厚生労働大臣は、新感染症が発生したと認めたときは、速やかに、その旨 及び発生した地域を公表するとともに、当該新感染症について、第十六条第一項の規定による情報の公表を行うほか、病原体の検査方法、症状、診断 及び治療 並びに感染の防止の方法、この法律の規定により実施する措置 その他の当該新感染症の発生の予防 又はそのまん延の防止に必要な情報を新聞、放送、インターネット その他適切な方法により逐次公表しなければならない。
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
第八章 新感染症
前項の規定による情報の公表を行うに当たっては、個人情報の保護に留意しなければならない。
都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、第十五条第三項第三号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。
ただし、都道府県知事がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された新感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。
厚生労働大臣は、新感染症のまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、第十五条第三項第三号に掲げる者に対し同号に定める検体を提出し、若しくは当該職員による当該検体の採取に応じるべきことを勧告し、又はその保護者に対し当該検体を提出し、若しくは同号に掲げる者に当該職員による当該検体の採取に応じさせるべきことを勧告することができる。
ただし、厚生労働大臣がその行おうとする勧告に係る当該検体(その行おうとする勧告に係る当該検体から分離された新感染症の病原体を含む。以下この項において同じ。)を所持している者からその行おうとする勧告に係る当該検体を入手することができると認められる場合においては、この限りでない。
都道府県知事は、第一項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第三号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
厚生労働大臣は、第二項の規定による勧告を受けた者が当 該勧告に従わないときは、当該職員に当該勧告に係る第十五条第三項第三号に掲げる者から検査のため必要な最小限度において、同号に定める検体を採取させることができる。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体 又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体について検査を実施しなければならない。
都道府県知事は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の検査の結果 その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に報告しなければならない。
厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第一項の規定により提出を受け、若しくは当該職員が採取した検体 又は第三項の規定により当該職員に採取させた検体の一部の提出を求めることができる。
都道府県知事は、第一項の規定により検体の提出 若しくは採取の勧告をし、第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させ、又は第五項の規定により検体の検査を実施するため特に必要があると認めるときは、他の都道府県知事 又は厚生労働大臣に対し、感染症試験研究等機関の職員の派遣 その他の必要な協力を求めることができる。
第十六条の三第五項 及び第六項の規定は、都道府県知事が第一項の規定により検体の提出 若しくは採取の勧告をし、又は第三項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。
第十六条の三第五項 及び第六項の規定は、厚生労働大臣が第二項の規定により検体の提出 若しくは採取の勧告をし、又は第四項の規定により当該職員に検体の採取の措置を実施させる場合について準用する。
都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し当該新感染症にかかっているかどうかに関する医師の健康診断を受け、又はその保護者に対し当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に健康診断を受けさせるべきことを勧告することができる。
都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、当該勧告に係る新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者について、当該職員に健康診断を行わせることができる。
第十六条の三第五項 及び第六項の規定は、都道府県知事が第一項に規定する健康診断の勧告又は前項に規定する健康診断の措置を実施する場合について準用する。
都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、新感染症の所見がある者(新感染症(病状の程度を勘案して厚生労働省令で定めるものに限る。)の所見がある者にあっては、当該新感染症の病状 又は当該新感染症にかかった場合の病状の程度が重篤化するおそれを勘案して厚生労働省令で定める者 及び当該者以外の者であって第五十条の二第二項の規定による協力の求めに応じないものに限る。)に対し十日以内の期間を定めて特定感染症指定医療機関 若しくは第一種協定指定医療機関に入院し、又はその保護者に対し当該新感染症の所見がある者をこれらの医療機関に入院させるべきことを勧告することができる。
ただし、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、特定感染症指定医療機関 及び第一種協定指定医療機関以外の病院 又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院し、又は当該新感染症の所見がある者を入院させるべきことを勧告することができる。
都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わないときは、十日以内の期間を定めて、当該勧告に係る新感染症の所見がある者を特定感染症指定医療機関 又は第一種協定指定医療機関(同項ただし書の規定による勧告に従わないときは、特定感染症指定医療機関 及び第一種協定指定医療機関以外の病院 又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるもの)に入院させることができる。
都道府県知事は、緊急 その他やむを得ない理由があるときは、前二項の規定により入院している新感染症の所見がある者を、前二項の規定により入院したときから起算して十日以内の期間を定めて、当該新感染症の所見がある者が入院している病院 又は診療所以外の病院 又は診療所であって当該都道府県知事が適当と認めるものに入院させることができる。
都道府県知事は、前三項の規定に係る入院の期間の経過後、当該入院に係る新感染症の所見がある者について入院を継続する必要があると認めるときは、十日以内の期間を定めて入院の期間を延長することができる。
当該延長に係る入院の期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
都道府県知事は、第一項の規定による勧告をしようとする場合には、当該新感染症の所見がある者 又はその保護者に、適切な説明を行い、その理解を得るよう努めるとともに、都道府県知事が指定する職員に対して意見を述べる機会を与えなければならない。
この場合においては、当該新感染症の所見がある者 又はその保護者に対し、あらかじめ、意見を述べるべき日時、場所 及びその勧告の原因となる事実を通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた当該新感染症の所見がある者 又はその保護者は、代理人を出頭させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
第五項の規定による意見を聴取した者は、聴取書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
都道府県知事は、前条の規定により入院する新感染症の所見がある者を当該入院に係る病院に移送しなければならない。
都道府県知事は、第四十六条の規定により入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないことが確認されたときは、当該入院している者を退院させなければならない。
病院の管理者は、都道府県知事に対し、第四十六条の規定により入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがない旨の意見を述べることができる。
第四十六条の規定により入院している者 又はその保護者は、都道府県知事に対し、当該入院している者の退院を求めることができる。
都道府県知事は、前項の規定による退院の求めがあったときは、当該入院している者について、当該入院に係る新感染症を公衆にまん延させるおそれがないかどうかの確認をしなければならない。
第四十四条の十一から第四十七条までの規定により実施される措置は、新感染症を公衆にまん延させるおそれ、新感染症にかかった場合の病状の程度 その他の事情に照らして、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
第十六条の三第五項 及び第六項の規定は、都道府県知事が第四十六条第一項に規定する入院の勧告、同条第二項 及び第三項に規定する入院の措置 並びに同条第四項に規定する入院の期間の延長をする場合について準用する。
第二十四条の二の規定は、第四十六条の規定により入院している新感染症の所見がある者について準用する。
都道府県知事は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第二十六条の三第一項 及び第三項、第二十六条の四第一項 及び第三項、第二十七条から第三十三条まで 並びに第三十五条第一項に規定する措置の全部 又は一部を実施し、又は当該職員に実施させることができる。
第二十六条の三第五項から第八項までの規定は、前項の規定により都道府県知事が同条第一項 又は第三項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
第二十六条の四第五項から第八項までの規定は、第一項の規定により都道府県知事が同条第一項 又は第三項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
第三十五条第二項 及び第三項の規定は、第一項の規定により都道府県知事が当該職員に同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
第三十六条第一項 及び第二項の規定は、第一項の規定により都道府県知事が第二十六条の三第一項 若しくは第三項、第二十六条の四第一項 若しくは第三項、第二十七条第一項 若しくは第二項、第二十八条第一項 若しくは第二項、第二十九条第一項 若しくは第二項、第三十条第一項 又は第三十一条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
第三十六条第四項の規定は、第一項の規定により都道府県知事が第三十二条 又は第三十三条に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
厚生労働大臣は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第二十六条の三第二項 及び第四項、第二十六条の四第二項 及び第四項 並びに第三十五条第四項において準用する同条第一項に規定する措置の全部 又は一部を実施し、又は当該職員に実施させることができる。
第三十五条第四項において準用する同条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定により当該職員に同条第四項において準用する同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
第三十六条第三項において準用する同条第一項 及び第二項の規定は、第七項の規定により厚生労働大臣が第二十六条の三第二項 若しくは第四項又は第二十六条の四第二項 若しくは第四項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させる場合について準用する。
市町村長は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該新感染症を一類感染症とみなして、第三十五条第五項において準用する同条第一項に規定する措置を当該職員に実施させることができる。
第三十五条第五項において準用する同条第二項 及び第三項の規定は、前項の規定により当該職員に同条第五項において準用する同条第一項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
第三十六条第五項において準用する同条第一項 及び第二項の規定は、第一項の規定により実施される第二十七条第二項、第二十八条第二項 又は第二十九条第二項の規定による都道府県知事の指示に従い、市町村長が当該職員に第二十七条第二項、第二十八条第二項 又は第二十九条第二項に規定する措置を実施させる場合について準用する。
第一項、第七項 又は第十項の規定により実施される措置は、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要な最小限度のものでなければならない。
都道府県知事は、新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該新感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者に対し、当該新感染症の潜伏期間と想定される期間を考慮して定めた期間内において、当該者の体温 その他の健康状態について報告を求め、又は当該者の居宅 若しくはこれに相当する場所から外出しないこと その他の当該新感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
都道府県知事は、新感染症(病状の程度を勘案して厚生労働省令で定めるものに限る。次条第一項において同じ。)のまん延を防止するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該新感染症の所見のある者に対し、当該新感染症を公衆にまん延させるおそれがないことが確認されるまでの間、当該者の体温 その他の健康状態について報告を求め、又は宿泊施設(当該新感染症のまん延を防止するため適当なものとして厚生労働省令で定める基準を満たすものに限る。)若しくは当該者の居宅 若しくはこれに相当する場所から外出しないこと その他の当該新感染症の感染の防止に必要な協力を求めることができる。
前二項の規定により報告を求められた者は、正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならず、
前二項の規定により協力を求められた者は、これに応ずるよう努めなければならない。
第四十四条の三第四項の規定は都道府県知事が第一項の規定により報告を求める場合について、同条第五項の規定は都道府県知事が第二項の規定により報告を求める場合について、同条第六項の規定は都道府県知事が第一項 又は第二項の規定により報告を求める場合について、同条第七項から第十項までの規定は都道府県知事が第一項 又は第二項の規定により協力を求める場合について、同条第十一項の規定は都道府県知事が第二項の規定により協力を求める場合について、それぞれ準用する。
この場合において、
同条第十項中
「新型インフルエンザ等感染症に」とあるのは
「新感染症に」と、
「第二項」とあるのは
「第五十条の二第二項」と、
同項 及び同条第十一項中
「新型インフルエンザ等感染症の患者」とあるのは
「新感染症の所見がある者」と、
同項中
「同項」とあるのは
「第五十条の二第二項」と、
「当該感染症」とあるのは
「当該新感染症」と、
「宿泊施設」とあるのは
「同項に規定する宿泊施設」と
読み替えるものとする。
都道府県は、厚生労働省令で定める場合を除き、その区域内に居住する前条第二項の規定により宿泊施設 若しくは居宅 若しくはこれに相当する場所から外出しないことの協力を求められた新感染症の所見がある者(以下「新感染症外出自粛対象者」という。)又はその保護者から申請があったときは、当該新感染症外出自粛対象者が第二種協定指定医療機関から受ける厚生労働省令で定める医療に要する費用を負担する。
第三十七条第二項の規定は前項の負担について、同条第四項の規定は前項の申請について、第四十条、第四十一条 及び第四十三条の規定は同項の場合について、それぞれ準用する。
都道府県は、厚生労働省令で定める場合を除き、その区域内に居住する新感染症外出自粛対象者が、緊急 その他やむを得ない理由により、第二種協定指定医療機関以外の病院 若しくは診療所 又は薬局から前条第一項の厚生労働省令で定める医療を受けた場合においては、その医療に要した費用につき、当該新感染症外出自粛対象者 又はその保護者の申請により、同項の規定によって負担する額の例により算定した額の療養費を支給することができる。
当該新感染症外出自粛対象者が第二種協定指定医療機関から同項の厚生労働省令で定める医療を受けた場合において、当該医療が緊急 その他やむを得ない理由により同項の申請をしないで行われたものであるときも、同様とする。
第三十七条第四項の規定は、前項の申請について準用する。
第一項の療養費は、当該新感染症外出自粛対象者が当該医療を受けた当時それが必要であったと認められる場合に限り、支給するものとする。
前二条に規定するもののほか、第五十条の三第一項の申請の手続 その他この章で規定する費用の負担に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
厚生労働大臣は、第四十四条の十第一項の規定による公表を行ったときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、新感染症の性質 及び当該新感染症にかかった場合の病状の程度に係る情報 その他の必要な情報を収集するため必要があると認めるときは、感染症指定医療機関の管理者 その他厚生労働省令で定める者に対し、当該新感染症の所見がある者の検体 又は当該新感染症の病原体の全部 又は一部の提出を要請することができる。
厚生労働大臣は、前項の規定による要請をしたときは、その旨を当該要請を受けた者の所在地を管轄する都道府県知事(その所在地が保健所設置市等の区域内にある場合にあっては、その所在地を管轄する保健所設置市等の長。次項 及び第五項において同じ。)に通知するものとする。
第一項の規定による要請を受けた者は、同項の検体 又は病原体の全部 又は一部を所持している又は所持することとなったときは、直ちに、都道府県知事にこれを提出しなければならない。
第二項に規定する都道府県知事は、前項の規定により検体 又は病原体の提出を受けたときは、直ちに、厚生労働省令で定めるところにより、当該検体 又は病原体について検査を実施し、その結果を、電磁的方法により厚生労働大臣(保健所設置市等の長にあっては、厚生労働大臣 及び当該保健所設置市等の区域を管轄する都道府県知事)に報告しなければならない。
厚生労働大臣は、自ら検査を実施する必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第三項の規定により提出を受けた検体 又は病原体の全部 又は一部の提出を求めることができる。
第二十六条の三第一項 及び第三項の規定は、第一項の規定による要請に応じない者について準用する。
この場合において、
同条第一項中
「一類感染症、二類感染症 又は新型インフルエンザ等感染症」とあるのは
「新感染症」と、
同項 及び同条第三項中
「当該各号に定める検体 又は感染症」とあるのは
「新感染症の所見がある者の検体 又は新感染症」と
読み替えるものとする。
厚生労働省令で定める感染症指定医療機関の医師は、第四十六条の規定により入院している新感染症の所見がある者が退院し、又は死亡したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該者について厚生労働省令で定める事項を、電磁的方法により当該感染症指定医療機関の所在地を管轄する都道府県知事 及び厚生労働大臣(その所在地が保健所設置市等の区域内にある場合にあっては、その所在地を管轄する保健所設置市等の長、都道府県知事 及び厚生労働大臣)に届け出なければならない。
都道府県知事は、第四十四条の十一第一項、第四十五条第一項、第四十六条第一項、第三項 若しくは第四項、第四十七条 若しくは第四十八条第一項 若しくは第四項に規定する措置 又は第五十条第一項の規定により第二十六条の三第一項、第二十六条の四第一項、第二十七条から第三十三条まで 若しくは第三十五条第一項に規定する措置を実施し、又は当該職員に実施させようとする場合には、あらかじめ、当該措置の内容 及び当該措置を実施する時期 その他厚生労働省令で定める事項を厚生労働大臣に通報し、厚生労働大臣と密接な連携を図った上で当該措置を講じなければならない。
厚生労働大臣は、前項の規定による通報を受けたときは、第四十四条の十一から第四十八条まで 及び第五十条第一項に規定する措置を適正なものとするため、当該都道府県知事に対して技術的な指導 及び助言をしなければならない。
厚生労働大臣は、前項の規定により都道府県知事に対して技術的な指導 及び助言をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
前三項の規定は、市町村長が第五十条第十項の規定により第三十五条第五項において準用する同条第一項に規定する措置を当該職員に実施させる場合について準用する。
都道府県知事は、第四十四条の十第一項の規定による公表が行われたときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、当該都道府県知事の行う新感染症の所見がある者に対する医療を担当する医師、看護師 その他の医療従事者(以下この条 及び次条において「新感染症医療担当従事者」という。)又は当該都道府県知事の行う当該新感染症の発生を予防し、及びそのまん延を防止するための医療を提供する体制の確保に係る業務に従事する医師、看護師 その他の医療関係者(新感染症医療担当従事者を除く。以下この条 及び次条において「新感染症予防等業務関係者」という。)の確保に係る応援を他の都道府県知事に対し求めることができる。
都道府県知事は、第四十四条の十第一項の規定による公表が行われたときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、次の各号のいずれにも該当するときは、厚生労働大臣に対し、新感染症医療担当従事者の確保に係る他の都道府県知事による応援について調整を行うよう求めることができる。
当該都道府県において、第三十六条の二第一項の規定による通知(同項第五号に掲げる措置をその内容に含むものに限る。)に基づく措置 及び医療措置協定(同号に掲げる措置をその内容に含むものに限る。)を締結した医療機関が行う当該医療措置協定に基づく措置が適切に講じられてもなお新感染症医療担当従事者の確保が困難であり、当該都道府県における医療の提供に支障が生じ、又は生じるおそれがあると認めること。
前項の規定による求めのみによっては新感染症医療担当従事者の確保に係る他の都道府県知事による応援が円滑に実施されないと認めること。
前項の規定によるほか、都道府県知事は、第四十四条の十第一項の規定による公表が行われたときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、新感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため特に必要があると認め、かつ、第一項の規定による求めのみによっては新感染症予防等業務関係者の確保に係る他の都道府県知事による応援が円滑に実施されないと認めるときは、厚生労働大臣に対し、新感染症予防等業務関係者の確保に係る他の都道府県知事による応援について調整を行うよう求めることができる。
厚生労働大臣は、前二項の規定により都道府県知事から応援の調整の求めがあった場合において、全国的な新感染症の発生の状況 及び動向 その他の事情 並びに第三十六条の五第四項の規定による報告の内容 その他の事項を総合的に勘案し特に必要があると認めるときは、当該都道府県知事以外の都道府県知事に対し、当該都道府県知事の行う新感染症医療担当従事者 又は新感染症予防等業務関係者の確保に係る応援を求めることができる。
前項の規定によるほか、厚生労働大臣は、第四十四条の十第一項の規定による公表を行ったときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、全国的な新感染症の発生の状況 及び動向 その他の事情を総合的に勘案し、新感染症のまん延を防止するため、広域的な人材の確保に係る応援の調整の緊急の必要があると認めるときは、第二項 又は第三項の規定による応援の調整の求めがない場合であっても、都道府県知事に対し、新感染症医療担当従事者 又は新感染症予防等業務関係者の確保に係る応援を求めることができる。
厚生労働大臣は、第四十四条の十第一項の規定による公表を行ったときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、全国的な新感染症の発生の状況 及び動向 その他の事情を総合的に勘案し、新感染症のまん延を防止するため、その事態に照らし、広域的な人材の確保に係る応援について特に緊急の必要があると認めるときは、公的医療機関等 その他厚生労働省令で定める医療機関に対し、厚生労働省令で定めるところにより、新感染症医療担当従事者 又は新感染症予防等業務関係者の確保に係る応援を求めることができる。
この場合において、応援を求められた医療機関は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。
前条の規定により他の都道府県知事 又は公的医療機関等 その他同条第六項の厚生労働省令で定める医療機関による新感染症医療担当従事者 又は新感染症予防等業務関係者の確保に係る応援を受けた都道府県は、当該応援に要した費用を負担しなければならない。
厚生労働大臣は、第四十四条の十第一項の規定による公表を行ったときから第五十三条第一項の政令が廃止されるまでの間、都道府県の区域を越えて新感染症の予防に関する人材の確保 又は第四十七条の規定による移送を行う必要がある場合 その他当該新感染症のまん延を防止するため必要があると認めるときは、都道府県知事 又は医療機関 その他の関係者に対し、都道府県知事 又は医療機関 その他の関係者が実施する当該新感染症のまん延を防止するために必要な措置に関する総合調整を行うものとする。
都道府県知事は、必要があると認めるときは、厚生労働大臣に対し、当該都道府県知事 及び他の都道府県知事 又は医療機関 その他の関係者について、前項の規定による総合調整を行うよう要請することができる。この場合において、厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、同項の規定による総合調整を行わなければならない。
第四十四条の五第三項から第五項までの規定は、第一項の規定による総合調整について準用する。
厚生労働大臣は、第一項の規定による総合調整を行おうとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
前項ただし書に規定する場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その行った総合調整について厚生科学審議会に報告しなければならない。
厚生労働大臣は、新感染症の発生を予防し、若しくはそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるとき、又は都道府県知事がこの章の規定に違反し、若しくはこの章の規定に基づく事務の管理 若しくは執行を怠っている場合において、新感染症の発生を予防し、若しくはその全国的かつ急速なまん延を防止するため特に必要があると認めるときは、当該都道府県知事に対し、第四十四条の十一第一項、第四十五条第一項、第四十六条第一項、第三項 若しくは第四項、第四十七条、第四十八条第一項 若しくは第四項、第五十条第一項 又は第五十条の二第一項 若しくは第二項の規定により都道府県知事が行う事務に関し必要な指示をすることができる。
厚生労働大臣は、前項の規定により都道府県知事に対して指示をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
ただし、緊急を要する場合で、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴くいとまがないときは、この限りでない。
前項ただし書に規定する場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その指示した措置について厚生科学審議会に報告しなければならない。
都道府県知事は、第四十四条の十一第一項 若しくは第三項 若しくは第四十五条から第四十八条までに規定する措置 若しくは第五十条第一項の規定により第二十六条の三第一項 若しくは第三項、第二十六条の四第一項 若しくは第三項、第二十七条から第三十三条まで 若しくは第三十五条第一項に規定する措置を実施し、若しくは当該職員に実施させた場合 又は第五十条の二第一項 若しくは第二項の規定による事務を行った場合は、その内容 及びその後の経過を逐次厚生労働大臣に報告しなければならない。
前項の規定は、市町村長が、第五十条第十項に規定する措置を当該職員に実施させた場合について準用する。
国は、新感染症に係る情報の収集 及び分析により、当該新感染症の固有の病状 及びまん延の防止のために講ずべき措置を示すことができるようになったときは、速やかに、政令で定めるところにより、新感染症 及び新感染症の所見がある者を一年以内の政令で定める期間に限り、それぞれ、一類感染症 及び一類感染症の患者とみなして第三章から第六章(第一節 及び第二節を除く。)まで、第十章、第十三章 及び第十四章の規定の全部 又は一部を適用する措置を講じなければならない。
前項の政令で定められた期間は、当該政令で定められた新感染症について同項の政令により適用することとされた規定を当該期間の経過後なお適用することが特に必要であると認められる場合は、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができる。
当該延長に係る政令で定める期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
厚生労働大臣は、前二項の政令の制定 又は改廃の立案をしようとするときは、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。