の十五第一項において準用する特許法第百八十四条の七第二項 及び第百八十四条の八第二項の規定により第二条の二第一項の規定によるものとみなされた補正については、同項ただし書の規定は、適用しない

2項

国際実用新案登録出願についてする条約第二十八条()又は第四十一条()の規定に基づく補正については、第二条の二第一項ただし書の規定は、適用しない

3項

外国語実用新案登録出願に係る明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面について補正ができる範囲については、

第二条の二第二項中 「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは、「第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

4項

特許法第百八十四条の十二第一項の規定は、国際実用新案登録出願についてする第二条の二第一項本文 又は条約第二十八条()若しくは第四十一条()の規定に基づく補正に準用する。


この場合において、

同法第百八十四条の十二第一項
第百九十五条第二項」とあるのは
実用新案法第三十二条第一項の規定により納付すべき登録料 及び同法第五十四条第二項」と、

納付した後であつて国内処理基準時を経過した後」とあるのは
「納付した後」と

読み替えるものとする。

1項

第三条の二に規定する他の実用新案登録出願 又は特許出願が国際実用新案登録出願 又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第三条の二の規定の適用については、

同条中 「他の実用新案登録出願 又は特許出願であつて」とあるのは「他の実用新案登録出願 又は特許出願(第四十八条の四第三項 又は特許法第百八十四条の四第三項の規定により取り下げられたものとみなされた第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願 又は同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願を除く)であつて」と、

発行 又は」とあるのは「発行、」と、

若しくは出願公開」とあるのは「若しくは出願公開 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、

願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは「第四十八条の四第一項 又は同法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

1項

国際実用新案登録出願については、第八条第一項ただし書 及び第四項 並びに第九条第二項の規定は、適用しない

2項

日本語実用新案登録出願についての第八条第三項の規定の適用については、

同項中 「実用新案掲載公報の発行が」とあるのは、「実用新案掲載公報の発行 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と

する。

3項

外国語実用新案登録出願についての第八条第三項の規定の適用については、

同項中 「実用新案登録出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは「第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

実用新案掲載公報の発行が」とあるのは「実用新案掲載公報の発行 又は千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開が」と

する。

4項

第八条第一項の先の出願が国際実用新案登録出願 又は特許法第百八十四条の三第二項の国際特許出願である場合における第八条第一項から第三項まで 及び第九条第一項の規定の適用については、

第八条第一項 及び第二項中 「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは「第四十八条の四第一項 又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

同条第三項中 「先の出願の願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 若しくは特許請求の範囲 又は図面」とあるのは「先の出願の第四十八条の四第一項 又は特許法第百八十四条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と、

出願公開」とあるのは「千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約第二十一条に規定する国際公開」と、

第九条第一項中 「その出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時」とあるのは「第四十八条の四第六項 若しくは特許法第百八十四条の四第六項の国内処理基準時 又は第四十八条の四第一項 若しくは同法第百八十四条の四第一項の国際出願日から経済産業省令で定める期間を経過した時のいずれか遅い時」と

する。

1項

特許法第百八十四条の三第一項 又は第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願の実用新案登録出願への変更については、同法第百八十四条の六第二項日本語特許出願にあつては同法第百八十四条の五第一項同法第百八十四条の四第一項の外国語特許出願にあつては同項 又は同条第四項 及び同法第百八十四条の五第一項の規定による手続をし、かつ、同法第百九十五条第二項の規定により納付すべき手数料を納付した後(同法第百八十四条の二十第四項の規定により特許出願とみなされた国際出願については、同項に規定する決定の後)でなければすることができない

1項

国際実用新案登録出願の第一年から第三年までの各年分の登録料の納付については、

第三十二条第一項中 「実用新案登録出願と同時」とあるのは、「第四十八条の四第一項に規定する国内書面提出期間内(同条第六項に規定する国内処理の請求をした場合にあつては、その国内処理の請求の時まで)」と

する。

1項

国際実用新案登録出願に係る実用新案技術評価の請求については、

第十二条第一項中 「何人も」とあるのは、「第四十八条の四第六項に規定する国内処理基準時を経過した後、何人も」と

する。

1項

外国語実用新案登録出願に係る第十四条の二第一項の規定による訂正については、

同条第三項中 「願書に最初に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面」とあるのは、「第四十八条の四第一項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面」と

する。

1項

外国語実用新案登録出願に係る実用新案登録無効審判については、

第三十七条第一項第一号中 「その実用新案登録が第二条の二第二項に規定する要件を満たしていない補正をした実用新案登録出願に対してされたとき」とあるのは、「第四十八条の四第一項の外国語実用新案登録出願に係る実用新案登録の願書に添付した明細書、実用新案登録請求の範囲 又は図面に記載した事項が同項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲 又は図面に記載した事項の範囲内にないとき」と

する。

1項

特許法第百八十四条の七日本語特許出願に係るt条約第十九条に基づく補正)及び第百八十四条の八第一項から第三項まで条約第三十四条に基づく補正)の規定は、国際実用新案登録出願の条約に基づく補正に準用する。


この場合において、

同法第百八十四条の七第二項 及び第百八十四条の八第二項
第十七条の二第一項」とあるのは、
実用新案法第二条の二第一項」と

読み替えるものとする。

2項

特許法第百八十四条の十一在外者の特許管理人の特例)の規定は、国際実用新案登録出願に関する手続に準用する。

3項

特許法第百八十四条の九第六項 及び第百八十四条の十四の規定は、国際実用新案登録出願に準用する。

1項

条約第二条(vii)の国際出願の出願人は、条約第四条()(ii)の指定国に日本国を含む国際出願(実用新案登録出願に係るものに限る)につき条約第二条(xv)の受理官庁により条約第二十五条()()に規定する拒否 若しくは同条()()若しくは()に規定する宣言がされ、又は条約第二条(xix)の国際事務局により条約第二十五条()()に規定する認定がされたときは、経済産業省令で定める期間内に、経済産業省令で定めるところにより、特許庁長官に同条()()に規定する決定をすべき旨の申出をすることができる

2項

外国語でされた国際出願につき前項の申出をする者は、申出に際し、

  • 明細書、
  • 請求の範囲、
  • 図面(図面の中の説明に限る)、
  • 要約

その他の経済産業省令で定める国際出願に関する書類の日本語による翻訳文を特許庁長官に提出しなければならない。

3項

特許庁長官は、第一項の申出があつたときは、その申出に係る拒否、宣言 又は認定が条約 及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当であるか否かの決定をしなければならない。

4項

前項の規定により特許庁長官が同項の拒否、宣言 又は認定が条約 及び特許協力条約に基づく規則の規定に照らして正当でない旨の決定をしたときは、その決定に係る国際出願は、その国際出願につきその拒否、宣言 又は認定がなかつたものとした場合において国際出願日となつたものと認められる日にされた実用新案登録出願とみなす。

5項
  • 第四十八条の六第一項 及び第二項
  • 第四十八条の七
  • 第四十八条の八第三項
  • 第四十八条の九
  • 第四十八条の十第一項
    第三項 及び第四項
  • 第四十八条の十二から第四十八条の十四まで

並びに特許法

  • 第百八十四条の三第二項
  • 第百八十四条の九第六項
  • 第百八十四条の十二第一項

及び第百八十四条の十四の規定は、前項の規定により実用新案登録出願とみなされた国際出願に準用する。


この場合において、これらの規定の準用に関し必要な技術的読替えは、政令で定める。

第八章 雑則

1項

次に掲げる事項は、特許庁に備える実用新案原簿に登録する。

一 号

実用新案権の設定、移転、信託による変更、消滅、回復 又は処分の制限

二 号

専用実施権の設定、保存、移転、変更、消滅 又は処分の制限

三 号

実用新案権 又は専用実施権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅 又は処分の制限

2項

実用新案原簿は、その全部 又は一部を磁気テープ(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録して置くことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。

3項

この法律に規定するもののほか、登録に関して必要な事項は、政令で定める。

1項

特許庁長官は、実用新案権の設定の登録、第十四条の二第一項の訂正 又は第十七条の二第一項の規定による請求に基づく実用新案権の移転の登録があつたときは、実用新案権者に対し、実用新案登録証を交付する。

2項

実用新案登録証の再交付については、経済産業省令で定める。

1項

二以上の請求項に係る実用新案登録 又は実用新案権についての第十二条第二項第十四条の二第八項第二十六条において準用する特許法第九十七条第一項 若しくは第九十八条第一項第一号第三十四条第一項第三号第三十七条第三項第四十一条において準用する同法第百二十五条第四十一条において、若しくは第四十五条第一項において準用する同法第百七十四条第三項において、それぞれ準用する同法第百三十二条第一項第四十四条第四十五条第一項において準用する同法第百七十六条第四十九条第一項第一号 又は第五十三条第二項において準用する同法第百九十三条第二項第五号の規定の適用については、請求項ごとに実用新案登録がされ、又は実用新案権があるものとみなす。

1項

実用新案権者、専用実施権者 又は通常実施権者は、経済産業省令で定めるところにより、登録実用新案に係る物品 又はその物品の包装にその物品が登録実用新案に係る旨の表示(以下「実用新案登録表示」という。)を附するように努めなければならない。

1項

何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

一 号

登録実用新案に係る物品以外の物品 又はその物品の包装に実用新案登録表示 又はこれと紛らわしい表示を附する行為

二 号

登録実用新案に係る物品以外の物品であつて、その物品 又はその物品の包装に実用新案登録表示 又はこれと紛らわしい表示を附したものを譲渡し、貸し渡し、又は譲渡 若しくは貸渡のために展示する行為

三 号

登録実用新案に係る物品以外の物品を製造させ 若しくは使用させるため、又は譲渡し若しくは貸し渡すため、広告にその物品が登録実用新案に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

1項

特許庁は、実用新案公報を発行する。

2項

特許法第百九十三条第二項第五号から第七号まで第九号 及び第十号に係る部分に限る)の規定は、実用新案公報に準用する。

1項

次に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

一 号

第二条の五第一項において準用する特許法第五条第一項の規定、第三十二条第三項の規定 若しくは第十四条の二第五項第三十九条の二第四項第四十五条第二項 若しくは次条第五項において準用する同法第四条の規定による期間の延長 又は第二条の五第一項において準用する同法第五条第二項の規定による期日の変更を請求する者

二 号

第十一条第二項において準用する特許法第三十四条第四項の規定により承継の届出をする者

三 号

実用新案登録証の再交付を請求する者

四 号

第五十五条第一項において準用する特許法第百八十六条第一項の規定により証明を請求する者

五 号

第五十五条第一項において準用する特許法第百八十六条第一項の規定により書類の謄本 又は抄本の交付を請求する者

六 号

第五十五条第一項において準用する特許法第百八十六条第一項の規定により書類の閲覧 又は謄写を請求する者

七 号

第五十五条第一項において準用する特許法第百八十六条第一項の規定により実用新案原簿のうち磁気テープをもつて調製した部分に記録されている事項を記載した書類の交付を請求する者

2項

別表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に掲げる金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

3項

前二項の規定は、これらの規定により手数料を納付すべき者が国であるときは、適用しない

4項

実用新案権 又は実用新案登録を受ける権利が国と国以外の者との共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、国と国以外の者が自己の実用新案権 又は実用新案登録を受ける権利について第一項 又は第二項の規定により納付すべき手数料(実用新案技術評価の請求の手数料以外の政令で定める手数料に限る)は、これらの規定にかかわらず、これらの規定に規定する手数料の金額に国以外の者の持分の割合を乗じて得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。

5項

実用新案権 又は実用新案登録を受ける権利が国 又は第八項の規定 若しくは他の法令の規定による実用新案技術評価の請求の手数料の軽減 若しくは免除以下 この項において「減免」という。)を受ける者を含む者の共有に係る場合であつて持分の定めがあるときは、これらの者が自己の実用新案権 又は実用新案登録を受ける権利について第二項の規定により納付すべき実用新案技術評価の請求の手数料は、同項の規定にかかわらず、国以外の各共有者ごとに同項に規定する実用新案技術評価の請求の手数料の金額(減免を受ける者にあつては、その減免後の金額)にその持分の割合を乗じて得た額を合算して得た額とし、国以外の者がその額を納付しなければならない。

6項

前二項の規定により算定した手数料の金額に十円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。

7項

第一項 及び第二項の手数料の納付は、経済産業省令で定めるところにより、特許印紙をもつてしなければならない。


ただし、経済産業省令で定める場合には、経済産業省令で定めるところにより、現金をもつて納めることができる。

8項

特許庁長官は、自己の実用新案登録出願に係る考案 又は登録実用新案について実用新案技術評価の請求をする者がその実用新案登録出願に係る考案 若しくは登録実用新案の考案者 又はその相続人である場合において、貧困により第二項の規定により納付すべき実用新案技術評価の請求の手数料を納付する資力がないと認めるときは、政令で定めるところにより、その手数料を軽減し、又は免除することができる。

1項

実用新案技術評価の請求があつた後に第十二条第七項の規定によりその請求がされなかつたものとみなされたときは、その請求人が前条第二項の規定により納付した実用新案技術評価の請求の手数料は、その者に返還する。

2項

第三十九条の二第三項 又は第五項に規定する期間(同条第三項に規定する期間が同条第四項において準用する特許法第四条の規定により延長されたときは、その延長後の期間)内に実用新案登録無効審判の請求が取り下げられたときは、その請求人が前条第二項の規定により納付した審判の請求の手数料は、その者の請求により返還する。

3項

前項の規定による手数料の返還は、実用新案登録無効審判の請求が取り下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない

4項

実用新案登録無効審判の参加人が第三十九条第五項の規定による通知を受けた日から三十日以内にその参加の申請を取り下げたときは、その参加人が前条第二項の規定により納付した参加の申請の手数料は、その者の請求により返還する。

5項

特許法第四条の規定は、前項に規定する期間に準用する。


この場合において、

同条
特許庁長官」とあるのは、
「審判長」と

読み替えるものとする。

6項

実用新案登録無効審判の参加人がその責めに帰することができない理由により第四項に規定する期間内にその参加の申請を取り下げることができない場合において、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でその期間の経過後六月以内にその申請を取り下げたときは、同項の規定にかかわらず、その参加人が前条第二項の規定により納付した参加の申請の手数料は、その者の請求により返還する。

7項

第四項 及び前項の規定による手数料の返還は、参加の申請が取り下げられた日から六月を経過した後は、請求することができない

8項

実用新案登録無効審判の参加人がその参加の申請を取り下げていない場合において、第四項 又は第六項に規定する期間(第四項に規定する期間が第五項において準用する特許法第四条の規定により延長されたときは、
その延長後の期間
)内に実用新案登録無効審判の請求が取り下げられたときは、その参加人が前条第二項の規定により納付した参加の申請の手数料は、その者の請求により返還する。


ただし第四十一条において準用する同法第百四十八条第二項の規定により審判手続を続行したときは、この限りでない。

9項

前項の規定による手数料の返還は、実用新案登録無効審判の請求が取り下げられた日から一年を経過した後は、請求することができない

10項

過誤納の手数料は、納付した者の請求により返還する。

11項

前項の規定による手数料の返還は、納付した日から一年を経過した後は、請求することができない

12項

第二項第四項 若しくは第六項第八項 又は第十項の規定による手数料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により、第三項第七項第九項 又は前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、これらの規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日在外者にあつては、二月以内でこれらの規定に規定する期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。

1項

特許法第百八十六条(証明等の請求)の規定は、実用新案登録に準用する。

2項

特許法第百八十九条から第百九十二条まで送達)の規定は、この法律の規定による送達に準用する。

3項

特許法第百九十四条の規定は、手続に準用する。


この場合において、

同条第二項
審査」とあるのは、
実用新案法第十二条第一項に規定する実用新案技術評価」と

読み替えるものとする。

4項

特許法第百九十五条の三の規定は、この法律 又はこの法律に基づく命令の規定による処分に準用する。

5項

特許法第百九十五条の四行政不服審査法の規定による審査請求の制限)の規定は、この法律の規定による審決 及び審判 若しくは再審の請求書の却下の決定 並びにこの法律の規定により不服を申し立てることができないこととされている処分 又はこれらの不作為に準用する。

第九章 罰則

1項

実用新案権 又は専用実施権を侵害した者は、五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

1項

詐欺の行為により実用新案登録 又は審決を受けた者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

1項

第五十二条の規定に違反した者は、一年以下の懲役 又は百万円以下の罰金に処する。

1項

この法律の規定により宣誓した証人、鑑定人 又は通訳人が特許庁 又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述、鑑定 又は通訳をしたときは、三月以上 十年以下の懲役に処する。

2項

前項の罪を犯した者が事件の判定の謄本が送達され、又は審決が確定する前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。

1項

特許庁の職員 又はその職にあつた者がその職務に関して知得した実用新案登録出願中の考案に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役 又は五十万円以下の罰金に処する。

1項

第三十条において準用する特許法第百五条の四第一項の規定による命令に違反した者は、五年以下の懲役 若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2項

前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない

3項

第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。

1項

法人の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、その法人 又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号で定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。

一 号

第五十六条 又は前条第一項

三億円以下の罰金刑

二 号

第五十七条 又は第五十八条

三千万円以下の罰金刑

2項

前項の場合において、当該行為者に対してした前条第二項の告訴は、その法人 又は人に対しても効力を生じ、その法人 又は人に対してした告訴は、当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。

3項

第一項の規定により第五十六条 又は前条第一項の違反行為につき法人 又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、これらの規定の罪についての時効の期間による。

1項

第二十六条において準用する特許法第七十一条第三項において、第四十一条において、又は第四十五条第一項において準用する同法第百七十四条第三項において、それぞれ準用する同法第百五十一条において準用する民事訴訟法第二百七条第一項の規定により宣誓した者が特許庁 又はその嘱託を受けた裁判所に対し虚偽の陳述をしたときは、十万円以下の過料に処する。

1項

この法律の規定により特許庁 又はその嘱託を受けた裁判所から呼出しを受けた者が、正当な理由がないのに出頭せず、又は宣誓、陳述、証言、鑑定 若しくは通訳を拒んだときは、十万円以下の過料に処する。

1項

証拠調 又は証拠保全に関し、この法律の規定により特許庁 又はその嘱託を受けた裁判所から書類 その他の物件の提出 又は提示を命じられた者が正当な理由がないのにその命令に従わなかつたときは、十万円以下の過料に処する。