航空法

# 昭和二十七年法律第二百三十一号 #

第二節 無人航空機の安全性

分類 法律
カテゴリ   航空
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号
最終編集日 : 2024年 11月08日 11時23分


第一款 機体認証等

1項

国土交通大臣は、申請により、無人航空機について機体認証を行う。

2項

前項の機体認証(以下単に「機体認証」という。)は、次の各号に掲げる認証の区分に応じ、当該各号に定める飛行を行うことを目的とする無人航空機について行う。

一 号

第一種機体認証

第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講ずることなく行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

二 号

第二種機体認証

第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講じた上で行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

3項

国土交通大臣は、機体認証を行うときは、当該機体認証に係る無人航空機の使用の条件を、国土交通省令で定めるところにより指定する。

4項

国土交通大臣は、第一項の申請があつたときは、当該無人航空機が国土交通省令で定める安全性を確保するための強度、構造 及び性能についての基準(以下「安全基準」という。)に適合するかどうかを設計、製造過程 及び現状について検査し、安全基準に適合すると認めるときは、機体認証をしなければならない。

5項

前項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、次に掲げる無人航空機については、第一種機体認証に係る同項の検査の一部を行わないことができる。

一 号

第百三十二条の十六第二項第一号の第一種型式認証を受けた型式の無人航空機(初めて第一種機体認証を受けようとするものに限る

二 号

第一種機体認証を受けたことのある無人航空機

6項

第四項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、次に掲げる無人航空機については、第二種機体認証に係る同項の検査の全部 又は一部を行わないことができる。

一 号

第百三十二条の十六第二項第二号の第二種型式認証を受けた型式の無人航空機(初めて第二種機体認証を受けようとするものに限る

二 号

第二種機体認証を受けたことのある無人航空機

7項

機体認証は、申請者に機体認証書を交付することによつて行う。

8項

国土交通大臣は、機体認証を行つたときは、当該無人航空機に国土交通省令で定める表示を付さなければならない。


ただし、国土交通省令で定めるところにより当該無人航空機が機体認証を受けたことを識別するための措置が講じられる場合には、この限りでない。

9項

何人も、前項の規定により表示を付する場合を除くほか、無人航空機に同項の表示 又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

10項

国土交通大臣は、機体認証の有効期間を定めるものとする。

1項

機体認証を受けた無人航空機を飛行させる者は、前条第三項の規定により指定された使用の条件(次条第二項の規定により変更された場合にあつては、その変更後の条件)の範囲内でなければ、第百三十二条の八十七に規定する特定飛行を行つてはならない。


ただし第百三十二条の八十五第四項 及び第百三十二条の八十六第五項に該当する場合は、この限りでない。

2項

機体認証を受けた無人航空機の使用者は、必要な整備をすることにより、当該無人航空機を安全基準に適合するように維持しなければならない。

1項

国土交通大臣は、機体認証を受けた無人航空機が安全基準に適合せず、又は第百三十二条の十三第十項の有効期間を経過する前に安全基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該無人航空機の使用者に対し、安全基準に適合させるため、又は安全基準に適合しなくなるおそれをなくするために必要な整備 その他の措置を講ずべきことを命ずることができる。

2項

国土交通大臣は、機体認証を受けた無人航空機が安全基準に適合せず、又は第百三十二条の十三第十項の有効期間を経過する前に安全基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他無人航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該無人航空機の機体認証の効力を停止し、その有効期間を短縮し、又は第百三十二条の十三第三項の規定により指定した使用の条件を変更することができる。

1項

国土交通大臣は、申請により、無人航空機の型式の設計 及び製造過程について型式認証を行う。

2項

前項の型式認証(以下単に「型式認証」という。)は、次の各号に掲げる認証の区分に応じ、当該各号に定める飛行に資することを目的とする無人航空機の型式について行う。

一 号

第一種型式認証

第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講ずることなく行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

二 号

第二種型式認証

第百三十二条の八十五第一項に規定する立入管理措置を講じた上で行う第百三十二条の八十七に規定する特定飛行

3項

国土交通大臣は、第一項の申請があつたときは、その申請に係る型式の無人航空機が安全基準 及び均一性を確保するために必要なものとして国土交通省令で定める基準(以下「均一性基準」という。)に適合することとなると認めるときは、型式認証をしなければならない。

4項
型式認証は、申請者に型式認証書を交付することによつて行う。
5項

国土交通大臣は、型式認証をするときは、あらかじめ、経済産業大臣の意見を聴かなければならない。

6項

国土交通大臣は、型式認証の有効期間を定めるものとする。

1項

型式認証を受けた者は、当該型式の無人航空機の設計 又は製造過程の変更をしようとするときは、国土交通大臣の承認を受けなければならない。


安全基準 又は均一性基準の変更があつた場合において、型式認証を受けた型式の無人航空機が安全基準 又は均一性基準に適合しなくなつたことにより当該型式の無人航空機の設計 又は製造過程を変更しようとするときも、同様とする。

2項

国土交通大臣は、前項の承認の申請があつたときは、当該申請に係る設計 又は製造過程の変更後の型式の無人航空機が安全基準 及び均一性基準に適合することとなると認めるときは、その承認をしなければならない。

3項

前条第五項の規定は、国土交通大臣が第一項の承認をしようとする場合に準用する。

1項

型式認証 又は前条第一項の承認(以下「型式認証等」という。)を受けた者は、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機の製造をする場合においては、当該無人航空機がその型式認証等に係る型式に適合するようにしなければならない。

2項

型式認証等を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、その製造に係る個別の無人航空機について検査を行い、その検査記録を作成し、これを保存しなければならない。

1項

型式認証等を受けた者は、型式認証等を受けた型式の無人航空機について、前条第二項の規定による義務を履行したときは、当該無人航空機に国土交通省令で定める表示を付さなければならない。

2項

何人も、前項の規定により表示を付する場合を除くほか、無人航空機に同項の表示 又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

1項

型式認証等を受けた者は、国土交通省令で定めるところにより、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機の使用者に対し、当該無人航空機の整備をするに当たつて必要となる技術上の情報であつて国土交通省令で定めるものを提供しなければならない。

1項

型式認証等を受けた者は、当該型式認証等を受けた型式の無人航空機について、国土交通省令で定めるところにより、運輸安全委員会設置法第二条第二項に規定する航空事故等(無人航空機に係るものに限る)その他の無人航空機が安全基準に適合せず、又は安全基準に適合しなくなるおそれがあるものとして国土交通省令で定める事態に関する情報を収集し、国土交通大臣にこれを報告しなければならない。

1項

国土交通大臣は、型式認証等を受けた型式の無人航空機が安全基準 又は均一性基準に適合しないと認めるときは、当該型式認証等を受けた者に対し、安全基準 又は均一性基準に適合させるために必要な設計 又は製造過程の変更を命ずることができる。

2項

国土交通大臣は、型式認証等を受けた者が前項の規定による命令に違反したときは、当該型式認証等を取り消すことができる。

1項

機体認証書 及び型式認証書の様式、交付、再交付 及び返納に関する事項 その他機体認証 及び型式認証の実施細目は、国土交通省令で定める。

第二款 登録検査機関

1項

国土交通大臣は、国土交通省令で定めるところにより、その登録を受けた者(以下「登録検査機関」という。)に、機体認証 及び型式認証等に関する国土交通大臣の事務のうち、無人航空機が安全基準に適合するかどうかの検査 及び型式認証等を受けようとする型式の無人航空機が均一性基準に適合するかどうかの検査(以下「無人航空機検査」という。)の実施に関する事務(以下「無人航空機検査事務」という。)の全部 又は一部を行わせることができる。

1項

前条の登録は、無人航空機検査事務を行おうとする者の申請により行う。

1項

国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者(以下「登録申請者」という。)が次の各号に掲げる要件の全てに適合しているときは、その登録をしなければならない。


この場合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。

一 号

無人航空機検査事務を実施する者が、学校教育法昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学 若しくは高等専門学校において工学に関する学科 その他無人航空機に関する学科を修得して卒業した者(当該学科を修得して同法による専門職大学の前期課程を修了した者を含む。)又はこれと同等以上の学力を有する者であつて、通算して三年以上無人航空機の設計、製造過程 及び検査に関する実務の経験を有するものであり、かつ、その人数が二名以上であること。

二 号

登録申請者が、無人航空機の製造 又は輸入を業とする者(以下「無人航空機製造等事業者」という。)に支配されているものとして次のイからハまでいずれかに該当するものでないこと。

登録申請者が株式会社である場合にあつては、無人航空機製造等事業者がその親法人(会社法平成十七年法律第八十六号第八百七十九条第一項に規定する親法人をいう。)であること。

登録申請者の役員(持分会社(会社法第五百七十五条第一項に規定する持分会社をいう。)にあつては、業務を執行する社員)に占める無人航空機製造等事業者の役員 又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員 又は職員であつた者を含む。)の割合が二分の一を超えていること。

登録申請者(法人にあつては、その代表権を有する役員)が、無人航空機製造等事業者の役員 又は職員(過去二年間に当該無人航空機製造等事業者の役員 又は職員であつた者を含む。)であること。

2項

国土交通大臣は、登録申請者が、次の各号いずれかに該当するときは、第百三十二条の二十四の登録をしてはならない。

一 号

この法律 又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

二 号

第百三十二条の三十六の規定により第百三十二条の二十四の登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

三 号

法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号いずれかに該当する者があるもの

3項

第百三十二条の二十四の登録は、登録検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。

一 号
登録年月日 及び登録番号
二 号

登録を受けた者の氏名 又は名称 及び住所 並びに法人にあつては、その代表者の氏名

三 号

登録を受けた者が無人航空機検査事務を実施する事業所の名称 及び所在地

四 号

前三号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める事項

1項

第百三十二条の二十四の登録は、三年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

2項

前二条の規定は、前項の登録の更新について準用する。

1項

登録検査機関は、無人航空機検査を実施することを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、無人航空機検査を実施しなければならない。

2項

登録検査機関は、公正に、かつ、国土交通省令で定める基準に適合する方法により無人航空機検査を実施しなければならない。

1項

登録検査機関は、第百三十二条の二十六第三項第二号から第四号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、その二週間前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。

1項

登録検査機関は、無人航空機検査事務の開始前に、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務の実施に関する規程(次項第百三十二条の三十五第二項 及び第百三十二条の三十六第二項第二号において「無人航空機検査事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。


これを変更しようとするときも、同様とする。

2項

無人航空機検査事務規程には、無人航空機検査の実施方法、無人航空機検査に関する料金の算定方法 その他の国土交通省令で定める事項を定めておかなければならない。

1項

登録検査機関は、国土交通大臣の許可を受けなければ、無人航空機検査事務の全部 又は一部を休止し、又は廃止してはならない。

1項

登録検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、当該事業年度の財産目録、貸借対照表 及び損益計算書 又は収支計算書 並びに事業報告書(その作成に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下「財務諸表等」という。)を作成し、五年間事業所に備えて置かなければならない。

2項

無人航空機製造等事業者 その他の利害関係人は、登録検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。


ただし第二号 又は第四号の請求をするには、登録検査機関の定めた費用を支払わなければならない。

一 号

財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求

二 号

前号の書面の謄本 又は抄本の請求

三 号

財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を国土交通省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

四 号

前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することの請求 又は当該事項を記載した書面の交付の請求

1項

登録検査機関の役員 若しくは職員 又はこれらの職にあつた者は、その無人航空機検査事務に関し知り得た秘密を漏らしてはならない。

2項

無人航空機検査事務に従事する登録検査機関の役員 又は職員は、刑法明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

1項

国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第一項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該登録検査機関に対し、当該要件に適合するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

1項

国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十八の規定に違反していると認めるときは、当該登録検査機関に対し、無人航空機検査を実施すべきこと 又は無人航空機検査の方法の改善に関し必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

2項

国土交通大臣は、第百三十二条の三十第一項の認可をした無人航空機検査事務規程が無人航空機検査事務の公正な実施上不適当となつたと認めるときは、当該無人航空機検査事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

1項

国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の二十六第二項第一号 又は第三号に該当するに至つたときは、第百三十二条の二十四の登録を取り消さなければならない。

2項
国土交通大臣は、登録検査機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて無人航空機検査事務の全部 若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 号

第百三十二条の二十九から第百三十二条の三十一まで第百三十二条の三十二第一項第百三十二条の三十三第一項 又は次条の規定に違反したとき。

二 号

第百三十二条の三十第一項の規定により認可を受けた無人航空機検査事務規程によらないで無人航空機検査事務を実施したとき。

三 号

正当な理由がないのに第百三十二条の三十二第二項の規定による請求を拒んだとき。

四 号

前二条の規定による命令に違反したとき。

五 号

不正の手段により第百三十二条の二十四の登録を受けたとき。

1項

登録検査機関は、国土交通省令で定めるところにより、無人航空機検査事務に関し国土交通省令で定める事項を帳簿に記載し、これを保存しなければならない。

1項

国土交通大臣は、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を休止したとき、第百三十二条の三十六第二項の規定により登録検査機関に対し無人航空機検査事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき、又は登録検査機関が天災 その他の事由によりその無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、その無人航空機検査事務の全部 又は一部を自ら行うことができる。

2項

国土交通大臣が前項の規定により無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を自ら行う場合、登録検査機関が第百三十二条の三十一の許可を受けてその無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を廃止する場合 又は国土交通大臣が第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消した場合における無人航空機検査事務の引継ぎ その他の必要な事項は、国土交通省令で定める。

1項

国土交通大臣は、次に掲げる場合には、その旨を官報に公示しなければならない。

一 号

第百三十二条の二十四の登録をしたとき。

二 号

第百三十二条の二十九の規定による届出があつたとき。

三 号

第百三十二条の三十一の許可をしたとき。

四 号

第百三十二条の三十六の規定により登録を取り消し、又は同条第二項の規定により無人航空機検査事務の全部 若しくは一部の停止を命じたとき。

五 号

前条第一項の規定により国土交通大臣が無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を自ら行うこととするとき、又は自ら行つていた無人航空機検査事務の全部 若しくは一部を行わないこととするとき。