この章 及び第五十八条の二十四第一項において「訪問購入」とは、物品の購入を業として営む者(以下「購入業者」という。)が営業所等以外の場所において、売買契約の申込みを受け、又は売買契約を締結して行う物品(当該売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる物品 又はこの章の規定の適用を受けることとされた場合に流通が著しく害されるおそれがあると認められる物品であつて、政令で定めるものを除く。以下この章、同項 及び第六十七条第一項において同じ。)の購入をいう。
特定商取引に関する法律
第五章の二 訪問購入
購入業者は、訪問購入をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、購入業者の氏名 又は名称、売買契約の締結について勧誘をする目的である旨 及び当該勧誘に係る物品の種類を明らかにしなければならない。
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、営業所等以外の場所において、当該売買契約の締結について勧誘をし、又は勧誘を受ける意思の有無を確認してはならない。
購入業者は、訪問購入をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、勧誘を受ける意思があることを確認することをしないで勧誘をしてはならない。
購入業者は、訪問購入に係る売買契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約の締結について勧誘をしてはならない。
購入業者は、営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受けたときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。
ただし、その申込みを受けた際 その売買契約を締結した場合においては、この限りでない。
物品の代金の支払の時期 及び方法
物品の引渡時期 及び引渡しの方法
第五十八条の十四第一項の規定による売買契約の申込みの撤回 又は売買契約の解除に関する事項(同条第二項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
第五十八条の十五の規定による物品の引渡しの拒絶に関する事項
前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
購入業者は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該購入業者は、当該書面を交付したものとみなす。
前項前段の規定による書面に記載すべき事項の電磁的方法(主務省令で定める方法を除く。)による提供は、当該申込みをした者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該申込みをした者に到達したものとみなす。
購入業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条第一項ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、主務省令で定めるところにより、同項各号の事項(同項第五号の事項については、売買契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約の内容を明らかにする書面をその売買契約の相手方に交付しなければならない。
営業所等以外の場所において、物品につき売買契約を締結したとき(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約を締結したときを除く。)。
営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約を締結したとき。
購入業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約を締結した際に、代金を支払い、かつ、物品の引渡しを受けたときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、前条第一項第一号 及び第二号の事項 並びに同項第五号の事項のうち売買契約の解除に関する事項 その他主務省令で定める事項を記載した書面をその売買契約の相手方に交付しなければならない。
前条第二項 及び第三項の規定は、前二項の規定による書面の交付について準用する。
この場合において、
同条第二項 及び第三項中
「申込みをした者」とあるのは、
「売買契約の相手方」と
読み替えるものとする。
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の相手方から直接物品の引渡しを受ける時は、その売買契約の相手方に対し、第五十八条の十四第一項ただし書に規定する場合を除き、当該物品の引渡しを拒むことができる旨を告げなければならない。
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問購入に係る売買契約の申込みの撤回 若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
物品の種類 及びその性能 又は品質 その他これらに類するものとして主務省令で定める事項
当該売買契約の申込みの撤回 又は当該売買契約の解除に関する事項(第五十八条の十四第一項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
第五十八条の十五の規定による物品の引渡しの拒絶に関する事項
顧客が当該売買契約の締結を必要とする事情に関する事項
前各号に掲げるもののほか、当該売買契約に関する事項であつて、顧客 又は売買契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第六号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
購入業者は、訪問購入に係る売買契約を締結させ、又は訪問購入に係る売買契約の申込みの撤回 若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
購入業者は、訪問購入に係る物品の引渡しを受けるため、物品の引渡時期 その他物品の引渡しに関する事項であつて、売買契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
購入業者は、訪問購入に係る物品の引渡しを受けるため、人を威迫して困惑させてはならない。
購入業者は、第五十八条の八第一項各号のいずれかに該当する売買契約の相手方から物品の引渡しを受けた後に、第三者に当該物品を引き渡したときは、第五十八条の十四第一項ただし書に規定する場合を除き、その旨 及びその引渡しに関する事項として主務省令で定める事項を、遅滞なく、その売買契約の相手方に通知しなければならない。
購入業者は、第五十八条の八第一項各号のいずれかに該当する売買契約の相手方から物品の引渡しを受けた後に、第五十八条の十四第一項ただし書に規定する場合以外の場合において第三者に当該物品を引き渡すときは、主務省令で定めるところにより、同項の規定により当該物品の売買契約が解除された旨 又は解除されることがある旨を、その第三者に通知しなければならない。
主務大臣は、購入業者が第五十八条の五、第五十八条の六、第五十八条の七第一項、第五十八条の八第一項 若しくは第二項 若しくは第五十八条の九から前条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問購入に係る取引の公正 及び売買契約の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その購入業者に対し、当該違反 又は当該行為の是正のための措置、売買契約の相手方の利益の保護を図るための措置 その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる。
訪問購入に係る売買契約に基づく債務 又は訪問購入に係る売買契約の解除によつて生ずる債務の全部 又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
訪問購入に係る売買契約の締結について勧誘をするに際し、当該売買契約に関する事項であつて、顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第五十八条の十第一項第一号から第六号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
訪問購入に係る売買契約の申込みの撤回 又は解除を妨げるため、当該売買契約に関する事項であつて、顧客 又は売買契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げないこと。
前三号に掲げるもののほか、訪問購入に関する行為であつて、訪問購入に係る取引の公正 及び売買契約の相手方の利益を害するおそれがあるものとして主務省令で定めるもの
主務大臣は、前項の規定による指示をしたときは、その旨を公表しなければならない。
主務大臣は、購入業者が第五十八条の五、第五十八条の六、第五十八条の七第一項、第五十八条の八第一項 若しくは第二項 若しくは第五十八条の九から第五十八条の十一の二までの規定に違反し 若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において訪問購入に係る取引の公正 及び売買契約の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は購入業者が同項の規定による指示に従わないときは、その購入業者に対し、二年以内の期間を限り、訪問購入に関する業務の全部 又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
この場合において、主務大臣は、その購入業者が個人である場合にあつては、その者に対して、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、当該停止を命ずる範囲の業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることの禁止を併せて命ずることができる。
主務大臣は、前項前段の規定により業務の停止を命ずる場合において、当該購入業者が個人であり、かつ、その特定関係法人(購入業者 又はその役員 若しくはその使用人(当該命令の日前一年以内において役員 又は使用人であつた者を含む。次条第二項において同じ。)が事業経営を実質的に支配する法人 その他の政令で定める法人をいう。以下この項 及び同条第二項第一号において同じ。)において、当該停止を命ずる範囲の業務と同一の業務を行つていると認められるときは、当該購入業者に対して、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、その特定関係法人で行つている当該同一の業務を停止すべきことを命ずることができる。
主務大臣は、前二項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
主務大臣は、購入業者に対して前条第一項前段の規定により業務の停止を命ずる場合において、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が当該命令の理由となつた事実 及び当該事実に関してその者が有していた責任の程度を考慮して当該命令の実効性を確保するためにその者による訪問購入に関する業務を制限することが相当と認められる者として主務省令で定める者に該当するときは、その者に対して、当該停止を命ずる期間と同一の期間を定めて、当該停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)の禁止を命ずることができる。
当該購入業者が法人である場合
その役員 及び当該命令の日前一年以内においてその役員であつた者 並びにその使用人 及び当該命令の日前一年以内においてその使用人であつた者
当該購入業者が個人である場合
その使用人 及び当該命令の日前一年以内においてその使用人であつた者
主務大臣は、前項の規定により業務の禁止を命ずる役員 又は使用人が、次の各号に掲げる者に該当するときは、当該役員 又は当該使用人に対して、当該禁止を命ずる期間と同一の期間を定めて、その行つている当該各号に規定する同一の業務を停止すべきことを命ずることができる。
主務大臣は、前二項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者 又は購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約を締結した場合を除く。)におけるその売買契約の相手方(以下この条 及び次条において「申込者等」という。)は、書面 又は電磁的記録によりその売買契約の申込みの撤回 又はその売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
ただし、申込者等が第五十八条の八第一項 又は第二項の書面を受領した日(その日前に第五十八条の七第一項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過した場合(申込者等が、購入業者が第五十八条の十第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は購入業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該購入業者が主務省令で定めるところにより当該売買契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した場合)においては、この限りでない。
申込者等である売買契約の相手方は、第一項の規定による売買契約の解除をもつて、第三者に対抗することができる。
ただし、第三者が善意であり、かつ、過失がないときは、この限りでない。
申込みの撤回等があつた場合においては、購入業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償 又は違約金の支払を請求することができない。
申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る代金の支払が既にされているときは、その代金の返還に要する費用 及びその利息は、購入業者の負担とする。
前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
申込者等である売買契約の相手方は、前条第一項ただし書に規定する場合を除き、引渡しの期日の定めがあるときにおいても、購入業者 及びその承継人に対し、訪問購入に係る物品の引渡しを拒むことができる。
購入業者は、第五十八条の八第一項各号のいずれかに該当する売買契約の締結をした場合において、その売買契約が解除されたときは、損害賠償額の予定 又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払をその売買契約の相手方に対して請求することができない。
当該売買契約の解除が当該売買契約についての代金の支払後である場合
当該代金に相当する額 及びその利息
当該売買契約の解除が当該売買契約についての代金の支払前である場合
契約の締結 及び履行のために通常要する費用の額
購入業者は、第五十八条の八第一項各号のいずれかに該当する売買契約の締結をした場合において、その売買契約についての物品の引渡しの義務が履行されない場合(売買契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定 又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払をその売買契約の相手方に対して請求することができない。
履行期限後に当該物品が引き渡された場合
当該物品の通常の使用料の額(当該物品の購入価格に相当する額から当該物品の引渡しの時における価額を控除した額が通常の使用料の額を超えるときは、その額)
当該物品が引き渡されない場合
当該物品の購入価格に相当する額
この章の規定は、次の訪問購入については、適用しない。
売買契約で、第五十八条の四に規定する売買契約の申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又はその売買契約の相手方が営業のために若しくは営業として締結するものに係る訪問購入
次の団体がその直接 又は間接の構成員に対して行う訪問購入(その団体が構成員以外の者にその事業 又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う訪問購入を含む。)
特別の法律に基づいて設立された組合 並びにその連合会 及び中央会
国家公務員法第百八条の二 又は地方公務員法第五十二条の団体
労働組合
第五十八条の六第一項 及び第五十八条の七から前条までの規定は、次の訪問購入については、適用しない。
その住居において売買契約の申込みをし 又は売買契約を締結することを請求した者に対して行う訪問購入
購入業者がその営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受け 又は売買契約を締結することが通例であり、かつ、通常売買契約の相手方の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問購入