政府は、次に掲げる方針に従い、国の行政組織 並びに事務 及び事業の減量、その運営の効率化 並びに国が果たす役割の重点化(第五十三条第三号において「国の行政組織等の減量、効率化等」という。)を積極的かつ計画的に推進し、その具体化のための措置を講ずるものとする。
第一節 国の行政組織等の減量、効率化等の推進方針
前号の見直しの結果、民間事業への転換、民間 若しくは地方公共団体への移譲 又は廃止を行わないこととされた事務 及び事業のうち、政策の実施に係るものについては、第三十六条に規定する独立行政法人の活用等を進め、その自律的 及び効率的な運営を図ること。
国の規制の撤廃 又は緩和、国の補助金等(財政構造改革の推進に関する特別措置法(平成九年法律第百九号)第三十四条に規定する補助金等をいう。以下同じ。)の削減 又は合理化 その他行政の在り方の見直しを進め、民間 及び地方公共団体に対する国の関与の縮減を図ること。
第二節 現業の改革
政府は、次に掲げる方針に従い、総務省に置かれる郵政事業庁の所掌に係る事務を一体的に遂行する国営の新たな公社(以下「郵政公社」という。)を設立するために必要な措置を講ずるものとする。
郵政公社は、第十七条第七号ロに定めるところによる移行の時に、法律により直接に設立されるものとすること。
前各号に掲げる措置により民営化等の見直しは行わないものとすること。
職員の定員については、行政機関の職員の定員に関する法律(昭和四十四年法律第三十三号)及び同法に基づく政令による管理の対象としないこと。
第三節 独立行政法人制度の創設等
政府は、国民生活 及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務 及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要はないが、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるか、又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものについて、これを効率的かつ効果的に行わせるにふさわしい自律性、自発性 及び透明性を備えた法人(以下「独立行政法人」という。)の制度を設けるものとする。
それぞれの独立行政法人を所管する大臣(次条において「所管大臣」という。)が独立行政法人に対し監督 その他の関与を行うことができる事項は、法令において定めるものに限るものとする。
所管大臣は、三年以上 五年以下の期間を定め、当該期間において当該独立行政法人が達成すべき業務運営の効率化、国民に対して提供するサービス等の質の向上、財務内容の改善 その他の業務運営に関する目標(次号において「中期目標」という。)を設定するものとすること。
独立行政法人は、中期目標を達成するための計画(以下「中期計画」という。)及び中期計画の期間中の各事業年度の業務運営に関する計画(第七号において「年度計画」という。)を策定し、実施するものとすること。
独立行政法人の業務の実績に関する評価が、専門性 及び実践的な知見を踏まえ、客観的かつ中立公正に行われるようにするため、府省に、当該評価の基準の作成 及びこれに基づく評価等を行うための委員会を置くとともに、総務省に、府省に置かれる委員会の実施した評価の結果に関する意見の表明、独立行政法人の主要な事務 及び事業の改廃の勧告等を行う委員会を置くものとする。
団結する権利 及び団体交渉を行う権利(労働協約を締結する権利を含む。)を有するものとし、争議行為をしてはならないものとすること。
定員については、行政機関の職員の定員に関する法律 その他の法令に基づく管理の対象としないものとするとともに、職員の数については、毎年、政府が国会に対して報告するものとすること。
政府は、特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人(総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十九号)第四条第十一号の規定の適用を受けない法人を除く。第五十九条第一項において「特殊法人」という。)について、中央省庁等改革の趣旨を踏まえ、その整理 及び合理化を進めるものとする。
第四節 その他の見直し
政府は、施設等機関について、国として必要なもの以外のものについては、民間 若しくは地方公共団体への移譲 又は廃止を推進するほか、その必要性が認められるものについても、府省の編成に併せてその統合を推進するとともに、各施設等機関の性格に応じて独立行政法人への移行を検討するものとする。
政府は、国立病院 及び国立療養所に関し、国の医療政策として行うこととされてきた医療について、真に国として担うべきものに特化することとし、かかる機能を担う機関以外の機関の民間 若しくは地方公共団体への移譲、統合 又は廃止を推進すること等により、その再編成を一層促進するとともに、国として担うべき医療を行う機関の間の緊密な連携を阻害しないよう留意しつつ、高度かつ専門的な医療センター、ハンセン病療養所等特に必要があるものを除き、独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うものとする。
その活動の自律性、柔軟性 及び競争性を高めることを基本とし、その管理運営の仕組みの改善 及び評価体制の確立を図るとともに、政策研究等の国が直接に実施する必要のある業務を行う機関以外の機関は、原則として独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うこと。
政府は、検査検定機関について、その事業の必要性を厳しく見直し、民間への移譲 及び廃止を推進するとともに、府省の編成に併せてその統合を推進するものとする。
この場合において、事業の性質に応じて独立行政法人への移行を検討するとともに、国の事業として行うものについても、できる限り外部への委託を進め、その効率化を図るものとする。
政府は、文教研修施設(国立学校を除く。)及び作業施設について、国の行政機関としての必要性を見直し、その結果に基づき、民間事業への転換をはじめ、民間 若しくは地方公共団体への移譲 若しくは廃止 又は府省の編成に併せた統合を推進するほか、行政機関の職員のみを対象とする研修施設以外のものの独立行政法人への移行等により、その運営の効率化を図るものとする。
前二号の地方支分部局以外の地方支分部局は、可能な限り、整理すること。
府省の長は、イに規定する権限の委任を受けた地方支分部局の長がその判断で事業の決定 及び執行を行うことができるよう、各地方支分部局ごとに所要の予算額を一括して配分すること。
この場合において、併せて、各事業間 及び各地方支分部局間における調整を円滑に行うための措置を講ずること。
府省の編成の時において、府省の内部部局として置かれる官房 及び局の総数をできる限り九十に近い数とすること。
府省の編成の時において、府省、その外局 及び国家公安委員会に置かれる庁の内部部局に置かれる課 及びこれに準ずる室の総数(次号において「課等の総数」という。)を千程度とすること。
府省の編成以後の五年間において、課等の総数について、十分の一程度の削減を行うことを目標とし、できる限り九百に近い数とするよう努めること。
府省の編成に併せ、行政機関の職員の定員に関する法律を改正するための措置を執るとともに、国の行政機関の職員(法律で定数が定められている特別職の職員 及び国際平和協力隊の隊員を除く。)の定員について、十年間で少なくとも十分の一の削減を行うための新たな計画を策定した上、当該計画に沿った削減を進めつつ、郵政公社の設立 及び独立行政法人への移行により、その一層の削減を行うこと。